“たねやま牛”はタンパク強化肥育で成績グングン向上中!!

ページ番号2006946  更新日 令和5年5月22日

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 畜産研究所種山畜産研究室では、種雄牛候補の産肉能力を評価するため、毎年度、約20頭の黒毛和種去勢牛を肥育しています。

 当室の肥育管理の特徴は、牛の筋肉の発達を促すため、たんぱく質が豊富な大豆粕を割り増し給与することです。大豆粕は牛の筋肉が発達しやすい導入直後の約8カ月齢から18カ月齢まで給与します(人も筋肉を発達させるため、筋トレをした後に“プロテイン”を飲んだりしますよね)。

 大豆粕を給与する前後で肥育成績を比較すると、給与を開始した平成30年度以降の枝肉成績が大きく向上しています(図1、2)。

 また、令和3年度からは、飼料給与量について、それまで肥育牛の月齢に応じて一律としていたものを、4週間に1度測定する肥育牛ごとの体重にあわせて給与量を決定しています。

 飼料給与量の基準を肥育牛の月齢としていた平成30~令和2年度の肥育成績が、BMSNo. 8.0、上物率注196%及びA5率注255%だったのに対し、個々の体重に変更した令和3年度の肥育成績は、BMSNo. 8.9、上物率100%及びA5率91%と、更に成績が向上しました。

 この肥育管理は、定期的に肥育牛の体重を測定できる当室ならではの手法ですが、他の肥育農場でも子牛市場上場時の体重や巻尺による推定体重を参考に、導入以降の飼料給与量の調整が可能と考えています。

注1 全体の頭数に対する4・5等級の頭数の割合
注2 全体の頭数に対するA5等級の頭数の割合

  • 大豆粕給与前後のA5率のグラフ

    図1 大豆粕給与前後のA5率

  • 大豆粕給与前後の平均枝肉重量のグラフ

    図2 大豆粕給与前後の平均枝肉重量

給与前の肥育開始年度:平成27~29年度、同・給与後:平成30~令和3年度
図中の頭数は、それぞれの供試頭数の合計を示す

去勢牛の出荷直前の側望の写真
令和3年度に肥育開始した去勢牛の出荷直前の側望
撮影時:28.6カ月齢、980kg(導入時:8.5カ月齢、290kg)

(畜産研究所種山畜産研究室 専門研究員 篠﨑 創)

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