![]() |
![]() |
![]() |
|
本県のアワビ漁獲量は全国一位であり、重要な磯根資源ですが、かつて年間1,000トン台の水準であったものが、昭和56年以降は300〜600トン台と低迷しています。その資源の回復を目指し、水産技術センターでは、種苗生産や増殖に関する研究に積極的に取り組んでいます。近年のアワビ漁獲量は、天然貝100〜400トン/年、放流貝40〜130トン/年と、放流貝では毎年800万個〜900万個放流されている人工種苗が漁獲対象資源に安定的に添加している一方、天然貝では漁獲対象資源量が大きく変動し、そのことが漁獲量の年変動に影響を及ぼしています。したがって、アワビを持続的かつ効率的に利用するためには、資源の変動要因を明らかにし、科学的根拠に裏打ちされた資源管理の実践が必要です。 そこで、水産技術センターでは田老地区大規模増殖場を定点とし長年にわたり調査を実施し、アワビ資源の変動要因の解明に取り組んでいます。 【調査方法】 今回紹介した資源変動要因の他、開口時のアワビ肥満度の変動要因も明らかになりつつあります。これらはいずれも長年にわたって定点調査を実施しデータを蓄積したことによって明らかになってきたものです。さらに、年変動が著しいアワビ資源の変動要因の全体像を明らかにするには、今後も継続して資源動向を把握する必要があることから、水産技術センターでは今後も調査を継続していきたいと考えております。
|
|||||||||||
【はじめに】 【調査方法】 【調査結果】 本県沿岸では、6月と11月に国の規制値(4 MU/g)を大幅に超える麻ひ性貝毒によるホタテガイの毒化が見られました。6月に毒化したホタテガイは12月までの半年間規制値を下回らずに長期化しました。6月の毒化の原因はアレキサンドリウム属のタマレンセで(写真3)最高発生数は海水1リットル当たり9,110細胞でした。タマレンセは湾内の底泥に確認されている種(写真4)から発芽します。その後、海水中で増殖しこのプランクトンを食べたホタテガイが毒化することが知られています。 【今後の課題】 麻ひ性貝毒は、毒の多発化や広域化が指摘されています。また、無毒のプランクトンが混在して計数される危険性があるので有毒プランクトンを1細胞ずつ迅速に同定する技術の開発とともに、水塊の毒性を直接測定してホタテガイ毒性との関連を明らかにする、研究をしています。下痢性貝毒は、有毒プランクトンの毒組成により、毒化し易い生物種が異なることが示されたので、本手法を用いて毒化予測精度の向上に努めます。
|
|||||||||||
岩手県沖合にはタラ類、カレイ類、キチジ・メヌケ類など様々な魚介類が分布しており、重要な漁業資源となっています。これらは、海底付近に分布していることから、底魚類と呼ばれています。本県では、刺網や延縄、底びき網などで底魚類を漁獲しており、これらは漁船漁業の中でも大きなウェイトを占めています。一方、底魚類の資源は、イワシ、サバ、イカ類などの回遊魚とは異なり、大きな移動をせずに同一海域で一生を過ごすものが多く、乱獲によって資源が枯渇しやすいと言われています。岩手県水産技術センターでは、特に沖合域に分布するタラ類やキチジの資源量を推定してその動向を評価するとともに、より効果の高い資源管理の手法を見いだすことを目的として、調査船を用いた資源調査を行っています。本報では、この調査の一部についてご紹介します。 岩手県水産技術センターでは、春、秋、冬の3期間、漁業指導調査船「岩手丸」で着底トロールネットを用いた底魚類の採集調査を本県沖合の水深200〜500mで行っています。この調査では、網を曳いた区画に分布する魚類を採集して種ごとに計数・計量して、単位面積あたりの平均分布密度を求め、その値を海域面積で引き延ばすことにより資源量を推定しています(図1)。さらに、耳石を用いて年齢査定を行い、年齢ごとの資源量を求めることにより、その種類の資源動向を評価しています。 |
|||||||||||
![]() |
||||
イサダ(ツノナシオキアミ)は、ほとんどが冷凍ブロックに調製され、魚類養殖や遊漁等の餌として県外へ出荷されていますが、宮城県ではイサダを原料にした各種加工品が加工されており、本県の水産加工業者も加工原料ととして着目しています。イサダの食用化により単価の上昇が見込まれることから、当センターで食用化に向けたイサダの加工方法について検討したので紹介します。 はじめに、イサダを加工原料として利用するためには、一般魚類と異なる次の問題点を知っておく必要があります。それは、@著しく鮮度の低下が早い、A内臓に強力な酵素を含み、黒変や自己消化を起こしやすい、B体が非常に小さく、かつ殻が薄いため、積み重ね過ぎると潰れやすい、C肉は吸水性が強く、漁獲後に雨水や海水に接触すると蛋白質が変性しやすい、D生鮮物をそのまま凍結貯蔵しても蛋白質の変性が進行する(下の図)、というものです。 上記@〜Cの問題点に対しては、漁獲直後から蓋付きの容器を用いて20cm以内に積み重ねて保管し、漁獲後8時間以内を目安に加工原料の調整を行った方が良いでしょう。また、加工原料の調整とは、Dの問題があるため、凍結貯蔵前に一度ボイルするか、ミンチにしてソルビットなどの蛋白変性防止剤等を混合するというものです。このように調整した加工原料は、佃煮、漬物、サケハンバーグ、練り製品などの増量材や色上げ材(赤み付け)として利用できます。 なお、上述のような加工原料の調整ができない場合は、2cm厚程度の薄いブロックにして凍結貯蔵し、貯蔵後できるだけ早い時期に、解凍せず大量の沸騰水で一度ボイルしてから利用した方が良いでしょう。例えば、ボイルした後、乾燥したものは、煎餅(下の写真)や菓子類の副材料、焼きそば、お好み焼きの具材としての用途があります。
|
岩手県のナマコに関する知見がすくないことからナマコ資源の現状を把握するため、県下13漁協と連携して平成19年6月から8月にかけて、潜水調査を実施しました。調査地点数は延べ76地点(1地点あたり50u又は100uの枠取り)にも及び、そのデータから本県のマナマコの生息量を算出しました。
|
||||||||||||
本県の3〜9月における定置網漁業(いわゆる夏網)によるサバ類水揚額は、平成15年以前では2億円前後にとどまっていましたが、20年には13億円(夏網全体の60%)まで増加しており、夏網におけるサバ類の重要度が高まっています。今回はサバ類の漁獲動向を整理し、好漁の要因等について紹介します。 ※卓越年級群:他の年に比べて特に多い加入量を持つ年級群(相対的な基準)
|
| 岩手の海に現れた珍しい魚 ― イレズミコンニャクアジ ― 平成19年6月27日に釜石沖合の定置網で採集されました。
標準和名:イレズミコンニャクアジ(スズキ目/イレズミコンニャクアジ科) 【主な特徴】 (1) 体はだ円形で、体側には濃い紫色の虫食い状の斑紋がある (2) 頭部は幅広く、丸みをおびているが、腹部と尾部は左右に扁平 (3) 体は鱗がなくて水っぽく、ぶよぶよしている 【その他特記事項】 |
|
今回は、底魚資源、貝毒プランクトン、磯根漁場のモニタリングをご紹介しました。 |