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平成25年2月県議会定例会知事演述

ID番号 N20204 更新日 平成26年1月17日

平成25年2月県議会定例会 知事演述要旨

はじめに

本日、ここに第9回県議会定例会が開会されるに当たり、今後の県政運営について、私の所信の一端を申し上げます。

冒頭、あらためて、東日本大震災津波で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、この演述をささげさせていただきたいと思います。

犠牲になられた皆様のふるさとへの思いをしっかりと引き継いでいかなければならないという思いは、日を重ねるほどに深まります。

あれから2年がたとうとしています。今なお応急仮設住宅等での不自由な暮らしを余儀なくされている方々をはじめ、被災された皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。復興の主役として、皆様に希望と力が湧いてくるように努めて参ります。

一方で、自分も、自分たちも、岩手の復興に参画するのだと、全国及び海外から多大な御支援や励ましをいただいております。岩手県民を代表して、厚く御礼を申し上げます。

昨年は、震災からの復興を軌道に乗せる「復興元年」として、基盤復興の取組を本格化させました。

まずは、安全の確保に最優先で取り組み、災害廃棄物の処理、海岸保全施設の復旧・整備や復興道路の整備、三陸鉄道の復旧に力を注ぎました。

そして、暮らしの再建については、災害公営住宅の建設、被災地の医療提供施設・社会福祉施設や学校施設の復旧・整備を進めました。

また、なりわいの再生については、県内13か所の魚市場全てが業務を再開し、漁船や養殖施設の復旧・整備が進み、被災事業所が着実に再開されてきました。観光についても、いわてデスティネーションキャンペーンを中心に取り組み、岩手の観光復興に向けた確かな足がかりをつかみました。

量り知れないほどの御支援、励ましに対する恩返しのためにも、復興を通じて、日本のあるべき姿を岩手において実現し、日本の再生に貢献することができればと思います。

市町村としっかり連携し、発災前から地域が抱えていた課題や、岩手の未来を見据えた課題にも取り組み、県民誰もが笑顔になれるよう、岩手のあるべき未来に追いつく復興を全力で推進して参ります。

復興に向けた取組の推進

(復興計画に基づく着実な復興の推進)

平成25年度は、基盤復興を目指す第1期復興実施計画の最終年度であり、本年を「復興加速年」と位置付け、復興を加速させます。

具体的には、復興道路などの災害に強く信頼性の高い道路ネットワークの構築、多重防災型まちづくりの前提となる津波防災施設の整備を進めます。

また、震災の記憶を風化させることのないよう、追悼と鎮魂の象徴的な場となる震災復興祈念公園を、陸前高田市に、国と一体となって整備して参ります。

加えて、これまでも、被災者一人ひとりに寄り添い、ソーシャル・インクルージョンの観点に立って、生活支援の取組を進めてきましたが、引き続き、誰もが社会の中でつながりをもちながら、一人ひとりが希望をもって着実に歩んでいくことができる復興を推進します。

被災者の暮らしの再建に向け、応急仮設住宅から恒久的な住宅への住替えを進めるため、持ち家住宅の再建を支援するとともに、安全で良質な災害公営住宅の整備を進め、県が整備する災害公営住宅約2,800戸については、平成26年度までの完成を目指します。

被災者の恒久的な住宅への住替えによって、被災者の生活が徐々に改善していく一方、今なお多くの方々が応急仮設住宅での生活を余儀なくされていることから、被災者相談支援センターの相談機能の充実を図るなど、市町村やNPO等と連携、協働しながら、被災者一人ひとりの状況に応じたきめ細かな支援を行います。

また、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、被災地における新たなまちづくりと連動して、市町村が主体となった地域包括ケアシステムの構築を支援します。

被災地においては、産業の再生を本格的な雇用につなげ、仕事と収入を確保することが急務であることから、漁業関連施設の整備と水産加工業の高度化、被災した中小企業・商店街の事業再生、産業再生特区の活用、起業支援の充実を図ります。

被災者の意識として、生活の回復を感じる方の割合が半数を超えました。しかし、いまだ十分な実感をもてない方も多いことから、被災者が将来の見通しをもちながら、一人ひとりの復興に取り組むことができるよう、被災者が身近に感じられるまちづくりや、産業再生の取組を加速し、復旧・復興の道筋と全体像を分かりやすく示すことにも意を用いて参ります。

(放射線影響対策の推進)

