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「がんばろう!岩手」意見交換会(平成31年2月12日 盛岡地区)

ID番号 N71886 更新日 平成31年3月14日

日時
平成31年2月12日(火曜日)10時30分から11時50分まで

場所
盛岡地区合同庁舎 8階 大会議室

出席者

・参加者(敬称略)
 工藤 理沙(安比塗企業組合 代表理事)
 橋本 幸之輔(株式会社銀河農園 代表取締役)
 小野寺 望(株式会社岩手くずまきワイン)
 阿部 拓磨(アクセルゲート合同会社 代表社員)
 菅原 紋子(有限会社ファーム菅久 常務取締役)

・県側
 知事、盛岡広域振興局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 それでは、お一人到着が遅れておりますけれども、時間になりますので、ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 皆様には御多忙のところこの懇談会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「持続可能な地域づくりを担う」を懇談テーマとして、この盛岡地区で農業ですとか観光など様々な分野で地域の活性化に取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、進行役を務めます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

懇談会の様子1

高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。県議会議員の皆さん方もありがとうございます。
 県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会ということで、県民の皆さんから知事が直接意見を伺って、県政に役立てるということでやってきたわけでありますけれども、「がんばろう!岩手」というタイトルがついたのは東日本大震災津波からでありまして、その後の復興、また東日本大震災津波からの復興に「地方創生」というテーマもかぶさってきましたので、地方創生、そういった観点からも地域で、あるいはその分野で活躍する人たちから直接意見を伺おうということでやってきております。
 今日は、「持続可能な地域づくりを担う」ということで、東日本大震災津波の経験、復興の取組ということも踏まえてではありますが、持続可能な地域づくりということで、この人口減少対策、地方創生的なことを念頭に置いたテーマであります。
 一方、盛岡広域エリアというのは、この岩手県の中でも都市機能の集中、また全国有数、世界にも通用するリゾートも抱えているということで、その地域に根差した多様な未来を切り拓くチャンスがある地域でもありますので、そういった地域ならではの取組というところも意識しながらお話を伺いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、この後の進め方ですけれども、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人からのお話に続いて知事がコメントするというような形で、意見交換を進めていきたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、座席表に従って、今日御出席の皆様を御紹介いたします。
 安比塗企業組合代表理事、工藤理沙さんです。

工藤 理沙
 よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 株式会社岩手くずまきワイン、小野寺望さんです。

小野寺 望
 よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 アクセルゲート合同会社代表社員、阿部拓磨さんです。

阿部 拓磨
 よろしくお願いします。

高橋室長
 有限会社ファーム菅久常務取締役、菅原紋子さんです。

菅原 紋子
 よろしくお願いします。

高橋室長
 県からは達増知事。

達増知事
 よろしくお願いします。

高橋室長
 盛岡広域振興局の宮野局長でございます。

宮野局長
 よろしくお願いします。

高橋室長
 また、県議会議員の皆様にもお越しいただいておりますので、御紹介いたします。盛岡選挙区選出の福井せいじ議員です。紫波選挙区選出の田村勝則議員です。
どうぞよろしくお願いします。
 ちょうど橋本さんも到着されましたので、御紹介いたします。株式会社銀河農園代表取締役、橋本幸之輔さんです。

橋本 幸之輔
 橋本です。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 さて、皆様のお手元にお菓子と飲み物を用意しておりますので、召し上がりながら御歓談いただければと思います。
 本日のお菓子を紹介いただきます。

宮野局長
 それでは、本日お配りしているお菓子を御紹介申し上げます。早速召し上がりながらお聞きください。このお菓子は盛岡市の三本柳に本店がある砂田屋さんが昨年の10月に発売した矢巾町ゆかりの焼き菓子「岩手のお米香ばしもな香」です。味噌味と醤油味の2種類となっています。砂田屋さんでは、お菓子づくりを通じて復興を支援しようということで、平成26年から県内全市町村の食材を生かしたお菓子づくりに挑戦する岩手地産宝食彩菓プロジェクトを進めており、これまでに23市町村の食材を使ったお菓子を開発してきたと伺っています。本日のお菓子は、矢巾町の住民団体がつくった減塩味噌と盛岡市の浅沼醤油店の減塩醤油を使っていますが、この味噌と醤油はいずれも矢巾町の減塩運動、塩彩プロジェクトから誕生したものです。味噌と醤油のもろみを粉末状にして、クッキーの生地に練り込んでおり、その素材の香りと風味が感じられるお菓子になっています。
 砂田屋さんの三本柳、本宮、石鳥谷の3店舗で販売されているほか、今後矢巾町内の産直などでも販売されるということですので、よろしかったらお買い求めいただければと思います。1個150円ということでございます。どうぞお召し上がりください。

達増知事

 ほどよく甘じょっぱい感じで、いいですね。

高橋室長
 醤油の方をいただきました。ありがとうございます。

宮野局長
 そうですか。私も両方既に食べましたけれども、おいしかったです。

懇談

懇談会の様子2

高橋室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 まず、お一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、工藤さんから順にお願いいたします。
 それでは、工藤さん、お願いいたします。

工藤 理沙
 ふだん使いの漆器をつくっております安比塗漆器工房の代表を務めさせていただいている工藤と申します。
 私の出身は奈良県ですが、愛知の大学に行って、そこで漆に初めて出会いました。大学に入った目的は全然別の、染織の染色をやりたくて入ったのですが、漆と出会って、樹液なのにいろんなことができる、塗料にもなるし、接着剤にもなるし、絵も描けるし、そういう素材のおもしろさにすごく惹かれました。これを一生の仕事とするためにはどうしたらいいかと考えたときに、大学の先生から、岩手に漆の勉強ができるいい研修所があるということを教えていただきました。その研修所を見学して、「ああ、もうここで絶対勉強したいな」と思って、そのまま岩手に来ました。研修所を卒業した後も、卒業生が仕事の場所として働いている安比塗漆器工房という、今代表を務めている場所にたまたま空きがあったので、そのままそこに入ることができました。岩手に来て16年目になりますが、ありがたいことにずっと漆の仕事に就かせていただいております。
 研修所は今現在もあり、その卒業生で工房を運営しています。最初は八幡平市が工房を運営し、その次は第三セクターでの運営になって、今は私たち4人の卒業生でやっています。4人で企業組合を立ち上げて、その4人で製造から販売、営業、広報活動まで全部やっています。
 本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 橋本幸之輔さん、お願いいたします。

