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平成27年2月県議会定例会知事演述

ID番号 N33340 更新日 平成27年3月2日


平成27年2月県議会定例会知事演述の動画

1 はじめに

 本日、ここに第18回県議会定例会が開会されるに当たり、今後の県政運営について、私の所信の一端を申し上げます。

 平成23年3月11日から、間もなく4年が経とうとしています。
 あらためて、東日本大震災津波で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りします。また、未だ、応急仮設住宅等で不自由な暮らしを余儀なくされている方々をはじめ、被害を受けた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
 昨年は、8月の広島市での豪雨による土砂災害、9月の御嶽山の噴火災害、11月の長野北部地震による災害など、大きな災害に見舞われた年となりました。
 また、本年は、阪神・淡路大震災から20年の節目の年にも当たります。
 あらためて、これらの災害で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、県といたしましても引き続き防災に向けた取組を全力で進めて参ります。

2 4年間の大震災津波からの復旧・復興と平成27年度に向けて

 (東日本大震災津波への対応)
 東日本大震災津波の発災以降、県は、震災からの復旧・復興に、県政史上かつてない規模と体制で、取り組んで参りました。
 発災6日後の3月17日に、応急仮設住宅の整備等を内容とする最初の震災対応予算を編成し、平成23年度には、12回にわたり補正予算を編成するなど、県議会の御賛同のもと、これまでに2兆円を超える予算を編成して参りました。
 また、大規模予算を着実に執行するため、全ての県職員が震災対応に当たることはもちろん、国や全国の都道府県、市町村から、これまでに1千人を超える職員を岩手県に派遣していただきました。改めて感謝申し上げます。
 県は、各分野の専門家の方々や県内各団体の代表の方々など岩手の英知を結集し、オール岩手の体制で復興計画を策定し、また、部局横断的な課題に一元的に取り組むため、復興局を設置しました。
 この間、県議会におかれましても、東日本大震災津波復興特別委員会において積極的な御議論をいただくなど、執行部、議会が復興に一つとなって、県民と共に取り組みました。
 市町村との関係では、県は、被災市町村にこれまで182人の職員を派遣し、また、災害廃棄物の処理をはじめ、農地の災害復旧や埋蔵文化財の調査など、市町村の業務を支援しました。
 国においても、平成23年6月に東日本大震災復興基本法を、12月に東日本大震災復興特別区域法を制定し、翌平成24年2月には、復興庁を設置して盛岡市に岩手復興局を設けるなど、かつてないような体制で被災自治体との連携が図られました。
 政府の政策決定に当たっては、私を含め、被災3県の知事が国の東日本大震災復興構想会議、そして復興推進委員会の委員となり、積極的な提言を行って、国の復興施策に被災地の声を反映させました。
 市町村、県、国が一体となって、被災地・復興地に寄り添う体制を構築することができたと思います。
 その中で、被災現場のニーズを直ちに吸い上げ、必要な施策を県自らの判断で制度化してきたことは、地方分権の新しい姿を示すものでした。
 例えば、震災直後の4月の被災企業の資産修繕補助の立ち上げ、6月の水産業共同利用施設の原形復旧を超えた新設整備補助など、いずれも、国に先駆けて県において予算を編成したものであり、その後の政府の復興事業具体化の大きな原動力となりました。
 まさに、答えは現場にあったのです。
 岩手における東日本大震災津波からの復旧・復興は、地方の主体性が国を動かす、自治の新しい可能性を切り拓くものであります。

 (安全の確保)
 分野ごとの取組を振り返りますと、まず、新たなまちづくりのために、災害廃棄物の処理に全力で取り組み、基盤復興期間である平成25年度までに、生活環境に支障のある全ての災害廃棄物を撤去し、最終的に618万トンを処理することができました。
 復興まちづくりに向けて、都市再生区画整理事業や防災集団移転促進事業などは、昨年までに、予定する全ての地区で事業認可や大臣同意が得られました。
 陸前高田市では「希望のかけ橋」と名付けられたベルトコンベアが稼働を始めるなど、県内各地で新たなまちづくりの槌音が響いています。
 用地取得迅速化のための東日本大震災復興特別区域法の一部改正が実現し、昨年12月には、宮古市の金浜海岸防潮堤事業において、特例制度を活用した初めての緊急使用許可申立てを行いました。
 引き続き、市町村と連携し、まちづくりを推進して参ります。
 また、昨年4月には、震災から3年という、早い段階で三陸鉄道を全線運行再開させることができました。12月までの利用者は、前年同期比1.4倍となる58万人と、大幅な伸びを示しています。
 地域の足を守るという重大な使命のもと、被災直後から鉄路復旧、車両の確保に取り組み、地域住民の見守る中、動き出した三陸鉄道は、これからも人々の笑顔とともに三陸を走り続けます。
 さらに、JR東日本からの支援を踏まえ、JR山田線宮古釜石間の運行を三陸鉄道に移管することを受け入れ、来る3月7日に復旧工事に着手することが決まりました。
 これにより、沿岸部の鉄路160キロが三陸鉄道として繋がることとなります。被災地復興の前進に向け、1日も早い運行再開をJR東日本に働きかけて参ります。
 
