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希望王国岩手放課後座談会(平成21年1月22日)

ID番号 N11713 更新日 平成26年1月17日

訪問学校:盛岡白百合学園高等学校
開催場所:盛岡市

希望王国岩手放課後座談会(訪問学校:盛岡白百合学園高等学校)

  • 実施日 平成21年1月22日(木曜日)
  • 場所 盛岡白百合学園高等学校

開会

藤村教頭
それでは、ただいまより「希望王国岩手放課後座談会」を開催させていただきますので、よろしくどうぞお願いします。

知事あいさつ

藤村教頭
ただいまの授業で大変お疲れのところでございますが、早速知事からごあいさつを賜りたいと思います。

達増知事
「希望王国岩手放課後座談会」ということで、本当にお忙しい中、こういうふうにお集まりいただきましてありがとうございました。先ほど授業の冒頭でも申し上げましたけれども、県の知事部局としまして、教育、公教育というか、公立のほうは教育委員会がやるのを側面的に応援する、そして私学教育もこれはまたこれで側面的に応援する、知事部局というのは応援団、支援者の立場で教育にかかわるのですが、一方県民の教育に関する関心は非常に高く、やはり知事としてはちゃんと事態がわかった上で、そういう応援、支援をしていかなければだめだなというふうに思っておりまして、それで時々学校の中を拝見させていただくために授業をさせていただいたりとか、そしてこういう先生方やPTAの皆さんと直接お話をする機会をいただいたりしているところであります。
教育については、いろいろ学級崩壊、学校崩壊、教育崩壊とか、日本全体の議論の中では教育に関して危機的状況みたいなことが言われているのですけれども、教育に関する危機の本質は、教育の現場の中にあるというよりも、それを取り巻く経済、社会環境のほうに原因があって、不景気が長く続きますと家庭のほうがやはり経済的な困難とか、経済的困難に基づく家庭の危機のような、そこが子供にいろいろ困難をもたらしますし、そして携帯電話の発達でありますとか、インターネットの発達、そしてそれがよくない大人とか、そういう人たちによって悪用されている、そういう社会環境がまた学校や子供を襲っているというようなところがあると思います。
白百合学園高校の場合は、そういう経済、社会的な困難をはねのけて、大変全国にも誇れる立派な教育をされていると思いますけれども、ただし経済、社会的な脅威というのは小さいものではないと思いますので、そういうのをはね返しながら教育本来のあるべき姿、普通の当たり前のことをきちんとやっていくということができればいいなと思っているのですが、そういったところを県がまたどういう役割を果たすことができるかということも考えながらお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

校長あいさつ

藤村教頭
それでは、改めまして学校長よりご挨拶を申し上げます。

千葉校長
本日は、本校における県政懇談会のためにおいでいただきまして、ありがとうございました。心から御礼申し上げます。
先ほどは、スクールセッション、知事の授業を拝見いたしまして、大変楽しく過ごさせていただきましたし、また本当に卒業間近に控えている高校3年生にとっては思い出になる、また励ましもいただきまして、本当に感謝申し上げます。
今日せっかくこのような機会をいただきましたので、趣旨に沿った実りのある懇談会となるようにと願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

懇談

藤村教頭
それでは、折角座談会ということですので私も座りながら進行させていただきます。本日の進行を仰せつかっております教頭の藤村と申します。よろしくお願いします。
それでは、本日は、よその学校でPTAに相当します、本校では「父母と教師の会」と称しておりますが、保護者の会長さん、副会長さんにおいでいただいています。それから、本校職員と、合計10名がこちらに参加させていただいていますので、まず一巡でそれぞれ自己紹介をいただきたいと思いますので、では「父母と教師の会」会長さんからお願いします。

照井会長
本日はお忙しい中ありがとうございます。「父母と教師の会」というPTAなのですけれども、子供が幼稚園からずっとこちらにお世話になっておりまして、最後の下の子が先ほどスクールセッションで知事とお話しました。ありがとうございました。よろしくお願いします。

佐々木副会長
同じく「父母と教師の会」副会長を務めております佐々木と申します。よろしくお願いいたします。この学校には、やはり幼稚園からお世話になっておりまして、十数年目ということで、知事はご存じでしょうか、数年前に白百合学園小学校、児童募集停止の危機といった事態があったのですけれども、そのときに小学校の父母会の会長を務めさせていただいて、大変な思いをしたのですが、それを乗り越えて、ますます白百合に対する思いというものを深くしている一人と自認しております。今日はよろしくお願いいたします。

小野寺副会長
同じく副会長をしている小野寺と申します。知事とは一度県庁でお会いしています。行政委員会の委員を幾つかさせていただいておりまして、去年の10月に知事から辞令をいただきました。
先ほどの知事の講義なのですが、私がついていけたのは、最後の“I could have danced, danced, danced all night”、ここだけでございました。よろしくお願いします。

藤村教頭
では、本校職員の森岡先生から順にお願いします。

森岡教諭
今日はありがとうございました。教務部を担当しております森岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。教科のほうは理科の教員でございます。

村谷教諭
どうも今日はありがとうございます。生徒指導を担当しております村谷忠信といいます。教科は森岡先生と同じ理科です。よろしくお願いします。

山内教諭
中学校の主任をしております山内と申します。2007年の11月に私学の教育表彰の場で知事さんに直接表彰していただきまして、大変感激いたしました。教科は社会科を担当しております。よろしくお願いします。

松尾教諭
本日はありがとうございました。クラブですとか、あるいは委員会といった特別活動の担当をしております松尾と申します。教科は英語です。よろしくお願いします。

安倍教諭
英語科主任を仰せつかっております安倍と申します。よろしくお願いいたします。1つ、2つ、県とのかかわりで申し上げれば、1999年に岩手県と国連大、NTTなどの環境学習があったのですが、そのときに三陸沖に潜らせていただいて、県内の小学生120名とライブ授業をやった経験があります。2001年には、今中尊寺が話題になっていますけれども、ライブ授業をやらせていただいて、21世紀を迎えたということがあります。どうぞよろしくお願いいたします。

