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「第4回いわて復興未来塾」を開催しました

ID番号 N42145 更新日 平成28年1月27日

第4回いわて復興未来塾を開催しました

平成27年11月28日(土)、岩手大学工学部 復興祈念銀河ホールにおいて、「第4回いわて復興未来塾」を開催し、NPO等支援団体、学生、行政機関、一般県民の方々など約100名の方々に参加いただきました。
 
最初に、東京大学社会科学研究所所長 大沢 真理(おおさわ まり)氏より「復興:これまでとこれからを考える」と題して報告いただきました。各種統計データを交え、被災地の現状と問題点を説明していただき、対策として、女性や若者に必要とされる役割についてお話いただきました。
 
続いて、大沢所長をコーディネーターに、一般社団法人 KAI OTSUCHI理事長の平舘 理恵子(ひらだて りえこ)氏、釜石地方森林組合【釜援隊】の手塚 さや香(てづか さやか)氏、一般社団法人 おらが大槌夢広場 事務局長の神谷 未生(かみたに みお)氏の3名をパネリストに迎え、「女性が拓く三陸の復興」をテーマにパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、各パネリストがそれぞれの活動について報告するとともに、女性の視点から「定住のきっかけ」や「生活上の課題」のテーマについて報告者間で意見交換が行われました。また、会場からの質問についても、大沢氏やパネリスト3名それぞれの視点から意見を交わしました。
 
また、全体会終了後、交流会が行われ、達増知事をはじめ、多くの団体、民間企業、一般県民、学生団体等の方々の貴重な情報交換や交流会の場となりました。
 
今後も本塾の開催を通じて、より多くの方々の繋がりが生まれるよう取り組んでまいります。
 

開催概要

日時

平成27年11月28日(土曜日) 13時30分~16時30分

場所

岩手大学工学部 復興祈念銀河ホール(盛岡市上田4丁目3番5号)

開催形態

主催 いわて未来づくり機構(事務局:岩手県復興局)

 

基調報告(復興:これまでとこれからを考える)


大沢 真理(おおさわ まり) 氏       (東京大学社会科学研究所 所長)

 
 

パネルディスカッション(女性が拓く三陸の復興)


○コーディネーター
 大沢 真理(おおさわ まり)氏 (東京大学社会科学研究所 所長)

○パネリスト
 平舘 理恵子(ひらだて りえこ) 氏 (一般社団法人 KAI OTSUCHI 理事長)
 手塚 さや香(てづか さやか) 氏 (釜石地方森林組合【釜援隊】)
 神谷 未生(かみたに みお) 氏 (一般社団法人 おらが大槌夢広場 事務局長)

 

