知事記者会見記録

(平成18年2月6日 16時01分〜16時58分)


広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。             
 最初に知事からの発表事項があります。
 その後、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきますので、よろしくお願いします。
 それでは、知事、お願いします。                        

知 事

 私の方からは、今日、4つの発表事項があります。それぞれポイントについて申し上げたいと思います。順番は、まず平成18年度の当初予算のあらましについて、2つ目が行財政構造改革プログラムの取組み状況、3点目が平成18年度の組織・職員体制、それから、4つ目が県北につくります産業廃棄物の処理施設、第2クリーンセンター(仮称)の整備・運営事業についての4点です。
 1番目の平成18年度当初予算についてですが、お手元に資料が配付されていると思います。横長の表をご覧ください。「平成18年度当初予算のポイント」と書いていると思います。この左側ですが、県の政策は、「40の政策」というものがありまして、この「40の政策」を実行面で下支えするのが下に書いてあります「行財政構造改革プログラム」です。この図に書いてありませんが、このプログラムをつくる前提として中期財政見通しというものを立てて、それでこのプログラムをコントロールしているという形になっています。
 右側の方の行財政構造改革プログラム、さらにはそれを作成する前提となりました中期財政見通しを今回の予算を作成する時の、いわばフレームワークということにしまして、右側の予算編成の考え方、財政運営の基本的考え方、主要3基金に頼らない、それから、県債残高をこれ以上増加させない、いわゆるプライマリーバランス均衡、借金よりも借金を返す方のお金を多くしていって、残高を減少させる。それが何年か後には公債費の減少につながっていきます。主要3基金に頼らない、それからプライマリーバランスの均衡を図る。この2つを予算の際のフレームワークにしまして、その上で、平成18年度予算を編成したところです。歳入はできるだけ自主財源の確保ということで、これも後で申し上げますが、自主財源比率は昨年33.1%でしたが、今回は35.9%と1.8 ポイント上昇しています。それから、歳出の方では事業の重点化ということで、できるだけ各部局から出てきたものの中で厳選をして、一番下の方に書いていますが、産業振興、人づくり、人口減少社会への対応、それから地域力の発揮、この4つの政策に沿うものについてできるだけ取り入れるということにしたところです。
 そして、平成18年度の予算ですが、今の表の一番右上の方に書いていますが、当然のことながら、平成19年度以降の持続的な財政構造の構築の第一歩ということで、平成19年度以降も睨んで、継続性、持続性ということを重視して編成しました。その結果、予算の規模は右側の中ほどに書いていますが、7,398 億6,200 万円ということで、昨年に比べますと、273 億円ほど減りました。率では3.6 %減ということです。
 重点的に取り組む施策は後の方で申し上げますが、先ほど言いました4つの点について重点的に取り組む政策を意識していまして、このことによって、自立基盤を強化する。国からの財政面での依存からできるだけ脱却するような、自立基盤強化型の予算にしたつもりです。
 2ページは、平成18年度当初予算の状況という円グラフが2つ書いてあります。先ほど少し申し上げましたが、左側の歳入の状況ですけれども、自主財源が35.9%ということで、昨年に比べて少し自主財源比率が高まりました。
 それから、右側の円グラフが歳出構造ですが、義務的経費が50.2%ということで半分をちょっと超えています。初めて50%を超えたと思いますが、全体の歳出額をぐっと圧縮した中で、公債費は変わっておりません。少し増えていますので、義務的経費、すなわち拘束性が強まっているということです。ただ、県債発行額が先ほど言いましたようにプライマリーバランスの均衡を達成させるということで、今回そういう状況になりましたが、来年度以降はずっと県債の発行残高が減りますので、何年か経ちますと公債費が減ってきますので、そういう形で今後この義務的経費のところが縮小してきますので、自由度が保たれていくということになります。