藤村教頭
それでは、これより懇談に入らせていただきますけれども、ここからは自由闊達にご発言をいただきまして、知事と懇談を重ねてまいりたいと思いますが、最後に知事からはまとめのお言葉をいただくということで、およそ1時間余りを予定しておりますので、ご協力の程をお願いいたします。
まずは、父母会の方々からお願いします。

照井会長
では、きっかけということでお話をさせていただきます。
授業というのは、もう知識の詰め込みだけではないだろうというのを実感した50分でございました。楽しく興味を持ってやれば、授業ってすばらしくなるというのを実感いたしました。私は、オバマアメリカ大統領の就任演説をそのまま言語で受け取る能力はありませんけれども、やっぱり人に対するプレゼンテーション能力というのはとても大切な、そういう時代になってきたと思うのです。自分の思いを人に伝える、どんなにきちんとした思いを持っていても、なかなかそれを相手に伝える力がないと、うまくコミュニケーションがとれないなというのは先ほどもおっしゃっていましたけれども、そういった力をつけることが非常に大切だなという、そういう時代になってきたと思うのですけれども、知事は、どうやってそういう力を身につけていらしたのだろうと、その辺からちょっとお話ししていただければ、人に対する思いをどうやって伝えようという、その辺のところをちょっと教えていただければ。

達増知事
オバマ大統領の演説は、私も反省させられて、やはりこういうふうにわかりやすく、かつ説得力があるように話さないとだめなのだなと、自分の今までの言葉の使い方を反省しているところなのですが、オバマ大統領は多分ふだんからああいう話し方をしていて、ふだんの話し言葉をそのまま演説でも使っているのではないかと思います。単語一つ一つは難しい単語というのはほとんど使っていなくて、簡単な単語で、しかし中身は本当にアメリカ大統領の演説にふさわしいような、志高く、また情緒的というか、そういう気持ちにも訴えるような、簡単な単語を組み合わせて、そういう演説をするのはすごい、こうでなければだめだなと反省したところであります。
ふだん心がけていますのは、やはり話す中身だと思っていて、伝えたいことがちゃんとあれば、どうにか伝えられるのではないかなと思っていて、今日の授業もまずそういう学ぶ喜びということを伝えられればいいと。それを伝えるということで、あとはそれに必要なことをしゃべるという感じでやって、学ぶ喜びの本質が希望と愛だというようなことについては、やっぱり自分で確信を持っていることについては、それなりに伝えられるのではないかなと思っています。ですから、自分で本当には信じていないようなこととか、本当はこうではないのだけれども、でもこう言っておかなければ、というようなことは言わないようにするということが大事なのかなと思っています。
自分が本当に確信しているようなこととか、こうしなければだめだなと本気で思っているようなことであれば、伝えられるのではないかなというふうに思っています。そういう中身を自分の中にふやすことが大事なのだと思います。そこは努力をしていないと、そういう自分として確信が持てることとか、本気で目指したいこととか、そういうストックが少ないと話す中身とか、話そのものもしぼんできてしまうので、そういう中身をふやしていくということが大事だと思います。
知事をやっていて心がけているのは、岩手にはこんないいところがある、あんなすばらしいところがあるという、そういう材料をたくさん持つことです。それで、さっき授業で話したこともそうですけれども、最近だと県北のヤマブドウはすごいとか、これは本当に自信を持って紹介できるなというような材料をふやしていくと、コミュニケーションに役立つのではないかなと思います。

照井会長
今日40人が「いわて希望メッセージ」を出しましたよね。だれに聞いてもきちんと答えられたと思います。それは、先生方が、知事はこういう形で聞きますからということを多分生徒たち聞いていたと思うのですけれども、知事のおっしゃるとおり何もないと答えられないと思うのです。そういった意味では、本当に人に話すときに何もないのではなくて、きちんと自分の中にないと話せないなという。その授業を学校側がふだんからしてくださっているのは、とても感謝しております。

達増知事
人づき合いが苦手だという悩み相談を若い人からも受けるのですけれども、とにかくいい円滑な、円満な関係をつくらなければということに集中し過ぎて、そこでどういう中身を紹介し合おうかというような、中身への関心がおろそかになってしまったりすることがありますけれども、聞くところによると、最近の中高校生は仲間外れにされないように、いじめられないように、とにかく集団と同調していることに神経をすり減らす向きがあると聞くのですけれども、そういうところに神経をすり減らすのではなく、中身ですよね。ある場合は、自分しか好きではないということがあっても仕方がないと思っていて、ほかのみんながこれがいいとは言わないけれども、自分はこれが好きだということが、すべてにおいてそうだと困りますが、そういうのが幾つかあってもいいと思うので、自分の好きなものがふえていけば、他の人が好きだというのもふえていくでしょうから、そういう中身を豊かにして、そこにみんな集中すればいいなと思っています。