講演録

大沢所長基調報告


・これまでの復興について整理すると、被災3県では人口減少に歯止めがかかっているとは言い難い。また、産業の復旧と復興についても、売上が震災直前の水準に回復したとは言えず、業種によりかなりばらつきが生じており、かつ、特に岩手については工業立地が増えていない。総じて、復興の進捗には地域格差が大きいように思われる。
・かたや日本全体でみると、例えば、安倍政権下の実質GDP成長は決して順調ではない。また、鉱工業生産指数では2010年の水準を超えることが難しく、岩手県・宮城県とも一時期を除いてその指数は全国を下回る。つまり、復興が加速しているとは言いづらい。
・雇用情勢は順調ともいわれるが、特定のスキルを持っている人の数が地域によって極端に少なく、雇用主側の需要を満たせていなかったり、一般事務職の求職者数が多いのに、求人が乏しかったりして、バランスのとれた雇用状態にはなっていない。また、雇用の増加は非正規が中心で、正規の数は民主党政権末期のレベルを回復していない。
・一方、実質賃金の推移をみると、岩手県は2015年2月から改善が見られる。
・東日本大震災によって変わった事は、(1)防災にかえて減災という理念、(2)被災地に物質が届きにくい状態になったことなどから、東京一極集中への反省、(3)エネルギー政策における「脱・原発依存」、(4)女性の参画や多様性配慮の重要性の認識、などがあげられる。
・やや長期の国内的背景では、1950年代末から災害被害では例外的に幸運な半世紀を過ごしており、その間に経済大国となり、1990年代以降は東京一極集中となり、原発依存の体質が作られた。
・国際的にみると、(1)災害が大きいほど女性の被害が大きく、男女格差が大きい社会ほど災害被害にも男女格差が表れる、(2)災害時には性的分業が強化されがちで、女性の無償労働が増え、モノへのアクセスが女性に不利になる、(3)災害後は女性への暴力が増加する、(4)災害リスクを軽減するうえで、女性の力は大きい等が認識されてきた。
・災害被害の大きさは、(「脆弱性」×「ハザード」)÷「回復力」で表すことができる。「ハザード」(地震の震度や台風の中心気圧のような自然の力)の大きさは人間の力でコントロールできないが、人間の力でコントロールできる「脆弱性」や「回復力」に取り組むことで、災害被害を抑えることが出来るはず。脆弱性や回復力の構成要素は、資産へのアクセスとコントロール、社会組織・規範、政策、変動などである。
・ハザードに対する脆弱性を軽減するという観点から、2005年の防災世界会議が採択した兵庫行動枠組では、女性の有する大きなパワーを活用するという観点から、あらゆるリスク管理政策・計画の決定過程にジェンダー視点を取り入れ、女性や脆弱な人々に訓練や教育機会を平等に与えることが肝要とされた。さらに2015年3月に仙台で開催された防災世界会議の仙台行動枠組みでは、全ての政策や実践にジェンダー・年齢・障害・文化の観点を含め、女性・若者のリーダーシップを高めることが大切であるとされた。
・以上を背景として、男女共同参画基本計画や中央防災会議の防災基本計画に「男女双方の視点」が盛り込まれることとなった。しかし、県レベル・市町村レベルの実態としては、復興会議や防災委員会の女性メンバーは少なかった。これが、東日本大震災を契機として、増加に転じた。
・復興のこれからを考えると、災害被害をあらかじめ軽減するには社会的脆弱性を軽減する必要があり、そのためには各種施策の中に真の住民参加を盛り込むことが重要である。関連して「地域包括ケア」「子ども・子育て支援新制度」「子どもの貧困対策法」「生活困窮者自立支援法」「「ひと、まち、仕事」の地方版総合戦略」等の各種法律が成立している。
・地域が活力を持つためには、若い女性が定着しているか否かが大きい。若い女性が東京に流入超過であり、地方へ戻ってこないことが一つの問題となっている。地方へ戻ってもらうには地方の色々な魅力を創出していく必要がある。

パネルディスカッション

活動報告
 
平舘氏ご報告


・なじみのある沿岸部が壊滅的な被害を受け、震災直後から、長期的に被災地大槌町に役立つ仕事がないかと考えていた。
・大槌町、大学が連携した人材育成プロジェクトから(一社)KAI OTSUCHIが生まれ、ICT関連事業を中心に地域活性化・ICT関連の人材育成事業も手掛けている。現在11人で活動しており、約半数は女性。
・カメラアプリ、読み聞かせ絵本アプリ、大槌町観光アプリなどの各種アプリ、3D CAD(復興計画のイメージを持ってもらう目的がある。)の開発を行っている。
・大槌町をICT分野で盛り上げていきたいと考えている。
・それによって、人口流出・過疎化が進んでいるところに、少しでも歯止めをかけるきっかけをつくりたい。

手塚氏ご報告


・かつて盛岡に勤務していたことがあり、震災後はボランティアとして被災地で活動してきた経緯がある。
・所属団体である釜援隊はメンバーがそれぞれ釜石市内の別団体に所属し、面としての復興支援を行っている。
・林業が若い人を安定的に受け入れられるようにすることによって、少しでも人口の減少に歯止めをかけられるのではないか。また、外からの人との交流を深めることによって、地域が存続し、活力が出るのではないかと考えている。
・自身が活動している「釜石地方森林組合」が伐採した杉で作った枡に、ロゴを入れる作業を、引きこもりの方々を雇用しているNPO法人に発注しており、少しでも産業振興、雇用創出に貢献していきたい。
・移住をしたい人の支援を行いたいと考え、「岩手移住計画」活動を開始。具体的にはUIターン者や復興支援にかかわる人たちの交流会の企画運営、移住者アンケート・暮らしサポート事業、県のUIターンフェアでのブース対応の実施等を行っている。
・今後は、復興支援員の方々などの定住支援や定住に際しての悩み相談受付などを行っていきたいと考えている。