 それから、3枚目が政策をまとめたもので、繰返しになりますが、4点について特徴づけて、さらに分解して構成したものです。
 お手元に「平成18年度当初予算のあらまし」という全体で42ページになる冊子があると思います。このあらましのうち触れるべき点だけ申し上げます。
 このあらましの3ページ、県の予算編成の中で、当初予算が5年連続で前年度を下回ったのは初めてということが今回の一つの特徴です。
 それから、4ページですが、下の表に書いていますが、自主財源の割合が35.9%です。
 それから、6ページになりますけれども、県税収入は1,103 億1,100 万円ということで、昨年よりも金額で21億円ほど、率で1.9 %増、県税収入が増えています。ただ、増えましたけれども、地方財政計画では国全体の伸びはずっと高い率に設定されており、それに比べるとやはり地域間格差があり、本県は来年度1.9 %の伸び程度までしか今のところ見込めていないということになります。
 それから、7ページの右側のところですが、地方交付税は1.2 %減、それから、地方交付税と同じような意味ですが、現金で配れないので、臨時財政対策債という形で配って、それを県債発行して借金しているわけですが、それを加えた額で2.3 %減になっています。
 8ページの一番下のところですが、県債依存度は16.5%と前年から1.4 ポイント下がります。それから、今言ったような財源対策債などの部分を除いた本当の意味での事業をやる場合の借金である県債依存度は9.9 %ということで、前年に比べて低下しています。
 それから、繰入金ですが、主要3基金の取崩し額ということで9ページにまとめてありますが、平成18年度末で415 億円ということで、平成15年度の行財政構造改革プログラムプログラム策定時には、下の表の一番右のとおり432 億円を確保しようと考えていまして、今年もこの額を確保しようと思っていたのですが、積雪の影響により、除雪費などで例年行っている基金の積戻しが難しそうなので、結局17億円ほどプログラム策定時に比較して少なくなっていますが、410 億円台を確保できたので、大体当初の策定時のところでおさめたと思っています。
 平成17年度の額に比べて、平成18年度は199 億円ほど取崩しになっていますが、これは借換債の発行で県債償還の山を平準化するためにプログラムの計画として予定していたものですから、それ以外のところは基金を取り崩さずに、当初の予定どおり確保して、今後はずっと安定的にこの基金を保持していきたいと思っています。
 次10ページの中ほどに書いていますが、歳出の方ですけれども、義務的経費の割合は50.2%ということで半分をちょっと超えました。多分初めてだと思いますが、財政の硬直化が進んでいることを示しています。今後、県債残高が減ってきますので、ここが改善されることになります。
 12ページの人件費は行革と定員の削減などを進めていますので、1.7 %減、それから、公債費については先ほど言いましたように、対前年度に比較して5.8 %増です。これは年度間で若干変遷があって、平成17年度は前年に比べて少し減ったのですが、平成18年度はまた増えて、平成19年度以降も1,600 億円台まで増える見込みですが、将来的には減ってくるということで、今回はプライマリーバランスをプラスにしたことが今後効いてくるということになります。
 それから、公共事業です。13ページから普通建設事業費が書いてありますが、特に14ページの公共事業については、公共事業費全体で1,054 億円であり、マイナス分が166 億9,300 万で13.7%の減となっています。公共事業は今後も減少せざるを得ないと思っていますけれども、そういう数字になっています。
 それから、16ページに重点的な政策分野として、16ページの下に4つの重点の分野が書いてありまして、その中で17ページ以降に新しい枠組みや制度の大きなものが書いています。17ページの一番下に、産業振興の関係ですけれども、特定区域での産業活性化促進の条例を用意して、条例の中で法人事業税の減免などを新たに規定します。法人事業税の減免など規定すると同時に、次の18ページになりますが、奨励事業費補助ということで、予算的にも5億円を予算計上しています。