 (暮らしの再建)
 被災された方々は、被災者であると同時に、復興者でもあります。被災された方、お一人おひとりの置かれた実情に目を配り、1日も早く安心して暮らせる環境を取り戻さなければなりません。
 発災直後、避難所からできるだけ早く移っていただけるよう、応急仮設住宅の建設に取り組み、全国で最も早い段階で避難所の解消を実現しました。
 また、平成23年度には、住宅再建のための補修補助や利子補給制度を、平成24年度には、住宅の建設・購入に対する補助制度を創設し、これまで約4千世帯の再建を支援しました。
 今後においても、一日も早く全ての方々が恒久的な住宅に転居することができるよう、市町村のまちづくりと併せ、災害公営住宅の整備に全力を注いで参ります。
 住宅の確保とともに、雇用の確保が重要な課題です。産業振興施策の実施や雇用対策基金の活用により、これまでに延べ4万9千人の雇用の場を確保しました。
 引き続き、企業誘致や新産業の創出などの産業振興と一体となった安定的な雇用の場の確保に努めます。
医療機関の再開が、被災地に暮らす方々にとって欠かせません。岩手県では、高率の補助制度を他県に先駆け創設し、これまでに9割を超える医療提供施設が再開しています。
 また、岩手医科大学や多くの関係機関の協力のもと、高齢者の介護予防、健康支援、一人暮らしの方の見守りや、被災者お一人おひとりのニーズに応じたこころのケアにきめ細かく取り組んで参りました。
 応急仮設住宅内では、新たなコミュニティが生まれ、独自の見守り活動が行われるなど、お互いが助け合うという東北、岩手の人々が持つ共助の精神が発揮されています。
 引き続き、災害公営住宅等における新たなコミュニティの支援や長期にわたる専門的なこころのケアに取り組んで参ります。
 被災地の未来、岩手の未来を担う子供たちは岩手のかけがえのない宝です。大震災津波で親御さんを亡くされた子どもたち、あるいは親御さんが未だ行方不明な子どもたち648人に奨学金を給付し、多くの被災児童、生徒に対し、教科書の購入や部活動への支援などを行ってきました。こうした支援は、今も続く県内外、海外からの多くの善意によって支えられています。
 昨年、大震災直後に入学した高校生が初めて卒業を迎えました。3年間の苦難と不自由さを乗り越え、その努力を誇りに変えた力強い卒業生の姿は、岩手県民に大きな希望を抱かせてくれました。
 本年4月には、いよいよ県立高田高校が新校舎での新しい歴史を歩み始めます。被災地の教育環境の改善に引き続き努めて参ります。

 (なりわいの再生)
 被災したふるさとで人々が暮らし続けるために、なりわいの再生は大きな課題です。
 未曽有の災害を前に、被災した企業の再建は、これまでの災害復旧の枠組みでは成し得ないとの基本的な考えのもと、国に対し、従来にない産業再生の仕組みの必要性を訴え、グループ補助金など、新しい補助制度を実現しました。
 グループ補助金では、これまで県内115グループ、1,248者の企業に補助金の交付を決定し、被災地の事業再生の大きな柱となっています。
 また、復興支援ファンドによる二重ローンの解消や被災資産の復旧に対する支援など県独自の制度を早急に整備し、地域産業の再生にきめ細かく対応して参りました。
 また、これも岩手県が提案した水産業における漁業協同組合を核とした共同利用の推進により、漁船や養殖施設、水産業共同利用施設等の整備が進み、産地魚市場の水揚量は震災前の約8割まで回復しています。
 今年度、グループ補助金により店舗兼住宅を再建する場合の住宅ローンの借入れのための抵当権設定について国に要望し、制度運用の見直しが実現しました。まちづくりの本格化と商店街の再建が軌を一にして進むよう、制度の活用を一層推進して参ります。
 また、交流人口の拡大による地域経済の活性化のため、本県外国人観光客の約半数を占める台湾との定期便就航を目指し、旅行商品の造成支援や台湾での情報発信を展開した結果、定期チャーター便の運航が実現し、台湾からの宿泊者数は震災前の9割にまで回復しました。
 震災に対する支援をきっかけに、ますます強くなっている台湾をはじめとする中国、東アジアとのつながりを一層強固にするため、国際観光の振興に力を入れて参ります。
 また、地域資源を生かした観光振興や定住・交流の促進、新たな三陸ブランドの形成など、三陸創造プロジェクトの具体化に引き続き取り組んで参ります。
 三陸沿岸地域の発展は、必ずや岩手全体の発展をけん引する力となります。復興をより確かなものとし、その先にある三陸の未来を切り拓くため、新たな推進体制の検討に着手します。

