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内外情勢調査会盛岡支部懇談会における知事講演 『「希望郷いわて」-本格復興と地方創生-』

ID番号 N32881 更新日 平成27年2月17日

とき:平成26年11月28日
ところ:ホテルロイヤル盛岡

1 はじめに

本日は、『「希望郷いわて」―本格復興と地方創生―』と題し、お話しします。
東日本大震災津波からの復興支援を通じて生まれた国内外とのつながりを大切にし、深めていくために、11月5日から11月12日まで、フランスとスイスを訪問しました。
11月7日にパリで「岩手県復興報告会」を開催しました。復興支援をいただいた方々をお招きし、これまでの支援に対する御礼を述べるとともに、岩手の復興の状況を報告しました。
また、フランス アルザス州コルマール市で開催されている国際旅行博に出展をしまして、岩手県を代表する伝統工芸品の一つであります「漆器」を核に、本県の伝統工芸、文化・歴史等の情報発信を行いました。
震災から3年8カ月が経過していましたが、ヨーロッパの方々は、今、どうなっているのかという高い関心、そして今からでも何かしたいという強い思いを持っていました。地元岩手から世界に向けて発信していくことで、そういう方々の思いや関心に応えていくことが大事だと思いました。
これからも「つながりの力」を強めて、「開かれた復興」を推進し、継続的な支援をお願いしていきたいと思います。それがいわゆる風化防止にもつながると考えます。
来年の3月には、第3回国連防災世界会議が仙台市を中心に開催されます。東日本大震災津波への対応を通じて岩手県が経験し、得られた教訓・知見を世界の国々に発信していきたいと思います。

2 本格復興推進年における県の取組

復興のピークに向けまして、県では、今年を「本格復興推進年」としています。
平成23年度から30年度までの8年間の「岩手県東日本大震災津波復興計画」のうち、最初の3年間を「基盤復興期間」、そして今年から始まる3年間を「本格復興期間」と位置づけています。
これからの本格復興では、災害公営住宅の整備や水産業をはじめとする地域産業の再生の取組に加え、一人ひとりが安心して生活を営むことができるよう、コミュニティや地域の特性をどうつくっていくか、ソフト面の施策も一層重要となります。

(1) 復興の状況

《三陸鉄道全線運行再開》

今年の春の大きなニュースは「三陸鉄道の全線運行再開」でありました。
国土交通大臣と復興大臣、新しい車両を提供してくださったクウェートの大使ご夫妻、またその間をとりもった日本赤十字広報特使の藤原紀香さんほか大勢の来賓にいらしていただき、また、地元の住民の皆さんも総出で参加、そして全国から大勢のファンが駆けつけてくださいまして一緒にお祝いをしました。
全国的に祝賀ムードがあふれて、東日本大震災への関心がよみがえり、復興への誓いを新たにすることができたと思います。東日本大震災以降、復興を象徴する様々なイベントが全国各地でありましたけれども、その中でも最大級の復興イベントになったと思います。
今年度上半期の経常損益は、平成5年度以来21年ぶりの黒字となりました。通期では経常損益は約1億円の赤字となる見通しでございますので、引き続き三鉄の応援をよろしくお願いしたいと思います。
11月6日には、アメリカ・メジャーリーグ マリナーズの岩隈久志投手をゼネラルマネージャーに迎えて、三陸鉄道の社員や沿線の住民の皆さんなどをメンバーとする草野球チーム「三陸鉄道キットドリームス」が設立されました。そういう社会的な活動も広げていきます。
今年は三陸鉄道開業30周年記念でありまして、いち早く全体復旧を果たしたこの三陸鉄道の存在が、これまでの3年間の成果、そしてこれからの本格復興の象徴となっていくと思います。
 

《災害廃棄物の処理完了》

今までの3年間の復興事業の中で最大のものが「災害廃棄物の処理」でありました。おかげさまで、計画どおりに今年の3月末をもって全量の処理が終了しました。
岩手県で発生した災害廃棄物の量は約584万トンで、これは岩手県の1年間の一般廃棄物量の約13年分に当たる量です。これをできる限り県内で処理することとしましたが、県内で処理しきれない分について、東京都や静岡県、大阪府など1都1府13県の自治体に広域処理を受け入れていただいて、計画どおりの処理が完了できました。
 

《水産業の復興》

沿岸地域の復旧復興の中で重要なのが水産業の復興であります。1万4千隻あった漁船は、津波によってそのほとんど全てが流されてしまいました。
その後、岩手県から国に働きかけて、漁協を核に漁船を一括整備する補助事業が新しく設立されて、今年の10月末現在で6,444隻、96.3%の整備が完了しています。補助事業以外の漁船数を合わせますと、現在1万隻を超える漁船が稼働可能となっておりまして、漁業者にほぼ行き渡っている状態です。
また、養殖施設についても、平成27年度までの整備計画数17,480台に対し、今年9月末現在で17,329台と99.1%の整備が完了しています。
今年4月には、大船渡に新しい魚市場が完成しました。昨年度の岩手県の水揚量は約10万8千トンで、震災前の63.9%まで回復をしています。
 

《復興のまちづくり整備事業》

陸前高田市にある土砂運搬用ベルトコンベアーは、気仙川の右岸今泉地区から左岸高田地区に約650万立方メートルの掘削土砂を運搬しています。ベルトコンベアーが気仙川を横断するための吊り橋は、市民からの公募によって「希望のかけ橋」と命名されました。
この土砂をトラックで運搬いたしますと7~8年かかるものなのですが、このベルトコンベアーを使うことで、約1年2カ月に短縮されます。様々なところに、復興を加速するためのかつてなかったような技術や制度上の工夫があります。
被災者の皆さんの住宅、集落、市街地の再建など、「暮らしの再建」に直結する復興のまちづくり整備事業の進捗率は5%で、まだまだこれからというところであります。
 