 それから、18ページで、県北、沿岸の中小企業向けに新たな融資制度を創設させます。1,500 万円の既存の枠を使い切っている企業が多いので、協調融資になりますけれども、新たに5,000 万円の範囲内で、新たな無担保、保証人不要の融資制度を創設して、特に県北、沿岸の産業振興を図っていきたい。
 それから、次に18ページの下には、主として人口減少社会を見据えたものですが、がけ崩れ危険地域からの家屋移転の促進です。ハードのものをつくっていろいろお金をかける、あるいは時間を多くかけるよりも、むしろ移転を促進させるようなことにこれから重点を置いていくということの一つの象徴的なものです。
 19ページは少人数学級でして、小学校の1年生に35人編成の少人数学級を導入するということで、これは人づくりの代表的な政策であり、かねてからご要望の強かったものです。
 そして、21ページからそれぞれの4つの分野の特徴的なものが書いてありますが、後でまた何かあればお答えしますので、それぞれのものについては説明は省略させていただきます。
 最後に、この冊子の42ページの一番裏のところをご覧いただきたいのですが、プライマリーバランスの推移のことを書いています。一般的には基礎的財政収支になるわけですけれども、県財政の県債依存構造、借金依存構造を改善させたいということで、ここを均衡させ、プラスに持っていくということでコントロールをしてきたわけですが、平成18年度でこのプライマリーバランスをプラスに転ずることができる見込みです。下のグラフをご覧いただきますと、県債発行額と元金償還額が、昭和60年台の後半から、ずっと県債発行額が元金償還額を上回ってきており、この乖離が著しかったのですが、やっとここを交差させることができたところです。今後は平成17年が県債発行残高1兆4,000 億円でピークとなり、今後は県債残高を減らすことができます。そのことによって財政構造を健全財政の方向に変えるきっかけ、公債費の抑制につなげることができると考えています。
 このプライマリーバランスについては、38ページに、その内容について書いていますので、後でご覧いただければと思います。国でもプライマリーバランスを2010年台に回復と言っていますが、国の場合と使い方が若干違っていまして、本県の場合には元金の償還を比較に使っていますので、より厳しい、真の意味でのプライマリーバランスということになると考えています。元利合計とすると、利子分についても入れ、甘くなりますので、元金を減らすその償還額との比較でこのプライマリーバランスを考えているところです。またご質問があるかと思いますが、予算の関係の説明は以上です。
 2つ目ですが、行財政構造改革プログラムの取組み状況です。これは平成18年度末までのプログラムになっていますので、あともう一年ありますけれども、平成18年2月現在、すなわち平成17年度末に近い段階での取組み状況を発表するものでして、平成18年までの4年間で大体1,750 億円ほど財源不足が生じるということが平成15年6月試算にあったので、それを前提として平成15年10月にプログラムを策定しました。内容的には、歳入確保に向けて960 億円ほど歳入を追加で確保し、歳出に向けては613 億円をコスト削減し、足し合わせて1,573 億円の財源不足を解消しようというものです。残るものについては150 億円ほどあるのですが、4年間の取組みの中で調整するということでプログラムを策定したわけです。これまでにずっとプログラムの取組みを行ってまいりました。歳入分野では地方交付税が途中で大幅に削減されるということもありましたけれども、それを除きますとそれ以外のところで歳入の確保に向けてプログラムを上回る取組みを行いました。内訳はそこに書いてあります。
 それから、歳出については、いずれにしても613 億円という歳出削減をしようという目標ではとてもできませんので、本当に大幅な歳出削減に取り組みまして、特に投資的経費の抑制が1,000 億円ほどですから、これが大変額としては大きいのですが、そういった取組みによりまして、目標の1,557 億円を上回る2,170 億円ほどの削減を達成しました。そのことによって、右側の中ほどに書いてありますが、プライマリーバランスを黒字化させるということで現在のところまで来ています。