藤村教頭
ありがとうございました。今コミュニケーションの話題提供がございまして、興味深く伺っていましたけれども、これに関してどなたか続けてのお話ありますか。

松尾教諭
今日はありがとうございました。とても楽しみに授業を見させていただきました。ただ、私はこの「マイ・フェア・レディ」を選んだのは、「マイ・フェア・レディ」だから選んだのか、それともオードリーで選んだのかという、聞いていて、本当にオードリーは見ていて余りにもきれい過ぎて、無機質な美しさというのがあったのですけれども、ただ晩年にユニセフで活動していたときに、あのしわだらけの顔と、のど元と言ってはなんですけれども、びっくりするのと、内面の美しさというので、本当にオードリーって、この人の人生というのはこれだったのだなと。そこでまた知事さんがおっしゃったような、まさに希望と愛で最後は終えられた人でという、そんなことを思いながら、私すっかりもうオードリーに恍惚して授業を聞いていて、とても楽しく受けさせていただきました。
私のほうからは、今のコミュニケーション等含めて、これからの英語教育ですとか、あるいは国際理解教育についてお聞きしたいと思っております。昨年12月22日に文部科学省より新指導要領の改訂案のほうが示されまして、英語の中で私が読んでいて、まず2つ感じたことがありました。1つ目は、コミュニケーションからネゴシエーションやインタラクションにもうステージは移ってきているのだなということを感じたのです。ですから、コミュニケーションといったときに、発信型ということはよく言われますけれども、発信からもう今度は交流していくということなのかなと。そのためには、やはり意見を交換し合って、多面的に物事をとらえていくことが求められているのかなというのが1つ目です。
それから、2つ目なのですが、やはりこれまでの講義形式の授業ではもう限界が来ていると。そこでこれから求められるのは、本校の生徒にそうなってほしいなと思うのですが、主体的に考える、そういったやはり授業の展開が求められているということ。そうすると、その中ではCTという言葉、クリティカル・シンキングという言葉はありませんでしたが、例えば事実と意見を区別するですとか、あるいは多面的ということは要領の中にも盛り込まれておりまして、これはまさにこれからの英語教育の方向性を示しているのだなということをとても強く感じました。
そこで、本校では平成16年から18年まで文部科学省よりSELHiというスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールに研究指定校として研究を続けました。その中では、文部科学省からはその研究内容は指導要領には盛り込むということでしたので、今回の内容を読んでいて、本当にこれからの英語教育の方向性はこうなのだなということを実感新たにしたところです。そこで本校で求めたことというのは、国際貢献のできる国際人の育成というのを目標に上げまして、そうすると国際人の条件というのは何が必要かというと、ちょうど先ほど上げたことというのは、これは必須ではないのかなと思いました。
そこで、ぜひ知事さんの外務省あるいは留学されたときなど、それこそクリティカル・シンキングという、なぜという問いかけから始まるような授業展開なども、さまざま体験あるいは見てこられたと思いますので、岩手の英語教育、あるいはこれからも英語の指導員として、私たちも自負を持って進めていきたいと思いますので、白百合に求めるといいますか、あるいは私学に求める英語教育についてお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。

達増知事
スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールだったのですものね。ちょうど制度ができたばかりのときに、もう最初に指定されたわけですよね。私は、個人として英語学習者として、今でも現役的なところがあり、いろいろ苦労しながらやっているのですけれども、特に学校教育で何をどうやっていけばいいかというのは、なかなかこうすれば絶対というのはまだまだわからないのですけれども、私が思うのは、高校卒業した後にさらに本格的な英語学習に入っていく、その方向性をきちんといい方向に伸びていくような発射台をつくるといいますか、そういうことが大事なのかなと思います。
裏返すと、いろんな意味でやる気をかき立てるということでしょうか。私の場合は、1つは発音のおもしろさですね。日本語と全然違う子音を重ねていく、少ない音節の中に子音がいっぱい挟み込まれているような、あれがしゃべっていて口が気持ちいいとかというのもあり、そういう日本語と全然違う音の出し方があるということが、これは早い段階で、小学生ぐらいからそういうのをおもしろいと思えば、その後ぐいぐい伸びていくのではないかと思います。
あとは、単語の並べ方で決まってくる世界ですよね。ブロック、積み木みたいな並べ方で意味が出る。日本語とやっぱり決定的に違う、そういう構造のおもしろさがありますよね。
あとは、「マイ・フェア・レディ」は英語で楽しむようになったのは大学に入ってからなのですけれども、高校のときには「ラ・マンチャの男」という、ピーター・オトゥール主演のミュージカル映画があって、当時テレビでやっていたのをたまたま見て、これはすごいと思って、すぐレコード屋に走って、もちろん置いてはいないから注文をして取り寄せて、繰り返し聞いて、詞の中身が、歌の中身がいいので、それを書いて透明な下敷きの間に挟んで持って歩いて覚えて、高校のときに歌えたミュージカルの歌は「ラ・マンチャの男」の“The Impossible Dream”、「見果てぬ夢」という歌ですね。それはやっぱり中身がいいのですよ。英語には、日本語文化より英語文化がすぐれているということはないのですが、ただ日本語文化の中にはないような志の高い文章とか、人生かくあるべしというような表現がいっぱいあるではないですか。そういうのに触れて、中身に感動すると、これは手間暇かけてでも身につけて、いろんな文章に挑戦していくかいがあるという言葉なのだなと思います。
さっき、“The rain in Spain~”の歌の始まる直前に、ヒギンズ教授がイライザに英語という言葉は聖書の言葉も英語で書かれているとか、そういう聖書でさえ英語で表現できてしまうくらいすばらしい言語なのだという、英語のすばらしさを説くシーンがあるのですけれども、そういう実感を中高校生ぐらいのところで得られると、一人になっても勉強していこうという感じになるのではないかと思います。

藤村教頭
ありがとうございました。佐々木さん、何かございますか。

佐々木副会長
知事は、知事選のときにマニフェストの中で政策の6つの大きな柱の中で、教育ということについてかなり強く打ち出されていて、希望創造プランが策定されて、その中でもやはり教育について強く訴えられています。
現状を見ると、岩手県のセンター試験の結果などを見ますと、学力水準向上ということがやっぱり喫緊の課題の一つであろうと。このことについては全く異論がないのですけれども、ただ学力水準の向上一辺倒で、それに傾注し過ぎる、これはやっぱり避けなければいけないと。なぜならば、せっかくこの厳しいけれども非常に優しい自然を持った岩手県、それから先ほども何度も繰り返しおっしゃられていましたけれども、歴史的背景、文化的背景、これは世界に誇るべきものがあると。そういったものをひっくるめた岩手県の持つ風土と、この中でやはり豊かな人間性を伴って育ててもらっていかなければいけないだろうと。多様性といった面で考えていきますと、やはり私学の果たすべき役割、これまで果たしてきた役割のほかに、さらにこれからもっと重要性を増すのだろうというふうに思います。
そういう点で、その裏づけになる財政面のことについてお聞きしたいわけです。具体的には、私学の助成金ということです。少子化の中で私学の経営というのは、もう本校だけではなく、例外なく厳しい状況にあるだろうと。一方で県の財政のほうもかなり逼迫していると。その中でどう折り合いをつけていくかということだと思うのですが、未来の岩手を支える人材、ふるさとづくりを支える人づくりということをうたっていらっしゃるのであれば、やはりこれから大きな役割を果たしていくであろう、果たしていかなければならない私学に対する助成金、これは決して減ることがあってはならないのではないかというふうに思うわけです。私学の助成金が万が一減額されるということは、今実際に学ぶ、これから学ぼうとしている子供たちの学習環境の悪化に直結するものだというふうな懸念を持たざるを得ません。ということで、今後の私学助成金についての見通し、あるいは私学の果たすべき役割といったところについてお話をお聞きしたいというふうに思います。

