病院長あいさつ of 岩手県立中央病院

院長:望月 泉院 長 : 望月 泉


 平成24年4月1日付けで、佐々木崇名誉院長の後任として、院長に就任致しました望月泉と申します。岩手県立病院のセンター病院である当院の舵取りを委ねられ、身の引き締まる思いがしております。私は昭和63年4月当院に赴任して以来、数多くの消化器外科、小児外科の手術に携わってきた外科医です。チーム医療の推進と患者中心の医療を目指してきました。

 さて甚大な被害をもたらした東日本大震災から1年が経過いたしました。命を失われたかたがたに心からのお悔やみを申し上げますとともに、瓦礫の処理も遅々として進まず、今もなお仮設住宅での暮しを余儀なくされている被災されたかたがたの一日も早い復興を心よりお祈りいたします。
 当時、私たち中央病院医療チームも発災3日目の3月14日から、病院の救急車で陸前高田市に医療支援に行きました。街の大半が津波被害を受け、市街地の家並みやすばらしい景観を誇った松原は消失しており、私どもは茫然と立ちすくみました。被災した県立高田病院の職員は自らも避難所で生活をしながら救護所を立ち上げ、水道も使えず、医薬品も不足する劣悪な環境のなか不眠不休で被災者の診療に従事していました。  
 こうした医師や看護師たちの働きは、組織の命令によるものではなく、われわれ医療者が持つ奉仕の精神と慈悲の心、良心的誠意に基づいたものでした。志を高く医療を支えているのはノブレス・オブリージュ(地位や身分に相応した重い責務・義務という意味の仏語)の精神です。花巻市出身の宮澤賢治は著書である『農民芸術概論綱要』で、世界が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。自利のためには利他の精神が大切と記しています。医療人プロフェッショナリズムとしては患者の利益を最優先する利他主義、専門職としての質の向上、社会的責任が求められております。

 当院のミッションは医の倫理をふまえ、高度急性期医療の推進と県民に信頼される親切であたたかい病院をめざすことです。高度医療、救急医療、地域医療支援、研修医教育、健全経営が五本柱です。職員一丸となりこの理念を達成できるよう努力する所存です。今後も医療の質と経営の質のDoumle Winnerを実現して、地域住民が必要とし、県民にとってなくてはならない岩手県立中央病院であり続けたいと願っています。今まで以上に地域の住民の皆様方のご理解、ご支援をお願いいたします。