(内外からの支援と新たなつながり)
 今回の大震災津波では、国内外から多くのお見舞いや激励をいただくと共に、多くの寄付をいただいています。いわての学び希望基金には、今年度も6億円を超える寄付が寄せられ、総額が70億円を上回るなど、今なお、温かい支援が続いています。
 天皇皇后両陛下、皇太子同妃両殿下をはじめ皇族の方々におかれましては、幾度も被災地のお見舞いのため御来県いただき、被災者のみならず、広く県民に大きな勇気を与えて下さりました。
 また、日米両政府や米日カウンシルによる「トモダチ構想」などの国際交流事業は、岩手と海外の若者をつなぎ、その交流は将来にも続いていきます。
 復興の支援への感謝を伝えるため、昨年パリで開催した岩手県復興報告会では、県立岩泉高校生徒による郷土芸能「中野七頭舞」が満場の共感を呼び、東日本大震災津波からの復興が世界的な、人類的な事業でもあることを改めて感じさせてくれました。
 復興の過程において生まれる多くのつながり、そして絆は今後の私たちの大きな財産になるものと確信しています。

3 人口減少対策の力強い展開

 (ふるさとを消滅させない)
 復興の基本原則は、被災された方々一人ひとりの幸福追求権を保障し、犠牲になられた方々の故郷への思いを継承することです。
「いのちを守り 海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」が復興の目指す姿です。人間を守り、ふるさとを創造していくことです。
 今、日本は、これまで世界中の国々が経験したことのない急激な人口減少を迎えようとしています。
 国立社会保障・人口問題研究所は、岩手県の人口は、2040年には90万人台にまで減少すると見込んでおり、日本創成会議は、このまま減少が進んだ場合、市町村が消滅する可能性を指摘しています。
 人口減少は、将来の危機というよりも、今、目の前にある危機と捉え、減少の要因となっている問題に正面から取り組み、克服していかなければなりません。
 岩手県には、復興という形で、「ふるさとを消滅させない」取組に約4年間全力を尽くしてきた経験があります。市町村、県、国が一体となり、住みたい、働きたい、帰りたいと思える地域づくりを進め、東京一極集中に歯止めをかけていかなければなりません。
 このため、若者を中心としたいわゆる人口流出と若者・女性の生きにくさの解消を重点対策とし、「やれることは何でもやる」との覚悟のもと、県としても、庁内体制を強化し、その総力を挙げて取り組みます。
 その一環として、今議会で提案しております「中小企業振興条例」や「県が締結する契約に関する条例」に基づき、持続可能で活力ある地域経済の振興や、働く方々の適正な労働条件の確保等に取り組みます。
 地方での暮らしを希望する若者には、増加傾向が見られます。若者の雇用の場の提供はもちろん、若者のニーズに応じた創業や経営相談など一貫した支援体制を整え、若者たちのチャレンジを支えます。
 復興や地域振興の現場に見られる女性の活躍は、岩手においてさらに広げていかなければなりません。
 働きやすい職場環境の整備や、出会い、結婚、妊娠・出産、子育ての各ライフステージに応じた支援をきめ細かく行い、若者や女性が、就職しやすい、結婚しやすい、子育てしやすい岩手を目指します。
 こうした取組の推進に向け、子ども・子育て支援の重要性を全ての県民が共有し、社会全体で支援に取り組むため、「いわての子どもを健やかに育む条例」を今議会に提案しております。
 また、昨年5月には、経済団体や産業団体を中心に「いわて女性の活躍促進連携会議」が立ち上がり、女性の活躍推進の取組は、行政のみならず民間にも広がっています。
 若者や女性の活躍を力強く後押しし、全ての県民が生き生きと暮らす希望郷いわての実現につなげて参ります。
 豚、鳥、牛の肉を使った「ぶっとべ」料理を新たな名物とする二戸地域、西わらびを使った6次産業化に取り組む西和賀町、都会の方々に山村留学を提供する葛巻町など、その地域ならではの魅力で勝負する取組が県内には、たくさんあります。
 地域資源を生かした取組は、人口減少対策の要です。ふるさとの再生・発展のため、地域資源を生かし、地域内での経済循環が高まる内需拡大型の産業振興を積極的に推進して参ります。

4 4年間の県政運営の成果

 (未来に追いつく復興)
 復興とは、時間をかけて過去に戻ろうとするものではありません。復興計画の推進により、未来のあるべき姿に向かって、8年かけて追いついていく、未来に追いつく復興を進めなければなりません。
 ILC、国際リニアコライダーの建設候補地が北上山地とされたことは、岩手の輝かしい未来に向かう特異点です。ILCは、宇宙誕生や質量の起源など、人類存在の核心に迫る謎を解明しようとするものです。
 ILCの建設実現により、世界に、人類に大きく貢献することができます。
 子どもたちがこの地での将来の活躍を夢見て、未知のフロンティアに挑戦しようとすることは、岩手の未来を創り出す大きな力となります。ILCの実現に向け、県の総力を挙げて取り組みます。
 来年には、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会を開催します。
 県内の各市町村や、競技関係者、経済団体をはじめ、多くの皆様の協力の下、冬季国体を含めた岩手県では初となる完全国体として開催することとなりました。
 復興に向かって力強く前進する岩手の姿を見ていただくとともに、これまで御支援をいただいた全国の皆様に、感謝の気持ちを伝え、県民にとって復興の大きな力となる大会を実現しましょう。
 また、平泉の文化遺産が世界遺産に登録されて、丸4年を迎えます。
 人と人との共生、人と自然との共生を理念とする平泉の文化遺産は、本県のみならず東北全体の復興の精神的支柱となり、東日本大震災津波からの復興全体の象徴となるものです。
 昨年制定した「平泉世界遺産の日条例」に基づき、「人と人」、「人と自然」が共生する持続可能な地域社会の形成に向け、国内外の人々の理解を深め、将来世代に継承して参ります。