達増知事
県の予算は、これは岩手だけではなく、どこもそうなのですけれども、特に21世紀に入ってからどんどん減ってきて、20世紀の終わりごろには、岩手は一時、1兆円ぐらいの予算規模があったのですが、そこからどんどん下がって、今や7,000億円を割り込んで、3割ぐらい県の予算は減っているのですね。そういう中で、ほぼあらゆる分野で予算を減らしているような格好で、特に建設、土木とか、農業関係は半分以下に減らしています。ですから、そういう中で私学予算も徐々に減っていくようなトレンドにあったわけでありますが、それはもうやむにやまれずやってきたことで、そういう地方行政の店じまいのようなことはあってはならないし、それでかえって地方経済もどんどん衰えていますから、地方経済が黙っていてもどんどん盛んになって、また教育福祉も公のてこ入れがなくても充実するのであれば、少しずつ公を縮小して、その分税金は要りませんから自由に使ってくださいとやるのがいい、そういう建前の構造改革ということだったのですけれども、でもやればやるほど地域が疲弊するという逆効果になっていると思います。
だから、本当は地方の経済、社会が弱っているときには、てこ入れをふやすことをするのが本来のあり方だと思うのですけれども、なかなか国全体としてそういう方向に行かない中で岩手だけそうするのは、やっぱり先立つものがないのですけれども、たださすがに、国のほうも極端な地方への予算のカットにはブレーキをかけてきていますので、岩手県の予算も減少傾向に歯どめがかかって、ブレーキがかかってきています。ブレーキをかけて180度反対方向に出発というところまではまだいっていないのですが、ですから私学予算も、まさに来年度に向け、今調製中なのですけれども、下げどまる方向に調製中です。それは、私学はもう公が引いてもいいとは全然考えていなくて、むしろその逆だと思っているので、可能な中でできるだけ手当てしていきたいという方針です。

藤村教頭
ありがとうございます。今のお話は本来であれば学校が、職員である我々がお願いする内容で、父母会の保護者の立場でおっしゃっていただきましてありがとうございました。
では、小野寺さん何かありましたら。

小野寺副会長
私もさっき佐々木さんが言われたことと重複するのですが、厳しい財政状況ではあると思うのですが、特に教育に関してはそれとは別に考えていただきたいという気持ちがあるのです。それは、明治以来日本は教育立国ということでやってきているわけですね。それが最近学力低下とか、いろいろなことを言われて、あるいはもう北欧だとか、韓国、中国の方がより教育に熱心になってきていると。そうすると、やはり国力自体がそこから低下していくと。少子化という問題もあるのだけれども、そこから低下していくということもあるのではないかと。そういうことを考えると、特に岩手は人材県と言われていたわけなので、岩手独自でどの程度やれるかわからないけれども、知事の一つの施策として、教育に関しては十分手当てをしていただきたいと。
その中でも、私の娘が私立に入っているということもあるのですが、日本の学校の場合、公立と私立の手当ての厚さというか、それがちょっと違い過ぎるのではないかと。私ちょっと欧米の学校事情というのはよくわからないのですが、あるいは欧米の学校というのは私立と公立とで、そんなに違いはないのではないかと思うのです。それは特に義務教育段階などのときに、そんなに大きな差を設けるのが妥当なのかということを考えると、若干差があるのはしようがないとしても、やっぱり私立には存在理由があると思うのです。公立にはない多様性というか、教育方針とかいろいろあって、そういういろいろな多様性のある私立が存在することによって、公立も質的にいろいろ向上していくというところがあるのではないかと思うのです。
そういうことからいうと、私立にももっとむしろ助成していいのではないかと。公立との差をできるだけ小さくしていっていただければと思うのです。東京とか大阪とか、経済力の強いところでは少々の違いは、そんなの痛くもかゆくもないと言うのですが、岩手あたりだとやっぱりそういう助成が必要ではないかなと。それが削られたりすると、本当に岩手の私立は存続が難しいのではないかという気がするのです。そこをぜひ知事にはお考えいただきたいと思います。
それともう一つ、最近一貫教育というのが出てきております。盛岡白百合では、幼、小、中、高とあるわけなのですが、一番遅かった小学校が創立されてから、もう50年たっているわけです。だから、一貫教育の先駆けだったと思うのですが、最近一関一高ですか、中高一貫教育というのが今言われていますよね。つい最近は、横浜市が全部小中一貫教育に考えているというような報道がされています。これも私立では一貫教育というのがたくさんあったのだと思います、東京の方の学校もですね。それもある意味で公立学校とは異質の教育体制というのから、いろいろ知恵を得て、そういうのを採用されてきているのではないかという気がするのです。そういうことで、私立のいろいろな異質の教育方針に基づく学校教育というものを知事におかれても尊重していただければということでお願いしたいと思っていました。