《災害公営住宅の整備》

今年10月末現在、未だ3万人余りの方々が応急仮設住宅等での生活をされています。一日も早く、恒久的な住宅に移っていただくことが復興の最重要課題であります。
県では、持家による住宅再建を約1万戸と見込みまして、県と市町村営の災害公営住宅5,946戸を整備する予定としており、9月末時点で、その15%、899戸が完成しています。
11月6日から、釜石市内の災害公営住宅494戸の入居者募集が開始されました。これで現在計画されている釜石市内の災害公営住宅はすべて入居または入居募集が開始ということになり、「暮らしの再建」に向けて大きな弾みとなると期待しています。
第2期復興実施計画の最終年度である平成28年度までに、ほぼすべての災害公営住宅を完成させていきます。
 

《復興事業はこの先3年がピーク》

住まいの整備は、「災害公営住宅」の整備と「住宅用の宅地」の整備からなります。今年、来年、再来年の3年間、特に来年が事業のピークになります。
住まいの復興というのが被災者の皆さんにとっては一番身近な復興そのものであり、本格復興はこれからという状況です。
 

(2)復興に向けた課題

《復興まちづくり事業を担う技術者等の人材不足》

復興を進める中でいくつかの重要な課題がありますが、まず「人材の不足」が非常に大きな課題です。
被災市町村の投資的経費の予算は、震災前の17倍と大幅に増加しています。それだけ事業が増えているわけでありまして、これに対応する人材の確保というのが大きな課題となっています。
膨大な数の工事の設計・発注、埋蔵文化財の調査等に対応するため、本年度も多くの団体、地方自治体から職員を派遣いただいています。任期付職員の採用、再任用職員の任用などの手も打っていますが、マンパワーは恒常的に不足しています。
被災地のまちづくりや災害公営住宅の建設等もこれからがピークを迎えます。復興事業がさらに本格化する平成27年度の派遣職員の必要数は761人で、平成26年度と同じ703人を確保しても58人不足する見込みです。
 

《応援職員の受入れに当たって》

今年(平成26年)2月、岩手と全国の自治体、応援団体の職員や関係者の皆さんとの絆を深め、「開かれた復興」を実践する機会として、「いわての復興を自治の進化に」第1回シンポジウムを開催しました。
これは、岩手県に復興支援に来ている応援職員や、既に帰られた職員、派遣元の職員の方々が一堂に会しまして、相互交流を深めるための岩手県独自の事業であります。
岩手県では、応援職員の心のケアなど、これまでも継続的な支援に向けて様々努力しておりまして、このような取組を通じて、派遣の継続と今後の継続的な支援へのご理解をお願いしていきます。
 

《復興財源の確保》

次に「復興財源の確保」。復興関係の事業費総額もこれからがピークであります。
国による集中復興期間が5年と決まっていまして、その後の国の予算の計画がまだ決まっていません。しかし、復興事業費総額の試算5.7兆円のうち、約3割に相当する1.7兆円分その後も必要となる事業がありまして、これを確かなものにしていくことが大きな課題となっています。
第2次安倍内閣発足直後の9月5日に、竹下亘復興大臣、小泉進次郎復興大臣政務官が来県されました。県庁で会談しまして、私から岩手が直面する復興の状況と課題を説明しまして、地元と国が一体となって、被災地、被災者に寄り添う復興を進めることを確認しました。
平成27年度の国の予算に向けて、復興財源の確保と自由度の高い財源措置を最重要事項の一つに位置付けて重点要望しているところです。
 

《新たなまちづくりの迅速な推進》

県の調査で、防潮堤整備のための用地について、所有者がわからない、あるいは相続手続きが終わっていないというような取得に時間を要する土地が約3割ありました。
新たなまちづくりを迅速に進めるために、この土地の権利関係の問題については、今までの法律の枠組みを超えた特例措置が必要であり、国に強く要望してきたところでありますが、今年の4月に、復興事業用地取得の迅速化のための改正復興特区法が議員立法で成立しました。
まちづくり整備は基本的に市町村の事業であります。一番の懸案である用地の迅速な取得のために、県では、「用地取得特例制度活用会議」という部局横断組織を立ち上げました。改正復興特区法による特例制度を県事業において積極的に活用するとともに、市町村が特区法を活用する後押しをしていきます。
市街地の整備などのまちづくりが進む中で、今後は、三陸鉄道の北リアス線と南リアス線をつなぐ鉄道線でありますJR山田線を早期復旧する必要があります。沿岸を南北につなぐ鉄路の復旧を、被災した住民の皆さんも、また自治体も待ち望んでいるわけでありまして、こうした中、JR東日本から、「山田線の三陸鉄道による運営」という提案が今年の1月にありました。
被災地の一日も早い復旧復興には、鉄道の復旧が必要であり、また、JR東日本から三陸鉄道の持続可能な運営に向けた支援策が示されましたので、県と市町村においては、議会、住民の皆さんに説明などを行った上で方針を決定していくという段取りを、先般開きました沿岸市町村首長会議において確認しているところであります。
 

《大震災の風化防止》

このような課題を克服しながら復興を進めていくわけでありますが、その中で「なりわいの再生」の大きな部分を占める漁業、そして水産加工業は、被災した地域の基幹産業でもあります。
被災した事業所の8割以上が事業を再開していますが、水産加工業については、「雇用・労働力の確保」、そして「売上の回復」ということが課題となっています。事業所を再開するまでの間、操業を休んでいたわけでありますが、その間に販路を失い、事業再開後、この失った販路の回復が進まない、売り上げが回復しないという問題があります。
神奈川県横浜市の南部市場では、震災のことを忘れないで応援してほしいという思いから、今年の8月、復興支援イベントを開催し、主催者側で大船渡産のサンマ1万匹を調達して来場者に無料で提供するということをしてくれています。このイベントに岩手県からも多くの事業者が出展して、販路回復に向けて様々なアピールを行いました。私も「復興支援への感謝、現状報告と岩手からのメッセージ」と題して講演をし、復興支援への感謝と継続をお願いしました。
このように県では、他にも大都市圏のバイヤーを招へいした商談会の開催などを通じて「大震災の風化の防止」に取り組んでおりまして、私も先頭に立って、岩手の農林水産物のおいしさや魅力を最大限アピールしていきます。
 

