サンゴ(珊瑚)


ハチノスサンゴ クサリサンゴ
<ハチノスサンゴ> <クサリサンゴ>
 
 サンゴ礁[さんごしょう]は、南の暖かい澄[す]んだ海に見られます。装飾品[そうしょくひん]のイメージの強いサンゴですが、やはり古くから、貴重品[きちょうひん]として扱われていたようで、奈良時代[ならじだい]の正倉院[しょうそういん]の宝物[ほうもつ](7〜8世紀)の中にも、サンゴが含まれています。
 ところで、サンゴとはどういう生き物なのでしょうか?
 大きくは、腔腸動物[こうちょうどうぶつ]というグループに属[ぞく]しており、腔腸動物にはクラゲやイソギンチャクといった仲間[なかま]がいます。体は口、消化管[しょうかかん]、筋肉、触手[しょくしゅ]などからなり、簡単[かんたん]な構造[こうぞう]を持った原始的[げんしてき]な動物です。サンゴの歴史[れきし]はとてつもなく長く、古生代[こせいだい]の初めに現われて、中生代[ちゅうせいだい]、新生代[しんせいだい]を通して生息[せいそく]していました。しかし同じサンゴの仲間[なかま]でも、時代の変化とともにその種類や生態[せいたい]は、様々[さまざま]に変化[へんか]していました。そんなサンゴ化石[かせき]は、示準化石[しじゅんかせき](化石によって時代がわかる)、示相化石[しそうかせき](化石によって環境条件[かんきょうじょうけん]の広がりがわかる)として重要です。展示室[てんじしつ]で見られるものをいくつか見てみましょう。
 
床板[しょうばん]サンゴ
 絶滅[ぜつめつ]したグループで、化石のみ知られています。古生代[こせいだい]シルル紀からデボン紀に最も栄え、古生代末には、ほとんどが衰[おとろ]えました。代表的なものに、クサリサンゴ、ハチノスサンゴ、日石[ひいし]サンゴなどがあります。岩手県で見つかった最も古い化石は、シルル紀のサンゴ化石で、この仲間に属します。
四射[ししゃ]サンゴ
 これも絶滅したグループで古生代オルドビス紀に出現[しゅつげん]し、古生代末に絶滅しました。石炭紀[せきたんき]の頃の北上山地[きたかみさんち]は、鬼丸サンゴ海と呼ばれる暖かく浅い海が広がり、中国[ちゅうごく]、ヨーロッパへ続いていたことが、この仲間に属する貴州[きしゅう]サンゴなどの分布[ぶんぷ]によってわかっています。
六射[ろくしゃ]サンゴ
 中生代の三畳紀[さんじょうき]から現在まで栄えています。単体[たんたい]のものと群体[ぐんたい]のものがあり、群体のものは、サンゴ礁を造っています。
 
 はじめのほうで、長い時代を生息[せいそく]してきたサンゴと言いましたが、不思議[ふしぎ]なことに、古生代の終わりに四射サンゴが絶滅してから六射サンゴの出現の間、約500万年間、地球上のどこにもサンゴが見つからない時代がありました。一体何がおこったのでしょうか?
 現代において、サンゴの環境を人間の手で脅[おびや]かすことだけは、したくないものです。



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