基幹種雄牛に新たに3頭を選抜！！ ～「百合雲」「暁雲」「結乃宝」

　いわて和牛改良増殖対策事業推進協議会（岩手県、農業団体等で構成）は、畜産研究所種山畜産研究室が主体となって実施した現場後代検定の成績などを基に、「百合雲」「暁雲」「結乃宝」の3頭を本県の基幹種雄牛として新たに選抜しました。
　これを受け、畜産研究所種山畜産研究室では、令和3年4月から生産者の皆様に対し、人工授精用凍結精液の本格供給を開始しておりますので、これら新規選抜牛を含めた県有種雄牛を、引き続きご愛顧くださるようお願いします。

【百合雲（ゆりぐも）】

　現場後代検定の成績では、去勢、雌ともに枝肉重量500kgを超え、さらに上物率95％、A5率63％と、肉質・肉量ともに備えた能力を存分に発揮しました。
　また、父牛は希少系統「寿高系」の代表牛である「山根雲」であり、種牛性の改良についても十分期待できるため、まさに「天与二物」の種雄牛です。

【暁雲（あきぐも）】

　本牛は、第11回全国和牛能力共進会（宮城県大会）第1区優等賞3席（トップ3）に入賞しています。現場後代検定の成績では、期待どおりの枝肉重量と、期待以上の上物率（95％）であり、種牛性の高さのみならず、産肉性の高さを示しました。
　なお、令和4年に開催される第12回全国和牛能力共進会（鹿児島県大会）の総合評価群（種牛性、産肉性の総合評価）の対象種雄牛であり、2大会連続での入賞が期待されます。

【結乃宝（ゆいのたから）】

　純粋兵庫系統の母牛に、本県の兵庫系種雄牛である「菊福秀」を交配した本牛は、現場後代検定では、肉質のみでなく、枝肉重量で県平均以上の成績を示しており、重量が重視されている子牛市場においても、十分な評価を得られるものと期待されます。
　なお、令和4年に開催される第12回全国和牛能力共進会（鹿児島県大会）の総合評価群（種牛性、産肉性の総合評価）の対象種雄牛です。

現場後代検定成績

	性別	検定頭数	検定成績
			CW (kg)	REA (cm2)	RT (cm)	SFT (cm)	YE (％)	BMS No.	上物率 A5率
百合雲	去勢	14	509.7	64.8	8.1	2.8	74.4	8.6	94.7 63.2
	雌	5	537.6	61.8	8.1	4.2	72.4	8.0
暁雲	去勢	7	540.7	64.7	8.4	2.5	74.4	8.3	95.0 45.0
	雌	13	480.4	61.4	7.9	3.2	73.8	6.6
結乃宝	去勢	8	514.5	70.0	8.3	2.3	75.6	8.6	88.9 61.1
	雌	10	461.0	64.1	7.6	3.1	74.3	7.1
岩手県関連牛 平成27年4月 ～令和2年3月	去勢	37,688	507.2	62.0	8.1	2.5	74.3	7.2	83.1 39.1
	雌	25,201	428.5	59.7	7.7	2.7	74.5	7.1

CW：枝肉重量、REA：ロース芯面積、RT：バラの厚さ、SFT：皮下脂肪の厚さ、YE：推定歩留、BMS：脂肪交雑

（畜産研究所種山畜産研究室　主査専門研究員　藤村 和哉）