岩手の海に現れた珍しい魚 |
ダイナンウミヘビ |
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平成12年6月17日に延縄で漁獲され、釜石魚市場に水揚げされました。 |
| 《標準和名》 ダイナンウミヘビ (ウナギ目/ウミヘビ科) | |
| 《学 名》 Ophisurus macrorhynchus | |
| 《地方名》 なし |
主な特徴 |
| @体は細長く、胸びれがある |
| A口は大きくとがり、鋭い犬歯がある。 |
| B尾の先はひれがなく、硬い。 |
| その他特記事項 |
| 「ウミヘビ」という名称がつけられていますが、ウナギ目(ウナギ、アナゴ、ハモ、ウツボなどを含むグループの総称)に含まれる仲間です。ウミヘビ科に含まれる種は、尾びれがなくむき出しになった尾や大きく裂けた口など、姿形がは虫類の「ウミヘビ」と間違うほど似ているため、この様な名称が与えられていますが、エラもあり、れっきとした魚です。 全長は1.4mに達します。南日本(関東地方以南)の内湾から水深500mまでの砂泥底に分布し、三陸地方では極めて稀と考えられます。夜行性で、昼間は砂の中に潜っていて、夜になると小魚などの餌を求めて動き回ります。南日本の沿岸では、延縄や底びき網で時折漁獲されますが、特に食用とはなっていません。 学名の属名を示すOphisurusはギリシャ語で「ヘビ」を示すophisと「尾」を示すouraを、種名を示すmacrorhynchusはギリシャ語で「大きい」を示すmacrosと「くちばし」を示すrhynchosをそれぞれラテン語化させたもので、「大きなくちばしを持ったヘビの尾」といった名称となり、上に示した特徴を表す名前が与えられています。 |
| ちょっと一言 |
| 今回は、日頃図鑑などでよく目にする、「目」、「科」、あるいは「属」といった名称について紹介したいと思います。この様な呼び名は、対象となる生物の所属を示す名称で、「〜の仲間」というのを示すために用いられる呼び名です。「目」、「科」、「属」などの呼び名は、ある種と別のある種が「どの位近いか?」を体系的に示すために用いられるもので、18世紀のフランスの動物学者・リンネにより提唱されたものです。この様にして表される仕組みは、生物の進化の道筋での血縁関係を体系的に示すためのもので、「リンネの体系」と呼ばれます。リンネの体系は、すべての生物の近縁性(血縁関係)が同じくらい近いもの同士を集め、界・門・綱・目・科・属・種という単位で血縁関係の遠い仲間から近い仲間へと順にまとめていく仕組みです。これを辿ることによって、進化の道筋が一目でわかると同時に、よく似た仲間同士を識別できるようになっています。また、これを一覧として表すためには、大きな単位から順に一段ずつ下げていって、あるグループに何が含まれるかが一目でわかるような表示方法にする(図参照)決まりになっています。例えば、サケを例にとると、動物界・脊椎動物門・硬骨魚綱・サケ目・サケ科・サケ属・サケというように示されます。サクラマスやニジマスは、サケと同じサケ属に含まれ、姿形がとてもよく似ていて、サケとはごく近縁な(血縁が深い)種としてまとめられています。これに対し、イワナはサケ属のサケやサクラマスなどとは少し違った姿をしていて、同じサケ科でもサケやサクラマス、ニジマスとはやや縁遠いグループである、イワナ属に含まれています。さらに、サケ科と似ているが少し違うグループである、アユやチカなどから構成されるキュウリウオ科などをまとめてサケ目という大きなグループを構成しています。また、上で紹介したダイナンウミヘビ(硬骨魚綱・ウナギ目・ウミヘビ科・ダイナンウミヘビ属)は、ウナギなどとともにウナギ目という大きなグループを形作っていて、サケ目のほか、スズキ目やカレイ目などの大きなグループとともに、およそ4億5千万年前から脈々と受け継がれてきた進化の結果、今や2万種を超えると言われている、硬骨魚綱という魚全体を包含するグループを構成しています。 図鑑をみる機会がありましたら、この様なことをちょっと思い出してみてください。たいていの図鑑は、この体系ごと(たいていは目・科ごとに載っています)に種類が配置されています。お目当ての種になかなかたどり着けないとき、役立つと思います。 〔漁業資源部 後藤 友明〕 |
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| (シーガルボイスbP7に掲載) |