(3)着実に前進する「未来に追いつく復興」

「未来に追いつく復興」。それは、2011年の3月11日の時点に、復興計画期間であります8年をかけて戻るということではなくて、この8年後の岩手のあるべき姿をビジョンとして描き、その未来に8年かけて追いついていく復興を推進していくというものです。
この「未来に追いつく復興」を象徴する事業を紹介します。
 

《復興道路の整備》

岩手が復興したその時の姿。「未来に追いつく復興」を成し遂げたその後の岩手の未来を描くときに、「復興道路」が重要な軸となります。
「復興道路」とは、三陸沿岸地域の縦貫軸と、内陸部と三陸沿岸地域を結ぶ横断軸の高規格幹線道路等の総称です。復興道路は震災後、国の「復興のリーディングプロジェクト」としてかつてないスピードで整備が進められています。
平成24年11月、震災後初めての開通となる東北横断自動車道釜石秋田線「宮守~東和」延長23.7キロメートルが供用開始されたのを皮切りに、平成25年10月には三陸沿岸道路「普代道路」延長4.2キロメートル、平成26年3月2日には「尾肝要道路」延長4.5キロメートル、3月23日には「高田道路」延長4.1キロメートルと、次々と供用開始されています。
震災後に国が新規事業化した区間におきましても、8月24日、宮古盛岡横断道路「平津戸松草道路・区界道路」の起工式が行われ、これによって、新規事業化区間を含めて、県内の復興道路はすべて着工となっています。
これまでに、復興道路の計画延長393キロメートルのうち、123キロメートル、31%が供用されています。平成30年代前半には概ね完成する見込みです。
三陸沿岸地域の復興と安全・安心を確保し、災害時などにおける確実な緊急輸送や代替機能を確保するとともに、水産業の復興や本県の産業振興を支援する高規格道路ネットワークができつつあり、「未来に追いつく復興」の確かな基盤となります。
復興道路が完成すれば、都市間平均所要時間が短縮されます。例えば、東西方向では、盛岡-宮古間はおよそ105分から90分に、花巻-釜石間は110分から80分にそれぞれ短縮されます。沿岸部の南北方向では、久慈-宮古間がおよそ105分から70分に、35分短縮さます。宮古-大船渡間は110分から85分に短縮されることが見込まれます。
 

《ILC(国際リニアコライダー)の実現》

今月、フランス・スイスを訪問した際に、ジュネーブの欧州原子核研究機構(CERN)を視察しました。世界中から集まった人たちが円形大型加速器を使って研究をしています。岩手にこのような施設が建設されますと、復興という面でも、地域の底力を引き出しながら世界とのつながりをより強めていく象徴的なプロジェクトになるとあらためて感じました。
CERNでは、ロルフ・ホイヤー所長、ILC関係の研究者の世界的組織であるLCC(リニアコライダー・コラボレーション)の責任者リン・エバンス博士と会談をし、岩手県の取組の状況を説明しました。
ホイヤー所長からは、日本がILCを建設することへの期待感が示され、エバンス博士からは、「北上山地は科学的にも技術的にも完璧である。日本政府の早い決断が必要。」と対応を急ぐべきという趣旨の発言がありまして、私からは、政府に早期決断を働きかけていくという考えを伝えました。
今、国においては、ILC計画の実施の可否判断に関する調査検討費を今年度5,000万円、平成27年度の概算要求では1億円を計上しており、引き続き、政府のILC実現に向けた意思表明を後押ししていきたいと思います。
ILC建設実現に向けた機運は着実に高まっています。6月に開催した県ILC推進協議会主催の公開ILC講演会において、ILC実現に向けて「オール岩手」で力強くまい進することを決議しました。9月に盛岡商工会議所のILC実現検討会議がILC実現のための提言をまとめるなど、民間をあげて盛り上げていただいていることにあらためて感謝したいと思います。
詳細設計の国際会議が9月に一関市と奥州市で開かれました。ILC建設をより現実的なものにしていく作業を、官民、そして研究者の皆さんも進め、地元でも進めていくということで、確かな流れをつくっていけると思います。
 

《三陸ジオパークを日本から世界へ》

平成25年9月、三陸ジオパークが日本ジオパークに認定されたことは、三陸地域にとって大きな希望です。推進協議会が先進地域のジオパークの事例を学びながら、これまで以上に三陸ジオパークの魅力向上に取り組み、それを三陸地域の活性化や持続可能な地域づくりに結びつけていきます。
フランスで復興報告会を行った際、将来的な三陸ジオパークの「世界ジオパーク」認定に向け、ユネスコと世界ジオパークネットワーク関係者との懇談を行いました。
今、日本国内では、7地域が世界ジオパークとして認定されています。三陸地域の風光明媚な自然景観に、ジオ(地球活動)という新たな切り口で、科学的な知識や歴史・文化に関する情報を掘り下げて楽しもうという三陸ジオパークの活動、それは、三陸が観光・地域づくりで未来に向かう創造プロジェクトであり、「世界ジオパーク」の認定を目指して活動を進めていきます。
 

《希望郷いわて国体・希望郷いわて大会》

復興の象徴として平成28年に開催します第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」、第16回全国障害者スポーツ大会「希望郷いわて大会」の準備は着実に進んでいます。県内の経済団体、関係団体、各市町村、さらには全国の関係機関、団体からのご支援、ご協力にあらためて感謝申し上げます。
「オール岩手」の体制で、全国の皆様を心のこもった温かいおもてなしでお迎えし、大震災からの復興に向かって力強く前進する岩手県の姿を見ていただくとともに、全国からのご支援に対する感謝の気持ちをしっかり伝えていきたいと思います。
岩手県としては、天皇杯8位以内の順位を獲得すべく、選手の育成・強化に努めているところです。これは2020年東京オリンピック・パラリンピックにもつながっていきます。
冬季国体の開催は平成28年1月からで、もう来年度、すぐそこまで迫ってきています。両大会、さらには冬季国体の成功に向け、皆様の一層のご協力をお願いいたします。
 

