衛星(ほし)の導きでラクラク除草! ~ キャベツ栽培における自動操舵による中耕作業
農業生産人口が年々減少する中、県北地域の土地利用型野菜において、生産性の向上や省力化、軽労化が課題となっています。国が進めるICT等の先端技術を導入した新たな農業構造の構築に合わせて、県北農業研究所では、令和元年からキャベツ10ヘクタールなど90ヘクタールの野菜経営を行う大規模野菜農家を対象に、関係機関、農機メーカーなどとともに、県北の畑作地帯の野菜栽培でのスマート農業の実証プロジェクトに取り組んでいます。
本年度は2年目の取り組みとして、八幡平市七時雨の傾斜のある約1ヘクタールのキャベツ栽培圃場において、自動操舵装置を組み込んだトラクタを用いた畦立て・施肥作業とタイン型除草機を用いた除草作業に取り組んでおり、畦立て・除草作業を5月29日に行い、その後全自動移植機での移植後、1回目の型除草作業を6月17日、2回目の除草作業を同23日に行いました。
今回採用の方式は、衛星データをさらに補正したデータを用いてトラクタを自動操舵で真っ直ぐに走行しながら畦を作ることで、定植・活着後の除草機を用いた除草で、苗を損傷させることなく株元まで除草することを狙うものです。
今回の実証では、前後左右の複合傾斜地での作業でも自動操舵は有効に機能し、その後の移植・除草作業時に若干手動での調整を要しますが、慣行作業に比べて精度の高い作業が実証されています。今後、条件別の活用方法などを取りまとめ、規模拡大技術として定着するように支援していきます。
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自動操舵による畦立て・同時施肥
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タイン型除草機を用いた中耕除草
右機:自動操舵、左機:手動操舵
(県北農業研究所作物研究室 首席専門研究員兼室長 大里 達朗)
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