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いわてアグリフロンティアスクール知事講話「いっしょに育む『希望郷いわて』 岩手の未来を拓く3つの視点」

ID番号 N5223 更新日 平成26年1月17日

とき:平成22年1月15日(金曜日)
ところ:いわて県民情報交流センター(アイーナ)501会議室
対象者:いわてアグリフロンティアスクール受講生

1 はじめに

知事講演の様子

皆さんおはようございます。

いわてアグリフロンティアスクール、岩手県知事講話ということで、「いっしょに育む『希望郷いわて』。岩手の未来を拓く3つの視点」という演題でお話しをいたします。

新しい年を迎えまして、去年一年は一昨年からスタートした世界経済危機が続きまして、岩手においても成長率のマイナス成長でありますとか、雇用の停滞、工業分野での生産については、だいぶ回復してきているという統計数字が出ているんですけれども、まだそれが雇用の回復にはつながっていませんし、県内景気全体もこの1年間マイナス成長だったということで、大変厳しい1年間でありました。しかし、一方で花巻東高校野球部の活躍という全国規模の大きなニュースがあり、他にも国体、インターハイで登山ですとか、ウエイトリフティングですとか、文化分野でも、盛岡二高のお琴とか、それから書道で日本一になった高校生もいましたし、岩手高校が将棋で日本一になるなど、高校生たちが大活躍してくれました。その際たるものが花巻東野球部だったわけですけれども、岩手県民の厳しい経済社会環境の中でも何とか頑張っていこうという、そういう頑張ろう岩手的な風土と、花巻東の日本一を目指すという方向性が相乗効果で岩手県内に非常に前向きな、勢いのあるムードをつくり、その中で一年間やってきて、新しい年を迎えたと思います。

この間、国政の方では政権交代ということが起きまして、そしていろいろと政治の仕組みが変わったりとか、予算のつくり方も変わったり、また、予算の中身についても従来ないような政府予算案が決まっております。また、その中で年末年始にかけて、成長戦略ということが大きなテーマで語られてきたと思います。新政権には成長戦略がないんじゃないか、という声がある中、それに対抗してというか、新政権の方でも年末に間に合うように、成長戦略第一弾を打ち出し、環境とか、医療・福祉、それからアジアとのビジネスであるとか、そういったテーマを掲げながら成長戦略を出したところでありますけれども、それで果たして十分かとか、そういう議論が行なわれていると思います。国としてこういう方向性という成長の戦略を課すことに意義はあると思いますけれども、一方で、今時代は一人一戦略。一人一成長戦略といいますか、企業、あるいは農業経営者、そういう一軒一軒、あるいは一人ひとりそれぞれの成長戦略を持つことができる、あるいは持たなければならない時代になっているのではないかとも思います。例えば、お米に可愛らしい萌え系美少女イラスト、アニメの絵のようなイラストを付けて売ったら、飛ぶように売れたという話しが秋田県であります。それから、岩手県では「食用ほおずき」ですね。早野商店という岩泉にある会社で、もとは海産物しか扱っていなかったんですけれども、そこの若い後継者がフランス生活をしていて、ヨーロッパでは「食用ほおずき」というのが普通にあるけれども、日本には全然ない。岩泉で作ってみようということで始めたら、作る農家もだいぶ増えてきて、商品もそのまま食べる生食から、シロップ漬け、ジャムなどいろいろラインナップも充実してきているようですけれども。

そういうお米の袋にイラストをつけていくとか、あるいは、「食用ほおずき」を日本でも作ってみるというようなことを、国に考えろって言っても、こうした発想は国の方からは出てきません。むしろ地方においてこそ、そういうのは発見できるし、最初に気がついた人がパッとそれに取り組んでいける、そういうことだと思います。

岩手県は、去年新しい長期計画、今後10年間の長期計画として、「いわて県民計画」というものを作りまして、これがこの「希望郷いわて」を目指すというものなんですけれども、これも県として、みんなで一斉にこれをやるというような計画ではなくて、県民一人ひとりが自分なりの成長戦略、あるいは経済以外の分野で自分は教育で身を立てたい、世の中に貢献したいとか。

あるいは地域活動、NPO活動的なところで食べていけるようになりたいとか、県民一人ひとりがそれぞれの希望を持ち、そしてその目標の実現に向けて進んでいけるような、そういうことができる岩手づくりということを目標にして、長期計画を作ってあります。今日はその長期計画の概要について、簡単に説明をしたいと思います。

