側条二段施肥で高効率&省力化を両立 ~ 今シーズンも田植えが始まりました

ページ番号2006969  更新日 令和5年5月23日

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 土壌肥料研究室では、肥料価格の高騰や脱プラスチックの機運の高まりを受け、水稲の新たな施肥技術の開発に取り組んでいます。本年度は、家畜ふん堆肥の配合比を高めつつ生産コストを低減した有機質肥料や、プラスチック被膜を使わない緩効性肥料とともに、ペースト肥料側条二段施肥技術等の検討を行っています。

 現在、試験ほ場の田植えが始まっており、5月16日には側条二段施肥機による田植えを行いました(写真)。ペースト肥料側条二段施肥技術とは、田植機に施肥装置を搭載し、移植と同時に株の側方に液状肥料を施用する方法であり、施肥位置が上下二段になるのが特徴です。上段の肥料は、移植直後の苗の根圏付近に位置しており、稲の生育初期から吸収されることで、初期生育が確保できます。一方、下段の肥料は、根圏が施肥位置に到達してから吸収が始まるため、長期間に渡り肥効を維持することが可能です。

 このため、通常の全層施肥と比較して肥料の利用効率が高く、省力的な全量基肥一発施肥が実現することが期待されています。

 肥料メーカーとも連携しながら、この試験研究により、従来の施肥法と同等の生産力の維持と環境負荷の低減を両立させた技術開発を目指しています。

側条二段施肥機付き田植機による田植えの様子の写真
側条二段施肥機付き田植機による田植えの様子

(生産環境研究部土壌肥料研究室 専門研究員 佐々木 俊祐)

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