5 行財政基盤の確立

 (予算編成方針)
 平成27年度予算は「本格復興邁(まい)進予算」です。東日本大震災津波からの本格復興に係る取組を最優先に、目の前の危機である人口減少問題に県の総力をあげて取り組みます。
 本県財政は、今後毎年多額の財源不足が生じる極めて厳しい状況が見込まれておりますが、これまでの歳出を徹底的に見直しながら、限られた財源の有効活用など創意と工夫により、ふるさと岩手の本格復興を進める予算を編成いたしました。
 本格復興や人口減少対策を進めるためには、昨年末に政府が公表した経済対策についても、積極的に活用して参ります。

 (本格復興邁進のための課題)
 本格復興に邁進していくためには、財源及び職員の確保が重要な課題です。
 政府に対しては、平成28年度以降の特例的な財政支援の継続や、復興財源の確保を引き続き、強く求めて参ります。
 復興まちづくりに向けた事業が最盛期を迎える平成27年度は、技術職員を中心に専門的知識を有する人材の確保が必要となります。
 このため、引き続き任期付職員や再任用職員の採用を行うとともに、総務省の派遣スキーム等に基づく全国の自治体からの応援職員、民間企業からの派遣職員の確保に取り組んで参ります。
 あわせて、メンタルヘルスケア対策など、応援職員の受入れ態勢を充実させ、職員が一丸となって復興に邁進できる体制を整えて参ります。

6 平成27年度の主要施策の概要

 平成27年度における主要施策についてでありますが、復興計画の3つの原則と、いわて県民計画の7つの政策に基づいた施策を、軌を一にして推進して参ります。
 以下、具体的な施策の内容を申し上げます。

 (「安全の確保」に向けた取組)
 はじめに、復興計画の3原則の第一、「安全の確保」であります。
 復興に向けた歩みを着実に進めるため、引き続き、多重防災型まちづくりに取り組みます。防潮堤の整備、水門や陸閘(りっこう)操作の遠隔化・自動化など、人命を第一とした津波防災施設の早期復旧・整備を推進します。また、市町村の復興まちづくりと一体となった道路の整備を推進します。
 施設の整備とともに、防災文化の醸成が必要です。震災関連資料の収集・活用などにより、未曽有の大震災からの教訓を確実に継承し、将来に生かすことで、岩手の防災力向上など災害に強いまちづくりを推進します。
 高田松原津波復興祈念公園の整備と併せ、震災伝承や防災教育、防災文化継承の拠点となる津波伝承施設の整備に向けた調査を進めます。
 また、津波や地盤沈下の影響で消失した高田松原の砂浜の回復に向けた取組を進めます。
 県民の暮らしやなりわいを守るため、引き続き、放射線影響対策に取り組みます。空間線量率の測定や食品の検査結果を速やかに公開するなど、風評被害の解消に全力を尽くして参ります。農林業系副産物などの廃棄物処理をはじめ、市町村の課題に対し、財政的・技術的な支援を行っていきます。
 なお、東京電力と交わした和解を踏まえ、市町村と連携しながら、今後も必要な損害賠償請求を行います。また、県内の事業者などが行う損害賠償請求に関しても、支援して参ります。
 被災地での安全な暮らしを支えるため、警察官の緊急増員を継続します。また、警察施設の再建整備を計画的に進めるほか、市町村のまちづくりに併せ、的確な交通安全施設の整備を行っていきます。
 災害時の確実な緊急輸送や代替機能を確保した信頼性の高い道路ネットワークの構築を進めます。
 震災後に新規事業化された県内の復興道路は、昨年8月までに全ての区間で工事着手されました。県が進める復興支援道路、復興関連道路と併せ、着実な整備に取り組みます。
 沿岸地域の本格復興に、港の復旧は欠かせません。来年度中に、主要な港湾機能の復旧を完了させ、利活用の促進や沿岸地域の振興に向けて官民一体となった取組を進めます。