達増知事
本当は、全部私立でもいいというのが基本なのだと思います。江戸時代は全部私立だったのだと思いますし、そういう意味でむしろ公教育というのが何をどこまでやるものなのかというのもちょっと悩ましいところがありますね。しかも、日本の場合は富国強兵的な、立派な兵隊になれるように小学校にみんな入れて、号令かけて行進できるようにするというあたりから教えていくというのが日本の近代教育の原点というところもあって、そこが欧米の場合はキリスト教会学校から教育というのは発展して、人生にとって大事なことを一人一人の自立のために、そして地域でちゃんと働いて稼げるようにするためにということ。ですから、いい意味で個人主義的、また地域に根差した、そういう地域の教会学校を地域が支援するというようなところから小学校、中学校が発達したり、ハーバード大学などもやっぱり教会学校と、あとは専門職の法律学校とか、そういうのが合わさってだんだんと発達してきているわけですよね。そういうのを見ると、教育というのは本来そういうもので、道徳的な柱になるような、欧米であればキリスト教会がそうなのですけれども、そういうところと地域が一緒になってつくっていくのが本当の教育なのかなという感じがしています。だから、かえって公立の教育という、公立の小中学校や高校、大学というのをどこまでやればいいのかという、またどういうふうにやっていくのかというのが問題の本質なのかなという感じもしております。
いずれそういう中で、戦前そうやって子供をちゃんと兵隊にしなければという要請で、何か公教育優越的な、そういう体制が日本にできてしまって、戦後もその延長上で来ているというところがさまざまなゆがみにつながっているのではないかなと思います。そういう意味で、私学が公立と比べ圧倒的に不利な状態にしておくというのは、あってはならないというふうに思っています。

山内教諭
今私学の教育についておっしゃってくださったのを大変ありがたいなと思って聞きました。私は中学校を担当していまして、昨日は百人一首大会というのを総合学習の時間に開催して、報道の方々もたくさんいらして見ていかれたのですけれども、来週は書道、書写を競うという書写の競書大会というものを予定しています。1月は日本の伝統文化ということを大切にしたカリキュラムになっています。それから、先ほど、もしかしたら中学生のスキーの姿をお目にかけたのではないかなと思うのですけれども、来月はスキー教の室合宿がありますので、それにむけての体育の授業でありました。
そして、私たちが常に思っていることというのは、やっぱり岩手県民として、それから日本人としてのアイデンティティを持った国際性のある生徒を育てたいと思っておりまして、そういうカリキュラムを展開をしています。そして、これらの行事などが大変歴史の古いもので、百人一首大会なども30年ぐらい前から始まっているのですね。ですから、やはり私学の多様性といいますか、独自性というか、そういうものは、国際性につながるものだと考えておりまして、やっぱりそういう教育を行っている学校に対してのご理解とご支援をお願いしたいなというふうに考えているところでございます。

達増知事
和歌は大変すばらしいと思いますね。やはり古典の教養というのが日本の国語や歴史や文化のすべての基盤になり得るのではないかなと思います。去年源氏物語1000年記念ということで、瀬戸内寂聴さんの訳したものが10巻あり、全部読んだのですけれども、源氏物語もすごいのですけれども、あれはなかなか中高校生に教えるというのは難しいところもありますが、ただあれも和歌がいっぱい出てくる歌物語的なところもあるので、やっぱり百人一首というのはすごくいいと思いますね。

山内教諭
私は中学の社会を担当しているのですけれども、岩手県について学ぶ章があるのですね。こういう教科書なのですけれども。

達増知事
岩手が載っているバージョンですよね。

山内教諭
ええ、そうです。

達増知事
全国の教科書だけれども、岩手がちゃんと載っているもの。

山内教諭
はい、そうです。で、そこの中でいろいろなことを学ぶわけなのですけれども、その最後のあたりのところに、これからの岩手県についてという章があるのですよね。そこのところで書かれていることは、まずいろいろな面で自然を生かした農業県としてということとか、工場とか観光の誘致に力を入れたいとか、それからいろんな県とか外国との結びつきを活発にして交流を深めていきたいとかというふうな文章が書かれておりまして、まさに知事さんはそれを先頭に立って実践されているのではないかなと思うのです。その中で伝統工芸のことも勉強いたしますが、今日も知事はさりげなく県産品をご着用で、そういうところなどもさすがだなと思っております。
ところで、こちらの地図帳の中に日本全国を紹介した章というのがあります。日本文化、生活文化というところがあるのですけれども、例えば各地方の特色のある祭りとか郷土料理というのがあります。これは、どうも岩手県が載っていないのですね。ほかの周りの県は写真があったり、いろいろ載っているので、教科書で広げてみると、どんなものがありますかと中学生に質問すると、はい、はいと次々に県産品の特色のあるもの、わんこそばとか、さんさ踊りがあるとかいったようなことはすぐ出てくるのですけれども、しかし、全国版の地図に載っていないというのはちょっと寂しいなという気がいたしまして、何とかこれ改善できないかなというふうに思っています。
やはりプライドを持った岩手県民として生活させたいなというふうに思っているものですから、そういうところはどういうところに働きかけたらいいかわからないのですけれども、そういう面もよろしくお願いしたいことと、それから今後のいろんな産業について知事さんはどういうふうなお考えを持っていらっしゃるかなとお聞きしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