 一番右端に具体的に取り組んだ内容についてもう一回整理していますが、一つは電子県庁を構築するということで、平成18年度末、来年の今頃までに県民からの申請、届け出が95%電子化でき、それから、指定管理者は条例も出して決めましたので、随時そちらの方に移行していきます。
 それから、市町村への権限移譲についてもNPOの認証事務など、全国では他に静岡市だけがやっているだけの認証事務ですが、これも市町村に移すなどして353 事務を市町村に移すことにしています。まだ市町村と協議を続けていますので、今後も随時、年度途中でも移せるものは移していきたいと考えています。
 それから、新しい広域振興局体制は、4つの広域振興圏の中で、特に県南が広域振興局に移っていきます。
 それから、独立行政法人は、県立大学がもう既に昨年4月に移行していますが、県工業技術センターも今年4月から独法化を図るということです。
 職員体制のスリム化、事務の効率化は、平成15年4月1日現在で知事部局が5,013 名でした。それを400 人ほど減らすという予定でしたが、これを前倒しを今しているところでして、来年度当初には4,630 人程度まで減るということです。なお、これについては議会などでも4,000 人体制ということを言っていますので、今後さらにこの取組みを加速させるということです。プログラムは以上です。
 3つ目が平成18年度の組織・職員体制も横長の「平成18年度の組織・職員体制のポイント」というペーパーがあるかと思いますので、簡単に申し上げます。今回の組織・職員体制の見直しの基本的な方向は、左側のところに書いていますが、広域振興局の産業振興機能を強化させる。これは振興局で自主的にできるだけやってもらう。それから、本庁については県北・沿岸振興体制の強化を図るということで、県北・沿岸振興本部はもう既にスタートしていますが、県北・沿岸振興を支援するため、地域振興部の中に地域振興支援室を設けます。
 それから、大きな2つ目は自立に向けた基盤を強化するための政策の推進体制を強化するということで、先ほど予算のところで申し上げました4分野について右側に書いていますが、それぞれ特命課長を配置したり、それから、組織を再編したり、担当課長を配置したりといったようなことで、推進体制を強化していきたいと思います。また、自動車関連の分野については、民間企業でそうしたことに当たってこられた方を県でお願いをして、新たに来年度から適切な場所に配置していきたいということを今考えています。
 それから、3点目が行財政構造改革プログラムに基づきスリムで効率的な職員体制を実現するということで、これはもう一度繰返しになりますが、平成18年4月に4,630 人程度まで職員体制を効率化させます。知事部局だけではなくて、教育委員会などでも取り組んでもらっていますので、スリムで効率的な体制を構築していきます。
 もう一つは、IMS、いわてマネジメントシステムによってサービスの水準が落ちないように業務改善を精いっぱい図っていくつもりです。明日、トヨタ自動車の張副会長から職員に講演していただきますけれども、このIMS等について来年度も推進を強力に図っていきます。
 4点目は、県北の九戸村に設置します第2クリーンセンター(仮称)の整備・運営事業についてです。これは県として初のPFI事業で行うものですが、この整備・運営事業について2月3日に整備検討委員会で2つの企業グループから提出されました企画提案書の最終審査を行いまして、その結果、タクマグループが最優秀提案者に選定されました。これを受けまして、本日、県としてはこのタクマグループを優先交渉権者とすることに決定しました。
 今後のスケジュールですが、年度内に基本協定を締結して、今年6月に正式な事業契約を締結するということで進めていきたいと考えています。この第2クリーンセンターについては、平成18年度中に着工を予定していまして、平成20年度に完成を目指すということで進めていきたいと思います。
 私の発表は、以上4つです。 

