平成28年度 第2回いわて復興未来塾を開催しました
ID番号 N50890 更新日 平成29年2月2日
平成28年度 第2回いわて復興未来塾を開催しました
平成28年8月7日(日)、宮古市民文化会館において、「平成28年度 第2回 いわて復興未来塾」を開催し、一般県民の方々、企業、NPO等支援団体、行政機関など約170名の方々に参加いただきました。
今回の未来塾では、『デフレの正体』、『里山資本主義』、『和の富国論』等の著作で知られる日本総合研究所調査部 主席研究員の藻谷浩介(もたに こうすけ)氏より「三陸地域における課題と地域振興方策」と題し、基調報告をいただきました。
続いて、岩手県立大学宮古短期大学部 学部長 植田 眞弘(うえだ まさひろ)氏をコーディネーターに、藻谷 浩介氏、山本 正德(やまもと まさのり)宮古市長、そして岩手県知事 達増 拓也の3名によるパネルディスカッションを行いました。「復興から希望あるふるさとへ~三陸の底力~」をテーマに、各パネリストから人口問題や地域の活性化、これからの三陸の振興等について活発な議論を行いました。
開催概要
日時
平成28年8月7日(土曜日) 14時00分から16時40分
場所
宮古市民文化会館「中ホール」(宮古市磯鶏沖2-22)
開催形態
主催 いわて未来づくり機構(事務局:岩手県復興局)
基調報告(テーマ「三陸地域における課題と地域振興方策」)
藻谷 浩介(もたに こうすけ) 氏 (株式会社日本総合研究所 調査部 主席研究員)
パネルディスカッション(テーマ「復興から希望あるふるさとへ~三陸の底力~」)
○パネリスト
藻谷 浩介(もたに こうすけ) 氏 (株式会社日本総合研究所 調査部 主席研究員)
山本 正德(やまもと まさのり) 氏 (宮古市長)
達増 拓也(たっそ たくや) (岩手県知事)
○コーディネーター
植田 眞弘(うえだ まさひろ)氏 (岩手県立大学宮古短期大学部 学部長)
講演録
パネルディスカッション
植田氏
・この三陸地域にはどれだけ地域振興に資する底力があるのか、改めて知事と市長に伺いたいと思う。
山本市長
・まずは宮古市の現状を話したい。宮古市もここ10年間で人口が減少している。出生率が低下することによる人口の自然減、そして高校生等が転出超過になる社会減等による就業者の高齢化が進んでいるのが現状。さらに、男性の未婚率が大幅に増加し、晩婚化が進行している。こうした状況からなかなか出生率が上昇しない状況。どのような形でまちづくりをしていくべきか、教育も含めて様々な観点から知恵を出し合いながらやっていく。平成27年の宮古市の人口について言えば、332人の転出超過があるが、自然減の494人から比べるとそれほど大きくはない。様々な要因があると思うが、やはり魅力ある街を作れば戻ってきてくれる人もいる。その魅力がどういうものかもしっかり探っていかなければならない。
達増知事
・去年の国勢調査の速報では、岩手県全体として人口は減っているが、この直近5年間の人口減少率は、前回の調査時よりも減少率が緩くなっている。また、近年、岩手県沿岸12市町村全体で20~24歳の人口が増えていたり、大槌町では出生率の上昇があるなど、希望が持てるデータもある。さらに、震災後、3年ほど前から高校生の県内就職率が上昇しており、これは気持ちの上でも地元に貢献したい、地元に残りたいという意識が高まっているのだと思う。様々な予測を裏切るような地元のがんばりというものがある。年齢別の階層が安定し、人口が増えもしないが減りもしないような安定した人口の状態に持っていくことが目標。しかし、いたずらに年齢の構成等を無視して人口を増やせばいいということではなく、社会としてバランスが取れるような人口の安定状態を目指す。
植田氏
・引き続いて、知事と市長にご出席いただているので、震災からの復興計画や、県あるいは全市町村で人口ビジョンやまちひとしごと総合戦略を策定して、ビジョンをお示しいただいているが、これまで震災復興に対して、どういった取組をされているのか、あるいは将来的にどこに力を入れて取組を進めていくのか。
山本市長
・宮古市が選ばれる、戻って来ることを選択していただけるまちづくりをするため、便利な地域、まずは環境を整えたい。三陸沿岸道路と宮古盛岡横断道路を供用し、また、北海道との間もフェリー航路についても整備を行い、交流・物流も含め、宮古市がもっと活発に動けるようなまちにしていきたい。その上で、転入者を増やしていくという方向で取り組みたい。そのためには街の条件整備が必要であり、子育てがしやすく住みやすく、そして様々な方々と交流がしやすい街になるよう取り組んでいく。
達増知事
・県でも若者が地元に残り、あるいは都会から岩手に若い人を中心に働き手がやってくるような経済社会構造を岩手の側に創らないといけない。そこで、岩手で働こう推進協議会というのを今年立ち上げ、オール岩手で、特に若者・女性の働きやすさ、雇用条件や労働環境をよくしていく。なかなか給与額で都会を上回るのは難しいが、岩手の方での生活費の安さ、自然の豊かさ、食べ物の美味しさとか、そういうものと相まって雇用条件、労働環境が生活とか環境とか全て取り巻くものも含めて岩手のほうが良くなれば人をこちらに寄せてくることができるということで、この協議会を軸にしながら働き方改革、これは被雇用者だけではなく、農林水産業に関しても働き方改革を進めて、より魅力的な働き方=生き方が岩手で出来るようにしていく。
質疑応答・意見交換
参加者の男性
・交流人口ということで出来るだけ多くの人が、三陸を訪れていただき、また、地元の観光その他の面で、地元経済にもつながるような形にしていきたいなと思っている。
参加者の男性
・陸は里海里山がたくさんあり、豊富な自然がある。しかし地元の人は食に対して鈍感、それを大事だと思わない。そういったもののブランド化なども目標としてやっていきたい。
参加者の女性
・知事がメディアでも話をしていた三陸防災復興博について教えていただきたい。
達増知事
・発想の原点は、三陸鉄道の南リアス線、北リアス全線運行再開のイベントだった。あれを今度は宮古~釜石間の部分も含めて行いたい。沿岸各市町村がひとつになってまさに地消地産の材料になるような地域資源を掘り起こし、それらをまた、全国からの岩手ファン、三陸ファン等に楽しんでいただく。それはひとつのイベントであると同時に、その後の岩手の全体の地域振興のひとつの開幕宣言のようにし、そこでアピールした地域振興の方向性を続けていき、岩手全体として復興からふるさと振興へと進めていきたい、そういう企画です。
当日の塾の様子
田老地区を視察する参加者
達増知事 開会挨拶
山本宮古市長 御挨拶
藻谷氏 基調報告
会場の様子
パネルディスカッションの様子
事前配布チラシ
関連リンク
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