岩手県の取り組み

「岩手県医師確保対策アクションプラン」

「岩手県医師確保対策アクションプラン」を策定し、医師養成から本県での生活までの医師のライフステージに応じた様々な取組みを総合的に展開しています。

「岩手県医師確保対策アクションプラン」の主な内容

  1. 将来の医師を育てる(奨学金制度の実施、医学部進学セミナー等の開催)
  2. 奨学金制度や臨床研修病院を知ってもらう(医学生対象の臨床研修病院合同説明会・合同面接会などの開催)
  3. 本県で臨床研修を終了した方に引き続き残ってもらう(認定医、専門医とリンクする後期研修受入態勢等整備)
  4. 地域に住んでもらう(女性医師の育児と仕事を両立できる環境の整備等)など

「いわてイーハトーヴ臨床研修病院群」

@医師のキャリア形成に対応した取組み

各臨床研修病院の臨床研修プログラム責任者を中心に「ワーキンググループ」を構成し、県と共同して指導医講習会を開催するほか、臨床研修病院合同説明会、臨床研修病院合同面接会、臨床研修医合同オリエンテーションなど臨床研修医を受入れる環境整備に取組んでいます。
また、魅力ある後期研修プログラムの構築など、医師のキャリア形成に対応した育成の方向性について検討しています。

キャリアアップイメージ図(一例)

A充実した指導体制

岩手県では、厚生労働省の指針に沿った臨床研修指導医講習会を、全国で初めて県主催で開催するなど、早くから指導医の養成に取組んできました。
講習会を受講した指導医の数は平成22年4月現在で421名に上り、指導医と臨床研修医の比率は3:1に迫る全国有数の指導体制です。
また、平成19年度から「臨床研修指導医スキルアップセミナー」を開催するなど、指導体制の質的充実を図る取組みを推進しています。

研修医数(a) 指導医数(b) (b)のうち
講習会受講数
(c)
受講済み
指導医:研修医
(c):(a)
143名 656名 421名 約3:1

※平成22年4月時点

臨床研修医の動向など(県内勤務等者数及び率)

区分\受入年度 H15
(参考)
H16
臨床研修
必修化
H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
臨床研修医数
(受入)
38名 58名 65名 75名 57名 66名 74名 69名 68名
 a 研修修了者 (H18.3)
54名
(H19.3)
65名
(H20.3)
74名
(H21.3)
56名
(H22.3)
66名
(H23.3)
73名
   
 b うち県内勤務等者 44名 56名 62名 44名 55名 57名    
 c 県内勤務等率 81.5% 86.2% 83.8% 78.6% 83.3% 78.1%    

 

医師確保対策室の設置、医師支援推進室への改組

本県では医師確保を県政の最重要課題の一つとして取組み、これまで臨床研修医の増加など一定の成果も見えてきているところですが、医師不足の喫緊の課題に機動的に対応するため、平成18年9月に医師確保対策室を設置し即戦力となる医師の招聘に取組んできました。
平成21年4月には医師支援推進室へ改組し、医師の支援体制のいっそうの充実に向け、組織強化を図りました。

ドクターバンク

@県職員任期付き採用方式

ドクターバンクに登録された医師を県職員として採用し、岩手県内の公的医療機関で診療に従事していただきます。
任期は3年間で、任期1・2年目(公的医療機関で勤務)は学会参加などの研修費補助(年間100万円程度)を受けることが可能です。
任期3年目は県から給与の支給を受けながら、1年間を国内外での研修期間とすることができます。

A無料職業紹介事業

医師の方々の様々な勤務ニーズに対応するため、「無料職業紹介事業」を実施しています。
これは、本県での勤務意向のある医師の方々にドクターバンクに登録していただき、希望条件に合う岩手県内の公的医療機関へのあっせんを行うものです。
単なる求人情報の提供にとどまらず、ご希望に沿った勤務の実現に向けキメ細かくサポートいたします。