広聴広報課

 以上で知事からの発表を終わります。
 以降の進行につきましては幹事社さんにお願いします。
 それでは、よろしくお願いします。

幹事社

 ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。

記 者

 2点お伺いします。
 1点は、今回の県予算に対して国の進めてきた三位一体改革の及ぼした影響について知事はどのように評価されているかという点をお伺いしたいです。
 それから、2点目ですが、歳出に占める義務的経費が50%を超えるなどしてかなり硬直化しているというような印象なのですけれども、これは公債費なんかが処理できれば、また話が別になってくるとは思うのですが、歳入の伸びがこれ以上期待できない中で、例えば、法定外の普通税とか、法定外目的税とか、新たな税を考えていらっしゃるのかどうかという点をお伺いします。

知 事

 まず、第1点目の三位一体改革の関係ですけれども、数字の上では、この三位一体改革によって、本県としては多分、地方交付税で最終的に措置されるのですが、地方交付税額全体が減っていますので、数字的には厳しい方向に影響するだろうと思います。本来であれば、それは最初から覚悟の上の話で、要は補助金4兆円をなくして、税源移譲は3兆円ということです。その分はどうするかといえば、地方自治体の運営の自由度を高めることによって、その中で吸収するというか、運営を工夫することによって、それでよりよいサービスを提供するという考え方だったのですが、今回、確かに3兆円が税源移譲されましたけれども、事業の裁量性というのは高まっていないので、運営についてはほとんど地方自治体として工夫が難しいだろうと思います。一部自由度、裁量性が高まったところがありますけれども、単にお金が削減されたという結果にしかならない分野が大変多いのではないかと思います。ですから、その点が地方へ分権するということの趣旨に外れていますし、我々として評価できない最大のポイントだろうと思います。
 それから、2つ目、歳入の関係ですが、新たな税の制度創設というのは今のところ考えていません。もちろん、今後、何か必要性が出てきて、社会的、合理的な理由があり、県民のご理解が得られればそういうことを考える余地があるかと思いますが、基本的に現状の税体系の中で新たな税源を地方に求めるというのは、非常に難しいのではないかと思います。ですから、税体系の抜本的な見直しをして、国税を思い切って地方税に振りかえるとか、地方の自立について本当にふさわしい税を新たに地方税に振りかえるような抜本改革でないと、地方税で新たに歳入を増やしていくというのはかなり困難ではないかと思います。ですから、今回、森林県民税を4月から施行しますので、それによって税収が増えるのですが、ああいうようなやり方で県民負担を増やすことは非常に困難が伴うのではないかと私は判断しますが、ただ可能性は全くないわけではないので、否定はしません。
 今お話がありましたように、歳入が確かに硬直化して、公債費が増えていることが最大の原因であり、歳出を縮小しているので、その分が割合的には増えてきますので、50%を少し超えるような形になっているのですが、県債の発行残高を減らして、コントロールすることにして、プライマリーバランスをこれからずっとプラスにしていきますので、もう少し経つと公債費が減りますので、硬直度合いは薄れてくると考えています。

記 者

 予算の中で、花巻空港について3点伺います。
 1点は、2年延期ということですが、これまでも利用予測で過大ではないかという指摘をする声もある中で進めてきて、昨年、滑走路を2,500 メートルに延長している経緯もあるのですが、ここまで来て、さらに見直すということについて、見通しの甘さなどを指摘されてもしようがないのではないかと思うのですが、そのあたりどうお考えですか。
 もう一点は、今回政策の柱の4つの中に産業振興がありますが、この産業振興という柱における花巻空港の位置づけはどう考えていらっしゃるのか。
 3点目は、2年先送りにしますと、知事の今任期中ではないのですが、そこのご自身の責任の部分をどうお考えになるかをお聞かせください。

