岩 手 県 版 レ ッ ド リ ス ト(暫定版)に つ い て

 自然保護課では現在、いわてレッドデータブックの作成作業を行っていますが、レッドデータブックの作成に先立ち、本県の希少野生生物種のリスト(いわゆるレッドリスト)の暫定版を作成しました。

1  県版レッドリスト掲載種の状況

県内の野生生物種のうち、カテゴリーの要件(別紙参照)に照らし合わせ、選定した希少野生生物種の状況は次のとおりです。

(単位:種数)

区  分

植 物

       動           物

哺乳類

鳥  類

爬虫・両生類

淡水魚類

節足動物

陸淡水海産貝類

小 計

岩手県版

594

27

109

11

15

308

106

576

1,170

環境庁版

1,901

76

135

47

96

491

551

1,396

3,297

  注1) この県版レッドリストは現在まだ暫定版であり、レッドデータブック作成までの間に変更がありえます。
 
    最終的には、平成12年度末の県版レッドデータブック完成時に確定します。

  注2) 植物は維管束植物のみでの比較です。

 (1)   レッドリスト掲載種をいくつか例示すると以下のとおりです。

ア 植  物

・ 絶 滅 種   ミズスギ、クロバナハンショウヅル、セッコク

     ・ 野生絶滅種   ハンゲショウ

     ・ A ラ ン ク   フサタヌキモ、ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ

     ・ B ラ ン ク   ミヤマオダマキ、ミヤマキンバイ、エビネ、アツモリソウ

     ・ C ラ ン ク   コマクサ、イワヒバ、オオイワカガミ、サクラソウ、フクジュソウ

     ・ D ラ ン ク   ヒモカズラ、ビャクシン、ナガミノオニシバ

     ・ 情報不足種   エゾマツ、オオルリソウ、アサザ

    イ  動 物

     ・ 絶  滅  種  ニホンオオカミ、トキ、ライチョウ、 オオルリシジミ

     ・ 野生絶滅種 (該当なし)

     ・ A ラ ン ク   イヌワシ、クマタカ、クマゲラ、ホンドザル、シナイモツゴ、オオウラギンヒョウモン、ノシメコヤガ

     ・ B ラ ン ク  オオタカ、ミサゴ、ウズラ、オオジシギ、タガメ、メダカ(南日本集団)

     ・ C ラ ン ク  コマドリ、イワヒバリ、チョウセンアカシジミ、カワシンジュガイ  

     ・ D ラ ン ク  イトヨ(降海型)、フクロウ、ツキノワグマ、ホンシュウジカ 、オオムラサキ

     ・ 情報不足種  ユビナガコウモリ、ヤモリ、トウホクサンショウウオ、オトメガサ

2 今後の取り組み

  この県版レッドリストは「希少な野生生物種」の名称のみを記載したものですが、平成12年度は、それぞれの種の生息分布等具体的記述を加えた「レッドデータブック」を作成します。また、本県の希少な野生生物種の保護を図るため「種の保存に関する条例」の制定作業に着手します。

 なお、この条例による規制対象種は、県版レッドリストの中から選定される見込みです。

【別紙】

   「いわてレッドデータブック」カテゴリー定義                

 区     分

   基  本  概  念  

要    件

対応する

環境庁カテゴリー

絶 滅 種

県内では、すでに絶滅したと考えられる種 

 過去に県内に生息したことが確認されており、飼育・栽培下を含め、県内ではすでに絶滅したと考えられる種   

 絶   滅

野生絶滅種

飼育・栽培下でのみ存続している種

 過去に県内に生息したことが確認されており、飼育・栽培下では存続しているが、県内において野生ではすでに絶滅したと考えられる種           

 野生絶滅

Aランク

1 絶滅の危機に瀕している種
  現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの 
2 岩手県固有で分布が局限しており、存続基盤が極めて脆弱な種

次のいずれかに該当する種
1 近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
2 岩手県固有で分布が局限しており、 存続基盤が極めて脆弱な種

 絶滅危惧I類    

Bランク 

絶滅の危機が増大している種
 現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来Aランクに移行することが考えられるもの

次のいずれかに該当する種
 1) 大部分の個体群で個体数が大幅に減少している
 2) 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつある
 3) 大部分の個体群がその再生産能力を上回る捕獲・採取圧にさらされている 4) 分布域の相当部分に交雑可能な別  種が進入している

 絶滅危惧II類

Cランク 

存続基盤が脆弱な種
 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息・生育条件の変化のよってはAランク及びBランクに移行する要素を有するもの

生息状況の推移から見て、種の存続への圧迫が強まっていると判断される種

 準絶滅危惧種


Dランク 

1 Cランクに準ずる種
2 優れた自然環境の指標となる種
3 岩手県を南限又は北限とする種 

次のいずれかに該当する種 
1 現状では絶滅のおそれはないが、最 近減少が著しい等、Cランクに準ずる種
2 優れた自然環境の指標となる種
3 岩手県を南限又は北限とする種  

情報不足種

情報不足     

 環境条件の変化によって、容易に絶滅危惧のカテゴリーに移行し得る属性を有しているが、生息状況をはじめとして、ランクを判定するに足る情報が得られていない種              

 情報不足   

【参考】掲載種一口コメント(例示2種)

1 ハヤチネウスユキソウ(植物Aランク)

  ヨーロッパアルプスのエーデルワイスに良く似た花を咲かせ、日本では岩手県の早池峰山にしか見られない早池峰山の特産種。

  蛇紋岩の湿り気のある礫地に生育している。花期は7月〜8月。草丈は10〜30センチくらい。キク科。

  県版レッドデータブックカテゴリーAランクの要件2(岩手県固有で分布が局限しており、存続基盤が極めて脆弱な種)に該当する。

  環境庁のレッドリストでは、「絶滅危惧IB類」にランクされている。

  

2 イヌワシ(鳥類Aランク)

  翼を広げると2mに達する大型の猛禽類で、日本の山地帯における生態系の頂点に位置するもので、もともと数は多くない。

  国内の総個体数は 500羽以下で160〜200つがい程度と考えられている。

  県内では北上山地、奥羽山脈ともに生息しており、30数つがい、70羽程度が生息している。岩棚に営巣するのが普通だが、大木への営巣例もある。

  通常、年1回繁殖し1羽のヒナを巣立たせるが、近年、全国的に繁殖成績が低下している。 ノウサギ、ヤマドリ、ヘビ類を主な餌としている。

  文化財保護法による天然記念物、種の保存法による国内希少野生動植物種に指定されている。

  県版レッドデータブックカテゴリーAランクの要件1(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に該当する。

  環境庁のレッドリストでは、「絶滅危惧IB類」にランクされている。

 


戻る