《平泉の世界文化遺産》

「未来に追いつく復興」を進める上で精神的な支えとなっているのが平泉の文化遺産です。
震災の3ヶ月後、平成23年6月29日に世界遺産に登録されて今年で3年になります。今年3月、条例で世界遺産登録日である6月29日を県の記念日といたしました。
「平泉世界遺産の日」。この制定は、世界共有の平泉の価値と理念に思いを寄せ、平泉の理念を胸に復興に取り組み、そして平泉の文化遺産を将来にわたって守り伝えていくという私たちの誓いです。
そして、柳之御所から出土したカエルの板絵が実体化したキャラクター「ケロ平」。今年は着ぐるみキャラのように、私が県内小学校に出向いて行う「平泉授業」にも登場して、子どもたちにも人気です。平泉に親しんでもらうPRに一役買っています。
 

《新たなチャンネルでの情報発信》

これまでお話ししたような復興の現状や、県の将来につながるプロジェクト、さらには様々な岩手の魅力について、インターネットを活用した新しいタイプの情報発信を行っています。
まず、ニコニコ動画「いわて希望チャンネル」という生放送を行っています。私も出演をいたしまして、昨年(平成25年)11月から月1回放送し、11月25日の放送で13回目、1周年を迎えたところです。
それから、スマートフォン向け無料アプリ「e!いわて」は、簡単な操作で被災地の復興情報が入手できます。
是非ご利用いただければと思います。

3 岩手における地方創生

さて、ここからは、岩手におけるいわゆる「地方創生」についてお話をします。
「地方創生」は安倍内閣の重要政策とされており、地方の人口減少問題の克服や地域経済の活性化を目指すものであります。安倍首相を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を設置して、地方創生担当大臣も新設されました。
人口減少問題が全国的に注目を集めたのは、前岩手県知事、そして元総務大臣の増田寛也さんが座長を務める日本創成会議が5月に発表したレポートがきっかけでありました。このレポートには、いわゆる「消滅可能性自治体リスト」が掲載され、これが日本の地方自治界を大きく揺るがしました。岩手県では、33市町村のうち、被災沿岸部はじめ8割に当たる27市町村がリストに入っており、危機感を新たにした自治体も多かったところであります。
 

(1)人口減少問題の本質

日本創成会議のレポートは、“著しい人口減少イコール自治体消滅”という扱いをしているところなど問題はありますが、意義は大きかったと思っております。
それは、第一に、人口の東京一極集中を国全体の国民的な課題であると大きく取り上げたこと。第二に、人口減少の要因として、「若者・女性の生きにくさ」という課題があるということをはっきり取り上げたことであります。
すなわち、人口減少問題といいますのは、本質的には将来の問題というよりも、今目の前にある問題でありまして、ひとつが「東京一極集中問題」、もうひとつが「若者女性問題」です。
東京一極集中問題というのは、裏を返すと「地方からの人口流出」ということであります。私が知事に就任した平成19年当時、岩手県は危機的状況にございました。人口の流出、そして所得の低迷、雇用の悪化、医師不足に象徴される医療崩壊というものを「4つの危機」と位置づけまして、県の総合計画の柱にもし、7年半取り組み続けているところです。
そして、出生率の問題も、若者女性問題、若者・女性の生きにくさの問題でありまして、就職のしにくさ、結婚のしにくさ、家庭の持ちにくさ、子育てのしにくさといった、今目の前にある解決すべき問題であります。
 

《危機を希望に》

この大きく分けて2つの問題のうち「若者女性問題」への対応については、後ほど詳しく述べることとしまして、まず人口流出の問題であります。これと関連する所得の低迷、雇用の悪化、医療崩壊、あわせて「4つの危機」に対して、『危機を希望に』というスローガンのもと、知事就任直後から取り掛かったわけであります。
その結果、4つの危機に関連する指標は、着実に改善が見られておりまして、まず、人口の社会減については、平成19年に6,881人であったものが6年連続で縮小し、平成25年には2,226人ということで、人口流出の流れを改善することができました。
県民所得については、国の一人当たり所得を100とした場合の岩手県の所得水準が、平成19年度には81.2であったものが、平成24年度には92.5となっており、着実に格差は縮小してきています。国に対する割合が90を超えるのは統計開始以来初めてであります。
雇用環境については、月間平均の求人不足数が、平成19年度は8,921人の求人不足でありましたが、平成25年度には逆に1,525人求人数が求職者数を上回り、求人不足は解消しているところです。
医療については、人口10万人当たりの病院勤務医師数が、平成18年には112.3人だったものが、平成24年には124.6人となっており、11%ほど増加しています。
 

