教育長記者会見

◇ 教育長定例記者会見(3月)における質疑応答 ◇

平成16年3月17日(水)
県庁10階 教育長室 
(記者)
 それでは幹事社の方から、質問をまとめてさせていただきます。
 まず、今日が県立高校入試の合格発表ということで、新制度初の実施ということになりました。県教委としてその成果をどう考えるかということ。2点目が懲戒免職者の氏名の公表についてですが、1月やまたそれ以前にも度々議論されていることですが、今度、福島県で氏名公表に踏み切るようですけれども県教委の検討はどこまで進んだか、今後の見通しと現段階での状況をお聞かせいただきたいと思います。3点目は、知事が教育委員制度の見直しについて小中学校への教職員任命権移管について言及、提案したことについて教育長の所感をお聞かせいただきたいと思います。年度末ということで、今年一年間を振り返っての成果や所感をお聞かせいただきたいと思います。

(教育長)
 県立高校の入試について、今日発表ですが、まだ合格発表前ですので、全て終了したということではないので、発表をした後、成果、改善点等があればもちろん検討するということを今考えているわけです。今回実施いたしまして、英語の応答試験で一部発問ミスがあるなど、これからおおいに検討、あるいは改善の余地があります。これから改善点等見い出していきたいと考えております。発問ミスにつきましては、英語の応答試験で5問発問すべき所を一部発問しないでしまったということが複数の学校で起こりました。大変残念なことです。入試という間違いが許されない事務においてミスが起こったということで、現場での混乱は幸いにしてなかったわけですけれども、大変申し訳ないと思っております。今回新しい制度に切り替えて初めてということで、教育委員会におきましてもかなり神経を使ってやってきたつもりですが、結果としてこのようなミスが起きてしまったということは大変残念だと思っております。ミスの原因についてはこれから詰めていきたいと思っていますが、学校側の実施体制であるとか、あるいは管理監督する立場の人の認識が不十分だったのではないのかなどいろいろありますが、併せて県教委の事前の指導・説明が必ずしも十分に行き渡っていなかった結果ではないかということで、その点は我々もしっかりと検証してあとにつなげていきたいと考えております。来年度に向けて改善すべき点や先ほども質問にありましたが、その事項を検討しながら進めていきたいと考えています。
 懲戒免職者の氏名公表について、本県の状況は今原則として、被処分者の所属、氏名等につきましては個人情報を公表しないということで取扱いをしているわけですが、これまでもこの記者会見の場でもいろいろありましたし、内部でも検討しております。本県の特徴としては、酒酔い運転等の社会的に影響の大きい行為につきましては懲戒処分の前にすでに公表してきている。これは処分前公表ということで全国でも例がないかと思います。個人情報は個人情報保護条例というものとの兼ね合いで、私どもとしては公表すべきではないかということで、今検討し、またこの個人情報保護条例の中で、目的外の使用や活用については個人情報保護審議会の意見を聞いて実施機関としての判断をするという一項目があります。この3月の末に審議会が開かれるので、これに私どもの方でも検討をお願いしている状況です。したがってその結果を見て県教育委員会としての公表の可否、是非を決めたいと思っています。できれば氏名まで発表できないかという前向きな検討をしているところです。
 知事が教育委員会制度の見直しについて言及した事について、現行の教育委員会制度というものは、言うまでもありませんが教育の中立性でありますとか、あるいは教育行政の安定性を確保するための仕組みであります。しかし、昨今の地方分権の流れの中で、おそらく教育委員会に強く期待されることは、地域のニーズに応じたかたちで教育行政を主体的に取り組むべきである。それが果たして出来たのかどうかという観点から、そういう発言があったものと認識しておりますし、中教審に対する文部科学省の諮問が3月4日になされましたが、同じようなことを背景にしてなされたものと受け止めております。教育委員会としてはその状況を見ながら、併せて今この現行制度の中で見直すべき点、あるいはできることの不断の検討、これまで同様できる限りのことを続けていきたい。これは教育委員会の運営であるとか開かれた学校づくりであるとか、これまでどおり強く進めていきたいと考えています。
 最後に、一年間を振り返ってということで、教育長に就任した時の基本的な認識といたしまして、開かれた、あるいは透明性の高い教育行政を進める、そのためには教育委員会本体が説明責任を十分に果たして、同時に、それぞれ関係者、特に学校現場の実態をよく見て、聞いて進めるということでやってきたわけですが、一方では不祥事が残念なことに相次いで起きまして、まだまだこれからも学校現場に出向きたい。関係する市町村の教育長さん方への訪問も飛び飛びでしたが、一巡できました。また来年も続けていきたいと思いますけれども、直に関係者の声を聞いて、教育委員会もストレートに市町村教育委員会にもお話を申し上げて一緒になってやっていく必要があるだろうと思っています。市町村教育委員会と県の教育委員会との制度上の垣根というものがありますので、双方で歩み寄って岩手の教育力の向上に向けて一層連携を密にしていきたいと改めてそう思っています。以上です。