達増知事
岩手の地域資源という言葉を使うのですけれども、ここにはこういういいものがある、こういうのがつくられているとか、こういうお祭りがあるとかというのは、今岩手四分の計という、三国志の天下三分の計をもじって岩手四分の計と言っているのですけれども、県北、県央、県南、沿岸の4つの広域振興圏に分けて、それぞれの中でいろいろ発掘してやっているところです。
それで効果があるのは、まず県南が南部藩というのに遠慮をしないで、もう旧伊達藩のことを全面的に出し、そして宮城とのかかわりとか、そっちのほうの中でいろいろこういうのもある、ああいうのもあるとか、そういう発掘をやってもらっているのもいいと思いますし、県北、沿岸もそれぞれでくくって発掘すると、県北でおもしろかったのは、久慈の大川目というところで、久慈のお祭りに毎年出す山車のテーマの半分ぐらいが津軽為信なのです。津軽藩の最初の人の津軽為信という人は、盛岡のあたりから見ると南部藩を裏切った人物というようなイメージがあるかもしれないのですけれども、久慈のほうには、大川目にあった久慈城で育って成長して、そして津軽地方を平定した偉い人というイメージがあって、そういう中でやっぱり盛岡に遠慮せずに、どんどん地域のそういう歴史を発掘してやってもらうというようなことをやっています。
要するに将来の岩手の産業については、第1次産業をまずしっかりベースにするというのがまさに第一義なのですが、その上でまじめで働き者の人材が豊富なので、ものづくり産業、第2次産業についてのトヨタ系の関東自動車工業とか、東芝の最新半導体工場とか、そういう世界最新鋭の工場が立地してきていますので、それもやっぱり伸ばしていきたいと思います。そして、観光を含む第3次産業というものがその上にあるのですけれども、第3次産業をさらに高度化していく指針として、最近私があちこちでしゃべっているのは創造産業(creative industry)ということなのです。これがアメリカではやり始めて、日本にも最近紹介されてきていて、そういう創造産業が盛んな都市をcreative cityと呼んで、ユネスコがそういうcreative cityを認定するというのは始まっています。
情報と文化ですね。情報という側面に軸足を置くと、IT産業、ソフトウエアなどからコンテンツ産業というゲームとかアニメとか、そして情報ともう一つ文化という柱で、文化に軸足を置くと音楽、演劇、映画、美術、そして昔からの古い町並みがあるとか、歴史とか、そういったことが飯の種になっていくことが21世紀の主力産業になってくるのではないかということで、ここを伸ばしていかないと、どうしても経済力が伸びないし、また岩手は結構そこを伸ばしていく余地があると思っていまして、豊かな自然や歴史文化をベースに、そういういろんな材料があるので、あとはさっき授業でも言ったのですけれども、そこに何か新しいものを、何かパソコンを使ってやっていくとか、そういったところがあるといいのだと思います。
最近発見しておもしろいと思ったのが、函館の若い学生が函館の観光宣伝動画、映像を動画配信で見れるようにしていて、非常に若い斬新なセンスで、びっくりするようなおもしろい映像を使ってそういうのをつくっているのですね。これが函館に一本とられたなと思いました。若い人たちがそういう地元にある古いよきものを利用しつつ、全く今までにないような手法でそれを表現していくようなものを岩手にも育てていきたいなと思います。
それを別な角度から言いますと、学びの場岩手構想というのも盛んに言っているのですけれども、岩手全体を学びの場と位置づけ、それは中に住んでいる人たちにとっての学びの場であると同時に、外からもどんどん学びに来てもらって、これは修学旅行、体験旅行が岩手でどんどんふえているのですね。都会から来て農作業をやるとか、漁村で体験をするとか、山で木登りをするとか、そういうのがどんどんふえていて、そういう人生に必要なことは岩手に行けば学べる、人間にとって本当に大事なことは岩手に行けば学べるというようなことに持っていきたいなと思っています。
平泉でいろいろ調べていて気づいたのは、松尾芭蕉、西行というそれぞれ俳句と和歌の達人が、その道を完成させるに当たって、どうしても平泉に来ておかなければならなかったと。平泉に来れば、そういう自分の道を完成させられるという、ああいう達人が道を極めるにも岩手に来て学んだのだということで、それを全国にアピールしていきたいと思います。そういう学びの場ということで人がたくさん来て、それが飯の種にもなっていくのではないかなと思っています。

照井会長
よろしいでしょうか。県職員に女性をもっともっと登用していただきたい。別に白百合に関係なく(笑)、それは特に女性、男性とは能力あれば問題ないでしょうけれども、やっぱり女性の観点というのはとても大切だと思うのです。先日県南地方振興局の女性と仕事をする機会があって、平泉の清衡君という紙芝居、彼女がこれを作ったのですけれども、あっ、そういえば白百合の卒業生でしたが(笑)、それで話しして、すごく県の中で私は自由に仕事させてもらっているけれども、もっともっと女性のいろんな観点での仕事というのは幅が広がるのではないかという話を彼女もしていました。でも残念ながら岩手県の自治体の首長さんの中には、女性というのがなかなかまだ出てきているという感じはない。全国を見ると、いろんな形で女性が活躍している部分もあるのですけれども。ぜひ岩手県も女性のそういう観点、視点というのをもっともっと吸い上げるような、そういう形での行政なり、そういったものがあればなという感じがするので、学校でも女子校の親だからということではなくて、それはちょっと置いておいて、もっともっと女性の活躍する場面というのがあればなという、そういう思いがあるのですけれども、知事はいかがですか。

達増知事
私も県における女性職員については気になっていて、それで知事になってから何回か中堅の女性職員と懇談会というのをやったりして、いろいろ悩み相談的なことをしたり、あるいはこっちから激励したりなどしています。
まず、入る人をふやさなければというのがあると思いますが、ただ私と年が近い女性で途中でやめてしまった人などがいて、だんだん中でキャリアを積んでいくところにいろんな課題もありそうなので、その辺ちょっと気になっていろいろ話を聞いたりしているのですけれども、そういう中で幹部職員への登用もしたりしているところでありますので。

