新指定文化財展
2010年6月1日(火)〜7月4日(日)
岩手県立博物館 特別展示室
文化庁と岩手県教育委員会では、重要な文化財を保存・活用し、国民の文化的向上に資するとともに、わが国の文化の進歩に貢献することを目的として、文化財保護法や岩手県文化財保護条例に基づいて、文化財の指定等を行っています。当館では、数年おきに、「新指定文化財展」を開催し、県内外の皆様に貴重な文化財を紹介しています。
今回は、平成19年度から平成21年度にかけて、国および岩手県の指定等を受けた文化財を、実物や写真・関連資料の展示により紹介いたします。本展が、県の宝ともいうべき文化財の素晴らしさを再認識する機会となれば幸いです。
文化財とは? くわしくはこちらをごらん下さい(文化庁制作パンフレットPDFへのリンク 9Mb)
岩手県の文化財についてはこちらをごらん下さい(「いわての文化情報大事典」)
展示構成
発掘された文化財
上須々孫館(かみすすまごだて)経塚出土品は、北上市和賀町煤孫(すすまご)の上須々孫館経塚から出土したものです。経塚とは、仏教の経典などが納められた場所のことです。陶器の壺など6点からなり、いずれも12世紀後半のものと考えられます。これらは奥州藤原氏の時代の宗教観や流通経済を知る上で重要な資料です。

▼上須々孫館経塚出土品
北上市教育委員会蔵
他に、大清水上(おおすずかみ)遺跡(奥州市)、平泉遺跡群などについて関連資料を展示します。
神仏への祈り
盛岡市の源勝寺(げんしょうじ)に伝わる銅造聖観音菩薩立像(どうぞうしょうかんのんぼさつりゅうぞう)は、国の重要文化財に指定されました。白鳳(はくほう)時代に製作されたこの像は、着衣や装身具のデザインにおいて、法隆寺(ほうりゅうじ)金堂(こんどう)壁画の菩薩像と共通点が見られます。7世紀から8世紀にかけて、中国の「初唐(しょとう)様式」が日本で受け入れられ、発展していく過程で制作された貴重な仏像といえます。

▼銅造聖観音菩薩立像
盛岡市源勝寺蔵 重要文化財

▼紙本(しほん)著色(ちゃくしょく)鍛冶神図(かじがみず)
当館蔵 岩手県有形文化財
岩手県では、製鉄や鉄工芸品の生産が盛んに行われ、人々は火の神を信仰してきました。製鉄の神である、たたら神を描いた「紙本(しほん)著色(ちゃくしょく)たたら神図」と、鍛冶(かじ)(鉄製品を製造すること)の神である鍛冶神(かじがみ)を描いた「紙本著色鍛冶神図」はともに県の有形文化財に指定されました。江戸時代前期に描かれたとされる2つの作品は、火の神である三宝荒神(さんぼうこうじん)を中心として関係の神仏が多く描かれた、優れた作品です。
くらしを支える文化財
「似鳥(にたどり)のサイトギ」は二戸市の似鳥八幡神社で毎年旧暦1月6日の春の例大祭(れいたいさい)に合わせて行われる行事です。今回、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されました。飯を剣の形に作って凍らせた「オコモリ」が準備され、これが硬く凍ったままであれば、その年は豊作になると伝えられています。また、当日は木を積み上げた「サイトギの木」という作り物に火がつけられます。若者たちが「サイトギの木」をたたいた際に飛び散る火の粉の様子でその年の作柄が判断されます。

▼似鳥のサイトギ
二戸市教育委員会写真提供
「南部絵暦(なんぶえごよみ) 盛岡暦(もりおかごよみ) 金澤コレクション」は県の有形民俗文化財に指定されました。南部絵暦は、文字の読み書きが出来ない人も理解できるように作られた暦です。文字のかわりに絵によって表現され、「田山暦(たやまごよみ)」と「盛岡暦(もりおかごよみ)」という2種類の暦があります。「田山暦」が一枚づつ作成されたのに対し、「盛岡暦」は版木を利用して多数印刷されました。明治初めまでの「盛岡暦」32種類のうち、今回対象となった物件は半数近くを占めます。「盛岡暦」の移り変わりを理解する上で、貴重な資料であるといえます。

▼文久四年盛岡暦
当館蔵 岩手県有形民俗文化財
他に、国の重要文化財に指定された千葉家住宅など、岩手のたてものについて関連資料を展示します。
自然の営み
宮古市田鎖神社(たくさりじんじゃ)のブナ・イヌブナ林は、県の天然記念物に指定されました。北上山地沿岸地域の中で原生的な様相が保たれた、貴重な森林であるといえます。また地元の方々による調査で、樹皮が典型的なブナと異なり、細かくひびわれるブナが発見されました。一品種と考えられ「タクサリブナ」と仮称されています。

▼田鎖神社のブナ
関連行事
■展示解説会 6月6日(日)14:30〜15:30
当館特別展示室 入館料が必要です
月曜休館
期間中の休館日:6月7日、14日、21日、28日(月)
入館料 大人300円(140円)、学生140円(70円)、高校生以下無料。
( )内は20名以上の団体料金。
身体障害者手帳等をお持ちの方と介護者は無料です。
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岩手県立博物館
〒020-0102 岩手県盛岡市上田字松屋敷34番地 電話 019-661-2831 FAX 019-665-1214