(記者)
 それでは先ほど発表ありました、学習定着度状況調査と今の4つの質問について、その他各社の質問があればお願いします。

(記者)
 学習定着度状況調査結果に併せて今回質問紙調査を行ったわけですが、学習定着度状況調査は2年目ですが、質問紙は今回が初めてですか。

(教育長)
 はい、初めてです。

(記者)
 せっかくこれだけきめ細かく学習定着度状況調査の集計をなさって、その努力に敬意を表するんですが、これを各学校ごとに活用するに当たって、父母への情報の開示ですとかその実情はどうなっているのか。あるいはどう指導していきたいとお考えなのかお聞かせください。

(教育長)
 学習定着度状況調査、意識調査は、クロスさせた分析もありまして、今の状況がある程度浮き彫りにされています。ただ今回初めての意識調査ですので、来年再来年と回を重ねればなお一層その傾向が分かるのではないかと思いますし、これを指導に生かしたい。同時に、家庭に関する項目も入っていますから、その状況について各家庭にも、どういう形を取るかは各市町村教育委員会にお任せしますが、活用される事を大いに期待しております。学習定着度状況調査については、もう既に始めておりますけれども、教育事務所単位にいろいろな方策を練っております。我々のねらいも一人ひとりの子どもたちの実態を把握してその実態の状況に合わせてどういう指導をすればいいかということで、各教育委員会や学校で一生懸命検討しているはずですし、そういうところに生かされて初めてやった効果もあるので、かなり強く教育事務所にも指導要請しています。

(記者)
 学校ごとに採点しますよね。自分の学校のデータは持っていますよね。例えば全県の平均ですとか、教育事務所ごとの平均データが分かるわけですが、それを父母に対して、各学校ごとにうちの学校はこうでしたとか、あるいは個人個人のお子さんはこうでしたという開示はするのでしょうか。

(教育長)
 それは統一をとってこうしなさい、ああしなさいということはしていませんので、学校でも自分の学校の、学年の、教科の正答率はこうだとかという状況を知らせているところもありますし、またそれを活用してどう取組むかという学校全体での共通認識のもとでやるということで、それぞれ取組みは学校に任せてあります。

(記者)
 学習定着度状況調査の関係で伺いたいのは、学習定着度状況調査本体では、学力は必ずしも満足できる状態ではないというお話で、今回、学習習慣、生活習慣との関連で、単年度ではっきり結論づけるのは難しいかもしれませんが、傾向として学力が満足できる状態にないという原因や理由、または今後に向けての課題についてはどのように捉えていらっしゃるのか。

(教育長)
 それは1月に発表した際に言っておりますが、それぞれ各学年で基礎・基本というものをきちんと確認して次の学年に進行するということがうまく流れていないんではないか。つまりつまずきをそのままつまずいた状態で次の学年に移行しているということが結果として、学年が上がるにつれて、正答率が下がるのではないかということから、そのつまずきを早く見つけて、それをどうやって解消してあげるか、というような教師の指導にかかる部分がかなりあるのではないかと思います。今回意識調査をやりましたが、子どもたちの意識の中にも勉強は好きである、あるいは勉強は大切だと思っている子供たちほど定着度の状況は良い結果が出ているというようなこともありますし、複雑に絡み合っている状況もありますので、その辺をさらに分析しながら進めるということ。まずねらいは指導力、指導方法、あるいは子どもに対する理解のさせ方ですとか、今までが悪いということではなく、もっときめ細かくやっていくべきではないかと思っています。この質問は前にも発表した時にまとめたものと同じことだと思いますけれども、これから子どもへの接し方、または学力向上に向けては保護者とどうやって一緒になってやっていくか、広く言えば地域も入るかと思いますが、保護者への我々学校側からの呼び掛け、問い掛けなど一緒になってやろうという働き掛けをやっていかなければならないと同時に保護者からの声も聞きながら一緒に子どもたちを育むということが大事だと思っています。

(記者)
 意識調査と関連付けた場合に、家庭や保護者にどういうふうに、学校は指導力を向上させます、家庭ではこういうことをお願いしますということをある程度認識していると思いますが、その辺はどう捉えているのかをお聞きしたいと思います。

