カルカロドン



みなさんは映画『ジョーズ』を見たことがありますか?大きな人喰いザメがでてくる恐ろしい映画でしたね。でも大昔の岩手県にジョーズよりもっと大きいサメがいたと言ったら信じられますか?
上の写真を見てください。これが何かわかりますか?昔の人は、これを山にすむ天狗のツメだと考えて、お寺の宝物(たからもの)として大切にしているところもありました。外国でもこれが一体何なのかわからなかったらしく、昔は、もしかしたら怪獣の歯か、魚の歯か・・・などと考えていたようです。

実はこれ、カルカロドン・メガロドンという中新世〜鮮新世(せんしんせい)に生きていた肉食性のサメの歯なのです。

映画『ジョーズ』のサメは約9メートルですが、カルカロドンの体長は10メートル前後、一番大きいものは約25メートルもありました。なにしろカルカロドンの口を開けると大人が立って入れる大きさでしたから、『ジョーズ』も真っ青ですよね。カルカロドンは世界的に広く分布していた種類で、今のホホジロザメと近い種類です。一本の歯の高さが、4センチメートルから13センチメートル位あり、歯のふちにのこぎりの歯のような細かいギザギザがついています。

サメの歯の化石はたくさん見つかっていますが、体の骨や、頭はほとんど見つかっていません。実はサメは軟骨魚類(なんこつぎょるい)なので、歯の基部にあたる骨を除き軟骨性の骨格を持っているのです。軟骨とは結合組織の一種で、人間の外耳や鼻を形づくっているものと同じものです。軟骨は硬骨(こうこつ)より軽く、軟らかいので、体の浮力と柔軟性は優れています。だからサメは体が沈まないようにするのにあまり力を必要としないので、その分だけ体の運動性が良いのです。サメの軟骨や体の軟体部はすぐに腐ってしまいます。そのため完璧(かんぺき)なサメの化石を見つけることはめったにありません。



サメの歯は、あごの骨の上に数列に並んでいます。一番外側の歯がぬけると、口の奥から外へベルトコンベアーで運ばれるように、つぎの歯が押し出されます。一方、口の奥では新しい歯が作られています。だから、一匹のサメは一生の間にたくさんの歯を落とすのです。そのうえ歯は、腐りにくいので、化石となって残りやすいのです。
人間の歯もこんなしくみだったらムシ歯もこわくありませんね。