東日本大震災に伴う原発事故による放射線影響対策については、子どもの健康と食の安全・安心を重視する観点から、県内全域における監視体制の整備、放射線量の低減、県産食材と学校給食の検査体制の強化などに取り組んで参りました。

今後も、市町村が実施する除染や放射性物質汚染廃棄物の処理の支援、健康に関する正しい知識の普及に向けた取組を進め、また、産地の再生に向けて、牧草地の除染、しいたけのほだ場の環境整備などの取組を進めます。

特に、風評被害対策が喫緊の課題であり、安全・安心な県産品の魅力と元気な岩手のイメージを消費者に直接届ける攻めの姿勢の情報発信を行い、消費者の岩手への信頼を高め、新たな、また継続的な岩手の顧客となっていただくように努めて参ります。

あるべき岩手の未来の創造に向けて

(岩手の復興を日本再生の先駆けに)

政府の月例経済報告によれば、我が国の経済情勢は、一部に下げ止まりの兆しが見られるものの、海外経済の減速等を背景として弱い動きとなっており、今後も、海外景気の下振れやデフレの影響にも注意が必要な状況となっています。

このような経済情勢に加えて、人口減少や貧困、格差などの問題もあり、日本全体には将来への不安が漂っています。

一方、岩手においては、復興というゆるぎない目的を共有して、人や社会のあるべき姿を実現すべく強力に取組を推進しているところであり、このような岩手での取組が、日本全体の課題解決にもつながっていくと考えます。

こうした視点に立ちながら、復興実施計画と、いわて県民計画アクションプランに基づく取組を着実に推進するとともに、新たな発想のもと、世界に誇る新しい地域の創造を目指す取組について、具体化を図って参ります。

(岩手の未来を見据えた取組の推進)

すなわち、平成25年度においては、基盤復興の推進を基本としながら、岩手の未来を見据え、中長期的な視点に立って、先駆的、分野横断的に取り組む、復興計画の「三陸創造プロジェクト」と、いわて県民計画の「岩手の未来を切り拓く6つの構想」を力強く推進して参ります。

具体的には、「岩手の強み」や「岩手らしさ」を生かす新たな発想に立ち、海洋エネルギーに関する国際的研究拠点の構築を目指す取組の推進、三陸の海の資源を活用した新産業の創出、日本ジオパーク認定に向けた三陸ジオパーク構想の推進、新たな産業分野であるデジタルコンテンツの振興などに本格的に取り組みます。

また、東北全体の復興と日本再生の象徴となるプロジェクトである国際リニアコライダーについては、この夏にも候補地一本化の動きがあることから、関係機関と連携しながら、北上山地が最適であることをアピールし、建設地として選定されるよう、東北が一丸となった誘致活動に取り組みます。

(地方と国による主体的な取組の推進)

復興を加速させるためには、専門的な人材の確保や、確実で自由度の高い財源措置、事業用地を円滑に確保するための手続の抜本的な簡素化など、課題解決のための思い切った施策が必要です。

これまでも本県をはじめ地方からの要望・提言が国を動かし、財源確保対策や繰越手続の簡素化などの一定の措置が講じられてきました。

復興の現場においては、地方自治体がその判断と責任のもと、地域の主体性を発揮し、復興を迅速かつ着実に進めていく一方で、国には、対症療法的な措置ではなく、日本全体の将来を見据えた国家プロジェクトとして復興に取り組み、その中で地方がより自由に使える財源措置や、行政手続を抜本的に簡素化する大震災復興特例ともいえる施策を講じることが望まれます。

また、強い地方経済に支えられた強い日本経済が復興の大きな力になることから、地域の実情を踏まえた効果的な経済対策を、復興施策と一体的に切れ目なく実施することが必要です。
このような、地方と国、それぞれの主体的な取組が進められることで、東日本大震災からの復興と日本の再生が実現するものと考えます。

これらの施策の実施については、これまでも国に対し、要望・提言を行ってきたところですが、引き続き、的確に機会を捉えて、訴えて参ります。

復興を支える行財政運営

(地方財政対策と予算編成方針)

国の平成25年度予算案においては、地方交付税などの地方一般財源総額は確保されたものの、地方と十分協議をしないまま、地方公務員給与の減額を前提に地方交付税が削減されており、このことは地方の行財政改革への理解が不十分な、地方自治の根幹に関わる大きな問題と捉えています。

他方、復旧・復興予算の総枠が見直され、その財源は確保されましたが、本県財政は、社会保障関係経費の自然増や、過去の経済対策等に伴い発行した県債の償還が数年内にはピークに達すること、また、財政調整基金などの残高が大幅に減少することなどから、これまでにも増して厳しい局面を迎えることが見込まれます。