知 事

 まず、2年延期ということですが、具体的にターミナルビルを建設するということですけれども、利用者数が今伸び悩んでいます。現実には国内線の定期便の利用客がかなり減ってきているという現状があり、そういう中で大規模評価委員会に今回のターミナルビルの整備事業について付議していますけれども、ご指摘を2点いただいています。ビル会社に対して、従来42億円でビルを建設するということで県が無利子貸付けをすることにしていたのですが、この無利子貸付けは妥当ではないのではないかというご指摘をいただいています。
 もう一つは、空港ターミナルビル会社の経営努力も高めようというご指摘をいただいています。利用状況が伸びない中で、改めてそういったご指摘を考えますと、今のビルの整備費用、それからその後の維持管理費用を考えますと、相当大幅にビルの整備コストを低減させないといけないと考えています。今後、建てた後、維持管理費用が当然かかるわけですが、安定的に出していくためにも今の計画をそのまま進めるということは大変難しいと思いましたので、やはり利用促進について、この期間により取り組むつもりです。今回、いわて花巻空港の利用促進の費用を昨年に比べても少し増やしていますけれども、利用促進にこの1、2年でしっかりと取り組んだ上で、その間に空港ビルの整備費用の全体を大幅に圧縮させ、それに合った形で、ビル会社の資金調達計画を変えていかなければならないと考えており、今回、計上していません。約42億円のビルなのですが、まだやってみないとわかりませんけれども、非常に簡素な構想でもいいのですが、10億円台の半ばぐらいまで圧縮できないかと考えています。今の計画ですと、他県の空港と同じぐらいのものになっていますが、やはりそこぐらいまで圧縮すれば、後の管理費用とか、それから整備の資金調達も非常に考えやすくなりますので、その上で県負担分を大幅に減少させたいと思います。できるだけ簡素な構造にするので、併せて建設期間もできるだけ短縮させたいと思っています。完成時期はあまり遅らせたくないと思いますが、そういうことに検討の時間をいただきたいです。
 それから、このいわて花巻空港は産業振興の中では観光面に絡んできます。国際観光、国内観光がありますが、国内観光は利用客が少なくなってきていますので、利用促進運動をしっかりとやることに重点を置くのが大事だと思います。
 国際チャーター便については今機材が大きくなってきていまして、今年、運航予定の機材はいわて花巻空港には駐機できないので、他の空港に目的地を変えるといった動きがあります。ビルの完成が遅れると、そこに悪影響が出てくるのですが、全体の数としてはまださほど大きくないので、この時点でビルの建設費をできるだけ低減させることの方が影響が少ないと思いますが、その中で早く整備に着工できるような解決策を出していきたいと思います。
 それから、完成の時期と私の任期との関係ですけれども、これは任期は任期でどういうふうにするか判断すればいいと思いますけれども、やはり今のこの時点で、今のもとのままの計画で空港ビルの整備に着手をするのかどうかという判断は今のこの時点で求められているわけですので、しっかりとした判断をしなければいけないということで判断したものです。

記 者

 ちょっと全体的な話というか、知事も最初の説明の中で一部触れていましたけれども、今回の予算案は、どういった性格の予算案かというのをお聞かせください。

知 事

 自立基盤を強化するということで、財政構造も大体それに沿ったような形で、要は今までのこういう地方財政、これは本県に限らず全国的にそうですけれども、大変、国の地方交付税なり、県債、借金といったものに依存した構造になっています。そこから少しでも脱却したいということで、来年度だけではなくてもっと先に向けた自立的な基盤をつくり上げるための自立基盤強化型の予算と考えています。財政構造を継続させるための基盤を強化するためにプライマリーバランスを均衡させて、県債残高を減らすということを意識して仕上げた予算です。今後どうなるかまだ見えないところがあるので、特に先ほどの時は申し上げませんでしたけれども、地方交付税なりにかなり依存している中で平成19年度あるいは平成19年度以降、地方交付税の大きな改革、それも減らす方向での改革が今後出てくるでしょうから、それを意識しますと常に県債を発行すると、償還の時に地方交付税を充当するというような形で今まで繰り返してきたのですが、できるだけそこから脱却していきたいというつもりでつくっています。そういう大きなフレームワークの中で事業を積み上げるということで考えているところです。

記 者

 2点ほどお伺いします。
 まず、花巻空港に関してですけれども、確認をしておきますけれども、今回延期ということで地元の方は随分待たされて、またかという声があるのですけれども、その中で一番懸念しているのは、このままずるずる凍結が休止にならないかということを非常に危惧する声が多いわけなのですけれども、知事としてその辺をどのようにお考えになっているのか。それとリンクすると思いますけれども、2年後、その段階で凍結を解除するかどうかというのがもう一度ふるいにかけられると思うのですけれども、その時の条件というのが先ほど言ったようなものになるのか、凍結を解除するためのプライオリティーはどのようにお考えかというのを1点お聞きしたいと思います。
 それから、長期的な財政運営の中で、今後公債費は減るだろうというお話がありましたけれども、私の認識ですと平成20年ぐらいにピークを迎えて、そこからなだらかな高原状態というのが続くかと思うのです。ですから、プライマリーバランスの均衡を達成した効果というのは確かに出てくると思いますけれども、それより前、ここ4、5年はやはり硬直化というのが進むのではないかと思います。この辺の財政のハンドリングでもう一段何か必要ではないかと思うのですけれども、その辺いかがお考えでしょうか。

