安全・安心な草地の利用を目指して ~ 未除染草地の現地調査が行われました

ページ番号2005720  更新日 令和4年10月18日

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 東京電力福島第一原子力発電所事故から11年、草地の除染作業開始から約10年が経過しました。畜産研究所では、国からの委託プロジェクト「農林水産分野の先端技術展開事業(特定復興再生拠点区域等の円滑な営農再開に向けた技術実証)」に参画し、石が多いことや急こう配等により除染が困難であった未除染草地における施肥管理技術や、除染草地における2回目の草地更新時の適正な施肥管理方法を明らかにするための試験を行っています。

 この委託プロジェクトには、当研究所の他に農研機構や福島県など様々な研究機関が参画しており、試験地は東北から北関東までの広い地域に及んでいます。令和4年10月4・5日の両日、今後の研究の進め方や成績の取りまとめに活かすことを目的に、プロジェクトメンバーによる岩手県内における未除染草地の試験地の現地調査が行われました。

 試験地の1つである外山畜産研究室地内には、放射性物質の吸収抑制と未除染草地の追肥の省力化をねらいとして、緩効性カリ肥料の配合割合を変えた試験区を設置しています。試験地の見学やメンバー間の情報共有を通して、未除染草地の土壌中と植物体中の放射性物質濃度の関係や、カリ施肥の方法等について議論を深めました。

 今後も引き続き、生産者が放射性物質を気にせず安心して草地を利用できるよう、未除染草地における管理技術の確立に向けて取り組んでいきます。

  • 試験区の場所に向かう様子の写真

    試験区の場所に向かう様子
    刈払機が必須です

  • 外山畜産研究室地内の試験区の写真

    外山畜産研究室地内の試験区

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 専門研究員 髙村 聡美)

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