2 「いわて県民計画」の策定について

(1) はじめに

まず、最近ではどこの都道府県でもあまり細かい10年計画は作らないようになってきています。昔は、この10年以内に高速道路をここまで伸ばすとか、新幹線をここまで伸ばすとか、ダムをこことここに作る。それからでっかい、いわゆる箱物ですね、これを10年以内にあそこに作るとか、そういう計画を各都道府県ごとに作っていたんです。岩手もそうでありました。

しかし、今のような経済社会情勢、そして財政の情勢では、なかなかそういうかっちりとした10年計画をつくるのは難しくなっています。しかし一方では、将来を見据えて長期的に取り組んでいかなければならないテーマというのがあります。人材育成、ひとづくりでありますとか、自然環境の保全でありますとか、そういったことは毎年度毎年度の予算を作っていくという短期的な取組だけでは、ついおろそかになってしまうような分野でありまして、そういう長期的な取組が必要な分野もありますので、やはり10年くらいスパンの計画を策定することには、こういう時代であっても意義があると考えて策定をいたしました。

「いわて県民計画」という名前でありまして、狭い意味での県の行政計画にするのではなくて、県民一人ひとりが将来どういう生活を送りたいか、またそういう県民一人ひとりの希望を実現するために地域社会がどうあるべきか、そういう観点から、岩手の未来の姿を県民の皆さんと共に描いていくというような趣旨で、「いわて県民計画」というふうに名付けられております。

長期ビジョンとアクションプランの2部構成になっています。

長期ビジョンはこれが正に10年計画の本体の部分であります。そして、アクションプランという、これは知事の任期4年間に合わせた4年ごとの中期計画であります。これは、私の任期はもう来年の4月で終わりますので、残り1年半くらいの短いアクションプランでありますけれども、まだ今年度が残っておりますので、年度でいくと平成21年度と平成22年度の2年度分のアクションプラン。10年間の長期ビジョンと2年度分のアクションプランの2部構成となっております。

(2) 長期ビジョンのあらまし

本体は長期ビジョンの方と言っていいのですけれども、まず、現状認識というところから始まっています。世界の変化を見ますと情報通信技術の進歩、これがまず大きいわけであります。インターネット、パソコンなどの情報通信技術の進歩、また、その他のいろんな交通等々の技術の進歩によりまして、グローバル化というものが進展しております。それでヒト、モノ、カネ、情報が国境を越えて活発に活動するようになっております。先進国に加えて、新興国と呼ばれる中国、インド、ロシア、ブラジル。それにまたいくつかの国が続いているんですけれども、そういう新興国と呼ばれる国々が急速な経済発展を遂げている。また世界規模での環境問題、エネルギー問題、食糧問題がより真剣に議論されるようになってきているという特徴もあります。日本の変化を見ますと、グローバル化が進む中で、そのグローバル化にうまく対応できていないんじゃないか、ということが言えると思います。「失われた10年」という言葉があります。それが「失われた20年」になっているんじゃないかという指摘もあります。ここ10年、20年、経済が低迷し、そして人口減少・少子高齢化、また様々な異常な犯罪等の社会的な不安、そういったことが日本の中で進んでいるということが言えると思います。その反動として心の豊かさを実感・体感できるライフスタイルなど、「ロハス」という言葉が流行りましたけれども、地に足の着いた自然と共にある生活、真人間として生きていきたい。そういう希望。そういうものが日本の中にも増えてきているということがあります。そして岩手県の変化については、こうした世界の変化と日本の事情とが入り混じる中で、まず人口減少・少子高齢化が全国を上回るスピードで進行しているという現実があります。また、急速なグローバル化については、一方では、輸出関連産業の急激な生産の減少と、それに伴う雇用環境の悪化ということが起きていますが、もう一方では高品質な農林水産物の輸出が伸びている、対中国等輸出が伸びているということがあります。グローバル化には、マイナスの面とプラスの面と両方、岩手で起きているということであります。

そうした現状認識の下で、岩手の強みと弱みというのをしっかり把握して強みを伸ばしていく。弱みを補いながら強みを伸ばしていく。そういうことが求められております。岩手の産業を見ますと、まず、全国有数の農林水産業があります。観光資源も極めて豊富です。自動車、半導体、電気などものづくり産業の集積も進んでいます。弱みについては、農業構造が弱くなっています。そして、流通チャネルが多様化していることに生産側の対応が遅れているということが指摘されます。ものづくり産業の集積は県北沿岸圏域においては遅れておりまして、今回のこのサブプライム問題以降の世界経済危機がなくても、県北沿岸においては雇用環境が厳しいという現実があります。それから今の産業面の現状認識ですけれども、県民生活で見ると、先ほど藤井岩手大学学長さんからも指摘があった「結い」の精神。昔から受け継がれている「結い」の精神がある。それから全国に誇りうる豊かな自然環境があるといった強みがあります。一方で急激な過疎化、人口減少、少子高齢化によって地域コミュニティの機能が低下してきているところがある。そういう弱みがあります。