《過去30年間の岩手県の社会増減数と有効求人倍率全国差の推移》

「過去30年間の岩手県における人口社会増減数」と「有効求人倍率全国差の推移」を合わせて見ますと、かなりの程度相関関係があることがわかります。岩手県では、有効求人倍率が全国より低い1980年代後半や2000年以降は大きく社会減となっています。
一方、90年代前半のバブル崩壊の後、岩手県の有効求人倍率が全国よりも高い期間は社会減が抑えられ、特に1995年には329人の社会減にとどまっています。ほとんど社会減がなかった、人口流出がなかったというような年もあったわけでありまして、地方の景気や雇用が都会に比べて悪くなければ、人口流出が抑えられると言ってもいいと思います。
1990年代は、バブル経済で不景気になったところから回復するための緊急経済対策がかなり手厚く行われまして、岩手県だけではなく全国的に地方経済が改善して、全国的に人口流出が止まった時期であります。道府県によっては人口流出が人口流入に転じたところもあります。
2000年代になって、日本全体としてはいざなぎ景気を超える景気上昇局面と言われたわけでありますけれども、その間、実は地方の経済は横ばいかあるいは微減でありまして、東京一極集中型の経済成長が続いてしまったために、日本中で地方からの人口流出が悪化しました。
その後、リーマンショック後の緊急経済対策で地方の経済が相対的によくなりまして、これも日本全体で地方の人口流出が改善するということが起きています。地方の努力とともに、国が地方重視の適切な経済財政政策をとれば、人口流出は止められるということがデータとして表れています。
経済対策の中で効果があるのが財政政策でありまして、国が積極財政を行いますと、地方経済も良くなって人口流出も緩和される。逆に緊縮型の財政再建優先の政策が採られますと、地方経済が悪化して人口流出も悪化する。
したがって、政府が進める「地方創生」が、「人口問題」の対応と「地方経済の再生」をセットでやるというのは理にかなっているわけであります。特に、地方経済の再生ということで政府にできること、また政府がすべきことはかなりあるわけでありまして、それを躊躇せずにやってほしいと思います。
 

《岩手県人口問題対策本部》

なお、岩手県の人口流出について、平成19年から25年まで6年連続で改善したということを先ほど述べましたが、今年(平成26年)の10月1日現在の最新値が先週公表されておりまして、県全体の社会減が2,994人と、昨年よりも768人多くなってしまいました。
復興事業が行われて、復興需要の経済効果がある岩手県におきましても、今年の6月以降、有効求人倍率が全国平均を下回り始めました。これが社会減の拡大傾向になったと分析しております。これは岩手だけではなく、全国的な傾向でありまして、それほど地方経済が都会に比べて悪いということだと思います。
こうした状況もありまして、岩手県の人口問題について更に力を入れて取り組んでいかなければならないということで、今年6月、知事を本部長とする岩手県人口問題対策本部を立ち上げて、7月には県と市町村との連絡会議も立ち上げました。
9月末に、対策本部として「中間報告」を取りまとめ、早急かつ重点的に取り組まなければならないこととして、出生率の低迷対策と、若者の人口流出・UIターン対策を中心とした施策をまとめて公表しました。現在、この「中間報告」をたたき台に、全県を複数エリアに分けて各市町村との意見交換を行っています。
12月には「里山資本主義」で有名な藻谷浩介さんを招いてご意見を伺う、また、引き続き県内の民間や団体の方々から意見をいただくなどしながら、今年度内に「人口減少問題に対する施策の方向性」を取りまとめることとしています。
岩手県は、復興という、ふるさとを消滅させないための取組を、地方と国、民間と行政が一体となって進めています。そのノウハウ、蓄積を活用し、“ふるさと消滅の流れ”を逆転させて、全国におけるリーディングケース、先進事例となればと思います。
 

《人口が転出超過となっている団体は、出生率が高い傾向》

なお、人口が転出超過となっている自治体は、一般的に出生率が高いという傾向にあります。これは市町村にも当てはまり、岩手県内で消滅可能性が高いと指摘されている市町村は、実は全国よりも出生率が高いという傾向があります。
これは、出産や子育てが、家族・地域の助け合い、ゆとりある生活、豊かな自然環境など、経済指標には現れない様々な要因が影響しているからと考えられます。政府は、少子化対策を考えるうえで、こうした地方が持っている有形無形の地域資源の有効活用を図るための政策転換も必要であります。
 

《北海道東北地方知事会議》

地方創生・人口減少問題については、地方から国に対し、具体的な政策の提案を行っていかなければなりません。
10月27日~28日に札幌市で行われた北海道東北地方知事会議において、岩手県が主導してまとめました「地方創生のための人口減少問題に関する決議」を採択しました。一昨日の11月26日、私が北海道・東北・新潟県の8道県を代表して国の関係省庁に出向いて、要請活動を行ってきました。併せて、岩手県の人口問題対策本部の「中間報告」を元にして、より具体的な内容に踏み込んだ岩手県独自の「要望・提言」もセットで説明し、要請をしてまいりました。
国の政策と地方側の努力・工夫が一緒になれば、今までできなかったような抜本的で構造的な人口減少対策を行うことができるはずでありまして、内需拡大型の経済社会構造に転換をし、地方が主役になる「地方創生」、ひいては国全体の発展ということを実現するチャンスだと思っております。
 

(2)地方経済の構造改革

先ほど、「地方創生」というのは、「人口問題」への対応と「地方経済の再生」をセットでやるべきという話をしましたが、ここでは、「地方経済の再生」に向けた「構造改革」について述べたいと思います。
地方創生に向けて国がやるべきことは、地方経済と都会経済のバランスをとる経済政策、そして若者・女性の生きにくさを解消する社会政策であります。そして地方は「オンリーワン的な地域振興策」を工夫するということが役割であります。
今週11月25日に、県と地元金融機関による岩手県金融懇談会を開催し、講師として、国の産業再生機構のCOOを務め、岩手県の県北バスや浄土ヶ浜パークホテルの再建にも携わった冨山和彦さんをお招きして、講演会と意見交換を行いました。冨山さんは、国の「まち・ひと・しごと創生本部」の有識者委員でもありまして、政府が進める地方創生政策が真に有効な手立てとなるよう貢献いただきたいと思っています。
冨山さんは、経済はグローバル経済(G経済)とローカル経済(L経済)に分けることができ、日本のGDPと雇用の7割を占めるのがローカル経済、L経済なので、そこを良くしていかないと日本経済はうまく行かないということを指摘しています。
日本経済にとってグローバル経済も大切なのですが、例えば、自動車の消費が日本国内で伸び悩んでいるというように、この日本のGDPの7割を占めるローカル経済が縮小しますと、自動車を作っているようなグローバル企業も困ってしまうということで、ローカル経済の成長が日本にとって重要であります。
 