こうした情勢のもと、平成25年度の当初予算は、限られた財源の中で全ての事務事業を精査した上で、基盤復興を加速させ、本格復興につなげるための施策を着実に実施する「いわて復興加速予算」として編成しました。

また、今般の国の緊急経済対策についても、復興の推進と地域経済・産業の活性化の観点から、適切に対応して参ります。

(復興加速年を支える体制整備)

復興まちづくりに向けた事業が本格化する中、技術職員等の不足は明らかであり、執行体制の一層の拡充、専門的知識を有する人材の確保に取り組む必要があります。

そのため、任期付職員や再任用職員を活用した人材確保に全力を挙げて取り組むとともに、総務省の派遣スキーム等に基づく職員派遣要請を継続し、将来負担を伴わない方策による人的資源の確保を図り、復旧・復興事業や関連する埋蔵文化財調査等に対応するための体制を強化するほか、職員が安心して業務に取り組めるよう環境整備やケアに努めます。

また、自治体間連携による人的支援をいただく中で、派遣職員と県職員が復興に向けて協働していくことにより、これまで庁内になかった様々な視点からの取組や知見が業務に生かされてきています。これを県の施策の進化や、組織の体質強化につなげ、今まで「I援隊運動」として取り組んできたことを更に発展させて参ります。

平成25年度の主要施策の概要

平成25年度における具体的な施策についてでありますが、復興計画の3つの原則と、いわて県民計画の7つの政策に基づいた施策を、軌を一にして推進して参ります。

以下、主な施策の内容について御説明いたします。

(「安全の確保」に向けた取組)

はじめに、復興計画の3つの原則のうち、「安全の確保」であります。
安全の確保の前提となる災害廃棄物の処理については、平成26年3月末の処理期限に向け、可能な限り復興資材などに再生利用を図りながら、県内や広域での処理を着実に推進します。
災害に強い安全なまちづくりに向け、多重防災型まちづくりの前提となる防潮堤などの津波防災施設の復旧・整備について、平成27年度までの完成を目指すとともに、水門や陸閘の遠隔操作化を推進します。

大震災津波の経験を経て、県民の防災意識はかつてないほど高まっておりますが、こうした震災体験を風化させず、今後の行動につなげていくため、地域に根ざした防災文化を醸成し、継承していく人材の育成に取り組みます。

さらに、災害時に有効に機能する防災体制の充実・強化を図るため、広域的かつ実践的な総合防災訓練の実施や、災害時に迅速かつ的確に対応できる要員の育成を行うとともに、広域防災拠点の早期整備を推進します。

被災地の良好な治安の確保に向けては、警察官の緊急増員を継続するとともに、被災した警察施設の復旧・整備に取り組みます。

道路ネットワークの構築については、復興道路の早期全線完成に向けて、引き続き、国や関係機関と一丸となって取り組むとともに、復興支援道路や復興関連道路の整備についても一体的に推進します。

港湾機能の回復については、平成25年度中の復旧を目指すとともに、取扱貨物量の回復に向けた取組を進めます。

鉄道については、本年4月に三陸鉄道盛・吉浜間が開通予定であり、平成26年4月の全線開通に向けて、本格復旧を着実に進めるほか、JR線についても、早期復旧に向けた必要な調整や、国等への働きかけを行って参ります。

また、被災地のまちづくりに伴う通信・放送基盤等の構築に向けて、超高速ブロードバンド、携帯電話、地上デジタルテレビ放送等の情報通信利用環境の整備を促進します。

国民の原子力発電に対する問題意識の深まりや、再生可能エネルギー導入に対する意識の高まりを踏まえ、災害にも対応できる自立・分散型のエネルギー供給体制の構築が求められています。
このため、本県に豊富に賦存する再生可能エネルギー資源を最大限活用すべく、地域のエネルギー供給体制の整備に取り組むとともに、引き続き、防災拠点や住宅、事業所等への再生可能エネルギー設備の導入や、メガソーラー、風力発電等の大規模発電施設の立地を促進するほか、海洋再生エネルギーの利活用についても検討を進めます。

また、県としても、再生可能エネルギーの導入に率先して取り組み、一戸町高森高原地区の大規模風力発電所建設に向けた環境影響評価に着手するほか、北上市に平成26年度の運転開始を目指して、大規模太陽光発電所を建設します。

(「暮らしの再建」に向けた取組)