こうした現状認識に基づいて、「いわて県民計画」の本体部分が作られております。そして、岩手の未来を拓(ひら)く3つの視点というのがあります。「ゆたかさ」、「つながり」、「ひと」、という3つの視点であります。まず「ゆたかさ」ということを最初にもってきていることには意味があります。それは、ここ10年、20年の日本経済の低迷、それに伴って岩手の経済もやはり低迷をしておりまして、その20年前よりも平均給料が低いとか、20年前よりも平均所得が低いとか、20年前よりも経済や暮らしが悪くなっているわけですね。これはさすがにちょっとこのままズルズルいくわけにはいかないということで、高度成長のような、とにかくどんどん発展していくというところまでは求めないわけですけれども、さほどお金に不自由せずに済むくらいの経済成長はしていかなければならないだろうということで、やはり「ゆたかさ」ということを第一に掲げているわけであります。ただ、この「ゆたかさ」はそういうお金で計られる豊かさ、物質的な豊かさだけが岩手の豊かさではないということも大前提にしておりまして、この豊かな自然に恵まれているということや、お互い助け合う「結い」の精神、そういうものが津々浦々にまで生きている、そういうことも含めた「ゆたかさ」を岩手なりの豊かさというものをみんなで作っていこう、育てていこうということをまず第一においているわけであります。そして、第二に「つながり」という視点。これは岩手の強みでもありますし、また岩手なりの豊かさを更に育てていく時の決め手になるものでもあるということで、二番目にこの「つながり」をおいてあります。そして三番目に「ひと」。21世紀の経済社会を考えた時に、決め手になるのはやはり「ひと」、人間の力である。そういう認識があります。ですから打ち出し方として「ゆたかさ」、「つながり」、「ひと」という順番に書いてあるんですけれども、これは逆さに読むことも可能でありまして、まず人材育成、「ひと」を育てていく。そして、その「ひと」をつなぐ「つながり」づくりを進めていく。人を育て、そしてその人をつなげていくことによって「ゆたかさ」を実現していく。言ってみれば、これが岩手の今後10年の成長戦略の基本的な考え方ということでもあります。「ひと」を育て、「つながり」を育て、「ゆたかさ」を育てていく。このつながりづくりという点に関しては、県の仕事も昔はとにかく国からお金をもらってそれで事業をどんどんやっていく。県の予算も、昔は公共事業とそれから農林水産業関係でも土木事業の枠が非常に大きくて、合わせて公共事業が県の予算の一番多いところでありました。しかし、今はもうそうではありません。むしろ県の仕事としても直接ものを作っていくというよりも、あるいは直接お金をばらまいていくというよりも、人と人をつないでいくような仕事、例えば、野田村の野田漁協の「ミニホタテ」。それまでは全然商品として扱われていなかったものをイトーヨーカドーで売ってもらったら、都会の主婦の皆さんが、小さいホタテの方が持ち帰りやすいし、冷蔵庫にも入れやすいし、料理して食べるのにも簡単だということで、結構売れている。伝統的にはホタテというのは2年、3年かけて大きくして売るもので、小さいまま売るというのは全然考えつかなかったんですね。それを、その消費の現場の担当と、生産者が結びつくことによって今まで商品になってなかったようなものが商品化されていく。これが「ひと」を育て、「つながり」を育て、「ゆたかさ」を育てるという例として挙げられるんじゃないかと思います。県としてもそういう仕事をどんどんこれから増やしていかなければならない。そのイトーヨーカドーと野田漁協を結び付けるマッチングは県の事業でやったわけでありますけれども、そういうことをこれからも増やしていかなければならないというのが基本的な考え方であります。

3つの視点の後に、実現していきたい岩手の未来を示しています。基本目標として、「いっしょに育(はぐく)む希望郷いわて」を掲げ、実現していきたい岩手の未来という目標を、「仕事」、「暮らし」、「学び・こころ」の3つの分野に整理して掲げております。