《あるべき地方経済の構造改革》

言い換えると、地方の経済社会を内需拡大型に構造改革していくということが重要であります。
構造改革といいますと、グローバル化に対応するために、徹底したコストカット、給与カットなどによって低価格競争にしのぎを削るようなことが一般にはイメージされるわけでありますけれども、この地方経済における「あるべき構造改革」というのは、むしろ賃金を高くして人手を確保し、人を育て、高くても売れるような財やサービスを工夫し、内需拡大を図っていくということだと思います。
特に、現在のような「人手不足経済」を前提にしますと、そのような構造改革がなおさら必要であります。復興の現場はもちろんですけれども、今、日本全国で人手不足状態に陥っています。このような人手不足状態の中で、安い賃金でブラック企業的に人を働かせるというようでは、かえって経済がうまく回らないということが見えてきています。
従業員一人ひとりの生産性を高めて、高い賃金を支払えるような、そういう事業所に人が集まるというような、人手不足経済を克服するローカルな経済構造改革ということが、今、必要とされています。
 

《オンリーワン的な地域振興策》

岩手県では、内需拡大型の「オンリーワン的な地域振興策」については、例えば、「6次産業化」の推進に取り組んできています。地域の農林水産物など地域資源を活用して、6次産業化などで付加価値を高め、収入・所得を増やしていく。このような「里山資本主義」的な地方発の内需拡大型経済構造改革を、私たちは「アマノミクス」と呼んでおります。
地元の海でウニを獲り、ウニ弁当にしてローカル鉄道の中で海女の格好をして売るというような、地域資源を有効活用し、付加価値を高め、収入・所得を高めていく。これが人口減少対策、定住政策の基本となるわけであります。
 

《本県における6次産業化の取組例》

そのような岩手県の6次産業化の実践事例をいくつか紹介しますと、久慈市の田村牧場では、自家生産の牛肉を活用した加工品の開発と、直営レストランを運営して、生産物の高付加価値化とブランド化を実現しています。盛岡市の佐々恵(ささけい)農園では、IT企業と共同で有限責任事業組合を設立。少品目大規模栽培に逆行し、多品目小規模栽培で差別化を図り、旬の野菜の穫れたての味、1,000粒から60粒しか収穫できない「超希少いちご」など、付加価値を高めてインターネットを通じて販売。地元農産物の加工品開発、首都圏でのPRも行っています。
この他にも、三陸沿岸海域で漁獲されている水産資源の高付加価値製品化の取組など、岩手県における6次産業化の取組例は多く、県内各地で芽が出つつあります。こうした6次産業化の取組を積極的に支援していくということで、所得と雇用を確保し、若者が集落に定住できる地域社会の構築につなげていきます。
 

《農村の地域コミュニティの基盤強化》

農業・農村の活力は、内需拡大型のローカル経済、地方が主役の豊かな地域づくりにつながります。農村の地域コミュニティの基盤は、岩手の農業の基幹品目である米づくりであります。米づくりがしっかりしていないと、農業・農村は活気を失い、人口減少、さらに地域コミュニティの崩壊にもつながりかねません。
現在、消費の減少などによって、平成26年の県産米の概算金が過去最低となり、米価が下落するという厳しい環境におかれています。11月2日のいわて未来づくり機構ラウンドテーブルでも緊急宣言を採択しました。「食べよう!いわての美味しいお米。」。これをキャッチフレーズに、岩手のお米を食べようという県民運動を進めながら、県外にもPRをしてまいります。
 

《Region to Region ~県域を超えた連携・交流》

県どうしの、地域対地域(リージョン トゥ リージョン)の連携・交流を進めています。
例えば、岩手、鳥取、徳島の三県地域連携事業「怪フォーラム」。これは「妖怪文化」というテーマで共通する三県のコンテンツをより効果的に発信しようということで、平成24年度、岩手県遠野市でフォーラムを開催したのを皮切りに、25年度は鳥取県境港市、そして今年度は11月23日に徳島県三好市で開催されました。それぞれ観光物産展や郷土芸能の演舞なども通じまして、地域資源や歴史文化の効果的な発信、また、ファンによる聖地巡礼の集客にも結び付けようという取組です。
この他、「まんが」で地域振興を進める高知、鳥取両県とも、様々な機会を通じて連携、交流を進めています。東京一極集中型の経済とは異なる、地方や地域間のネットワークを形成することも、地方創生の取組と考えています。
 

《東アジアとのR toRの経済交流 ~外需の取り込みも促進》

さらに岩手県は、海外、特に東アジアとのリージョントゥ リージョンの経済交流も推進しています。
中国とは、大連市と平成19年に「地域間連携の推進に係る協定」を締結し、人事交流も行っています。また、2010年(平成22年)の上海万博出展の縁で、雲南省プーアル市や上海の企業等との取引が広がり、岩手県の伝統工芸品である南部鉄器の売上げが大きく伸びています。
また、中国や台湾のほか、マレーシア、シンガポール、タイなどでも定期的に県産品フェアなどを開催しまして、水産物、米、りんご、日本酒、お菓子などの加工食品を輸出しています。
海外観光客では、台湾からの観光客が岩手県を訪れる海外観光客数全体の半数以上を占め、東北6県では割合、人数とも最も多いです。今後、更に花巻空港と台湾との定期チャーター便を増やすなど、様々なチャネルで、一層の交流促進を図っていきます。

4 岩手の未来を切り拓く若者と女性の力

岩手における人口減少対策、地方創生で鍵を握るのは、若者と女性の活躍です。若者や女性の活躍を、県としても力を入れて促進、支援しています。
組織・体制面では、昨年(平成25年)9月の企画参与、特命課長の設置に続き、今年(平成26年)4月の組織改編で環境生活部の中に新たに「若者女性協働推進室」を設けました。事業・プロジェクトでも、若者支援プロジェクトや女性支援事業としてそれぞれ多岐にわたる事業を実施中です。
 