橋本 幸之輔
 紫波町で農業をやっています銀河農園の橋本と申します。
 私は、生まれも育ちもずっと盛岡で、大学進学時に東京に出ました。父がもともとドラッグトマトというドラッグストアチェーンを経営しておりまして、私もその一環として、大学で経営学を学んでいましたが、私が就職するタイミングで、父が今度は農業を始めるという話になり、いろいろ一緒に農業に関して調べる機会がありました。私もその内容に興味を持ちましたので、大学卒業時に留学し、帰国後に、青果の流通業を東京で7年半ぐらいやって、私が販売、流通を学びつつ、父と兄が生産現場を中心に回しておりました。5年前ぐらいに私は東京から戻ってきて、今の銀河農園に入りまして、一緒に農業をしているという状態です。
 今年の春から大船渡市で、いわて銀河農園という別な法人を立ち上げまして、そちらのほうもいよいよ生産がスタートできるかなと思っています。今県外の農業法人さんと組みながら岩手県内、それから東北各地でいろんな取組を一緒にさせていただいている状態です。
 よろしくお願いします。

高橋室長
 どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、小野寺望さん、お願いいたします。

小野寺 望
 株式会社岩手くずまきワインから参りました小野寺と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 私は、現在主に生産管理を担当しております。私は、大船渡市出身で、岩手大学に入学しまして、約10年間、脳の研究をずっと行っておりました。医療や薬品関係に興味を持って一貫して研究を行っていたのですが、大学院のときに震災を経験しまして、岩手大学はじめ岩手県の皆様に大変お世話になりました。当時はありがとうございました。その恩返しをいつかしたいなと思いまして、最初は大学で研究を続けるか、あるいは研究所に行くか、それとも就職するかすごく悩んだのですけれども、岩手に残って恩返しがしたいという思いで今に至ります。
 今日はなぜヤマブドウに興味を持ったのかというお話ができればと思っておりますし、私が今後どういう取組をしていきたいか、夢を語れればいいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 では、次に阿部拓磨さん、お願いいたします。

阿部 拓磨
 アクセルゲート合同会社の阿部と申します。よろしくお願いします。
 うちの会社では、子ども向けの小学校4年生から6年生を対象にプログラミング教育を行っています。八幡平市で開催されている無料のプログラマー養成のスパルタキャンプというものがあります。初めて僕はそこでプログラミングに触れたのですが、そこでITの強さというものを肌で感じて、自分がITに関わるのが遅かったということもあり、もっと早い段階で触れておきたかったという思いから、子ども向けのプログラミング教育を始めたものです。
 今は、どんな子どもたちにでもITの力を届けることができるように、広めることができるように、無料とか、超低価格でできるような仕組みづくりを頑張っていきたいと思っています。
 今日は、そういったITの観点からお話ができればなと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

高橋室長
 どうぞよろしくお願いします。
 それでは、菅原紋子さん、お願いいたします。

菅原 紋子
 雫石町のファーム菅久の菅原紋子と申します。私の会社は、お米と麦の生産の販売がメーンでして、あとは加工品の販売をしております。
 私は、もともと別な仕事をしていましたが、9年前に実家に戻って就農しました。今の担当としては、トラクターの作業もしますし、農作業もしますが、米の販売や加工品の販売を主に担当しています。
 昨年地元の若手生産者と一緒に「しずくいしホップチャレンジ」というグループを立ち上げました。ベアレン醸造所さんが雫石に新しく工場を建設するということがきっかけで、ホップづくりをしようということでグループを立ち上げています。一応3年後には法人化を目指してはいますが、まだまだ課題があります。今日は、いろいろ勉強させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

高橋室長
 どうぞよろしくお願いいたします。
 皆様ありがとうございました。皆様から自己紹介をいただいたところで、ここからは今日のテーマ「持続可能な地域づくりを担う」に沿って、現在の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負あるいは県への期待なども含めてお話をいただきます。先ほどの順番で、工藤さんから、今度はお一人5分程度でお願いします。
 お二人からお話をいただいた後で、知事からコメントしていただくというような形で進めてまいりますので、よろしくお願いします。
 それでは、初めに工藤さん、お願いいたします。