 (「暮らしの再建」に向けた取組)
 次に、「暮らしの再建」であります。
 被災者の方々が一日も早く安定した生活に戻ることができるよう、暮らしや住宅の再建に向けた資金面での支援のほか、様々なニーズに対応できる相談体制と支援施策を充実させます。
 災害公営住宅の整備を確実に進め、円滑に入居していただけるよう、情報提供や相談会を随時開催していきます。また、民間住宅工事施工者への簡易宿舎の無償貸与や住宅再建者と工事施工者とのマッチングの強化など、住宅再建に係る人材等の確保に取り組みます。
 被災地の人手不足は深刻な課題です。安定的な雇用の創出や若者の職場定着向上、女性の再就職のための取組を行い、企業の人材確保を支援します。
 医療、福祉、介護など、生命と心身の健康を守る継続的な体制が必要です。応急仮設住宅からの転居や新たなコミュニティの形成などに対応し、被災された方お一人おひとりを見守ります。
 生活習慣病の発症や介護状態の進行を防ぐため、市町村と一体となって、健康づくりや介護予防に取り組みます。
 また、被災地の医療を支える県立の大槌、山田、高田病院の再建を着実に進めて参ります。
 時間の経過とともに変化する、子どもたちの心のサポートにきめ細かく対応するため、「いわて子どもケアセンター」を運営するほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員します。
 子どもたちは、未来の岩手の担い手です。大震災津波の経験を基に、郷土を愛し、復興、発展を支える人材を育成するため、「いわての復興教育」を推進します。
 被災により生活基盤を失った子どもたちには、長期にわたる支援が必要です。「いわての学び希望基金」を活用した就学支援や被災地域の教育活動の充実に取り組みます。
 学びを通じ、地域コミュニティを再生していく取組も重要です。中高生の学習支援などの学びの場に地域住民が集い、学び合うことにより、地域の人材育成とコミュニティの再生を図ります。
 被災地では、多くのNPO等が復興支援のために活動しています。支援活動の長期化に対応する、高い運営力を有する自立型NPOを育成するため、基礎的能力や運営基盤を強化するための取組を進めます。また、新たに支援ネットワークを構築し、ソーシャルビジネスを展開する事業型NPOの育成を図ります。
 
 (「なりわいの再生」に向けた取組)
 次に、「なりわいの再生」であります。
 三陸沿岸は、海とともに生き、海の恵みを受けてきました。漁業協同組合を核とした漁業、養殖業の構築に、引き続き、取り組みます。防波堤、岸壁等の漁港施設や防潮堤等の海岸保全施設に関し、庁内体制を強化し、復旧・整備を進めます。
 地域再生営漁計画を着実に推進し、地域漁業を担う経営体の育成に取り組んで参ります。また、新たな就業者を確保するため、地域ごとに関係者による受入れ体制を構築し、住居の斡旋(あっせん)など生活面まで含めた総合的な支援を行います。
 さらに、漁獲から流通、加工までの一貫した高度衛生品質管理体制を構築し、水産物の販路回復・拡大に向けた商品力や販売力を強化して参ります。
 農地の復旧も重要な課題です。被災農地と周辺農地の一体的なほ場整備を実施し、整備を契機とした農地の利用集積を促進します。
 また、潮害や風害から沿岸地区を守るため、海岸防災林の再生に取り組みます。
 放射性物質影響対策を着実に進めていく必要があります。原木しいたけの出荷制限解除に向け、検査やほだ場の環境整備を進め、産地の再生を目指します。
 また、県産農林水産物の安全・安心と魅力の発信や、商談会の開催などにより、消費者の信頼回復と販路の回復、拡大を図って参ります。
 被災地域の経済を支える中小企業や商店街の再生は、復興を進める上で重要です。施設整備や金融支援、取引の拡大、新事業の創出など、関係機関と一体となって本格的な復興に向けた取組を支援します。
 市町村のまちづくりが進み、被災商店街の本設店舗への円滑な移行へと、復興のステージは変化しています。グループ補助金などを活用した施設設備の整備と併せ、専門知識や経営ノウハウの習得などソフト面の支援を、一層充実させていきます。
 また、沿岸地域の基幹産業である水産加工業の本格復興を進めるため、専門家と連携し、売れる商品づくりや販路開拓の支援に取り組みます。さらに、水産加工業者が新たに人材を確保するための受入れ環境の整備を進めます。
 観光の振興は、経済の発展と交流に伴う活力を地域にもたらします。いわてデスティネーションキャンペーンで構築したオール岩手の体制による秋冬期大型観光キャンペーンを実施し、県内全域での誘客拡大を図ります。
 特に、沿岸地域においては、「あまちゃん」の誘客効果の継続と周辺部への波及を図り、三陸ジオパークなど豊富な観光資源を生かした誘客促進を展開します。また、震災学習を中心とした教育旅行の誘致に、引き続き、取り組みます。
 新しい三陸の創造につながる新たな産業の育成も重要です。多様な地域資源を生かし、国際的海洋エネルギー研究拠点の構築や海洋研究機関の交流活動を、進めて参ります。