藤村教頭
本校は校長が女性ですし、職員も女性が多いのです。それが普通だと思っております。

村谷教諭
せっかくの機会ですので、さっきの公開授業でも子供たち言っていましたけれども、戻ってきて岩手に住みたい、岩手で働きたい。男の子も女の子もそうなのでしょうけれども、働くといった場合に、実際にすんなりと働けるかというのは大きい問題です。確かに岩手県は豊かな自然があります。水もおいしいし、空気もおいしい、食べ物もいい。豊かな自然がいっぱいあるということ。で、ここでちょっと考えてみると、緑が多いということに注目できます。そうしたならば、二酸化炭素排出県の向こうを張った新しい動きというものをそろそろ県でも動いていただきたいなという思いがあります。
オバマさんが大統領になってグリーン・ニューディール政策をやるわけですが、岩手県でも何かと考えます。例えば電気。大きい発電ではなくても県内の滝みたいな水路を使っての発電をちょっとずつふやす。それを電力会社に。するとちょっとずつ貯金がたまっていくわけですよね、岩手県に。ちょっとずつためていって、今度はそのためていったお金で例えば公立高校の屋根のてっぺんに太陽発電の機械をつけるとか、借金してもつけるとか、私立の屋根にもつければ、最初の設備費かかりますけれども、電気はただ同然でと言えば変だけれども相当賄えるのではないか。そういった動きというのが、岩手県でとれないだろうかと。
希望を言えば、広い岩手県で、できるならば小さいところで数多く発電をしながら、電気を県内で賄えるような、輸出できるようにならないかと。要するに石油もないし、石炭もないし、だめなのですね。そうすると、結局漁業とか農業とか、そういうのでしか私たちないから、こういうのをちょっとずつ発掘していくしかないのではないかと思うのです。
あと3つ目が、岩手県は人情があります。豊かな優しさというのですか、これすごく大事なことだなと私は思っています。うちの生徒もボランティアをやりたいとよく言いますし、盛岡市教育委員会では中央公民館でさせていただいたり、あちこちでボランティアをやらせてもらってます。お願いなのですが、私たちは岩手県に住む立派な人材を育てようと思っています。全国に移り住むのもいいですが、せっかく育てた子たちにはできれば岩手県に残ってほしいと思います。
その成長過程で、例えば県の美術館とか、博物館とか、県の病院でもいいですけれども、そういったところでボランティアまでいかなくても体験学習みたいなのでもいいのですけれども、経験をさせて成長させていける、そういう窓口を余りいっぱいだと大変でしょうが、ちょっとずつお願いしたらできるものなのかどうか。もし可能であれば、県のそういう組織のところで積極的にお願いしたいなと思います。病院も知らないで将来看護師さんになりたいというのも変ですし、それから絵かきになりたいといったって、美術の作品も見ないでいてそういう言うのもおかしいですし、そういう機会というのは考えてもらえるのか。そうすると、教育の部分がもっと充実して、子供たちも豊かな子供たちになるし、さらに岩手県が人情深い県になるのではないかなと考えているのです。そのあたり、ちょっともし可能であれば。

達増知事
盛岡は、高校生や大学生がたくさんいるまちですから、そういう皆さんにどんどんそういう現場を体験をしてもらう、プラス貢献をしてもらうと、非常にまちが活性化すると思います。そこは、ちょっと考えなければならないと思っています。
あとは、岩手に帰ってきても、なかなか働く場がないという問題の本質は、仕事は実はあるのになと思っていて、ただ雇う人がいない。雇用という、求人という形になっていないということなのですね。ですから、岩手に本当に足りないのは、経営者が足りないというのが事柄の本質で、これは農林水産業にしろ、いろんなサービス業にしろ、やれば結構働いて、ある程度稼げる材料はいっぱいあると思うのですが、ただそれがちゃんと経営としてやっていくのは学校を出たばかりの人には難しい。だから、どこか働かせてくださいという話になるわけですけれども。ただ、21世紀は、農林水産業もそうなのですけれども、自営業というのでしょうか、そういうのがどんどんふえていかないとだめな時代になっていくと思います。やっぱり工業の比重は下がってしまいますから、ですからとにかく工業で働かせてくださいという雇用は総体としてはやっぱりそんなにふえない。むしろ減ると思いますし、あとは事務の仕事もどんどん細分化していって、そういう事務の仕事自体、どんどん書類をさばくのは、それはそれで二、三人の会社がやるとか、何か経営を自分でできるようになっていくと、いろんな仕事があるという時代になっていくと思うのです。
そういう経営者感覚とか、経営者の能力をどう磨いてもらうか。そういう意味では、最初は東京のほうで大きい会社などで働いて、そういうノウハウを取得してもらって、独立して岩手で会社を立ち上げてもらうなどというのもいいのかなと思うのですけれども。あとは、公のほうも、そういうのをあっせんしていかなければならないのかなと。ボランティアみたいな分野、NPOのような、ああいう利益を生み出すことは目的としないけれども、そこで働く人の給料は出していくことができるような、そういう働き方ですね。それも岩手にもっともっとふやさなければならないと思います。このNPOというのは、これから伸びていく分野なのではないかなと思っていて、その辺は公の側も力を入れていかなければならないと思っています。

森岡教諭
私は理科の教員ということを先ほど申し上げましたけれども、生物を担当しております。その次に興味があるのが、やっぱり食なのですけれども、食のほうは特に専門的に勉強したわけではないのですけれども、昨年来食の安全ということと、それから環境問題とを絡めて地産地消というのが大きなキーワードになっているかなと思うのです。
先日の授業でちょっと話が脱線してしまいまして、レトルト食品の話をしました。裏をよく見てごらんと言ったのですね。例えばカレーであれば牛肉とか豚肉とか、野菜の原材料は書いてあるのですけれども、原産国は書いていないのですね。もしかすると、わけのわからない国でできたものが入っているかもしれないねということを言ったのですけれども、そうしたらある生徒が全部岩手県の材料でつくればいいじゃないという、そういうアイデアを出したのですね。食の安全と、それから地産地消ということを絡めて、ぜひ中学生とか高校生からいろんなアイデアを募集してみたら、おもしろいのが集まるのではないかなと思います。今日の生徒たちも10年後の、いろんな本当に、ああ、あの子があんなことを考えているのだというのがありましたので、ぜひそういうことをやっていただければなと思いました。

達増知事
農林水産業をやっている生産者の皆さんに盛んに言っているのは、消費者サイドに立ってつくったり、また売ったりしていかなければだめなので、ただつくっているだけでは売れなかったり、安くしか売れなかったりするから、消費者が欲しがっているものをちゃんとつくって売らなければだめだということを言っているのですけれども、そういう意味では中高校生、あるいは小学生でも既に立派な消費者ですから、そういう真剣にいいものを食べようという発想でいろいろ考えてもらうと、それはすごく役に立つと思います。

