ミズナラ


ミズナラ
<ミズナラ>
岩泉町 櫃取湿原[ひつとりしつげん]
 
 秋も深まると、公園や学校の木の下に枯[か]れ葉に隠[かく]れるようにドングリが落ちています。ドングリはクヌギ、カシワ、コナラ、ミズナラなどのナラ類、カシ類などのブナ科コナラ属の木の実の総称[そうしょう]で、ドングリとひとくちに言っても、丸いものあり細長いものありと木の種類によって形も大きさも様々です。
 ミズナラ、コナラなどのナラ類は東北地方を中心に分布し、岩手県では標高[ひょうこう]400〜500m以上の山地にミズナラが、それよりも低い里山[さとやま]や平地にコナラが生育しています。
 
ミズナラ
 ミズナラの名前は材に大量の水分が含まれていて燃えにくいことに由来しています。別名オオナラとも言われ、大きいもので高さ30m、胸高[きょうこう]直径(胸の高さでの直径)が1.7m程度になります。ミズナラは山地帯の主な構成樹種[こうせいじゅしゅ]で、薪炭材[しんたんざい](薪[まき]や木炭[もくたん]などの燃料)として利用されていました。また、牧野[ぼくや]の跡地[あとち]にミズナラの大木が点在していることがあり、このような景観は北上山地の櫃取湿原(岩泉町)で見られます。ミズナラは柾目[まさめ]に美しい紋様[もんよう]が現れるので材は建築や家具などに利用され、洋酒樽[ようしゅだる]にも使われています。


コナラ
 コナラは人里に近い里山(雑木林[ぞうきばやし])の主要な構成樹種で、博物館周辺でも見られます。大きいものでは高さ15m、胸高直径60cmに達します。かつて里山は薪炭材として利用され定期的に伐採[ばっさい]されていましたが、コナラなどは切り株から再生(萌芽再生[ぼうがさいせい])する性質を持つため伐採しても伐採前と同じよな森林が維持されていました。コナラは現在でも薪炭材として利用されているほか、身近なところではシイタケの原木としても利用されています。 コナラ


ドングリ
ドングリ
 秋になるとコナラは長さ1.5〜2cm程度の、ミズナラは長さ2cm程度の細長いドングリをつけます。
 東北地方では原生林としてブナ林が成立する地帯で、ここに暮らす人々は山菜、果実なの自然の恵みを受けて生活してきました。特にブナ科の樹木(ブナ、クリ、ナラ類)の果実は食料として利用され、縄文時代[じょうもんじだい]の遺跡[いせき]からもドングリの粉で作ったクッキーの炭化物[たんかぶつ]が見つかっています。リスなどの野生動物は秋になると一斉に落ちるドングリをあちこちに隠してエサの少ない冬の間の食料にします。
 ところで植物の種子(果実)の生産量は、毎年一定ではないことが知られています。ブナなどの樹木で果実が豊作の年は、リスたちも冬の準備に大忙しとなります。



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