知 事

 まず1点目、いわて花巻空港ですけれども、もし仮に中止するということであると、現時点でそのための手続き、いわゆる国からもらっている補助金等をどうするかということがあるのですが、今時点でそういう判断には立っていなくて、観光政策上、国際線などの関係でも、もう既に本当はそういう中型あるいは大型機材が駐機できればいいわけですので、やはり必要性はあると思っています。ただ、冷静に考えなくてはいけないのは、滑走路は2,500メートル に延ばしていますが、滑走路はご承知のとおり冬場の離発着の欠航率をなくし、冬場の離発着の就航率の向上という名目で国からいただいているので、多分この大雪でもいわて花巻空港の滑走路の状況が原因で欠航している事例は少ないと思います。十分その意味での滑走路延長の効果は出ているだろうと思います。
 ただ、ターミナルビルを大きくするというのは、やはり利用されるお客さんが継続して伸びていって、それで混雑の緩和をしたりという利便性の向上ということなのですが、そこの利用客がやはり思うように増えていない。これは利用客の想定が国内全体の利用客の数から回帰分析して利用率をはじき出すやり方しか空港整備の場合はないので、国内全体が減るとそこの予測が外れるような構造になっています。これは空港予測の場合の一つの致命的な欠陥であると思うのですが、今はそれに代わるやり方がないので、それに頼らざるを得ないのです。そういう構造になっているので、やはり空港ビルをこの段階でつくるかどうかについては、やはりいま一度慎重な検討が必要であり、今の利用客なり、それから今後の利用動向を見てふさわしい形で、それから簡素な構造、今も必要最小限ということになっていますが、なお一層建設コストの低減化を図って、それに合ったものにしていきたいと思います。できる範囲の中で、ぎりぎり建設費を切り詰めて、それで大規模評価委員会の貸付けについてのご指摘などに対してお答えをしたいと思っています。
 それから、2年後のプライオリティーということですが、やはり利用客が伸びていないと、やはり建設に向かうことはなかなか難しいと思うのですが、その場合に国内だけの利用で考えるか、あるいは海外の利用客もニーズをどれだけ見るかによると思います。利用客は一時期54万人ぐらいまであったのですが、今は随分減ってきていますので、国際線も入れてぎりぎり50万人いくかどうかですから、やはり今よりももっと伸ばしたいと思います。
 これは、その時点での判断ですから、今全部決めるわけではないです。やはり利用客が伸びていることが大事ですし、それから、建設コストがぐっと低減化されて、それに伴ってその後の維持管理費用もさらに低減化されて、その後、空港ビル会社を運営していく上であまり足かせにならないようなものになっていないと、着工するためにまた難しい判断に迫られると思います。この2つはこの期間中に是非、回答を出して、もし仮にいい答えが早く出るか、あるいは需要が回復すれば2年を待たずにもっと早目にということも可能性としてはなくはないと思います。基本的には2年延ばして、その間でよく考えたいと思っています。
 それから、あと財政の方ですけれども、硬直化が進みます。硬直化が進むのですけれども、これは基本的には2つあって、制度あるいは構造的な問題、それから、自主的な歳入の確保策、端的に言うと税収をどれだけ上げられるかということで、いずれも少し時間がかかる話です。しかし、今ここでハンドリングを緩めると、確かに公債費は少しずつしか減っていかないので、時間がかかるのですが、ただ結局今こういうふうになってきているのは平成4年以降からぐっと県債費の発行を多くして、それで公共事業に充ててきたということは本県でももう如実に出ているわけです。それの積み重ねが今来ているので、やはり解消には長い時間がかかりますが、しかしそれをしっかりとやらないと公債費自体が減らないということがあるので、これはある種我慢比べですけれども、やっていかなければいけないと思います。実は7,398 億円ですが、実質的には7,400 億円ぐらいなので、来年度に向けて本当は400 億円ほど減らしたいのですが、来年一遍にというわけにはいかないから、あと300 億円ぐらいは少なくとも来年度何とかしておきたいと思っているのですが、今、手だてはすぐに思い浮かぶものはありません。今までの延長だけでいくのか、もう少し抜本的になるのか、いずれにしても抜本的に予算構造を見直さなければいけないのですけれども、どこをどういうやり方でするのか夏までにいろいろ当たりをつけたいと思っています。
 もう一つは、歳入が増えるように税収を増やすことです。これは産業振興しかないと思うので、産業振興に今回特に力を入れて、ものづくり産業、それから、大事なのは農業だと思います。農業などについてももっと競争力が高まるような担い手育成に向けての予算を措置して効果をできるだけ早く出したいと思います。これでやっていくしかないのではないでしょうか。他の多くの自治体の財政構造も随分見ましたけれども、どこも似たような状況となっています。大都市の県で税収が今回相当伸びているところもよくよく見ると同じような構造で、基金もほとんど取り崩してしまって身動きできないような状況になっているのですが、向こうの方は救いとして税収が伸びる要素もあるかもしれませんが、そればかりにも頼れないでしょうし、治安などの社会的コストも相当かかります。ですから、ここでなかなか全体のご理解をいただくのも時間がかかると思いますし、いろいろご批判もあると思いますけれども、かなり財政支出については抑制の方向を維持していかなければいけないと思っています。ここが分かれ目です。それをきちんと節度ある形で維持していかなければいけないのではないかと思っています。