次に、「暮らしの再建」であります。

被災者の生活再建については、被災者の生活の安定や住宅再建を進めるため、災害公営住宅の整備や住宅再建に対する資金面等の支援のほか、様々なニーズに対応する相談体制を充実します。
また、災害公営住宅の整備や被災地のまちづくりに合わせた、きめ細かい交通システムの再構築に向けた調査、実証運行の取組を進めます。

雇用の維持・創出に向けては、産業振興施策と一体となった雇用対策や、基金を活用した雇用創出により、安心して働ける雇用機会の拡充と安定的な雇用の創出に努めるとともに、企業と求職者とのマッチングを支援し、就業の促進に取り組みます。

被災地における医療提供体制の整備については、仮設診療所の運営や医療機関の診療機能の回復支援、新たなまちづくりと連動した医療施設の移転新築への支援、遠隔医療体制の整備に引き続き取り組むほか、被災した県立病院や地域の公的医療機関の再建を進めます。

被災者のこころのケアについては、「岩手県こころのケアセンター」等を拠点として、被災者に対する継続したこころのケアをきめ細かく実施します。

こころにダメージを受けた子どもたちに対しては、学校への臨床心理士の派遣、関係機関と連携した重層的な支援体制の構築のほか、沿岸3地域で実施している子どものこころのケアに加えて、こころのケアを中長期にわたって担う全県的な拠点である「いわてこどもケアセンター」を新たに設置し、対策を充実します。

教育の復興については、本県の復興・発展を支える人材の育成を図る「いわての復興教育」について、市町村教育委員会と連携しながら、各学校の取組を支援し、児童生徒用の副読本の作成や、地域と連携した防災教育に取り組むとともに、学校施設の復旧・整備を計画的に進めます。

(「なりわいの再生」に向けた取組)

次に、「なりわいの再生」であります。

地域に根ざした水産業を再生するため、引き続き、漁船や養殖施設、水産業共同利用施設、漁港、漁場施設などの復旧・整備を進めるとともに、漁業者自らが地域の漁業の将来像を描く「地域再生営漁計画」に基づき、経営規模の拡大や担い手の確保、漁場利用の効率化を促進するほか、サケ、アワビなどの種苗生産体制の再構築に取り組みます。

農業については、被災地域の早期の営農再開に向けて、引き続き、農地等の復旧・整備を進めるとともに、生産施設等の整備に対する支援や、沿岸部の地域特性を生かした生産性・収益性の高い園芸産地づくりを進めます。

林業については、木材加工施設や木質バイオマス利用施設の整備への支援などにより、震災の影響により停滞した木材流通の円滑化を図るとともに、公共施設や復興住宅などへの県産材利用を促進します。

被災した中小企業や商店街の再建と事業再生を支援するため、融資・助成制度と経営支援体制の充実に取り組むほか、新たなまちづくりと連動した商店街の再構築と活性化に向けた取組を支援します。

沿岸地域経済の復興には、水産業の復興とともに、水産加工業が域内で高い収益を生む産業として再生することが必要です。そのため、水産加工業の商品力の向上と販路開拓、取引拡大を総合的に支援します。

観光振興については、昨年のいわてデスティネーションキャンペーンで発揮された官民共同の取組を更に推し進め、本年4月から9月にかけて大型観光キャンペーンを実施し、誘客の拡大を図るとともに、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」放映の好機を生かし、県北・沿岸地域への誘客を促進します。

また、沿岸地域の本格的な観光復興を推進するため、震災学習を中心とした教育旅行の誘致を沿岸観光の新たな柱とし、受入れ態勢の整備や効果的な情報発信、誘客に取り組みます。

国際観光の振興については、東アジア圏を重点地域とした誘客活動の展開や、台湾を中心としたプログラムチャーター便の運航拡大により、旅行需要の回復を図ります。

(「いわて県民計画」に基づく7つの政策等の推進)

次に、いわて県民計画の7つの政策であります。

第1は、「『産業創造県いわて』の実現」であります。
県内経済のけん引役であるものづくり産業の振興については、地場企業強化と企業誘致の両面から総合的に取り組み、自動車・半導体関連産業の集積促進や医療機器関連産業の創出を進めます。