(教育長)
 家庭はおそらく通知表を見るくらいで、一般的には、実態というものは把握しきれないところがあるだろうと思います。今度は個々の子どもさんの状況が分かるわけですから、学校側と保護者の間で具体的にこの部分がといったかたちで指摘しながら指導できるのではないかと。今まではなかなかそういうデータがなかったのでそういう意味では今回のデータを使ってやっていけるということがきめ細かい指導になるのだろうと思います。

(記者)
 個人情報保護審議会の関連で、目的外の使用・活用は保護審議会に図ってからということですが、これについては何か案件があるごとに個別の事案について審判を仰ぐのか、それとも県教委が今後こういう点を公表しようと考えていることで仰ぐのか。

(教育長)
 福島県の場合では、条例上そういう拘束がない、つまり実施機関が判断して、社会的にも公表するのが妥当だと判断すれば公表できるのですが、本県の場合は情報保護条例の中で審議会に意見を聞く。それを私どもは包括的に審議していただいて、認めてもらうというふうに考えています。ただ個人情報保護審議会も保護するということの大事さから、なかなか簡単には認めてくれるかどうか分かりませんが、かなり面倒かなと思います。今見守っているところです。審議会は3月23日にあります。

(記者)
 この間の処分基準の引き上げは知事部局とも連動していましたけれども、この個人情報については?

(教育長)
 これはあくまでも教育委員会のみです。

(記者)
 市町村教委との垣根の話ですが、具体的に障害になっていると思うのは教育長からご覧になってありますか。

(教育長)
 私が実際市町村の教育長さん方と話をしてみまして、市町村教委はもちろん管轄下にある小学校、中学校の運営に責任を持ってあたっているわけですけれども、そこには県の教育委員会からの学校教育上の指導が入りますし、それをワンクッションおいて教育委員会で受け止めてやるには、そこには一つの選択や判断が間に入って、それがうまく徹底されるかどうかというと若干徹底されない、それが自立性だと言われればまた別ですが、難しい部分があります。それから、県の教育委員会に対する仲間意識というか、自分達で自己完結しなければならないという責任感、使命感と共に、ある意味では県の教育委員会に相談して欲しいことも敢えて進めるところもありますし、我々からしても十分に意が伝わらないところもありますから、これといった具体的なことよりも、もっと今まで以上に一緒になってやれば、必ず小・中・高校も含めて地域の教育力の向上につながるだろうという意味で今まで以上に積極的な連携、話合いをしたいと思っています。

(記者)
 氏名公表の件で確認ですけれども、教育委員会が想定しているのは、例えば、管理職だけとか、一般職を含めて全体なのかという点と、処分した場合の処分の重さがどういうもので制限があるのか、今回そういう形でゴーサインが出た場合に早ければいつ頃からやりたいと考えていますか。

(教育長)
 この件も難しい問題で、例えば福島県は免職と限定しております。本県では逆に酒がらみの違反などのように極めて社会から批判を受けるようなものについては、役職等に拘わらず公表したい、出すべきではないかということを内部では検討しているんですけれども、しかし役職上の重さゆえに反社会性の行為は公表すべきだという判断が3月23日になされることも想定していますが、そうなると校長であるとか管理職に限定されるということにもなるのかなと思います。一変に全てというふうになるのかどうか。これは十分に総合政策室から聞きながら審議過程でどういうふうな過程があって審議されたのか我々も注意しながら内部で検討したい。そういう事態になった場合にはできるだけ早く出したいと考えています。ただ我々が個人情報の保護について考えていないわけではなくて、そこは内部でも議論していますし、今度の専門機関たる審議会に従って議論課程というものも十分に参酌しながら我々の検討結果を導いていきたいと思っています。

(記者)
 現時点で審議会に諮問をするという前提としては、県教委としては全部ということですか。

(教育長)
 一部です。審議会の意向というのは、私は以前総合政策室長をやっていて担当部長でしたので、個人情報の保護というものは、軽くはないので慎重に審議しなければならないということで、おそらく厳しいんじゃないかということで、当面は管理職にあるものについて審議してもらおうということです。そして徐々に広めることも可能なのではないかと。役職いかんに拘わらず教師という者が非的な行為、それが保護者や子供たちの信頼を裏切るようなことにつながるような行為は、逆に言えば、一般教諭だから軽いというものではないはずだという意識はありますけれども、ここでは管理職ですね、校長と県の教育委員会内部でいえば課長クラス、出先機関の課長クラスです。