神谷氏ご報告


・震災の8か月後に、まちづくりを目的に町民による一般社団法人を立ち上げた。
・復興支援団体は設立当初はある意味勢いがあるが、その後、団体を維持・継続させることは難しい。そこでメンバーで色々と論議し、2年ほど前からツーリズム事業一本で走ろうと決めた。ツーリズム事業に傾注した理由は、もちろん観光振興や防災教育という側面もあるが、一番は人材育成である。
・いろんな人を大槌に呼び込むことで、交流が始まり、それが大槌町の特に若者の人材育成に大きく寄与すると考えたもの。それによって、大槌町を住みたい町に変えたい。
・高校生に語り部ガイドをやってもらっているが、シナリオを渡しているわけでもなく、自分の言葉で語ってもらっており、それによって高校生自身の考えがあらためて形成されていく側面あり。
・研修事業では、決断を迫る内容も含まれており、まさに人材育成に直結している。
・また、高校生に外を知って見識を広めて欲しいと思っており、東京での地元産品の販売経験を積ませたりしている。
・岩手は「生きやすい」場所である。そんな岩手の魅力で人々を引き寄せられないか。

意見交換
 

大沢氏
【自分が被災地に定着しようと思った一番のきっかけ・決め手は何だったのか?また、そこでの人生設計に確信がもてたのは、或いは生活に踏ん切りがついたのはどういったところか?】

手塚氏
・一つは、今いる場所が人の繋がりが密で、暮らしやすいところだからだと思う。
・また、働くということと、生きていくということがほぼイコールであることが魅力である。復興に携わりたいという自分の思いと、現実に行っている活動にギャップが少ないという点も大きいし、都会と比べて地域の中で自分が何かしら役に立てる、必要とされると感じる場面が多い。

平舘氏
・自分の仕事について言えば、技量で食べていけるか否かで決まる世界であり、また自分の手で何かを作り出していくことが好きだったので、今の生活に飛び込んでいくことに抵抗があったわけではない。
・また、大槌町の為に何かしたいと思っていたことは確かである。

(加えて、「大槌町におけるIT環境への不安や、同業他者との交流が重要なIT業界の中で地域的な不安はなかったのか?」との質問に対し)
・大槌町は殆ど光回線が通っているので、環境的不安はそれほど感じなかった。
・交流に関しては、自分で町外に出ていくこともあるが、多くはスカイプや端末画面を通じて行っている。

神谷氏
・「(生活をしていく上で)いくらあれば安泰なのか?」と、とかく考えがちであるが、幸いにも自分たちはバブルを経験しておらず、いい思いをしてきたわけではないので、常に不安はついて回ってきた。だったら、自分の好きなことをやろうとの思いが強かった。また実際に生活してみて不安は少しずつ減ってきている。周りのいろんな人から、子どもの服をおさがりでもらったりしており、そういった意味では、どうせ貧乏するなら岩手で貧乏しようという思いもある。お金では買えないつながり、幸せ、心の安定感などが岩手にはある。

大沢氏
【生活上の最大の課題とその解決策はどういったことであるか?】

平舘氏
・一番の課題は、自分や一緒に働いている女性職員も含め、子育てと仕事の両立である。これまでは、働く時間の調整で対応してきたが、それにも限界がある。
・その解決策として、家でも仕事が出来るという仕組みを考えている。(いわゆるテレワーク。)これによって、外に働きに出られなかった人にも雇用を提供できるのではないかと考えている。また、働く側の人間が、時間量で対価をイメージするのではなく、アウトプット(生み出されたもの)で対価をイメージするような仕組みを作っていきたい。

手塚氏
・課題の一つとして、自分も含めて30代後半から40代の独身がまわりにかなり多いように思われ、特に女性にとっては、結婚や出産は気にかかるところ。もう一つは、まちづくりに関わろうとする人が固定化されてきており、人数的広がりが見えてこないことである。
・後者の解決策の一つとしては、(直接まちづくりに関わってほしいとアプローチするのではなく)その人が持った特有の技量を活かしてもらうことで(例えば、飲食関係の仕事の経験があるのであれば、イベントで飲食の部分を担ってもらう。)、まちづくりに間接的に関わってもらえるのではないかと考えている。