「仕事」、「暮らし」、これは、あちこちの県の長期計画で、社会のあるべき目標を整理する時に大体、経済、社会に分けるんですね。それで、「仕事」、「暮らし」の二つに分かれて、そこに、「学び」という領域は、これは岩手独特と言っていいと思います。21世紀、情報化社会がますます進んでいく中で、「学び」という要素が非常に重要になってくる。正にこのアグリフロンティアスクールというものはそうなんでありますけれども、日ごろから学ぶ機会を確保しないと、仕事の方も伸びていかない。最先端の技術とか、知識とか、そういったものを獲得する機会を県民に対して補償していくことが県にとっても非常に大事だという認識であります。ちなみに、暮らし、生活についてもこの学びということが大事になってきます。新型インフルエンザ、これも新型インフルエンザというものは一体どういうものなのか、熱が出たときどうすればいいのか、病院やお医者さんがどういう体制で診療を行うのかというような、そういう知識、情報を県民の皆さんにきちんと伝えて、それを分かってもらわないとそれぞれの生活を守ることができない。こういうのは防災の分野で昔からあったんですけれどもね。津波が来た時に、どういうふうに来るからどこに逃げるのかとかですね、そういう災害に関する知識、情報をきちんと持っていないと生活を守ることができないということ。食の安全もそうですよね。輸入されている食べ物に関する知識、情報。その辺のスーパーとか、町の中に流通している食べ物に関する知識、情報。そういうのをきちんと把握する、学ぶ機会を確保できないと消費者として安全を確保することができない。生活を守ることができない。ということで、仕事はもちろん暮らしを良くしていくためにも、この学びということが大事になってくる。また、学び特有の価値というものも大事でありまして、今まで知らなかったことがわかるようになる。できなかったことができるようになる。そういう趣味の世界とか、老後の楽しみの世界とか、そういうものとのかかわりによっても心を豊かにしていく。学びで心を豊かにしていく。仕事や生活と離れたところで、独自の領域としてもこの「学び・こころ」というのがこれから大事になっていくということで、第3の分野として、「学び・こころ」というものを実現していきたいということから、岩手の未来の目標の中に掲げているわけであります。

(3) 岩手の未来をつくる7つの政策(農業分野を中心に)

そして、その次、岩手の未来をつくる7つの政策という、政策分野ごとの政策が設けられております。この中に、農業ももちろん入っております。「いわて県民計画」における農業分野の基本的考え方は、「本県の地域経済社会を支え、持続的に発展できる農業と生き生きとした農村を確立し、生産者や消費者がその豊かさ・恵みを実感できる『食と緑の創造県いわて』の実現を目指す」ということにしております。「食と緑」、「食」は、本県の多彩な農産物といった食材、その食材を生かした豊かな食文化を表し、「緑」は、緑にあふれた農山漁村や環境を表しております。「食」と「緑」を「創造する」というのは、食料について単なる素材生産から、加工等によって付加価値を創造していくこと、高付加価値化していくこと。農業を核とした地域産業を創造していくこと。生き生きとした農村を確立し、地域社会を創造していくこと。農業の持つ水源かん養や環境保全機能等により、環境を創造していくこと。という考え方を込めたものであります。

そういう基本的な考え方の実現に向けて政策の基本方向として、5つの柱を掲げております。一つ目は、「農業の未来を拓(ひら)く経営体の育成」。そのために、経営発展に果敢に挑戦する意欲と能力を持った経営体を育成する。新たな人材が絶えず就業できる体制づくり、企業の誘致などにより多様な担い手の参入を促進する。二つ目は、「消費者から信頼される『食料供給基地』の確立」のため、環境などに配慮した生産を進め、全国トップレベルの「安全・安心産地」を形成するとともに、生産性・市場性の高い産地を形成し、安定的な所得が確保される農業を確立する。三つ目は、「農産物の高付加価値化と販路拡大」のために、6次産業化や農商工連携の推進等により、高付加価値化を促進し、品質やおいしさにこだわったプレミアム商品の開発等による県産農産物のブランド化を進める。四つ目に、「『いわて』の魅力あふれる農山村の確立」。グリーン・ツーリズムや産直との振興、地域資源や文化を生かした都市住民との交流等の促進により、活力ある農山村を形成する。地域協働による農地の保全活動など、農産村の持つ多面的機能の維持・増進をする。五つ目に、「環境保全対策と環境ビジネスの推進」。環境や生態系に配慮した農業生産活動の促進、未利用のバイオマスを活用した新たな環境産業の育成ということであります。