特に、自動車関連産業については、コンパクト車の開発・生産の中核拠点となるよう、サプライチェーンの構築支援や研究開発促進、人材育成に取り組みます。

県産品の海外市場への展開については、これまでの成果を更に発展させ、中国をはじめとするアジア市場への販路拡大などを集中的に支援します。

第2は、「『食と緑の創造県いわて』の実現」であります。
農業については、各地域で作成を進めている将来の地域農業の在り方や担い手を明確化した地域農業マスタープランの実現に向け、認定農業者等の経営の高度化や園芸・畜産の産地拡大に必要な施設等の整備を支援します。

また、園芸産地自らが市場ニーズを把握し生産・販売に反映させる産地マネジメントの仕組みづくりの支援や、森林資源を活用した施設園芸モデルの確立・普及を進めます。
さらに、県が所有する全国和牛能力共進会で優秀な成績を収めた種雄牛の交配を促進し、より高品質ないわて牛の生産拡大に取り組みます。

野生鳥獣による農作物被害対策については、捕獲対策の強化と、被害防止技術の向上や担い手の確保・育成に取り組み、地域ぐるみの被害防止体制の確立を図ります。
林業については、森林施業の集約化を進める担い手の育成や、松くい虫対策の強化などにより、森林の整備・保全を図ります。

水産業については、漁獲から流通、加工まで一貫した高度な衛生・品質管理技術によるサプライチェーンの構築を目指す地域の取組を支援します。
また、県産農林水産物の高付加価値化と販路の拡大のため、生産者等が行う商品開発、販売など6次産業化のステップアップの取組を支援するほか、米国や東アジア地域において「いわてブランド」をアピールし、輸出の回復・拡大を図ります。
さらに、農山漁村に賦存する再生可能エネルギー資源の利活用を図るため、農業水利施設を活用した小水力発電設備をモデル的に導入するほか、木質バイオマスエネルギーの新規需要開拓等に取り組みます。

第3は、「『共に生きるいわて』の実現」であります。
県民誰もが、地域社会の中で、安心して、保健・医療・福祉のサービスが受けられる体制を確立するため、新たに策定する保健医療計画の着実な推進を図ります。
医師の確保と県内への定着促進については、奨学金制度による計画的な医師養成や、勤務医の勤務環境の改善、医師の地域偏在・診療科偏在の改善に取り組むほか、被災地における保健医療や介護を担う人材の確保・育成に取り組みます。

また、質の高い医療が受けられる体制の整備に向けて、周産期医療体制の充実や、災害医療・救急医療に携わる人材の育成、ドクターヘリの円滑な運航の確保と県境を越えた広域的な運航体制の構築などに取り組みます。

県民の健康づくりについては、健康いわて21プランが最終年度を迎えることから、これまでの取組の評価を踏まえて次期計画の策定に取り組みます。
安心して子どもを生み育てられる環境を整備するため、保育所の整備や、障がい児療育の拠点となる「県立療育センター」の設計、超重症児の受入れ準備などを進めます。
災害時要援護者の避難支援対策については、避難所等で福祉・介護分野の応急支援などを担う「災害派遣福祉チーム」の早期設置に取り組むとともに、市町村の避難支援計画策定等の取組を支援します。

自殺防止対策については、アクションプランに基づく相談支援体制の整備や人材育成、普及啓発等の取組を、市町村、関係団体などと連携しながら、総合的に推進します。

第4は、「『安心して、心豊かに暮らせるいわて』の実現」であります。
県民の安全・安心な生活を守るため、県民の防犯意識の高揚や犯罪被害者等を支える社会づくりなどに取り組むほか、高齢者と子どもの交通安全対策を重点的に推進するため、高齢者への普及啓発と、信号機の設置等による通学路の交通安全対策を進めます。
青少年の健全育成については、心豊かで意欲に満ちた人材育成を図るため、「いわて希望塾」を開催するほか、様々な困難を抱える青少年一人ひとりの状況に応じた支援を継続的に提供できる体制の構築に取り組みます。

また、男女が対等なパートナーシップのもとに個性と能力を発揮できる男女共同参画社会の実現に向けて、市町村、関係団体などと連携しながら、意識啓発やDV防止対策に取り組みます。

第5は、「『人材・文化芸術の宝庫いわて』の実現」であります。
岩手の未来を担う子どもたちの育成のために、いわて型コミュニティスクールや教育振興運動と連携しながら、学校と家庭・地域との協働による目標達成型の学校経営を充実させるとともに、私立学校の特色ある教育活動を支援します。

また、教員の授業力強化や家庭学習の充実などの学力向上対策、「いわてキャリア教育指針」に基づくキャリア教育の実践などにより、「知・徳・体」を備え、自立した社会人となるために必要な総合力を育む教育を推進します。