工藤 理沙
 では、安比塗について、まず説明をさせていただきたいと思います。
 安比塗は、ふだん使いの器というのを目指しています。これは去年つくったショップカードですが、こういう写真にもあるように、本当に日常、ふだん食事を御家庭でされるときに使っていただけるようなものを目指して、なるべくシンプルな器をつくっています。シンプルなというのは、削った木に漆だけを塗り重ねて、漆と木だけでつくるというつくり方もシンプルだし、見た目も絵をつけたりは一切しないで、漆を塗って乾かして、それをそのまま製品として出すというシンプルなものづくりをしています。そうすることで、毎日使っていただいても飽きの来ない、どんな御家庭にも合う、どんな料理を盛っても料理が映えるような、そういう製品づくりを目指しているのが今現在の安比塗です。
 もともと荒沢漆器という名前で、八幡平市の安代地区で、大きな漆器の産地でした。それが大体江戸末期ぐらいから戦後ぐらいまでは生産されていたのですが、プラスチックの代用品が出てきたり、後継者がいなくなってしまったので、一度途絶えてしまいました。せっかくそのまちにあった文化をそのまま絶やしてしまうのはもったいないということで、当時は安代町だったのですが、もう一度復活させようということで、後継者がいなくなってしまったのが途絶えてしまったことの原因なので、後継者をまず育てるところからやりましょうということで、私も卒業した安代漆工技術研究センターが昭和58年に建てられました。今は八幡平市が運営していて、毎年2人か3人ぐらいの少人数ではありますが、研修生がどんどん輩出されています。2年間そこで私たちも研修を受けて、こういう製品がつくれるような漆の一般的な技術を身につけて、大体の人は個人の作家として活躍するために、それぞれの出身地に帰っていくことが多いのですが、私のように岩手県に残って活躍しているというOB、OGも何人かおります。
 そうやってどんどん研修生が卒業して、その人たちがそれぞれでものづくりを始めて、今度は、その人たちの発信や、製造と販売の場所が必要だということで、平成11年に今の安比塗漆器工房が建てられました。そこで、建てられた当時からも少人数で製造と販売を行いながら、卒業生で個人の作家として活躍している人たちの商品も一緒に併せて販売したり、また全国の展示会だったり、百貨店さんに行って販売をしたりしております。
 そういう先輩たちがつくってきたバトンを今私たちが受け取って、それをまちの産業として成り立たせるようにしていこうということで、自分たちで企業組合をつくって、製造、販売をしています。研修所と漆器工房とOB、OGの方という、その3つが連携をして、そういう漆器の販路拡大に取り組んでいるのですが、ほかの産地さんではなかなかそういう連携をしている場所というのがないと思います。どの産地さんも後継者が不足しているという問題がありますが、八幡平市は後継者を積極的に育てていて、育った人たちが自分たちで活躍して販売する場所もあります。私たちも頑張って販売しながら、自分たちの製造が足りないときは全国にいる卒業生の人たちに手伝っていただいています。例えばいきなり100個とか200個注文が来たときに、全国の卒業生に声をかけます。そうすることで個人の方たちの仕事にもなりますので、手伝っていただいて、研修生にはそういう売りの現場の仕事も見てもらえるし、量産するためにはとか、スピードを持って製造するためにはということも近くで感じながら研修を続けてもらえるという、そういう連携をして販売を伸ばしていこうということで頑張っています。
 まちの伝統文化ということもあるので、地元の小学校だったり、地域の団体の方たちにも来ていただいて、漆で絵つけを体験してもらったり、小学生の子どもたちには、こういう漆の文化があるのだということを説明しながら、最後にスプーンに漆で絵を描いてもらって、自分だけのスプーンをつくってもらうという体験をしたり、そういう取組もしています。お客様にも喜んでもらえるし、地元の方たちにも愛されて、どんどん雇用が増やせたらいいなということを目指してやっております。
 自分たちの課題としては、販路拡大が難しいなというのは何年も前からすごく感じています。漆器というのはたくさんの人がたくさん欲しいというものでもないですし、欲しいという層が限られています。あと自分たちの生産量も、基本4人でやっているので、たくさん注文が来てもすぐにスピード感を持って量産できる体制ではないという、そのバランスがすごく難しいというのを感じています。2年ほど前から岩手県さんにも「漆DAYSいわて」ということでイベントをやっていただいて、いろいろ県内でも、あとは首都圏でも、海外でもということで、お声がけいただいてはいるのですが、そのPRもしたいし、でも自分たちの製造の限界も見えているし、そこら辺のバランスをどうとっていくか、それをうまいことつなげて販路拡大を目指していくというところが今現在の私たちの課題ではあります。
 自分たちが目指しているものは、なるべくシンプルなつくりということでやっていますが、日本中に、輪島塗だったり、近くだと津軽塗だったり、秋田の川連塗だったり、いろんな漆の産地がある中で、どうやって差別化を持って岩手県の漆器ですよということでPRしていくかということも併せて考えながらやっていきたいと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、橋本さん、お願いいたします。

