加藤真城（前）上席専門研究員が「全国農業関係試験研究場所長会研究功労者表彰」を受賞

　令和4年6月26日、病理昆虫研究室の加藤（前）上席専門研究員（現所属：二戸農業改良普及センター）が、全国農業関係試験研究場所長会において令和4年度の研究功労者表彰を受賞しました。

　業績名：「土着天敵活用に適したりんご園下草管理技術の開発・普及」

1. 土着天敵保護を目的に下草の高刈りを実施するりんご園地に生息するカブリダニ類
2. りんご園地における土着カブリダニ類保護のための下草管理
3. 土着カブリダニ保護体系を実現するりんご園地におけるリンゴワタムシの防除対策

　加藤上席が長年にわたり果樹担当普及員として現場指導に携わった経験を活かし、りんご重要害虫ハダニ類の天敵であるカブリダニ類の県内での発生種と発生推移について明らかにしました。

　その上で、土着カブリダニ類を保護するための下草管理方法を明らかにし、併せてカブリダニ類を保護する殺虫剤散布体系を提示しました。さらに、カブリダニ類を保護する殺虫剤使用体系で顕在化することがあるリンゴワタムシ等の防除対策について明らかにしました。

　本技術については、県中南部のりんご産地を中心に事例を積み重ねたものですが、県北部や沿岸部のりんご生産者からも高い関心をいただき、県内りんご産地への技術導入が進んでいくことが期待されます。

　加藤上席は本年度から二戸農業改良普及センターに赴任していますが、今後とも生産者のためになる技術の普及・指導に勤しむことと思います。おめでとうございました。

（生産環境研究部病理昆虫研究室　首席専門研究員兼室長　藤沢 巧）