《中部》産地情報「自家栽培・自家醸造のワインをお届け!」大迫佐藤葡萄園 佐藤直人さん
花巻市大迫町は、伝承されてきた早池峰神楽が国の重要無形民俗文化財に指定されており、また、ぶどう栽培、ワイン醸造ともに古くから行われている「神楽とワインの里」です。
大迫町でワイン造りが始まったのは、過去の災害がきっかけとなっています。昭和22年・23年のカスリン・アイオン台風の被害は大迫町にも影響し、その時、土壌・気象条件がぶどう栽培に適していたことが注目され、復興策の一つとしてぶどう栽培が奨励されました。その後ワイン造りも始まり、現在では複数のワイナリーが大迫町に設立されています。
今回は、このような歴史ある大迫町でワイン造りを行っている大迫佐藤葡萄園、そして経営主の佐藤直人さんをご紹介します。
大迫佐藤葡萄園とは
大迫佐藤葡萄園は佐藤直人さんが経営する葡萄園で、ワインぶどうの栽培から、醸造、販売まで一貫して行っています。醸造は2021年から開始し、年間3,000本ほどワインを出荷しているそうです。
現在は、70aの圃場でツヴァイゲルトレーベという品種を主軸に栽培を行っており、ワインの他にも干しブドウも作り始めています。ワインや干しブドウは、近隣の産直やインターネット販売で購入可能です。美味しいワインは良いぶどうから、という考えを大事にして、丁寧なぶどう栽培を心掛けています。
なぜ、大迫でワイン造り?
佐藤さんは医療機器メーカーのエンジニアでしたが、欧米など海外勤務時の経験から、自身でワイン造りをしてみたいという思いがありました。50歳頃から本格的に就農を考え始め、53歳頃からは就農の準備を開始しました。
最初は、居住地である静岡県に近いワイン造りで有名な山梨県や長野県で園地を探していました。しかし、ワイン人気も相まって静岡県近郊では園地確保は難しいと判断し、手を広げて園地を探しました。この時、偶然に花巻市で開催していたグリーンツーリズムに参加。大迫町にすぐに借りられる園地があることが分かり、大迫町で就農することを決めたそうです。そして現在、前職のエンジニアの経験も活かしながらワイン造りに取り組んでいます。

佐藤さんのオススメ商品!
今回は、大迫佐藤葡萄園で製造しているワインをピックアップしてご紹介します。

タンニンがしっかりしたワインで、すき焼きや焼き鳥等、しょうゆ・味噌ベースのソースを使った料理に合います。
右:ツヴァイゲルトレーベ ロゼ 2021
キリっとした辛口のワインで、天ぷらや焼き鳥のつくね(塩)等の料理に合います。
どちらも大迫佐藤葡萄園のファーストヴィンテージです。ぜひお買い求めを!
今後の目指す姿
ぶどうの出来がワインの味を左右させることから、丁寧な栽培を行い栽培管理の成熟度を高めていくことと、生産したぶどうのポテンシャルをしっかり引き出せるような醸造ができるようにしていきたいとの意気込みでした。
また、日本のワインは気象条件等の影響で淡白な味になる傾向があります。果実味が感じられ、すっきりとした味わいで日本食にも合います。このような特徴を生かして、今後の販路の広げ方を考えています。


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