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BSE関連対策の推進に係る提言

  さる2月12日(火)、岩手県は、農林水産省に対して、施策提言(提言者:農林水産部長)を行いました。
 農林水産部長が提言を行った相手先
    農林水産省; 事務次官、生産局長、畜産部長、審議官、各担当課長
平成14年2月13日


牛海綿状脳症(BSE)関連対策の推進に係る提言書

平成14年2月12日

岩手県知事  増 田 寛 也



 我が国初の牛海綿状脳症(BSE)の発生は、消費者や生産者、関係事業者をはじめ、国民生活全体に大きな影響を与えているにもかかわらず、未だ事態終息の兆しが見えない状況にあります。
 国産牛肉の安全性に対する信頼感は、昨年10月18日から開始された、と畜牛全頭へのBSE検査の実施によって徐々に回復し始めたかに見えましたが、2頭目、3頭目の相次ぐBSE感染牛の発生や一部食品企業による牛肉を偽って取扱った事件が発覚するなどの影響で、国産牛肉の消費減退と価格低迷は益々深刻となっており、畜産農家及び卸・小売等関連業者の経営は、極めて厳しい環境に置かれたままであります。
 国におかれては原因の究明や関連対策の実施など、鋭意、取組みを強められているところでありますが、更に実効性の高い施策を積極的に展開することにより、一日も早く国民の牛肉に対する不安や戸惑いを払拭するとともに、畜産農家をはじめ、関係する業界の経営安定を図る必要があることから、次の事項について提言するものです。


1. 原因の解明と情報公開について
 BSE発生原因、治療方法等について、関係省庁、諸外国等とも連携して科学的な解明を急ぎ、一日も早く我が国の清浄化を実現するとともに、その取組みの過程やBSEに関する情報を国民に、正確、かつ分かり易く説明し、国民の食に対する不安や戸惑いを早急に払拭すること。


2. 食肉トレーサビリティーの確立について
 消費者の食肉に対する信頼性や安心感を得るためには、牛肉の生産過程に関する情報をつぶさに提供し、牛肉の安全性の保証と透明性を確保する仕組みが必要であることから、一般家庭や店頭、流通過程においても牛の飼養履歴や給与飼料の情報等が即座に得られる食肉トレーサビリティーのシステムを国において構築し、全国一律な仕組みとして早期の実現を図ること。


3. 食肉流通の監視強化について
 牛肉等の表示を偽って取扱った事件は、風評被害の払拭を切に願う生産者をはじめ関係者のみならず消費者にとっても大きな苛立ちと不安をかき立てたところであり、今後こうした事態を招くことのないよう、食肉の流通過程における厳正な管理と秩序ある取扱いについて改めて徹底されるよう、関係業界に対する指導監視を強化すること。

4. 生産者支援対策の充実について
(1)市況の低迷と需要の停滞から計画的な出荷、販売が出来ず、肉牛生産農家の多くは経営損失を被っているうえに、飼養期間が長く資本回転率が低いことなどの理由から、1年後に償還期限を迎える大家畜経営維持資金については、償還財源の確保が極めて困難な状況になると考えられる。したがって、大家畜経営維持資金について、貸付期間の延長を行うとともに、償還期間を5年程度(無担保、無保証人)に改めるなど制度の見直しを行うこと。

(2)市況の低迷と需要の停滞は、今暫く続くことが予想されることから、BSE対応肉用牛肥育経営特別対策事業及び子牛生産拡大奨励事業のBSE対応特例措置について、14年度においても継続して実施するとともに、補てん金等の概算払い方式を導入すること。


5. 廃用牛、死亡牛の適切な処分について
(1)農家段階での廃用牛の滞留を解消するための対策が講じられたところであるが、本対策が円滑かつ効果的に実施されるために、早急に本対策の具体化を図ったうえで、国において速やかに廃用牛の全頭買い上げを行い、最終的に廃用牛牛肉が適切に処分されるよう取り組むこと。

(2)24ヶ月齢以上の死亡牛については、BSE発生原因の究明等のため、全頭BSE検査を実施する方針が示されているところであるが、現在の施設、体制においては実施が極めて困難であることから、国においてBSE検査が出来る体制を整備するとともに、かかる経費について全額国が負担すること。


6. 肉骨粉等の広域的な国営焼却施設の設置と焼却促進について
(1)肉骨粉、特定危険部位、死亡牛(肉骨粉等を与えた牛を含む)、BSE未検査牛肉等については、最終的に焼却処分することとなっているが、市町村等の既存の焼却施設の能力では対応しきれないことは明らかであり、また、先に国が示した広域的な焼却施設の設置については、焼却される死亡牛等が県境を越えて搬送されることや、設置場所の選定、施設の運営等について、関係都道府県との調整が不可欠である。したがって、国自らが広域的な焼却施設の整備と焼却実施に取り組み、適正かつ円滑に焼却処分が行われる体制を早急に整えること。

(2)当面の対策として、一般廃棄物焼却施設において、肉骨粉を焼却する場合に必要な施設の補修経費を国の負担の対象とすること。



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