藤村教頭
ありがとうございました。さて、今日は、こちらの部屋に入っていただきましたのでご紹介させていただくのですが、ちょっと後ろになりますけれども、知事の背中のほうにございますこちらの絵は、漆と、それから螺鈿でつくられたものでして、市内にある岩山漆芸美術館の館長の全龍福さんの作でございます。全龍福さんは韓国から川井村に来られて、目黒雅叙園の制作に携われた有名な方です。お嬢さん方が本校に在籍したということで、ご寄贈くださったものです。ところで、今日の生徒たちの一人にこういうものがありましたね。キャッチフレーズで、岩手をメンクイ岩手と言ったらどうだかと言っています。メンクイというのは、例のじゃじゃめん、冷めん、わんこそばなのですけれども、そうやって売り出したらいいねということを言っています。ご存知の通り冷めんは韓国の、あちらの食ですが、今や盛岡の一番の名物、土産物になっています。だからと言うのではないのですが、昨年度本校と韓国にあります学校と姉妹校を結びました。往き来することになりまして、あちらの子供たちを迎えたときに、岩手はいいねということを目を丸くして言います。それは、例えば岩手山です、盛岡の町並みです。それから、小岩井農場にも連れていきましたがとても喜んでいました。そして、こちらの全龍福さんのところへ連れていき、日本とこんな繋がりがあったのかとみんなびっくりしていました。
姉妹校のその学校も修学旅行で九州に行くんだそうですが、個人的な旅行でも東京ですとか京都というのが日本の顔らしくて知っているというのですけど、地図の上でいけば、その上の方にあるわけのわからない全く知らなかった土地に来てみて、本当のこれが日本だったという感想を言って、大変日本びいきになってくれました。中には、将来は日本の大学に留学したいなと言う子もいたくらいです。そして次に、今度は私どもの生徒を向こうに連れていってホームステイでやりとりした子供たちが仲よくなりまして、さて、今度はあちらの友達、親御さん、親戚を岩手に呼んだとき何語でしゃべろうかという話になったのですね。それで、今日の授業ではないのですけれども、英語というのがぽんと浮かぶのですが、相手の言葉を、韓国語を話したいねと子供たちが言うわけです。もし県立大学などに外国語学部がありまして、韓国語学科なり、それから昨今は中国からの観光客も多いわけで、中国語、そういったようなのがいっぱいありますと、人的交流がアジアとつながって、これはさっきの観光もそうなのですけれども、産業分野でもつながるものがあるのではないかということで、何も東京や首都圏の大学ばかりに私どもも行かせるのではなくて、地元にさえあれば、そういう動きもできるのではないかなと、そんなのを感じまして、これはご紹介かたがた述べさせていただきます。

達増知事
私のネームプレート、これは浄法寺の漆を使ったネームプレートで、それで真っ黒いネームプレートなのですけれども、これとあとは秀衡塗バージョン、赤いものもあって、それをかわりばんこにつけて歩いていて、私は岩手を代表する者でもありますから。あとはじゃじゃめん、冷めんは、岩手というのはそういう外国のものをこだわりなく地元の味の代表にしているというところはすごくいいことだと思っていまして、冷めんというのは西日本の方とか、あるいは東京の上野界隈、赤坂界隈などあるのですが、ただそれが地域を代表するものになかなかならない。そういうのが岩手では全然その辺こだわりなく、しがらみなく、みんなの代表になれるというところはすごいことだと思っていて、じゃじゃめんのような中国由来のものも、横浜には中華街があったりとか、日本全国そういう中国の食べ物がおいしいところがあるのですけれども、それが地域全体の代表になるかというと、実はそう簡単なことではないけれども、岩手ではそれが本当にこだわりなく地域の代表になってくるというのは、そういう素地があるのだと思います。
多分平泉も国際都市で、外国人がいっぱい来ていたのではないかと私はにらんでいますし、そういう中で京都のほうで生まれ育った源義経を平泉のトップに据えてもいいというような感覚ですよね。外から来た人を歓迎するし、また本当の身内として一緒に働いたりするようなところもあって。ですから、どんどんそういう基盤を充実させていけば、国際県として発展していけるところだと思います。韓国語とか中国語とかもどんどんやるというのは、本当に「我が意を得たり」でして、県立大学にも大きな役割を果たしてもらわなければならないと思います。

藤村教頭
そろそろお時間になりまして、まとめと言ったらなんでございますけれども、今日は雑多になってしまったかもしれませんけれども、思いを語らせていただきましたが、知事から総括を。いや、その前に学校長でしたか。

達増知事
私はさっきからしゃべり続けておりまして、もう大分しゃべっていましたから、校長先生に総括していただければいいと思います。

千葉校長
総括ではございませんが、私も最後に一言お礼を申し上げたいと思いました。
厳しい県財政の中での私学助成、特にも困窮家庭の生徒に対するご支援に感謝を申し上げたいと思います。本校の高校生の減免対象者は現在32名に上っております。保護者にも還元できる支援という視点での私学助成をこれからもまたよろしくお願い申し上げたいと思います。感謝しながらお願いでございます。
東北のある県の知事さんが、県内の私学は建学の精神に基づいて、有為な人材を多数輩出している、県にとっても誇りであるというようなことをある会合であいさつされておりました。私たちも私学人として、私学は県の誇りであると言っていただけるように、一層努力してまいりたいと思います。今後ともご指導、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

藤村教頭
では、知事、最後に一言お願い致します。

達増知事
盛岡白百合学園は、もう県の誇りでありますから、ぜひこの調子でこれからも誇りであり続けていただきたいと思います。
また、経済情勢や社会情勢がそういう学校や子供たちを脅かしているところは、本当に県もしっかり学校を守るようにしていかなければならないと思いますし、また「マイ・フェア・レディ」のテーマとして、ああいう格差社会を打ち破って、世の中をよくしていく決め手が教育だということだと思うので、そういう意味で岩手の教育が、中でも私学教育がそういう世の中をよくしていくということに、県としてもしっかり支援をしていきたいと思いますので、これからも頑張っていただきたいと思います。今日はありがとうございました。

閉会

藤村教頭
それでは、以上をもちまして放課後座談会、希望王国と名前がつけられた、まさに希望が何かわくわくわいてきたような懇談会、ありがとうございました。感謝のうちに終わらせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

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