泊まり客の受け入れも視野に
ひと頃は、減るばかりだったそばの作付けも、最近は増加傾向にあるという。「天候のせいで獲れない年もありますが、足りない時は隣の小国地区からも買っているので、全部地元産で間に合います」と、会長の岩脇ヨシエさんは胸を張る。
岩脇さんは地域を代表するほうれんそう農家であるが、「成谷自然食の会」の活動も中心になって積極的にこなしている。「農業は大変だとばかり思っていたけれども、土いじりしながら、全国の人たちとお会いすることができる。自分のやりたいことは、こういうことだったのかもしれない」と思うからだ。
そんな岩脇さんにとって、数年前、印象に残る出来事があった。愛知県の男性から、1週間泊り込みでそば打ちを習いたいという申し込みがきたのだ。ゆうパック用のそばづくりで盛んに忙しい時期だったので、「とても寒いし、山しかない所ですが、それでも良かったらどうぞ」と答えておいた。ところが、数日後、本当にその男性は来てしまったのである。
「そうでなくても忙しいのにと会員からも言われましたが、お出でになった限り引き受けなければならなくて」と岩脇さんは今さらながら苦笑い。岩脇さんは自宅の一室を提供し、食事も特別扱いするのではなく家族と一緒に食べるようにした。懇切丁寧に教えるというわけにはいかなかったが、男性は会員のそば打ちを見よう見まねで覚え、短期間に上達して仕舞いにはゆうパックづくりの強力な助っ人になった。
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