作物の生育に必要な肥料の「三要素」って知ってますか?
肥料には、作物を効率的に栽培するために必要な成分が含まれており、特に重要な成分である三要素とは窒素・リン酸・カリのことをいいます。この三要素を作物に与えるためには、落ち葉や堆肥などの有機物や有機質肥料、化学肥料を用います。
今回、養分をほとんど含まない農地の下層土を用いて、窒素、リン酸、カリのすべてを与えた「三要素」区、リン酸とカリのみを与えた「無窒素」区、窒素とカリのみの「無リン酸」区、窒素とリン酸のみの「無カリ」区、すべてを与えない「無肥料」区の5つの条件で、水稲と大豆を育ててみました。
写真をご覧いただければ、水稲では、窒素・リン酸・カリのどれか一つが欠けても、生育に大きく影響することがわかると思います。だから「三要素」と呼ばれるんですね。
大豆でもこれらが欠けることで生育に影響しますが、水稲と違い「無窒素」でもしっかり生育しています。これは大豆の根に住み着く根粒菌が、窒素を供給してくれるためです。
なお、長年作物を栽培している農地土壌では、こうした養分が蓄積しているところもあります。土の健康診断(土壌診断)で、作物が必要とする以上に養分が蓄積しているときには「減肥」や「補給型施肥」といった方法で土に入れる肥料分を調整しますが、この話は、またの機会に紹介させていただきます。
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水稲の三要素試験
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大豆の三要素試験
(生産環境研究部土壌肥料研究室 室長 横田 紀雄)
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