県産小麦の更なる増収を目指して ~ 品種特性に応じた肥培管理のアップデート!

ページ番号2006970  更新日 令和5年5月23日

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 土壌肥料研究室では、県産小麦の増収に向けて融雪後の追肥時期の適正化に関する試験研究を行っています。現行の栽培暦では、雪解け後の「融雪期」に追肥するよう指導していますが、近年は冬期間の平均気温が高く推移することで雪解けが早まり、小麦の生育が早まる「暖冬年」に当たる年次が増えてきています。

 岩手県における暖冬年の肥培管理は明らかでないことや、過年度の試験結果から生育ステージに合わせた追肥により増収する傾向が認められたことから、令和5年度から新たに研究課題を起こしてセンター内ほ場と一関市の現地ほ場の2カ所で試験を行っています。

 また、前述の追肥試験と併行して、携帯型NDVIセンサ(写真1)や空撮画像を用いて小麦の生育量や窒素吸収量を判定することで、栄養診断に活用できないか予備的に調査しています。追肥時期の差異により植物群落や受光態勢がどう変化しているかを明らかにするため、空撮画像から生育の良否をマッピングしています(写真2)。

 昨今の国際情勢から、国産麦類・豆類の増産は喫緊の課題です。水田農業を担う大規模経営体の収益力向上に貢献できる技術開発を目指していきます。

  • NDVIセンサによる測定の様子の写真

    写真1 携帯型正規化植生指数「NDVI」センサによる測定の様子

  • 空撮画像から可視大気抵抗植生指数「VARI」によりマッピングした映像

    写真2 空撮画像から可視大気抵抗植生指数「VARI」によりマッピングしたもの

(生産環境研究部土壌肥料研究室 専門研究員 佐々木 俊祐)

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