橋本 幸之輔
 我々は、もともと紫波町でトマトづくりをしています。そのトマトを最初やるときに父が考えたのが、農業は基本的に土日がないということで、自分たちの家族で何とか「えいやっ」でやる分にはいいが、その先いろんな方に来ていただいて働いてもらうには、やはりちょっと過酷な部分もあるだろうということで、水耕栽培を用いたビニールハウスを取り入れました。環境制御型ハウスという形で、例えば窓が自動で開放して温度管理をしてくれたり、日射が強ければ勝手に遮光カーテンが閉まってコントロールしてくれる。異常が出れば、アラームが鳴って関係者の携帯が鳴る。そういった形で、基本的には日曜日はお休みできるようにしようと取り組んできました。
 私も父が農業をやるに当たって、自動環境制御の話を初めて聞きまして、そういった世界があるということを知りました。もともと実家が農家でもなければ、農業高校に行っていたわけでもないので、農業に関してはほとんど接してきていませんでしたので、そういった機会に改めて農業を知りました。
 今は、そういったことが更によりハイスペックにできる仕組みができたので、岩手県の中でも比較的トマト栽培に向いていると言われる沿岸地域で、自治体の協力を得て、取り組んでいます。
 大船渡市を選んだというか、やらせていただいている理由としましては、1つは我々、震災前から沿岸の方で何かできればいいなという気持ちがありました。そのさなか震災が起きまして、いろんなところが被災して、今回我々がやる土地も被災跡地ということで、もともとは住宅地があった土地になります。そういったところで塩をかぶってしまったり、土地が被害を受けてしまったところでも何かできないかということで、我々がやってきた水耕栽培であれば比較的土地が平らであればできますので、そういったところで一緒にやれないかというお話をさせていただいて、大船渡市様のほうで、それだったらお願いしたいと言っていただけたので、今回の運びになりました。
 大船渡市で行うことは、水耕栽培ではあるが、どちらかというと養液栽培という言い方をしまして、紫波町では水を使って土を全く使わないのですが、大船渡市では水のかわりにロックウールをちょっと使ってやろうかなと思っています。生け花のスポンジみたいなものをイメージしていただくといいのですが、ああいうものに水をちょっと点滴して、そこに根を張らせて栽培をするものです。環境制御式も複合環境制御、統合環境制御という言い方をしますが、温度のほかに湿度、それからCO2の濃度などの環境を制御して最適な環境で農業をつくりましょうといった技術がどんどん出てきています。岩手県ではまだ事例が少なかったので、今回他県の農業法人さんにも協力していただいて、そういったものを実現できたという運びになります。
 我々、問題点としてもともと持っていたのは、やはり販路のところが大きかったです。販路を確保するためには量はつくらなければいけない。量をつくるためにはある程度土地が必要、土地が必要となると今度は人も必要になって、いろんな問題点がどんどん出てくる。そういったものを解決していかなければ、この先が描きづらいなと思っています。そういったものを解決するために、例えば機械化とか、もうちょっと自動制御できるもの、一般的にIT、IoT、それからAIと言われるものも積極的に取り入れていく必要があると考えています。人が少なくなるというのは正直我々だけではどうしても解決できない問題ですし、ここ30年、40年、今後働いている方々が増えるかといったらまずあり得ない。そんな状況に対応するにはどうしたらいいか。もちろん人を集めることは大事ですし、それはやっていきますが、一方で集まらない現状に対応するには、やはりそういった新しい技術の取り入れが必要だと我々は認識しています。特に新しい取組をする中で、周りの御協力いただく皆さん、もちろん行政の皆さんもそうですし、金融機関ですとか、他産業の皆さんもそうですけれども、いろんな方にお願いをしていく中で、他産業に比べて農業というのは比較的、私の腹感覚ですが、こだわりが強い部分も多くて、我々も含めて、変化に対応する力がまだまだ弱い。次世代に向かっていくに当たって、あらゆる市場の変化に対応していかなければ、我々は生き残っていけないだろうと思います。そういった中で、方法論としていろんな方法が出てきたのであれば、我々はそれにどんどん積極的に取り組んでいくべきだろうと思っています。
 また、我々は別に1社でひとり勝ちしようという思いはさらさらなくて、当然そんなことできるような規模ではないので、先ほど菅原さんからもありましたが、いろんな生産者の方と協調してやっていくことが必要だろうと思います。それは、1つの会社をつくる方法もそうですし、技術提供、技術協力、それから情報、そういったものをどんどん積極的に取り組んでいって、そこはあくまで競争領域ではなく協調領域だと思っていますので、そういったところを含めて県内の農業生産法人の皆さん、私も一緒に、是非、岩手県が食料提供の県として非常にいい立ち位置になれるように協調していきたい。昨今温暖化なんて騒がれていますが、もう関東山地がどんどん夏の気温が高くなってきて、高原野菜ですらどんどん高地に行かないとできない。高地に行けば行くほど面積も少なくなり、栽培も大変になる。そういった意味では東北の今まで寒さが弱点ではないですが、弱みだと言われてきたところも、どんどん我々の強みに変わっていくだろうということは、我々の中では認識しています。
 一方で、これからの改善としては、例えば物流網といったものが依然厳しい状態であることは確かで、物流会社さんといろいろお話をさせていただきながら、是非皆さんと協調しないと、1つの業界だけでは到底生き残っていけないという危機感がありますので、そういったところも異業種連携、他業種連携という形でやっていく必要があるのかなと認識しております。
 あともう一つは、次世代のためにという意味では、私も実際そうだったので分かるのですが、基本的に若い人たちは農業を知らないです。一部の農家の息子、娘、それからその近隣の人並びに農業関係の学校に行っている方、この方々はある程度最低限の知識、情報は入ってくるのですが、私みたいに農家のせがれではなくて、普通高校に行って、普通科に所属して、そのまま何かしらの職業に就いていくというときに、選択肢の中に農業というのはないのです。この選択肢の中に、まず農業というのを私は入れていきたい。そうでないと、次世代のためにということで取り組んでも、そういった方が引っかからないというか、意識してもらえないのです。そういった中で、農業の中でも、例えば水稲もありますし、トマトもありますし、いろんな品種もあります。外でやる露地もあります、ハウスで栽培するのもあります。そういったものも選択肢として見せる必要があると思いますので、その選択肢の一つが我々のやっている環境制御型のつくり方だよと、次世代園芸と呼ばれるものだよと。こういった形で進めて、新しい取組、例えば阿部さんもそうですけれども、IT業界の方との取組というのもものすごく大きくて、実際実働し始めているものの中では、自動収穫機というのも当然ありますし、トマトの葉っぱの大きさを見ながら成長の速度を見ますとか、それから色を判別して勝手にとってくれますとか、そういったのもどんどん生まれてきているのです。私の感覚だと、ちょっと岩手県はまだまだそこを取り入れている件数が少ないので、自分も含めてそういった取組ができればいいなと思っています。
 あとは県に望みたいところは、県内でも市町村を越えての連携というのがどんどん生まれてきています。実際我々も岩手町とか、それから花巻市とか、紫波町だとか、そういった連携生産というのも実際行っていますので、そういった旗振りをどんどん県のほうでやっていただけると、より我々としても取り組みやすいですし、農業法人としてこれから拡大していく、生き残っていくためにそういった方策もとりやすくなると思いますので、そういったところに御協力いただければと、日々ちょっと感じています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事、お願いいたします。

達増知事
 工藤さんは、岩手に定着されて仕事をされていて、本当にありがとうございます。

工藤 理沙
 いいえ、こちらこそ。

達増知事
 漆工技術研究センターですか、人材育成の拠点はあるということがやっぱり安比漆の場合は大事なポイントなのですね。そこから巣立つ人たちが地元に残ったり、あるいはまた出身地等に戻ったりしても、何かあったときに手伝ってもらえるという、そういうネットワークができていくというのはなるほどと思いました。そういう意味でも、岩手県外に巣立つ人たちも含めて人材育成をすることが、やはり岩手のためにもなるということが分かりました。
 そして、販路拡大ですね、ギフトとか、いろんな結婚式の披露宴の引き出物とか、そういう用途がぱっと浮かぶのですけれども、そういう販路というのはどうなのでしょう。

工藤 理沙
 今そういう記念品だとか贈答品での販路という意味では、とても少なくなっています。まず、私たちが販売しているものは値段が合わないということと、そういうギフトを贈られる方がとても減っています。みんなカタログギフトだったり、そういう地元でつくられているものを積極的にという動きが減っていることと、少人数の結婚式が増えているので、本当に狙って、あの人にあげるために選びますという人は増えているのですが、大量に何十個、何百個という注文は、もうほとんどないですね。

達増知事
 橋本さんは、ドラッグトマトからトマトの生産へというのは、テレビのニュースなどでも取り上げられ、それを見た記憶がありますけれども、環境制御型ハウスということで、スマート農業ということで、AIとかIoTとか、その最前線だと思うのですけれども、いち早くそれを取り入れられたことはさすがだなと思います。
 トマトは、生食から加工までいろんなニーズがあるし、やっぱりいいところに目をつけたなと思いますし、それから大船渡に岩手銀河農園というのをつくられたというのは、大船渡市も大喜びでありましょうし、復興に向けて非常に地域の希望になっているのではないかと思います。
 あと若い人は農業を知らないというのはそのとおりで、やはり農家が親戚にいるとか、そういうのがないと、農業というものに触れずにずっと育っていくというのが普通ですから、そういう中で仕事の選択肢に農業を入れてもらおうというのは非常にありがたい発想でありまして、是非若い人たちに知らせていきたいですよね。特にスマート農業というのがこれからどんどん可能性が広がっているときでもありますので、今はそういう一つの知らせ時なのだと思います。
 岩手県では、2月20日に「いわてWalker」というのを発行するのですけれども、これはKADOKAWAが、「東京ウォーカー」とか、「台北ウォーカー」とか、地域情報雑誌を出している、そのノウハウを岩手で働く、岩手で暮らす、岩手で遊ぶという3本立て雑誌にし、岩手で働くというのが柱なのですけれども、岩手の企業を紹介したり、あとは農業、林業、水産業の働く現場とか、働いている人の言葉などを紹介したりする雑誌なのですけれども、岩手で働くということに改めて注目してもらわなければならない時期だと思っているので、農業についてもやっぱりどんどん知らせていきたいですね。
 あと市町村を越えた連携の旗振りはしましょう。してくださいということで。

