平成10年度 - 試験研究結果 bQ8 


 部  名   増養殖部      課題の分類  養殖の研究
 研究課題名  養殖ワカメ病虫害対策の検討
 予算区分  県単
 試験研究実施年度・研究期間  平成6年度〜継続
 担  当  (主) 山口正希   (副) 西洞孝広
 協力・分担関係   高知大学、岩手県漁連

 
<目的>
 養殖ワカメの病虫害は年により大発生し、大きな被害をもたらしている。特に最近では、甲殻類タレストリス科の1種アメノフィア・オリエンタリスの寄生による被害と、ニホンコツブムシによる幼芽の食害が発生しており効果的な対策が求められている。また、平成8年度には、病虫害の他にワカメ葉体表面に生えている毛ソウが発達して目立つことにより商品価値に著しく影響を及ぼした。これらの病虫害の実態について調査、知見の収集を行い、対策を検討する。

 
<試験研究方法>
 1 唐丹湾及び船越湾のワカメ漁場(各5定点)において、ワカメ養殖ロープを海水中で激しく揺すって付着している生物を振り落とし、プランクトンネットで採集してアメノフィア・オリエンタリスの蝟集状況を調べた。また、ワカメ漁場を観察して、ワカメ葉体部のアメノフィア・オリエンタリスによる寄生痕の有無を確認した。
   タレストリス(雌成体)を異なる水温条件下(5,10,15,20℃)で飼育し、産卵と幼生の成長、他の海藻類(コンブ、スジメ、ダルス)の摂餌と産卵状況等について観察を行った。
 2 越喜来湾のワカメ漁場(湾央、湾外沖)及びホタテ漁場(湾奥)の6ケ所に、ニホンコツブムシ採集用コレクターを垂下し、2ケ月毎の分布状況を平成9年11月〜平成10年11月に調べた。

 
<結果の概要・要約>
 1 12〜1月の調査時には、唐丹湾でアメノフィア・オリエンタリスが確認されたが、船越湾においては1月に1検体だけ確認された。その後の2〜3月の葉体部寄生痕の確認では、唐丹湾で確認はされたが、船越湾では確認はされなかった。
   産卵の周期は水温が高いほど短い傾向がみられた。また、幼生の成長も水温が高いほど早く、20℃で約3週間後に成体となった。ワカメ以外の海藻類の摂餌と産卵状況等については、スジメにワカメの場合と同様の産卵行動と幼生の寄生が確認された。
 2 ニホンコツブムシの出現は湾奥及び内側に設置したコレクターに多く見られた。また、1月と11月に体幅2mm以下(小)のニホンコツブムシが多く確認された。