 (「いわて県民計画」に基づく7つの政策等の推進)
 次に、いわて県民計画の「7つの政策」であります。
 第1は、「『産業創造県いわて』の実現」であります。
 国際競争力の高いものづくり産業の振興を図るため、重点分野である自動車、半導体関連産業の集積と医療機器関連産業の創出を図ります。また、これら重点分野を中心に企業の誘致を進め、持続的な発展につなげていきます。さらに、ものづくり産業を支える人材育成を総合的に推進します。
 また、ものづくり産業で実績のあるカイゼンの取組を拡充し、水産加工業などの労働生産性や付加価値の向上に取り組みます。
 本県経済の活性化を図るには、海外との経済交流が重要です。南アジア博覧会への出展など中国との連携交流をはじめ、アジア各地でフェアや商談会を開催し、経済交流を進めます。さらに、ミラノ国際博覧会に出展し、世界に向けて岩手の魅力を広く発信します。
 県産品の販路拡大、観光客の誘致などを目指し、岩手を国内外にまるごと売り込んでいくため、関係部長を構成員とする本部会議を新たに設置し、部局横断的な取組を戦略的に展開して参ります。
 県北圏域において、地域をけん引している食産業やアパレル産業における販路拡大や認知度向上の取組を強化するなど、地域の特性を生かした産業振興を後押しします。
 第2は、「『食と緑の創造県いわて』の実現」であります。
 農業に関し、平成26年産の米価格の大幅な下落など、米を取り巻く環境は、大きく変化しています。このため、新たに県産米戦略室を設置し、「いわての美味しいお米生産・販売戦略」に基づき、生産コストの低減や、オリジナル新品種のブランド化に取り組みます。また、消費者、生産者が一体となって、県産米の消費拡大に向けた県民運動を展開して参ります。
 地域農業の活力を高めていくため、地域農業マスタープランに位置付けられた中心経営体の認定農業者への誘導や、リーディング経営体の確保・育成など、地域農業の核となる経営体を育成します。
 また、国の農地中間管理事業やほ場整備事業を活用し、担い手への農地集積を促進します。
 さらに、肉用牛生産・酪農に携わる若い女性のネットワーク構築や、増頭意欲のある農家に対する肥育素(もと)牛の導入を支援します。
 本県農業の持続的な発展のため、産地の次代を担う新たな担い手の確保も欠かせません。青年就農給付金や担い手育成のための基金を活用し、技術習得や経営発展を支援します。
 林業に関し、大型合板工場や木質バイオマス発電所の整備により県産材の需要が拡大しています。県産材の安定供給に向けた情報共有・協力体制の構築や、木材を無駄なく活用するカスケード利用を促進します。
 林業への就業者数が回復傾向にあります。林業を希望する若者に対する情報提供や相談会の開催、不安解消のためのトライアル雇用を支援するなど、継続的な就業者の確保に取り組みます。また、県産木材の安定供給に向け、知識と技術を身に付けた、現場で活躍できる人材の育成に取り組みます。
 水産業に関し、復旧・復興の取組を基本に地域漁業の再生に向け、引き続き、生産基盤の復旧・整備や担い手の確保・育成に取り組みます。
 「あまちゃん」に見られた農林水産物の6次産業化の取組は重要です。「いわて6次産業化支援センター」による生産者等へのきめ細かな経営サポートを通じ、県産農林水産物の付加価値を高め、生産者等の所得の向上につなげて参ります。
 大震災津波により落ち込んだ農林水産物の輸出額は回復傾向にあります。アジア諸国や米国においてプロモーションを展開し、新たな市場の開拓も進めるなど、輸出額の拡大に取り組みます。
 第3は、「『共に生きるいわて』の実現」であります。
 子どもから高齢者まで、また、病気や障がいなどの有無に関わらず、それぞれの力を生かし、共に助け合いながらいきいきと暮らすことができる岩手の実現を目指します。
 まず、地域の保健医療体制の確立です。
 関係団体と連携し、質の高い医療体制の充実を図るため、がん対策や地域包括ケアなどの推進体制を強化して参ります。
 奨学金による医師の養成や勤務環境の改善により、医師の確保や定着に取り組むほか、養成医師の計画的な配置や派遣調整を行い、地域偏在の解消を図って参ります。
 さらに、看護職員の県内定着を図るため、修学資金の貸付や県外就業者のUターン、潜在看護職員の職場復帰などを促進します。
 また、周産期医療、救急医療の推進や、将来の医療提供体制の基本となる地域医療構想の策定に取り組みます。
 健康課題の解決には、全ての県民が危機意識を持って改善に向けた取組を推進していくことが重要です。昨年策定した「第2次健康いわて21プラン」に基づき、生活習慣病や岩手県の健康課題である脳卒中の予防などに、県民と一体となって取り組みます。
 障がい児療育の拠点としての役割を一層担えるよう、療育センターと盛岡となん支援学校の移転改築整備に向けた取組を着実に推進します。
 自殺は社会全体にとって大きな課題です。今年度策定する自殺対策アクションプランに基づき、包括的な自殺対策プログラムを推進します。さらに、関係機関との連携の下、メンタルヘルスサポートや相談体制の強化に努めて参ります。
 若者が、家庭や子育てに希望を持ち、安心して子どもを生み育てられる社会の実現を目指します。結婚支援センターの設置や男性不妊治療の支援、乳幼児医療費助成の対象拡大や現物給付化など、ライフステージに応じた支援を一貫して行います。
 また、保育所の整備や延長保育など、地域のニーズに応じた保育サービスの拡充や、「子ども・子育て支援新制度」に基づく取組を市町村と一体となって推進します。
 高齢者が住み慣れた地域で安心して生活し続けることができるよう、「いわていきいきプラン2017」に基づき、地域包括ケアシステムの構築、認知症対策を推進します。