宮野局長
 分かりました。盛岡広域圏は、県内で唯一総務省の連携中枢都市圏構想の連携中枢都市圏を形成しており、定期的に首長が集まって懇談会をやったり、ビジョンをつくって、平成28年度から5カ年の取組ということで、今30ぐらいかな、いろんな連携の取組をしていますので、そういう素地はある圏域です。
 ただ商工観光とか、そっちのほうが多いのかもしれません。あるいは今防災なんかもやっていますが、そういう中で農業分野もそういった連携を積極的にやっていければと思っていますので、具体に何か御提案があれば、またよろしくお願いしたいと思います。

達増知事
 あと、今年は11月に伝統的工芸品の全国大会が岩手であって、これは経済産業省指定の伝統的工芸品以外の工芸品も含めてPRしていくチャンスだと思うので、改めて販路の拡大、その中で差別化というのは、岩手にはこういうのがありますよ、こういうのが特徴ですよというのを改めて発信するチャンスで、特に盛岡広域というのは南部紫根染、南部古代型染みたいな経産省の指定する伝統的工芸品ではない工芸品が豊かに発達している地域だと思うので、盛岡広域は、安比まで含めてですね、そこはやっぱり今年ひと工夫していきましょう。

高橋室長
 では、次に小野寺さん、お願いします。

小野寺 望
 弊社では、30年以上前からヤマブドウを原料に地域に根差したワインづくりを行ってきています。ヤマブドウは皆さん御存じかと思いますが、とても酸味が強くて渋みも伴う。皮も厚く種がかなり大きい。ワインにするときに一番最初に絞ってジュースにするのですが、とても搾汁量が少ない。けれども、濃い赤紫をしておりまして、非常に魅力的な果物だと思っております。
 普通のブドウと比べてビタミン成分やミネラル、さらに、ポリフェノールが多く含まれているとよく耳にするかと思いますが、そのヤマブドウの機能性についてはまだ余り知られていない部分が多いのです。私が大学在学中、就職する決意をしたのは、ヤマブドウに出会い、ヤマブドウが持つ機能性という部分に魅力を感じたからです。しかし、まだよく調べられていないことがあり、非常にもったいないと感じましたので、そのヤマブドウを使ってワインをつくっているくずまきワインに就職を決めました。
 岩手でも「いわて農林水産物機能性活用研究会」が、2年程前に発足しまして、寒締めホウレンソウやイサダの機能性に関して様々なセミナーが開かれ、各研究機関が取り組んでいると思います。私も普通の業務の合間を縫って、そういったセミナーに出席しまして、情報を収集しているところですが、是非ヤマブドウにも着目していただきたいと思っています。
 ヤマブドウについては、10年ぐらい前に岩手県でも様々な取組をされてきたと伺っています。しかし、機能性に関してはまだまだ不十分ということと、収量を高めるような品種改良などの応用も大事であると思いますが、加えて、ヤマブドウが持っているもともとの本質を探究すべきだと私は考えています。
 そのヤマブドウの付加価値を高めることができれば、こういう機能があって、こういう成分があって、ヤマブドウを食べるともしかしたらこういう体にいいことが起こると伝えることができます。ワインは嗜好品なので、体にいいですよというのは言えない部分もあるかと思いますが、そういった原料を追求することで、良いワインができるのではないかと考えています。また、岩手県はヤマブドウの生産が日本一と聞いておりますし、県北エリアが主な産地ということで、産地に立地する弊社がそういった役割をこれから担っていくべきではないかなと考えています。
 また、現在生産者が段々と減ってきており、ヤマブドウの収量も減ってきております。弊社でもワインづくりをする際に、今年少し足りなかったねという声をよく聞きますので、ヤマブドウの価値を高めることで、原料の価格を上げることができ、生産者に還元していくことで、後継者不足の解消ができるのではないかなと考えています。
 そういった取組をこれからやっていけば、日本一の生産地からヤマブドウの先進地へ一歩を踏み出すことができるのではないかと思っていますし、その機能性という部分を探っていくためには、やはり産学官民連携して取り組んでいかなければならないなと強く感じています。
 また、今遺伝子解析なども年々簡単にできるようになってきております。ヤマブドウの網羅的DNA解析がまだ行われていないと聞いておりますので、そういったこともやっていけたらなと思っています。もちろん一企業としてできることはかなり限られていますので、先ほども申しました産学官民連携して、皆さんでタッグを組んでやっていけたらなと思っています。
 私のこれからは、もちろん機能性をより生かしたワインづくりをしていきたいなと考えていますし、入社して3年目を迎えまして、今年度から仕込み作業や品質管理にも本格的に携わるようになりました。今後は研究といいますか、開発と仕込や生産を両立することは難しいのですが、行く行くはヤマブドウの先進地として研究所のような場所を設立することがができたらいいなと思っています。ここで皆様からいろいろなアドバイスを聞けたらうれしいなと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、続いて阿部さん、お願いいたします。