(記者)
 処分の軽重は関係ないのですか。懲戒処分とか。

(教育長)
 処分は関係ないです。処分の量定ですね。処分の軽重ではなくしてその行為自体ということ。結果的には公表することはかなり重い処分が想定されると思いますけれども。

(記者)
 あくまで処分段階でですか。

(教育長)
 県では処分前に公表していますから、その時点でどうかということです。ですから「その時点」も併せて問題になるだろうと思います。今も逮捕されるような案件あるいは、その非的行為が相当社会的に批判の的になるようなものについては処分前に直ちに公表するというふうに進めています。

(記者)
 そうすると、例えば30キロオーバーとか。

(教育長)
 今考えているの酒がらみです。

(記者)
 例えば、体罰とかセクハラとかも社会的影響があると思うんですが、そのあたりについてはどうですか。

(教育長)
 これからさらに範囲を広げるということで、体罰、セクハラ、わいせつ行為などは極めて学校の中での微妙な状況がありますから、おそらくケースをよく見ないと難しい問題があると思うので、今踏み切るには、なお深く詰めていかなければならないと思っています。今は酒気帯びであるとか酒酔い運転、それが大変注目されていますからこれについてはやっていこうと考えています。

(記者)
 今回審議会にかけるのは校長先生と課長級以上の職員の酒がらみの事案ということですか。

(教育長)
 そうです。

(記者)
 一般教員の場合は酒がらみで免職になった場合でも、今回は氏名公表はしないということですか。

(教育長)
 我々からすれば先ほども言いましたが、もちろん管理監督の立場にある者は重いわけですから、一般教員が軽いかといえばそうではない。社会的な批判を受けるわけですから、それについても今後さらに拡大していけないかどうかを詰めていきます。それは、まず第三者機関からの判断を仰いでやるものですから、管理職をクリヤーしてから広げていこうかということです。

(記者)
 第一弾には入らない?

(教育長)
 そうですね。

(記者)
 確認ですが、酒気帯びとか酒酔い運転での停職ということも考えられるのですか。

(教育長)
 停職であるとか、その状況によって量定が決まるわけですけれども、その重さが免職に相当するものだけではない。

(記者)
 氏名を公表することによってどんな効果を期待していますか。

(教育長)
 まず一つには、皆さん方から強い要請があるということです。つまりマスコミの皆さんということは県民の要請でもあるので、お応えしなければならない。確かに『声の欄』であるとかに、名を伏せるのはおかしいのではないのかという意見があります。逆にそこが比較考量なんですけれども、そういう行為をした者にももちろん保護されるべきものがありますから、それをどういうふうに見るか、比較考量ですね。その結果出すべきなのかなと考えております。そのこと自体が単に他山の石と見ないで、ひとつの教職員間での自覚を促すことにもなりますし、より一層県民の批判に対する信頼関係を構築し直そうという意識にもつながるだろうと思っております。

(記者)
 いわゆる不祥事の抑止ということですか。

(教育長)
 副次的ではありますけれども、そういう効果もあるのではないかと思います。

(記者)
 今の不祥事の公表の規程には基本的に逮捕されるかされないかがひとつの線になっていると思うんですけれども、それに例外として重大な事案については公表するというようなものがついていたと思うんですけれども。

(教育長)
 公表はするのだけれども、名前まではいっていません。

(記者)
 今回新たに個人情報審議会に諮問するということで、そこを明らかにするということですか。

(教育長)
 そうです。ただ今言ったように、今回は酒がらみの事案についてです。

(記者)
 久慈東高校等での入試のミスについてなんですけれども、関係する先生とか職員の処分についてはお考えでしょうか。

(教育長)
 その件については、今試験が終わって、ミスが許されないのは試験そのもの、今日の合否までとにかく神経を集中させて一生懸命、間違いがないようにやってくれとお願いしている段階で、事実関係はまだこれから詳しく聞かなければならない部分もありますので、これからのことだと思います。ただ、明らかにこういうミスが発生したということは私どもも含めて、組織としてまずい点があったわけですからその辺の責任は感じております。今はどうのこうのと言えませんが、まだ聞き取りなどもしていますが、これから確認等を進めていくという状況です。

  マスコミの皆さんへ記者会見のみならず教育委員会の透明性を高めるために情報の公開を徹底したいと言うことで、去年の4月から始めまして1年を経たわけですが、改善すべき点はないかということでお願いしましたら、大変たくさんの指摘事項、私に対する批判事項をいただきました。これを糧としてもっといいものに、分かりやすく利用しやすいような情報を提供するように心掛けたいと思いますのでよろしくお願い申し上げたいと思います。
一年間ありがとうございました。

HOME