乳牛の放し飼いのススメ ~ アニマルウェルフェア(動物福祉)の推進

ページ番号2007093  更新日 令和5年7月13日

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 近年、家畜の快適性に配慮した飼育管理が求められており、令和5年6月に農林水産省からアニマルウェルフェア(AW)の指針の最終案が示されました。その中では、中小規模の酪農家で一般的な繋留飼養において、定期的に牛を放して運動をさせる機会を設けることが推奨されています。既に分娩前に運動を取り入れている酪農家では、改めてAWを言われるまでもなく周産期疾病が少ないことが知られています。

 一方で、多岐にわたる飼養環境の制約がある中で、どのように放し飼いを取り入れていけばよいのかといったノウハウは、これまで確立されていませんでした。そこで当所では、令和5年度から分娩前の搾乳を止める乾乳期に放し飼いをし、安全な出産ができるような飼養管理体系の確立をテーマとした研究に着手しました。

 令和4年度の予備調査では、季節や天候により運動に意欲的となる時間帯が異なることなどの知見が得られたところです。令和5年度は、現場で乾乳期の運動を取り入れている生産者の事例収集を行い、より多くの酪農家が実践できるような管理指標を作成することとしています。

  • 放牧による運動を実践中の写真

    放牧による運動の実践事例
    (令和5年4月、畜産研究所)

  • パドックによる運動の実践中の写真

    牛舎併設のパドックによる運動の実践事例
    (令和5年6月、畜産研究所)

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 専門研究員 荒谷 祐介)

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