阿部 拓磨
 私は、まず今回のテーマ「持続可能性」ということで、これ僕が大学のときからいろんなところで言われてきた言葉ではあると思うのですが、私の立場から言いますと、ITの教育という分野がこれから岩手ないしは日本の発展というか、継続的なサイクルを生んでいくものになってくると思っています。ITの教育というと、子どもへ向けたというのが単純に考えられるのですが、私はITにちょっと弱い世代というか、そういうところの理解を得ていくというようなところも非常に重要になってくるのではないかなと考えていて、そこについて今子どもたちに教えているのですが、そこの親御さんへプログラミングとかITの新しい技術の使い方、使いこなし方というところをアプローチしていくところも今後発展していこうと私としては考えています。
 先ほど全てのというような言葉を使ったのは、やはり今学校教育、2020年からプログラミングが義務教育になりますが、まず学校側が広い間口になりまして、その後より深く知りたい子どもたちとか、あとはそれに感化された大人の方たちが学べる場を広く確保していく必要があると考えていて、そうすることに全てのという言葉になってしまいますと、やはり無料ないしはすごく低価格で提供できるような仕組みづくりを我々がしていかなければいけないのかなと考えています。
 親御さんたちの理解とか、あとはITに弱い世代の理解というところから岩手ないしは地域全体で小さな盛岡、八幡平などの地域ごとにIT×農業ですとか、IT×観光というような方向を向いていくように働きかけをしていくことを今後の目標としています。
 そのIT×農業ですとか、そういうものですとやはり新しいサイクルが生まれると思うのです。農業であれば農家、先ほど農家に憧れるとか、農家になろうと思う人が少ない、ほとんどいないというような話もありましたが、そこにITが加わることで、ベースとして農業とITは一緒に成長していく分野だとか、観光とITは一緒に成長していく分野だというふうな理解が子どもたちの方で根づいてくれば、何も農家になろうという考えにならないとかではなくて、自然とITの分野からアプローチをかけて、そこでいろんな産業との混ざり合いで発展が生まれてくるのではないかと考えています。
 僕はプログラミングの教育という観点から今ITを教えているのですが、先日中学校の方に行かせていただいて、プログラミングの教育とかやっているところをちょっとお話しさせていただきました。中学校1年生を対象にお話しさせていただいたのですが、とてもプログラミングをやりたいというようなお話を結構いただいて、すごく興味を持っていただいていましたので、やはり岩手の未来は明るいなというか、子どもたちがそういったITネイティブな世代ですので、そういった子どもたちにITを使って農業とか、観光とか、掛け合わせた仕事があるということを発信していくことができれば、持続可能な新しいサイクルが生まれるのではないかと思っています。
 
高橋室長
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 小野寺さんはヤマブドウに注目して、そしてくずまきワインで働いているということで、くずまきワイン、岩手を代表するワインの一つですから、よろしくお願いしたいと思います。
 ヤマブドウの機能性というのは、よく分からないまま体にいいということで、私も子どものころから時々飲まされたり飲んだりしてきたのですけれども、そうやってジュースとかヤマブドウ液とかで飲むというところから始まって、ジャムにしてパンに挟んだり、缶酎ハイにしたりとか、ゼリーにしたりとか、だんだん使い方が広がっています。山ぶどう缶チューハイは、飲んでみたのですけれども、スパークリングワインの風味というのでしょうか、酎ハイっぽさがなくて、やっぱりヤマブドウのパワーだと思います。ヤマブドウの味と香りのパワーというのがそういうところにも出ていると思います。
 機能性については、そうなのですよね、なかなかどこまでどう説明していくのかという、そういう戦略の問題も含め、まだちょっと弱いと私も思うので、ヤマブドウの機能性について、改めてどこまでどう、また誰が言っていくのかというのを工夫しましょう。
 そして、品種改良とかもそのとおりで、くずまきワイン、ヤマブドウのワインで箱に入れて通し番号をつけて売っているものがありますよね。

小野寺 望
 「褒美」です。今年発売して1,000本限定で出したワインがございます。

達増知事
 ちょっと飲ませてもらう機会があったのですけれども……

小野寺 望
 ありがとうございます。

達増知事
 やっぱりおいしいですよね。フランスとかのいいワインに匹敵するおいしさがあるので、やはりワインづくり全体として、もうワインにすればいいというものではなく、ちゃんとテロワールとか地質条件とか、そういうものとの関係とか、そして品種改良とかもあわせたこだわりの原料で、そしてつくり方もちゃんとやって、クオリティーの高いワインを生産していけるところまで来ているし、そうしていかなければならないと思うので、ヤマブドウについては特に岩手はやっぱりやっていかなければならない分野だと思うので、そこもしっかり取り組んでいきましょう。
 そして、阿部拓磨さんのIT教育ですね。これは、小学校でプログラミング教育必修化というのがきっかけではあるのですけれども、やっぱりもともと今を生きる紳士淑女、皆ある程度はたしなんでおかなければならないところだと思うので、子どもだけではなく学んでもらうというのは本当にそのとおりだと思います。プログラミングみたいな基本的な考え方とかを理解するところから、大人であれば自分のやっている仕事とか、農業とか、また自分の生活の現場にどうITを活用していくかというところも非常に大事だと思うので、そういったところはやっぱり工夫していく必要があると思います。自己紹介のところで八幡平市でやっているスパルタキャンプというのですか、あれはやっぱりいい企画ですね。

阿部 拓磨
 あれはすごくいい企画で、遠いところだとカナダですとか、ハワイとかに仕事で行っている人たちがスパルタキャンプをきっかけに戻ってきて、八幡平にそのまま移住するというケースが何件かあります。そこに集まった人たちがそのまま八幡平に移住して、居ついて、ITの仕事をしているというケースがあるので、やはりITというのはそういう人を呼ぶ力もあるのかなと思っています。

達増知事
 合宿というのもいいのかもしれないですね。

阿部 拓磨
 そうですね。

達増知事
 旅行商品として、数日景色のいい温泉もあるようなところ、食べ物もおいしいところに泊まりながら集中的に学ぶとか、あとは農業でITを活用しているところを回って歩くツアーみたいなこととか、そういうのがいいかもしれないですよね。

阿部 拓磨
 そうですね。土日メーンにやっているのですが、平日は近くの観光地に行って、そこで青空プログラミングみたいなのをちょっとやったりとか、農家さんにちょっとお邪魔して農業を手伝ったりというようなこともしていますので、すごくありなのかなと思いますね。

