漆はウルシの木から採集した樹液です。この樹液は塗料とも接着剤ともなり、縄文時代から利用されてきました。漆を取ることを漆掻きといいます。樹皮にキズをつけて、にじみ出る樹液を掻き取るからです。また、漆の実からは蝋燭が作られました。
岩手の漆を支えてきた漆掻きの道具や、漆器づくり、蝋燭づくりの道具などを展示し、現在も息づく漆の技術を紹介します。
岩手県立博物館開館30周年記念特別企画展
いわての漆
2010年10月2日(土)〜11月7日(日)
特別展示室・いわて文化史展示室

南部箔椀(当館蔵)
主催:岩手県立博物館・(財)岩手県文化振興事業団・(財)自治総合センター
漆は、縄文時代から人々の暮らしに深く関わってきました。岩手では、庶民の日用品にまで幅広く利用され、秀衡塗や浄法寺塗といった代表的な漆器が生まれました。本展では、多くの遺跡出土品や歴史・民俗資料、美術工芸品などをとおして岩手の漆文化を振り返るとともに、国内生産量第1位を誇る岩手の漆掻きの技術を紹介します。
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展示の構成
第1章 漆掻きの技術と庶民の漆
漆はウルシの木から採集した樹液です。この樹液は塗料とも接着剤ともなり、縄文時代から利用されてきました。漆を取ることを漆掻きといいます。樹皮にキズをつけて、にじみ出る樹液を掻き取るからです。また、漆の実からは蝋燭が作られました。
岩手の漆を支えてきた漆掻きの道具や、漆器づくり、蝋燭づくりの道具などを展示し、現在も息づく漆の技術を紹介します。

タカッポ(掻き樽)(二戸市浄法寺歴史民俗資料館蔵)

出荷用漆樽(二戸市うるし振興室蔵)
漆は漆器だけでなく、いろいろなものに使われています。南部鉄器、岩谷堂箪笥などの伝統工芸品をはじめ、神楽で使われる面などにも漆が使われています。漆が庶民の日常のいたるところで見られた時代を振り返ります。

漆沢月山神楽面(舌出し面)(二戸市浄法寺町漆沢月山神楽保存会蔵)
第2章 縄文時代からはじまる漆文化
数千年の時を経て、今もなお艶やかな光沢を放つ漆製品。遺跡の発掘調査によって、様々な漆製品が出土しています。岩手県内での漆の利用は、縄文時代の終わり頃、盛んになります。盛岡市の萪内遺跡では、赤色漆塗弓や赤色漆塗竪櫛などが見つかっています。太鼓の漆製品がどのような技術で作られているのか、最新の科学分析を交えて展示します。

萪内遺跡出土赤色漆塗竪櫛(岩手県蔵)
第3章 花開く漆の美
漆の美は、漆塗りそのものの美しさ、そして、漆と相まった金銀の蒔絵(まきえ)や貝殻による螺鈿(らでん)の美しさです。縄文時代から始まる漆の文化は、奈良時代以降の蒔絵や螺鈿の装飾技法の発達によって花開きます。
寺院は、最新の情報や技術と多様な文物の集積地であり、また発信地でもありました。平泉の中尊寺には、平安時代後期の工芸技術の精華が伝えられています。漆の産地として名高い浄法寺には、神亀5年(728)創建という天台寺があります。大寺院は有力者との結び付きも強く、建築や調度、奉納品の中にも、優れた漆芸を見ることができます。

漆絵立花図(天台寺蔵)
岩手には、名椀として称賛される古椀があります。「正法寺椀」「秀衡椀」「南部椀」等です。ずらりと並んだ岩手の古椀の美しさを御堪能ください。

沢瀉漆絵椀(毛越寺一山 白王院蔵)
現在の岩手県域の大半は、江戸時代、盛岡藩と仙台藩の領域でした。一関藩は仙台藩の支藩です。盛岡藩主・南部家と一関藩主・田村家ゆかりの武具や調度を紹介します。

燕尾形兜(伝鯰尾兜)(当館蔵)
第4章 現代の漆
現代では、漆芸家や研究者などが、新しい漆製品の開発に取り組んでいます。芸術作品だけでなく、身近なものに漆を応用することで、付加価値を高めています。

花器(冨士原文隆氏作)
■展示解説会
10月2日(土)・10月16日(土)・10月30日(土)・11月6日(土)いずれも14:30-15:30
入館料が必要です。
■秋期セミナー
いずれも13:30〜15:00 講堂 当日受付・聴講無料 一般対象
●10月 3日(日)「縄文時代のウルシ利用」
能城修一氏(独立行政法人森林総合研究所)
●10月10日(日)「うるしの話」
高橋勇介氏(岩手工芸美術協会会長)
●10月11日(月・祝)
「漆の魅力〜いわての漆工芸」
冨士原文隆氏(八幡平市安代漆工技術研究センター)
「新しい漆製品の開発と可能性」
小林正信氏(岩手県工業技術センター)
「漆のある暮らし」
町田俊一氏(岩手県工業技術センター)
●10月24日(日)「漆蝋をつくる」
高田和徳氏(御所野縄文博物館館長)
●11月 7日(日)「漆の可能性〜地域おこし〜」
中村裕氏(二戸市うるし振興室長)・ 松沢卓生氏(岩手県浄法寺漆生産組合事務局長)
■シンポジウム
11月 3日(水・文化の日)11:00-16:00 講堂 当日受付・聴講無料
「縄文漆を科学する」
阿部芳郎氏(明治大学教授)・宮越哲雄氏(明治大学教授)・吉田邦夫氏(東京大学総合研究博物館准教授)・河西学氏(帝京大学山梨文化財研究所)・本多貴之氏(明治大学)・神谷嘉美氏(地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター)・八木勝枝(当館専門学芸員)
このほか、漆掻きの実演、漆塗りの車の展示、漆製品の販売などがございます。
月曜休館 ただし月曜が祝日の場合は開館し、翌平日に休館します。
期間中の休館日:10月4日(月)、12日(火)、18日(月)、25日(月)、11月1日(月)
入館料
一般300円(140円)、学生140円(70円)、高校生以下無料
( )内は20名以上の団体料金。
身体障害者手帳等をお持ちの方と介護者は無料です。
アクセス
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※本事業は、宝くじの普及広報事業費により実施しています。
岩手県立博物館
〒020-0102 岩手県盛岡市上田字松屋敷34番地 電話 019-661-2831 FAX 019-665-1214
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