《H26「若者支援プロジェクト」の基本的な考え方》

まず、若者支援プロジェクトです。県が行った青少年に対する意識調査によりますと、震災前に比べ、社会貢献に対する意識や住んでいる地域に対する愛着が増加しています。そして、9割以上が「自分が住んでいる地域が好き」と答えています。
こうした若者の地元志向の高まり、復興への支援、そして、「あまちゃん」効果等による交流人口の増加などを踏まえて、若者支援プロジェクトの方向性としては、若者自身に内在するパワーを引き出し、個々の若者を有機的に連結・ネットワーク化することにより、若者が行動するための大きなエネルギーとして増幅させるという方向で、若者が主役になって躍動し自己実現を果たすことが、若者や文化を中心とする地域振興、「クリエイティブいわて」の実現、すべての世代が元気な地域社会につながるというコンセプトで取り組んでいます。
 

《若者活躍支援の取組スタート》

今年(平成26年)2月にはキックオフ・イベントとして「いわて若者会議」を開催しました。県内の様々な分野で活躍する若者たちが集い、盛岡出身の映画監督 大友啓史さんを招いてトークショーを行い、また、若者どうしの活発な交流、議論等を行いました。
来年(平成27年)2月にも、「地域づくり」をテーマに、「いわて若者会議」の全体会議を盛岡で、そして「地域サロン会議」を県内4カ所で開催することとしています。
また、県庁内には「庁内若手職員による若手施策研究会」、通称「若手ゼミ」を設置しました。若手らしい自由な発想で、岩手を元気にするための政策について検討しています。
 

《若者構想実現助成事業(いわて若者アイディア実現補助)》

また、「若者構想実現助成事業」を実施しています。この事業は、若者のアイデア・夢の実現に向けた資金を県から全額助成するというもので、1団体当たり最大で30万円を交付するものです。
5月からアイデアを募集し、各企画について6月にプレゼンを実施しました。そして審査の結果、震災復興の分野で2件、地域づくりの分野で8件、計10件を補助対象として決定しました。
このうち、震災復興をテーマとした「煙が円(輪)になり縁になる!野田村と未来をつなぐプロジェクト」という事業は、震災の月命日8月11日に、被災地で一斉に花火を打ち上げる「LIGHT UP NIPPON」という全国規模のイベントを野田村でも行うに当たって、地元の若者たちが中心となって企画したものです。
当日は、天気にも恵まれ、多くの人で賑わいました。花火や三陸鉄道の臨時列車の運行のほか、地元の中学校と高校では、復興教育の一環として、復興支援活動のドキュメンタリー映画の上映や復興を考える特別授業なども行われました。
 

《いわて若者文化祭》

そして11月15~16日の土日には、盛岡市内のプラザおでって、ナナック、肴町商店街の3会場で、岩手県として初めての「いわて若者文化祭」を開催しました。県内外から74団体の若者の参加がありました。郷土芸能、バンド演奏、創作ダンスなどのステージ発表。伝統工芸、デザイン、アニメ、食などのブース出展。様々なジャンルの出し物が披露されました。
この「いわて若者文化祭」の開催目的は、「(1)次代を担う若者に、日頃培った文化芸術の発表の場を提供するとともに、文化活動を通じた交流の場を創出すること」、「(2)復興とその後の岩手の未来に向け、若者による文化活動がさらに活発になることにより、日々の生活に潤いが生まれるなど生活の質や地域の魅力が向上すること」、そして「(3)県全体の文化芸術の新たな魅力を高め、県の情報発信力を強化すること」でありまして、十分その目的は達成されたと思います。
若者たちが地域や所属を超えて、広く交流できたことは非常に有意義だったと思います。そして、新聞の取材、報道、また、ツイッター、フェイスブックなどで、参加した若者の声として、「あらためて岩手を好きになった」、「ますます岩手を好きになった」という声が多く聞かれました。このことだけでも成功と言っていいのではないかと思っております。
 

《3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業》

「若者支援プロジェクト」の事例といたしまして、商工労働観光部所管の新規事業「3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業」を紹介します。
3Dプリンタを活用した高付加価値製品の開発について、県内企業の理解増進を図り、三次元造形技術を有する若手技術者等を育成、支援するという事業です。
11月5日、「いわて3Dプリンタ活用研究会」の設立会を開催して、ものづくり関連企業や大学、行政機関など約50団体が参加しました。事務局は岩手県立大学地域連携室にありまして、3次元造形技術を研究するとともに、構成員間の研究や実績を情報共有しながら、3Dプリンタを活用する人材育成や製品開発の促進を目指すこととしています。
このような新しい取組のほかにも、昨年度に引き続いて、若者の就農支援事業でありますとか、また、グローバルネットワーク人材の育成事業といったことも実施しています。
 

《いわて女性の活躍促進連携会議》

次に、女性の活躍について。去年この会で、県の取組として、「モノづくりなでしこ」という自動車関連企業の若手女性後継者グループの活動や、また、東京のいわて銀河プラザでの販売促進活動を行う女性グループ「anecco.(あねっこ)」、そして県産品のプライベートブランド「ペッコ」を開発した「岩娘會(がんこかい)」の取組を紹介しました。
今年度は、さらに女性の活躍を推進することで復興の加速化を進め、ひいては地域経済の活性化に寄与することを目的に、5月、県内の経済団体・産業団体等17団体で構成する『いわて女性の活躍促進連携会議』を発足させました。女性関係としては、岩手県初の本格的な官民連携組織でありまして、発足当日には、内閣府男女共同参画局の佐村知子局長に講演をいただきました。
7月15日にはキックオフ・イベントを開催し、「女性の活躍 わたしの場合」と題し、田中俊恵岩手県警察本部長、そして、吉田ひさ子岩手県中小企業家同友会代表理事から講演をいただきました。
連携会議の具体的な活動に当たって、県内の事業所を対象に「女性の活躍促進に関するアンケート調査」を行いましたが、その結果によりますと、現状として、女性管理職が全くいない事業所が全体の45.7%。そして、女性登用目標がある事業所は、全体の9.1%でありました。女性管理職または女性役員が登用されていない事業所にその理由を尋ねますと、「十分な経験・能力を有する女性がいない」が35.8%、「適当な職種・業務がない」が22.0%となっています。
また、「女性の能力発揮のためにあれば良い行政施策」という設問には、「仕事と家庭の両立支援」が約7割、「保育サービスの充実」が5割強、そして「女性に対する意識啓発」、「教育訓練の充実」、「男性や事業主に対する意識啓発」が必要という回答が続きました。
これらの調査結果を連携会議の構成団体間で共有して、県内官民あげて女性の活躍を推進していきたいと思います。
 