神谷氏
・生活上の課題でいうと、待機児童の問題がある。大槌町としては、施設としては足りているが、保育士さんの不足が発生している。自分としては、仕事があるのでベビーシッターを頼みたいと思うことはある。
・その解決策の一つは、周りの人々の助け。地域のおばちゃん達が赤ちゃんの面倒を見てくれる。しかし、それはそれとして、待機児童の問題は本質的に解決して欲しいと思っている。子育ての為に仕事をあきらめる、ということをしなくて済むモデルケースが岩手でつくれるとベストだと考える。
・会社の代表や事務局長は男性がやらないといけないという認識が漠然と広がっていたが、女性がやってもいいというモデルケースに自分がなろうと思った。これからの未来を背負う高校生たちがその姿を見て、「自分達にも出来る。」と感じてほしい。

大沢氏
【岩手県の土地柄を考えた時に、女性が言うべきことを言うというのは、行いづらいことなのであろうか?】

平舘氏
・大槌町外で活躍していた女性が大槌に来て、町を引っ張っていくところを目の当たりにすることで、地元の女性たちが新鮮さを覚えたり、自分自身の意識が変わってきているように感じる。

感想・質疑応答
感想
・岩手県として、箱ものなどハード面は徐々に回復してきているが、ソフト面についてはどうあるべきか悩ましく感じていた。地域にきらりと光るものがあればいいと思うし、岩手ならではの人の生き様などが、ブランドたりえないかとも思っている。それによって、交流人口も定住人口も増えるのではないか。今回、お三方に大槌・釜石の地域の味(良さ)をお話しいただき、ヒントというか答えになりうるのではないかと感じた。

質問(1)
【自分の周囲の地元の人達に、どのような変化を与えたと考えるか?】

平舘氏
・一緒に仕事をしている女性は、最初はパソコンの扱いも含め戸惑いがあったようだが、自分の作り上げたものが形となっていくことや、それを人に見てもらうということで自信を得たり、もっと成長したいと考えるようになるなど変化があったと思う。

手塚氏
・釜石まつりでは、料理の準備などを女性だけが行っている。それを誰もおかしいとは思っていない。しかし、例えば、そこに地域にしがらみがない男性が加わることで、また新しい文化が生まれるのではないかと思ったりした。
・釜石地方森林組合の中では、リーダーがことあるごとに、「現場も含め色々なところに女性が参画して欲しい。」と言ってくれているように、女性が活躍することに関して肯定的に受け止めてくれている。

神谷氏
・大きな変化は、大学に行きたいと言い出した子が増えてきたこと。そもそも大学に行った子が少ない上に、行った子は大槌に戻ってこないので、大学そのものをイメージできていなかった。そこに外から人がやってきて、イメージする機会が生まれたことから、大学に行きたいと思い始めた。そういった意識変化が生まれ始めた。大学に行ったことの結果は先々にしかわからないが、進学したいという変化の種が生まれたことだけでも十分だという気がしている。また、進学することで一度大槌を離れることになるが、離れてみて初めて気づく大槌の魅力というものも感じ取れるようになるのではないか。一度大槌を出てみることもいいことではないか。

質問(2)
【他の地域との対比で、三陸は女性が輝く先進地となりうるのか?】

大沢先生
・女性の活躍をはかる指標として、就業率、男女賃金格差、女性の管理職比率、専門・管理職の女性比率などが使われるが、限界もある。女性の声を聞くというのも単純ではない。地域によっては、男性のいる前では女性は本音をさらけ出さないという事情もあるからである。
・「震災を契機にして、女性が言いたいことを言おうとする時代が三陸にも到来しつつある。」との意見もあった。女性が本音を言える状況が後退することがないようにしなくてはならない。
・一方、三陸には専業主婦の割合が多い地区があったり、入り江ごとに文化の違ういうような面もあるので、ひとくくりに女性が輝く先進地であると結論づけられないことは、付け加えておきたい。以上、歯切れのいい答えではないかもしれないが、可能性はどこにでも眠っているということで回答を締めくくりたい。
 

当日の塾の様子

達増知事による挨拶の写真
達増知事による挨拶

大沢先生による基調講演の写真
大沢先生による基調講演



平舘氏の活動報告の写真
平舘氏の活動報告

手塚氏の活動報告の写真
手塚氏の活動報告



神谷氏の活動報告の写真
神谷氏の活動報告

パネルディスカッションの様子の写真
パネルディスカッションの様子



会場の様子の写真
会場の様子

交流会での八代岩手大学副学長の挨拶の写真
交流会での八代岩手大学副学長の挨拶



交流会の様子の写真
交流会の様子

事前配布チラシ

第4回いわて復興未来塾
第4回いわて復興未来塾のチラシ画像

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