達増知事
 では、それをどんどんやりましょう。

阿部 拓磨
 是非。

高橋室長
 それでは、菅原さん、お待たせいたしました。お願いいたします。

菅原 紋子
 ファーム菅久という会社は、私の父が立ち上げました。今年21年目に入っています。社長が法人化する前から試行錯誤しながら、ずっと米づくりをしていまして、年々規模が拡大しています。今後規模が減ることはないなと思っています。増え続けるのだろうなと思っています。
 私が9年前に就農したときで120ヘクタールあったのですが、今150ヘクタールぐらいになりました。やっぱり離農する方も増えてきているので、田んぼの面積が増えてきています。その中で、米づくりだけこの先ずっと続けていいのかなと、消費も減っている中で米づくりを続けていいのかなと感じるところもあるのですが、田んぼ、もともと米をつくっていたところに次の年から野菜の種をまいたとしても商品にはならないです。なので、今ある施設も米づくりのための施設であって、急に野菜づくりを始めようと思ってもなかなか難しいところがあると思っています。
 もう一つは、私は雫石といったら岩手山と田んぼの風景だと思っているので、やっぱりこの環境は、米づくりはずっと続けていきたいと思っています。
 今スマート農業も取り入れながら、効率よく作業できるようにということで取り組んでいますが、先ほどから皆さんからも出ていますけれども、人手の問題というのがあります。今は、定年退職した方がメーンで従業員として働いていますが、高齢化が進んでいるので、若い人たち、若い世代の力がすごく必要になっています。そういったスマート農業を取り入れるにしても、それを操作できる人たちというのがすごく重要だと思っています。やっぱり規模も増えているので、草刈り作業が夏場の一番の重要な作業になりますので、草刈りに来ている方たちの負担も減らしたいと思ってはいるのですが、なかなか人手が集まらないというところがすごく難しいと思っているところです。
 あとは、私も米づくりをして、販売も担当しているのですが、県外によく販売に行きます。岩手のお米と言われてもぴんと来ないという方がほとんどで、持って帰るのも大変だというので、購入まではいかないということがすごくあります。岩手県は、すごくいい場所で、農産物も農薬とか化学肥料もほかの県よりも減らしながら生産できると思っているので、やっぱりそこはちゃんとPRできればいいなと思っています。
 ホップづくりについてですが、雫石にとっては初めての作物で、本当にゼロからのスタートです。昨年スタートしたのですが、自分たちで資材を集めて棚をつくって、6品種100株植えました。昨年は植える時期も遅かったので、まずは養生するような感じで植えたのですが、今年からはもうちょっと株間もあけて、ちゃんと生産していこうということでいろいろ動いてはいるのですが、近くに分かる方もいらっしゃらないですし、機械とか設備というのが全くないので、昨年はみんなが持っている機械を持ってきて作業はしましたが、これから本格的に生産していくとなると設備の問題があるので、規模拡大も考えてはいますが、機械、設備、人手というところや、資金も大きな課題だと感じているところです。せっかくベアレン醸造所さんが、雫石に工場を建てていただいているので、一応販路としてはあるのですが、生産する部分ではなかなか厳しい状況が続いていると思っているところです。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事からお願いします。

達増知事
 ファーム菅久さんは、岩手を代表する農業法人の一つで、規模も拡大されているということ、本当に是非この調子でというふうに思います。
 一方、人手の問題というのはやっぱりそうなのですね。人手不足問題、特に若い人の確保が大変ということで、これはやっぱり県としても、岩手の、あるいは岩手に来るかもしれない人たち向け、若い人たち向けに、農業で働いて暮らすという宣伝を強化してまいりましょう。
 そして、岩手の米がぴんと来ないというのはそのとおりで、そういうこともあって、金色の風や銀河のしずくで、まず岩手も米どころだと。また、実は秋田、宮城、新潟などに匹敵し、勝るとも劣らないのだというのを、いろんな食味ランキングとか、そういう実績を挙げて理解を広めようというのを今やっているのですけれども、まだなかなか広まっていないという話は私もよく聞くところですので、これはどんどん米どころ岩手ということをいろんなやり方で発信して、そういう理解を深めていきたいなと思います。
 そして、ホップは遠野とか県北の方とかで盛んにやっているので、気候などは岩手というのは向いているのだと思います。ただ、非常に独特な作物で、新しくやるのは大変なのだと思うのですけれども、これもやっぱり県もちょっと念頭に置いて、ベアレンとの連携みたいないい形ができていると思うので、うまく進むように。うまく進むと、遠野でホップ祭りみたいなことをやったり、ホップやビールなどを中心に、それで人を集めたりといったツーリズム的にもいい材料のようですので、これはやっぱり狙い目だと思うので、県も応援していきましょう。

高橋室長
 皆様から一通りテーマに沿ったお話をいただいたところですが、まだ予定の時刻には余裕があります。
 先ほど1巡目で言い足りなかったことですとか、あるいは全体を通しての感想、懇談テーマに関わらない意見等でも結構です。ここからは自由に御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 阿部さん、どうぞ。

阿部 拓磨
 今日は魅力的なお話がすごく多くて、僕なんかはITの仕事しかしていない者なので、農業のお話とか伝統工芸のお話とかを聞かせていただいて、販路の話とかが出てきていて、ITの最近の販路でいうとファン層をつくるというところがあって、そういう点では岩手はすごく魅力のあるものが多いので、ITが縁の下の力持ちではないですけれども、そういうファン層の拡大をサポートするような役割になって、岩手のそういうのを押し上げていければと今日の中で感じたところです。

橋本 幸之輔
 ITと農業は、生産現場もそうなのですが、販売のところもかなり関わっていただいていまして、今新しい法人で構想として考えているのが、売り場づくりを今度スーパーさんとか量販さんと一緒にやりたいと思っています。売り場づくりは何かといったら、例えば100個常に陳列します。例えば今日20個売れました。その情報がそのまま直接圃場に来る。では明日20個出さなければいけないのだなと、簡単に言えば、そういった情報がどんどん相手を通じて回ってくる。単純に数だけだったら、今までもバーコードでピッピ、ピッピやれば来たのですが、これからは例えばAmazon Goという無人店舗が話題になっていると思うのですが、入ってきた人をセンシング、モニタリングされながら誰が何をとったというのが分かる。そのデータの中で、個数だけではなくて、例えば40代、30代の男性がこれをとった、一回見たけれども戻したという情報も入ってくるわけです。そうすると、とったけれども戻すというのは、戻すための理由があったのだろうと、そこを今度分析するのです。その人がとって戻して、やっぱりもう一個安いのをとった。そうすると、価格帯がこの人にとったら、こっちの方が魅力的なのだなと、そういう情報が生産現場の方に来ると、今度はそれに合わせた生産をしていけるようになるものなのです。
 スマート農業ということで、現場の方が注目されるのですが、実は販路の方が、皆さん同じように販路のところを課題意識として持っていて、実はそういうのが大事だと思っている。これに対する助成というのは、まだないですよね。こういったものも次世代として検討していただくためには、ちょっと頭の隅に入れていただければと思います。