《浜のコミュニティ再生支援事業「いわての浜料理選手権」》

その他の取組としては、男女共同参画をリード・サポートする人材育成事業や、家庭・地域・職場において女性の個性と能力を発揮する観点からの事業など、多岐にわたる事業を実施しています。
このうち、農林水産部の新規事業であります「浜のコミュニティ再生支援事業『いわての浜料理選手権』」を紹介します。これは、女性の活力を、被災地の浜の賑わいやコミュニティ再生など復興に活かしていくもので、各地区の漁協の女性部ごとにチームを結成し、県産水産物を主材料として、1食概ね500円以内の材料費で料理の腕を競うというものです。
先月、久慈、宮古、釜石、大船渡地区ごとに予選大会を実施し、各地区の代表1チームが1月に開催する県大会に出場することになりました。最優秀チームは岩手県知事賞を受けることになっています。この事業には、アドバイザーの五日市知香さんも参加し、6次産業化に向けたアドバイスをいただいています。
 

《復興=「ふるさとを消滅させない」》

以上、岩手県の復興の現場をはじめとする全県各地で、若者や女性が益々活躍できるようになるための県の施策についても紹介をしました。
「復興」というのは、まさに「ふるさとを消滅させない」ということでありまして、若者や女性の「生きにくさ」を「生きやすさ」に、「住みにくさ」、「学びにくさ」、「働きにくさ」、「結婚しにくさ」を、「住みやすさ」、「学びやすさ」、「働きやすさ」、「結婚しやすさ」に転換して、人口減少に歯止めをかける必要があります。
このため、若者・女性支援のための政策手段を動員し、将来にわたって若者や女性が希望を持つことができ、「住みたい」、「働きたい」、「帰りたい」と思えるような環境を整えてまいります。

5 おわりに ~「あまちゃん2」を岩手のリアル世界で

今日の講演全体のまとめになります。
「地元の底力」+「様々なつながりの力」=「復興の力」であり、「地域振興の力」であるというのが、復興の公式、そして地域振興の公式であります。
若者・女性の力は、この中で重要な役割を果たすものでありまして、県としても強力に支援し、復興と地方創生を力強く進めていきたいと思います。
ちなみに、「あまちゃん」が終了して1年以上になりますが、県外から多くの観光客に来ていただいておりまして、「あまちゃん」効果はまだまだ持続しています。
8月30日から31日には、県内の「あまちゃん」ファンの方々の主催によって、「全国あまちゃんサミット」というイベントが開催されました。30日は、盛岡市内アイーナホールに県内外から約250名もの方々が参集し、夜は盛岡オフ会主宰のパーティー、翌日31日は久慈方面へのロケ地ツアーで三陸鉄道にも乗車するなど、盛りだくさんのイベントでありました。
1日目の30日には私も参加しまして、「あまちゃん」第1話を彷彿とさせる「くす玉割」のオープニング。私は最後に紐を引っ張る役でありました。
パネルディスカッションの中で、各パネリストの「最も好きな場面」というのを紹介するところがあり、私は、「夏ばっばがアキの背中を押してアキが海に飛び込むシーン」を選びました。
この「背中を押す」というのは、「あまちゃん」を通じて流れている大事なテーマのひとつであります。小泉今日子さん演じる春子が「今度は私が背中を押す番だね」と言ってアキをスリーJプロダクションの部屋の中に押し入れるシーンや、また、アキが春子に「今度は私が背中を押す番だ」と言って春子に社長業を続けさせるシーンなどもありました。
岩手におきましても、若い世代に活躍してもらうように、上の世代が若者の背中を押すこと、そしてまた、上の世代も一緒に海に飛び込んでウニを獲るということが大事であります。
「あまちゃん」の続き、「あまちゃん2」についていろいろ言われますけれども、今、「あまちゃん2」は、私たちが自分たちで現実世界の中の物語としてつくっていくものではないかと考えております。現実の三陸鉄道や現実の市町村、現実の観光協会、そして現実の地元住民が自分たちの未来をつくっていくことが「あまちゃん」の続きになっていくということであります。
100年経っても「あまちゃん」”。ということで、夏目漱石の「坊っちゃん」のように、100年経っても語り継がれるような名作に「あまちゃん」をしていきたいと思っております。
県としても、市町村と密接に協力・連携し、「地元の底力」と「様々なつながりの力」をより高める施策を打ちながら、担い手となっていく若者たちの背中を押していきたいと思います。
 
最後であります。このポスターは、「いわて☆はまらいん特使」に就任いただいている村上弘明さんと、陸前高田市の八木澤商店の河野和義会長です。
河野さんは全国太鼓フェスティバルの仕掛人でもありまして、また、震災後も地元で活躍する「地元の底力」を象徴する河野さんであります。
そして村上弘明さんは、岩手出身として全国区で活躍する「様々なつながりの力」を持っている村上弘明さんであります。
がっちりと肩を組んで、力強く復興に向かう、そういう姿であります。
「復興に向かって岩手は一つ!」。
市町村・県・国の行政、企業・団体・NPO等、県内外・国内外の皆さん、「本格復興」に向かって、力を合わせてがんばってまいりましょう。

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