| 龍頭(りゅうとう) |
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銅龍頭(4体のうち1体) |
| 北上市 極楽寺/高さ 24.7cm(重要文化財) |
| 龍頭(りゅうとう)は、仏教の儀式の時、庭を飾る幡(ばん)という飾りものを吊るすために使われたものです。 幡は古代インドでは「パータカ」といい、もともとは軍旗(ぐんき)でした。それが仏教に取入れられて、教団のしるしになったり、仏の威厳(いげん)をしめすための飾りになったりしました。幡が吊るされるときは竿(さお)の先端に「龍頭」をつけ、龍の口から吊金具(つりかなぐ)を出して飾り掛けられていたのです。 「龍」のデザインが使われているのは、仏教が中国から伝えられた時の伝統をうけついでいるからです。中国で「龍」は、角はシカに、頭はラクダに、目はオニに、首はへびに、腹はミズチに、うろこは魚に、爪はタカに、てのひらはトラに、耳はウシに似せてつくられた空想の生き物です。世の中でもっとも気高く、もっとも強く、悪いものをのみこんで退治し、善いことをふりまくものと考えられました。やがて『史記(しき)』という書物の中で「漢の皇帝は龍の子孫である。」と書かれる」ようになり、龍は皇帝を表す生き物になってゆきます。 このすばらしく強い生き物は、仏教に取り入れられ、仏教を守る守り神になりました。龍には水を操る力があるとも言われ、水神としても有名ですから、大事なお寺やお経が火事で焼けてしまわないように…という願いもあったかもしれませんね。 仏教をお迎えする儀式(ぎしき)の場は、全て最高のもので清め、飾り、守らなければなりません。この極楽寺(ごくらくじ)の龍頭も、そこに悪霊(あくりょう)が入り込まないように見守っていたのでしょう。4体の龍頭が伝えられる北上市の極楽寺は、平安時代に「定額寺(じょうがくじ)」という、たいへん格式の高い、大きな寺院であったといわれています。1637年の火事で、寺院のほとんどが焼けてしまったと言い、その栄華を伝えるものは少ないのですが、この4体の龍頭のように金銅製(こんどうせい)のものはめずらしく(多くは木製)、当時の荘厳(そうごん)な儀式の様子をしのばせてくれます。 今でも、お葬式に使う「たつがしら」と呼ばれる龍をかたどった飾りがあります。墓地へと死者を運ぶ葬列の先頭に立てるもので、地方によっては口から紙や布をたらすこともあるようです。龍頭に似ていますね。やはり、悪霊を追払う役目があるようです。 |