医師へのサポート体制

@勤務医賠償責任保険への加入 

県立病院では医療事故等への対応の一環として、「病院賠償責任保険」へ加入していることに加え、勤務医個人が負担する法律上の賠償責任を補償する「勤務医賠償責任保険」について勤務医全員を対象に加入しています(保険金額:対人1事故1億円)。

A充実した医療相談体制

県内全病院に医療相談窓口を設置しているほか、県立病院を統括する医療局に医療相談担当の専任職を設置し、個々の病院では対応が困難な事例を取扱うなど、組織的に対応する体制をとっています。

B医療クラークの配置

県立病院においては、医師が行っている事務作業などについて、医師以外の職種でも対応できる業務を見直すことにより、医師が本来の業務に専念できるような体制の構築を進めています。
このため、平成19年度から県立病院に医療クラークの配置を進めています。
医療クラークは診断書などの文書作成補助、診療記録の整理や統計調査など、主に医師の補助作業を行っています。
医療クラーク導入後は、医師が診療に専念できる時間が増えた、外来診療がスピードアップした、診断書作成の期間が大幅に短縮されたなどのメリットが報告されています。
医療クラークは平成20年度当初に62名配置し、医師からの評価が高いことから平成23年度には180名程度まで配置数を増やしており、さらに医師の負担軽減を図っていきます。

Cその他支援対策

さらなる支援対策の取組みの一環として、日常的な相談窓口を設け、継続的に待遇面の改善や業務軽減につながる取組みを進めています。

D「いわてイーハトーヴ総合診療医」の育成

全国随一の公的医療機関ネットワークなど本県の特色を生かした独自の育成プログラムにより後期研修医などを対象として『総合診療医』を育成します。
育成は、センター病院、基幹病院、地域病院などで「リーグ」を形成し、それぞれの医療機関での修練を通じて行われます。現在、2つの医療機関(県立中部病院、国保藤沢病院)が修練カリキュラムを編成し、育成医師を募集しています。

E女性医師就業支援

ア 育児支援事業

就学前の乳幼児を子育て中であって県内の医療機関に勤務する女性医師を対象とし、勤務形態に合わせて女性医師の代わりに保育にあたる者を確保するなどの支援を行います。
また、県立病院においては、院内保育所で24時間保育及び病後児保育を実施しており、平成21年度は広域基幹病院など10ヵ所に拡大します。

院内保育実施病院

中央、中部、胆沢、磐井・南光、大船渡、釜石、宮古、久慈、二戸、江刺 

イ 職場復帰支援事業

育児などのために離職し、その後復帰(再就業)を希望する女性医師で岩手医科大学または県立病院での研修を希望する者に対し、離職時の就業状態及び離職期間に応じた研修を行います。

ウ 短時間勤務制度

県立病院においては、育児と仕事の両立が可能となるように育児のための短時間勤務制度を導入しています。
対象は小学校就学前の子を養育する常勤の正規職員で、勤務形態は下記の4種類から選択することが可能です。
 T 4時間×5日=週20時間勤務
 U 5時間×5日=週25時間勤務
 V 8時間×3日=週24時間勤務
 W 8時間×2日+4時間×1日=週20時間勤務
給料は勤務時間に応じた支給となりますが、共済制度の適用があること、短時間勤務を行った期間も退職手当の支給期間に参入されることなどのメリットがあります。

F診療応援体制の整備

県内の中核病院から自治体医療機関を支援する体制を構築しており、例えば中核の県立病院から自治体医療機関に対しては年間7,000人日ほどの診療応援(県立病院間の応援を含む)が行われています。

待遇

給与はそれぞれの自治体の基準に基づき定められています。
県立病院では臨床研修医は臨時医務嘱託として、医師免許取得後3年目(後期研修医を含む)以降は正規職員として採用しています。
地方公営企業年鑑の資料で都道府県別の給与を比較すると、岩手県立病院の給与は全国でも有数の高水準となっています。
また、学会出席のために研修助成を行っており、旅費年額18万円・受講料年額3万円の範囲内で支給しています。さらに、認定医・専門医の取得の別や所属する県立病院の地域に応じ研修助成費の加算があります。