高橋室長
 いかがでしょうか。
 工藤さんのところも顧客の管理とかというのは、やっぱりそういったITなりという感じですか。

工藤 理沙
 そこも自分たちはすごく課題になっています。つくる人間が集まっているので、つくることに没頭してしまって、そういう生産管理とか、顧客管理というところを今まですごくおろそかにしてきたので、そこを今整理し始めています。そうするとやっぱり生産現場もうまく回っていくし、そういうところの整理整頓をこれからどうやって生産に響かない程度にできるかというのを課題にしていて、そこはITとか、そういうシステムをもっと積極的に入れていきたいなという気持ちはあります。

達増知事
 その辺、農林水産業と課題は似たところがあって、生産の匠の人たちなので、販売のところ。ただ、ファンクラブづくりみたいな、顧客管理というよりもファンの皆さんと一緒にお互い楽しみながらつくって利用してもらうというようなのが、これからは大事なのでしょうね。

工藤 理沙
 実は、観光とかで訪れる方がいらっしゃって、漆器というのは言葉で説明しても魅力がなかなか伝わりづらいので、実際使ってもらうのが一番良さを分かっていただけると思うのです。自社でも貸し出し漆器を用意して、イベントとかがあるときには使っていただいてということをやっているのですが、自分たちでは、そんなに大量には用意できないのです。観光でいらっしゃった方からどこで使えるのですかというのをよく聞かれて、旅館だったりホテルだったり、ああいった食事するところで出てくるのは、これは岩手の漆なのですかと聞かれて、実はこれは違うのですという話をよくすることがあって……

達増知事
 御飯を漆器に入れて食べたりできるところがあるといいですよね。

工藤 理沙
 そうですね。そういう観光でいらっしゃった方にもPRできる、すごくいい機会だと思うので、そういう場所も増やしていけたらなというのは……。

高橋室長
 小野寺さんはいかがですか。

小野寺 望
 皆さん農業をされている方は、やはり高齢化や人材不足といった現状を目の当たりにしているのだなと思います。
 弊社でも19軒ほどの町内農家さんと契約をしまして、ヤマブドウを生産していただいていますが、やはり年々高齢化のため、体調が悪くなったとか、後継者がいないだとか、そういった話をよく聞きます。そういうことをカバーする方法というのは本当にどうしたらいいのか分からない状態です。先ほど皆さんがお話していたスマート農業というのはすごく魅力的だなと思う反面、ヤマブドウの栽培では難しいかもしれないと考えていました。ヤマブドウは一年を通して、剪定や芽かき等を行わなければならないので、どのようにマッチングさせていけるのかなと考えながらお話を聞いていました。
 あと先ほどファン層拡大をサポートするお手伝いをしているというお話も伺いましたので、やはりヤマブドウのファンを増やしていく、岩手の農林水産物のファンを増やしていくという点ではITの力がすごく必要になってくるのではないかと感じています。

高橋室長
 ありがとうございます。
 大体予定の時刻となりましたけれども、最後にこれだけはという方いらっしゃったら。よろしいですか。
 菅原さんもよろしいですか。

菅原 紋子
 そう言われると、何かしゃべらなければいけないような気がしますけれども。
 では、ちょっとだけいいですか。
最近農業体験させてほしいというお話をよく聞きます。田植え、稲刈りの体験したいということで、うちでも春と秋に田植え体験と稲刈り体験するのですが、今あまり学校単位で農業体験をしていないようで、学校のクラスとか、学年で体験したいということで、お問い合わせはいただくのですけれども、やっぱり人数が人数なので、ちょっと受け入れられないのです。小学生のうちからそういう体験も是非してもらいたいと思っているので、何かできる機会があればいいなと思います。雫石でも小学校で稲刈りをやったことないという方がほとんどなので、触れる機会をもっと増やしてほしいというところがあります。

高橋室長
 むちゃ振り、済みませんでした。

菅原 紋子
 いいえ、とんでもないです。

高橋室長
 それでは、皆さん大変ありがとうございました。

知事所感

高橋室長
 最後に、知事からお願いいたします。

達増知事
 今のは、観光関係のところに工夫してもらうといいかもしれませんね。

宮野局長
 そうですね、はい。

達増知事
 鶯宿温泉とか、つなぎ温泉とか、あの辺の人たちに事務局機能を果たしてもらって、あそこに申し込めばうまく準備してつないでくれるみたいな感じ。行政がやってもいいのですけれども、むしろ観光の現場に近い民間力を使うほうがいい感じがします。

宮野局長
 そうですね、長栄館の照井社長さんは、今つなぎ温泉と鶯宿で株式会社いわてラボをつくって、共同で観光関係の取組をしていますので、そういった中でいろいろ対応していくということも十分可能だと思います。

達増知事
 ええ。三鉄と連携している三陸DMOも、そういう教育旅行のいろんなサービスをするためにあるのですけれども、まずは沿岸のほうがエリアだから、内陸は内陸でやってもらうといいかもしれないですよね。

宮野局長
 はい。

達増知事
 では、最後のまとめということで、今日は大変いい感じで現場を持ち、またその現場で実績を上げて、また近い将来も様々いいテーマに向かっている皆さんの話を伺うことができて大変参考になりました。県政に生かしていきたいと思います。
 あとは、そういうところにそういうことを知ってもらい、また多くの人を巻き込んでいく、そして新たに参入、就職してもらうような人を確保していく工夫が必要なので、今度「いわてWalker」という雑誌を出すので、いわて若者会議とか、いわて若者文化祭とかも、いわてWalker会議とか、いわてWalker祭りみたいにして、岩手で働く、岩手で暮らす、岩手で遊ぶ人を「いわてWalker」と呼び、あなたもいわてWalkerになりませんかとか、いわてWalker友の会みたいな、そういうネットワークづくりで人の確保というのをやっていけるかもしれないですね。KADOKAWAと知的所有権の関係でどこまで使えるのかとなるかもしれないけれども、でも「いわてWalker」というのは岩手県で自由に使っていい言葉なのでしょうね。「スター・ウォーズ」にスカイウォーカーという名前が出てきますけれども、ルーク・スカイウォーカーのことをヨーダがヤング・スカイウォーカー、ヤング・スカイウォーカーと言うのですけれども、岩手においてヤングいわてWalkerを増やしていって、ヤングいわてWalkerが岩手を救うみたいな形にするといいのではないかと思いました。
 今日はどうもありがとうございました。

高橋室長
 では、皆さんありがとうございました。

閉会

高橋室長
 以上をもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。
 

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