整理しますと、まず、経営体の育成ということであります。とにかくやる人、やる経営体がなければ先に進みませんので、力強く先に進んでいくことができる経営体を育成する。そういう、やはり「ひとづくり」というところがスタートになるわけであります。そして、二つ目のことはいわゆる産地づくりということであります。そして三つ目が販路拡大ということで、消費の現場にいかにつないでいくか。また、少しでも高く売れるような工夫をいかにしていくかということで、産地の形成ということと、この販路の拡大というのは非常に関連しているわけでありますけれども、この経営体の育成、産地の形成、販路の拡大という3本柱。さっき5つの柱を紹介しましたけれども、その中でもこの3本の柱というのは、来年度の県予算の、この農林水産業部分のやはり柱になる考え方としても取り入れております。ここは、岩手の農業政策の基本になって参ります。その3本の柱に、この住む場所、働く場所としての農山村の振興ということが四つ目に入り、そして五番目は環境という要素ですね。国の成長戦略の要の一つにもされている、環境という要素を農林水産業政策にも取り入れていくということが、四つ目、五つ目というふうに、最初の3本の柱に付け加わっているというところであります。

(4) 岩手県I援隊運動について

それから、「岩手県I援隊運動」というものについて説明をいたしましょう。この「ひとづくり」、「つながりづくり」、「ゆたかさづくり」というこの県民計画の3つの視点と考え方を県職員にいち早くきちんと身につけてもらって、そして、県職員一人ひとりが県組織の外に対して一緒に仕事をしていける、また、指導していけるようにということで、「ひとづくり」、「つながりづくり」、「ゆたかさづくり」というのを体で理解するための運動として、「岩手県I援隊運動」という取組を去年の11月から始めております。また今、坂本竜馬「海援隊」ブームでもありますので、楽しみながら仕事にバリバリ取り組んでもらうという工夫もして、I援隊運動、これが坂本竜馬の「海援隊」の海の字を岩手の頭文字のI、アルファベットのIと書いて、I援隊運動と言っているんですけれども。県職員一人ひとりが坂本竜馬になったつもりで、(もう脱藩者ですからね。)県という枠組みにこだわらず、脱県する勢いで。あの海援隊というのは、土佐藩の下部組織ではあったんですけれども、土佐藩藩士じゃなくても入れたんですね。脱藩者でもいいし、よその藩の藩士でも入れた。そういう、土佐藩の、今でいう県組織なんですけれども、県職員じゃなくても入れたというのが、海援隊の面白いところでありまして。それで、県職員だけで県行政をしているんじゃなくて、県職員じゃない人たちとも一緒になって岩手の豊かさづくりを頑張っていこうと。海援隊というのは、ひとづくりの教育機関でもありました。英語をやりたいとか、交易の知識を身に付けたいとか、航海術を身に付けたい。そういう勉強する場、人材育成の場でもありました。そして、そうやって育てた人たちが、つながりづくりをしていく組織でもあるんですね。薩摩と長州をつなげるとか、それから、その間にイギリス商人と薩摩をつなげるとかですね、そうやってつながりづくりをして、貿易でお金を稼ぎながら明治維新を実現してしまうという、そういう社会変革までやってしまう。つながりづくりをゆたかさづくりにしていくという点で、モデルとすべきものだと思っておりまして、その海援隊をもじってI援隊運動を開始しました。

この発想は、農業・農村のことを考えるときにも使えるんじゃないかと思っております。その「結い」の精神で、みんなで一緒にコミュニティを守り、そして豊かさを追求していくということで、I援隊的な取組というのが実は昔からもたくさんあったと思いますし、これからの発展を考えていくと、非農業分野…その農村の外の人たちとの連携、つながりづくり、そうしたことから豊かさをつくっていく。一つ例を挙げますと、県南広域振興局の北上支局で、「農楽工楽(のらくら)の和が郷づくり運動」というのをやっております。北上の工業地帯にある企業と、西和賀の農家、農業を結びつけまして、農産物を企業で販売。西和賀の方で採れた野菜を北上の工場の社員食堂で使って食べるとか、それから、企業菜園。企業の菜園を西和賀の方に作るとか、そういう北上にある工場、誘致企業と、西和賀の農家農村を結びつける事業でありまして、企業商工団体、地域、農協団体、林業団体等、合わせて70の団体がこの運動に参加をしていろんな事業に取り組んでいるところであります。こうした発想での事業を県としてもどんどん増やしていかなければならないというふうに思っております。

3 受講生に期待すること

岩手にとって農業というのは非常に大事な分野であり、また、将来岩手の豊かさを実現していくためにも戦略的に重要な分野だと思っております。その中で大事なのはひとづくりでありまして、農業を担う人が育っていくということが何よりも大事であります。このアグリフロンティアスクールを通じてですね、一人でも多くの方が自分を高め、今までできなかったようなことができるようになり、そしてこの岩手を舞台に自己実現をされ、それが岩手の農業の発展、そして、岩手全体が県民一人ひとりが希望を持てる、そういう「希望郷いわて」になっていくことにつながることを祈念いたしまして、私の話を終わります。

ありがとうございました。

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