南部かしわの肉量アップに向けて ~ 母系素材鶏を改良した南部かしわの特性及び長期飼育技術の確立

ページ番号2005441  更新日 令和4年7月13日

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 現在の2代目「南部かしわ(K系統)」は、天然記念物「岩手地鶏」と有色コーニックの二元交雑種に軍鶏を交配した父鶏と、岩手大型ロードアイランドレッドと白色プリマスロックを交配した母鶏から作出された本県オリジナルの特産肉用鶏です。

 平成15年に作出後、母系素材鶏のロードアイランドレッド種で家系の近親交配が進んだため、平成27年に新たな系統を交配し、産卵能力の改良に努めてきました。南部かしわは、地鶏らしく噛み応えがあり香りが良いとされ、現在は主に雫石町、二戸市、西和賀町で地域ブランド鶏として大切に育てられ、首都圏を始め高い評価を得ています。

 一方、流通販売サイドからは、燻製などの加工に適した肉量のある大型鶏の要望もあることから、生産現場ではこれまで出荷目安としていた雄90日、雌120日以上の長期飼養を行う事例も増えています。そこで、このような生産現場のニーズを踏まえ、令和3年度から改良を進めている南部かしわを用いた長期飼育技術を確立するための試験を開始しています。

 本年度は、地域産の規格外米・大豆飼料を用い、7月に孵化した雛を154日間にわたり飼養して、肉量や肉質、飼養コストのデータを収集し、長期に飼養する場合のポイントを明らかにすることとしています。

  • 南部かしわの雛の写真

    南部かしわ雛(初生雛)

  • 南部かしわの成鶏の写真

    南部かしわ(成鶏)

(畜産研究所家畜育種研究室 上席専門研究員 佐々木 睦美)

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