農作物技術情報 第5号 要約(令和2年7月30日発行)

ページ番号2000294  更新日 令和2年7月30日

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水稲

生育状況:県全体の出穂期は概ね平年並みの8月4日頃と見込まれる。穂いもちの発生は「やや多」、斑点米カメムシ類の発生も「やや多」の予報であり、適期防除を心がける。
技術対策
出穂状況や気象変動に応じた栽培管理と病害虫の適期防除を心がける。
出穂後は、高温時でも良好な登熟が行われるよう、適切な水管理を行う。
上位3葉での葉いもち発生は、穂いもち発生につながるため、圃場のこまめな観察に努めるとともに、見つけ次第、直ちに茎葉散布による防除を実施する。
斑点米カメムシ類の防除は、穂揃い7日後を基本とする。カメムシの増殖源となる水田雑草(ホタルイ類、シズイ、ノビエ)が残草した場合は、穂揃い7日後と14日後の2回防除を実施する。

畑作物

生育状況:大豆は、低温と日照不足によって生育量が小さく、やや遅れている。圃場が乾きにくいところでは、葉が黄化するなど、湿害が発生している。
技術対策
大豆:集中豪雨や台風に備え、明渠や排水溝等の点検整備を行う。また、開花後に急激な温度上昇や干ばつ傾向が続くときには、うね間を利用したかん水を実施する。
マメシンクイガの防除適期は、産卵盛期であるが、使用する薬剤によって散布時期が異なるため注意する。紫斑病との同時防除も可能であるが、莢の大きさを観察し、紫斑病の防除適期と重なるか判断して実施する。

野菜

生育状況:全体的に概ね順調に生育しているが、きゅうりやトマト等では曇天・低温による生育遅れや草勢低下、果実の着色の遅れが見られる。病虫害は、灰色かび病やべと病が発生している。
技術対策
全般:圃場周りの明渠を再確認し、畑からの排水を良好に保つ。摘果を早めるなど草勢回復に努め、中耕を行うなど根の活性化を図る。今後は急激な温度上昇が想定されることから、高温対策やかん水管理による草勢維持を図る。
施設果菜類:こまめな追肥とかん水で草勢を維持する。高温対策としてハウスの換気効率を高めるとともに、通路への散水等を積極的に行う。
露地果菜類:病害虫防除を徹底し、こまめな追肥を行い草勢維持に努める。病害虫防除はきゅうりでは褐斑病、炭そ病、べと病を重点に行う。ピーマンは斑点病とタバコガに注意する。しおれが見られる場合は原因の特定をしっかり行う。
雨よけほうれんそう:天候急変に対するハウス内の温度・湿度や圃場水分管理を適切に行う。べと病やアザミウマ類等病害虫の防除対策を徹底する。
露地葉菜類:コナガ、ヨトウガ、アザミウマ類等害虫の適期防除を行う。腐敗性病害等の対策を徹底する。

花き

生育状況:りんどうの生育は概ね平年並み。小ぎくの生育は平年並みのところが多いが、一部地域でやや遅れている。りんどうの病害虫は、全域で葉枯病、アザミウマ類、ハダニ類の発生がみられる。小ぎくの病害虫は、全域で白さび病の発生がみられ、防除に苦慮するケースも見られている。
技術対策
りんどう:圃場が乾いた場合はかん水を行う。また、今後花腐菌核病が発生する時期に入るので、防除対策に留意する。
小ぎく:圃場が乾いた場合はかん水を行う。一方、大雨によって圃場が冠水した場合は、溝切り等により速やかに排水する。
共通:病害虫防除を徹底し、収穫後の圃場も継続して防除する。また、来年に向けて収穫後管理を適期に行う。

果樹

生育状況:りんごの果実生育は昨年よりやや劣るものの概ね平年並み。ぶどうも結実は良好で、新梢生育も概ね順調。
技術対策
りんご:サビ果や果形不良果がみられるので、良質果を収穫するため、引き続き見直し摘果を進める。早生品種の収穫期となるので、硬度を重視した適期収穫に努める。また、褐斑病、斑点落葉病、果樹カメムシ類が多発傾向なので、発生が確認されたら速やかに特別散布を実施する。
ぶどう:早期の適正着果量への誘導と、新梢管理によって棚面の明るさを確保する。

畜産

生育状況: 飼料用とうもろこしは、低温や日照不足、降水過多による根の活性低下や肥料成分の流亡などにより、草丈が低く葉色が薄い圃場が見受けられます。
技術対策
飼料作物:高温時には過放牧、過度の低刈り、短い間隔での刈取りを避ける。大雨で圃場に土砂が流入していることがあるため、収穫前に見回り、所要の対策を講じる。
土砂の流入等で収穫が見込めない圃場は、草地更新や草地への転換、または年内に収穫可能な「エンバク」の作付けを検討する。
草地更新では、秋播種にむけて、耕起、砕土、整地作業は丁寧に行う。
家畜:アシドーシス対策として、嗜好性の良い消化率の高い粗飼料の給与、重曹の増給や自由採食できる環境を整え、牛への暑熱ストレス緩和に努める。

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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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