 また、「ひとにやさしいまちづくり推進指針」を改訂し、すべての人にやさしいまちづくりを推進します。
 第4は、「『安心して、心豊かに暮らせるいわて』の実現」であります。
 今年度も、全国各地で多くの自然災害に見舞われました。自助、共助、公助それぞれの災害対応能力を高め、多発する自然災害に備えなければなりません。
 大震災津波や大雨災害等の教訓を踏まえ、災害時におけるオペレーション機能の強化を進めるなど、県、市町村の防災体制の充実に取り組みます。
 県民が安全に、安心して暮らすためには、犯罪や事故のないまちづくりが必要です。県民、事業者、行政が連携し、地域における防犯活動を活性化させ、犯罪が起こりにくい環境づくりを推進します。
 また、第9次「岩手県交通安全計画」仕上げの年として、特に高齢者や子どもに重点を置いた交通事故防止対策に取り組みます。
 さらに、消費者被害対策に関し、相談体制の強化、学校における消費者教育など、消費者行政の充実・強化に継続的に取り組みます。
 活力ある地域の形成には、男女が共に活躍できる社会の実現が欠かせません。男女共同参画やDVの根絶に関する意識啓発や人材育成、相談・保護体制の充実に、引き続き取り組んでいきます。
 こうした取組に加え、経済・産業団体と連携した、女性のキャリアアップ支援や、男性など周囲の理解を進めるための各種セミナーの開催など、女性の活躍を支援する施策を総合的に展開します。
 心豊かで意欲に満ちた青少年を育んでいかなければなりません。「いわて希望塾」を初めて沿岸地区で開催するほか、青少年の活動支援などに取り組みます。
 併せて、若者が活躍する社会を推進するため、いわて若者会議等で構築するネットワークを活用し、若者が自ら資金を集め、事業を実施するための研修など、支援を充実させます。
 第5は、「『人材・文化芸術の宝庫いわて』の実現」であります。
 児童生徒一人ひとりの希望を叶(かな)えるため、小中高の連続した学習状況の把握による学力向上の取組を支援します。さらに、私立学校の特色ある教育活動を支援します。
 海外とのつながりを復興の力としていくため、グローバル人材の育成は欠かせません。イングリッシュ・キャンプや海外派遣研修等を通じ、国際的視野を持ち、主体的に行動できる人材の育成を図ります。
 また、家庭や地域、産業界と連携し、社会人、職業人として地域で活躍するためのキャリア教育を推進します。
 共生社会の形成に向けて、特別支援学校におけるインクルーシブ教育を支援します。障がいのある子どもたちの主体的な学習を支援するため、ICTを活用した教育を新たに取り入れるなど、学習環境の向上を図ります。
 釜石市橋野高炉跡を構成資産とする「明治日本の産業革命遺産」は、本年、世界遺産委員会の審議が予定されています。「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」とともに、世界遺産登録に向け、国や関係自治体と連携し、本県文化遺産の価値を世界に発信していきます。
 文化芸術に触れ、楽しんで活動、鑑賞してもらう機会の充実も大切です。「岩手芸術祭」、「いわて若者文化祭」など幅広く文化芸術の発表の場を設け、本県の生活や魅力の向上につながる取組を推進します。
 希望郷いわて国体・希望郷いわて大会まで1年と8か月、また、完全国体の幕開けとなる冬季大会まで1年を切りました。職員体制を拡充し、準備に万全を期して参ります。
 両大会が「県民の総力を結集して、夢と感動を与え、復興のシンボル」となるよう冬季大会を成功に導き、本大会及び全国障害者スポーツ大会に向けて、積極的な広報活動や多彩な県民運動を全県的に展開します。
 天皇杯順位8位以内の目標達成に向け、指導体制の確立や選手の育成強化により、本県選手の競技力の向上に取り組みます。
 なお、今年4月から始まる教育委員会制度改革は、知事と教育委員会とがこれまで以上に連携を深める好機であり、新たに設置する総合教育会議の場における協議などを通じて、一層の教育振興に努めて参ります。
 第6は、「『環境王国いわて』の実現」であります。
 低炭素社会や循環型地域社会の形成に向け、地球温暖化に関する意識啓発や再生可能エネルギーの普及に取り組みます。県の率先した取組として、一戸町高森高原地区に大規模風力発電所の建設を進め、平成29年度の運転開始を目指します。
 また、次期産業廃棄物最終処分場の整備基本計画を策定するため、地形・地質調査を行います。
 野生動物の保護と産業の調和も重要です。特に、本県農業被害の過半を占めるシカに対しては、捕獲の強化に重点を置き、農業被害の低減と生息域拡大の抑制を進めます。
 第7は、「『いわてを支える基盤』の実現」であります。
 集中豪雨や台風など、近年多発する自然災害から県民の生命・財産を守るため、洪水・土砂災害対策施設などの整備を進めます。併せて、水位周知河川等の指定や、土砂災害防止法の改正を踏まえた基礎調査の早期実施及び速やかな結果の公表、土砂災害警戒区域等の早期指定を推進します。
 また、建築物の耐震化の取組を拡充し、旅館やホテルなどの大規模建築物の所有者が行う耐震改修等に対して、新たに支援を行います。
 地域間の交流・連携、産業振興を支える道路ネットワークの構築や、スマートインターチェンジの整備を進め、自動車・半導体製造などの県内産業や観光の振興を図ります。
 また、地域住民の生活の足である路線バスや鉄道などの公共交通に関し、利用促進や利便性の向上、観光面での活用などを進め、交通基盤の維持確保を図ります。
 高度成長期に建設した道路施設や、大震災津波からの復旧・復興に伴い整備を進めている河川水門など、あらゆる社会資本が将来にわたって機能を発揮し続けるよう、計画的な維持管理を行いながら、安全性・信頼性の確保を図ります。