さらに、特別支援教育の充実に向けて、特別支援学校と小・中学校の児童生徒の交流、共同学習などの取組を進めます。
いじめなどの問題行動や不登校などの学校不適応への対応については、教育相談体制の充実を図り、学校・教育委員会と家庭・地域が連携した体制づくりを行います。
世界遺産登録の推進については、平泉の文化遺産の追加登録や、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」などの登録に向けた取組を着実に推進します。

文化交流については、震災復興を契機としたルーヴル美術館や海外の一流アーティストとの交流を継続して進めます。

平成28年の国民体育大会開催に向けて、新たに国体・障がい者スポーツ大会局を設置し、県民・企業・団体等との協働を基本とした、復興のシンボルとなるような「希望郷いわて国体」の開催を目指して、全国障害者スポーツ大会と一体的に準備を進めて参ります。
選手の育成・強化については、重点競技を絞りながら効果的な強化に取り組むとともに、スポーツ健康科学サポート体制の充実を図ります。

第6は、「『環境王国いわて』の実現」であります。
産業廃棄物最終処分場である「いわてクリーンセンター」の利用終了時期が平成33年頃に到来すると見込まれることから、次期最終処分場の確保、整備に向けて、用地の選定作業に取り組みます。
加えて、青森・岩手県境の不法投棄産業廃棄物については、平成29年度までに汚染された土壌・地下水の浄化を実施し、原状回復を目指すとともに、引き続き、排出事業者等に対する徹底した責任追及を進めます。

第7は、「『いわてを支える基盤』の実現」であります。
本県のものづくり産業等を支援するため、内陸地域におけるスマートインターチェンジや、自動車関連産業の物流を支援する道路などの整備を進めます。
併せて、安全な道路環境を確保するため、通学路における歩道の設置など交通安全施設の整備を推進します。

また、交流人口の拡大に向けて、いわて花巻空港の国内線の路線拡充や国際チャーター便の誘致・拡大に向けた取組を進めます。

社会資本の適切な維持管理について、緊急的にトンネルの総点検を実施し、早期に維持管理計画を策定するとともに、その他の施設についても、引き続き、予防保全型の維持管理を推進し、施設の長寿命化と安全性・信頼性の確保を図ります。
また、いわて県民計画の7つの政策の取組に加え、広域振興圏ごとに明確な顔をもった地域づくりを進めるため、広域振興事業等による特色ある取組を推進します。特に、県北圏域については、企業や市町村と連携しながら、交流人口の拡大や食産業などの産業振興に力を入れて参ります。

むすび

東日本大震災津波により、人命をはじめ、多くのかけがえのないものが失われました。
しかし、復興の過程において、被災者の皆さんをはじめ、県民全体が立ち上がり、かつてないような「地元の底力」を発揮し、日本のみならず世界に広がる様々な「つながりの力」とあいまって、震災以前には見られなかったような「自立と共生」の取組が県内のそこかしこで行われています。

未曽有の被害を受けたふるさとの姿を目の当たりにし、ふるさとに戻って復興に取り組む人たちがいます。津波到達点に桜を植えて津波の悲劇を後世に伝える活動など、地域の知恵と行動力を結集した、新しい取組を展開する人たちがいます。

さらに、大好きな歌でみんなを励まし、歌手としてデビューを果たした大槌町の臼澤みさきさんをはじめ、ふるさとの復興に役立ちたいとの真摯な思いをもって、自らの道を切り拓く多くの若者たちがいます。

そして、このような岩手の姿に共鳴し、ボランティアの皆さんや企業、大学など、様々な主体が、全国、そして世界から思いを寄せ、復興を支えてくださっています。

このような、今岩手で行われている取組は、「人と人との共生」、「人と自然との共生」という理念のもと、戦乱により荒廃したふるさとの復興を成し遂げた平泉の精神に相通じるものではないでしょうか。

東日本大震災津波以降に私たちがもつようになった、今までできなかったことができるようになる力と、今までやろうとしなかったことをやろうとする志を合わせれば、平泉のような復興を必ずや成し遂げ、黄金に光り輝く希望郷いわてを後の世に残すことができるはずです。

復興に取り組む人、復興に思いを寄せる人、一人ひとりが復興の主役であり、一人ひとりがつながって、強いネットワークとなり、一丸となって復興を加速させようではありませんか。
本年が、岩手の復興を加速させる1年となるよう、ここにおられる議員の皆様並びに県民の皆様の深い御理解と更なる御協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明を終わります。

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