7 むすび

 東日本大震災津波からの復興に取り組む中で、地元の底力と様々なつながりの力が高まっています。その力は一人ひとりの人間の力として、具体的な復興の力となっています。
 震災直後、避難所となっている学校で、救援物資の運搬や、体育館や玄関の掃除に進んで取り組んだ子どもたちは、学びを通して大きく成長しています。
 県立大学1年生丹野晋太郎さんは、陸前高田市で被災し、津波で御両親を亡くされました。あまりにも大きな苦労を背負いながらも、親類の方々や周りの皆さんに支えられながら、高田高校萱中(かやなか)校舎で高校生活を送りました。野球部に所属し3年間投手として練習に励みました。
 学業においては数学を得意とし、晴れて、昨年春、卒業されました。
 丹野さんは、震災直後は、絶望感に襲われ、先が見えなかったと言います。しかし、学び希望基金や民間の基金など、たくさんの支援のおかげで、本来の校舎ではなく、学習環境も不十分な中での日々でしたが、現在大学で学べることに感謝している、と話しています。
 丹野さんは、震災で得た経験を糧に、将来は陸前高田市の復興に携わりたいと、岩手県立大学に進み、勉学に励んでいます。
 NPO法人@リアスNPOサポートセンター鹿野順一さんは、釜石市のお菓子屋の3代目です。商店街を盛り上げていこうと平成15年にNPOを立ち上げ、まちづくりや起業家の支援、キッズマートなどに取り組んでいました。しかし、東日本大震災津波で、御家族と店舗を失われました。
 鹿野さんは、ツイッターで釜石市の被害状況を発信し、被災した方々に必要な物資を届けるため、支援物資の手配を行いました。応急仮設住宅が整備されると、各戸への訪問活動を開始し、住民の震災後の日々を支えてきました。
 いわて連携復興センターの代表理事でもある鹿野さんは、県内NPOの支援、県内外での講演、宮城県、福島県の両連携復興センターとの定期的な会議の開催など、精力的な活動を行っています。
 「被災した自分だからこそ、伝えられることがある。」と鹿野さんは語っています。
復興に携わる人々の活動は、被災した地域にとどまりません。
 遠野まごころネットは、被災地支援のためのボランティア団体です。遠野市は、内陸と沿岸を結ぶ中間地点という地理的条件を生かし、多くのボランティアの方々が集う被災地支援の一大拠点として、機能してきました。
 大震災津波を見て、被災地のために何かをしたいという思いを持った人々と、被災地をつなぐ大きな役割をまごころネットは果たしています。これまでに300を超える企業やNPOと連携し、10万人のボランティアの活動を支えました。
 震災後に、新たに岩手県に入られた方々も、大勢いらっしゃいます。いわて復興応援隊の渡邊悦子さんもその一人です。千葉県出身の渡邊さんは、震災ボランティアで岩手県を訪れた際に地元の人の笑顔と温かさに触れて岩手が大好きになったと語ってくれます。渡邊さんは、15年間勤めた東京の職場を退職し、田野畑村の住民となって、もう2年が経とうとしています。
 サッパ船ツアーや北山崎トレッキングツアー、大津波語り部ガイドなど、観光客のアテンドや企画運営、ジオツーリズムなどの観光資源開発に携わりながら、復興現場の情報発信をしています。
 渡邊さんが語る情報は、今も被災地と県外の皆さんをつなぐ、復興の架け橋です。
 県は、復興に携わる全ての人々と共に、本格復興に邁進して参ります。
 ここにおられる全ての議員の皆様と県民の皆さん、そして岩手とつながる全国及び海外の皆さんの深い御理解と更なる御協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

添付ファイル

平成27年2月県議会定例会知事演述全文

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