記 者

 関連しますけれども、予算のつくり方については、来年度以降、具体的にはまだということですが、今やっている部局主体の編成プラス50億円の政策形成ですか、このやり方がそろそろ限界が見えてきているのかと思うのですが、そのあたりのつくり方について何かお考えがあるのかということと、もう一点は5年連続マイナスであり、5年間で1,600 億円ぐらい減っているわけですが、それは身の丈以上のものだったというところもあるのかもしれませんが、県民へ5年間でこれだけ減ったということの影響とか痛みとか、そういうものについてはどういうご認識があるのかということをお伺いします。

知 事

 予算編成の関係は、来年度抜本的に見直しが必要なのですが、現在行っているある程度の額を前年を基準にして部局に任せるという枠配分のような形ですと、根っこからの構造改革に本当につながるかどうかの問題がありますので、各部局の編成の自由度は確保しておきたいのですけれども、予算の編成の大きな優先順位というのは、やはり県全体であらかじめつけておきたい。その流れに沿って、部局に知恵を出してもらうという形にしたいと思います。義務的経費を先にとって、それで対前年の中で予算枠をある程度やる。今年もシーリングなどで対前年幾らということをやっていましたけれども、ああいう形ではなくて、見直ししたいと思います。ただ、現場をよく知っているのは各部局ですから、各部局の予算編成の知恵が出てくるようにしたいと思うのですが、これを具体的にどういうふうに制度として仕組むかは、今年の秋からの予算編成までに決めなければいけないですが、まだ内部での議論は必要になると思っています。
 それから、5年連続でかなり予算の歳出が減っているのですが、今の地方自治体の財政構造を考えますと、これ以外のやり方は結果としてはないだろうと思います。ここで歳出を大きくするともっと先の次の段階で完全に硬直化したものになりますので、今の段階では歳出構造を見直して、歳出額を減らす中で、工夫をしていくという形でないと、また将来にツケを回すような形になってしまいます。これは何も岩手県だけではないと思いますけれども、どこまで我慢できるかということだと思っています。そのためにどういう優先度を持つかということが問われるのですけれども、長い時間をかけてこういう歳出構造になってきたものですので、今回5年連続ですけれども、しばらくは歳出削減の傾向は続けざるを得ないのではないか。次の平成19年度予算のことを言うのは早過ぎますけれども、政府も今度、行革推進法を提案しますけれども、総人件費などを抑制しながら、総歳出を地方自治体も抑制する方向で全部動いてきていますので、今のこの傾向を変えるわけにはいかないと思います。ですから、少しでもその中で地方の知恵と工夫と、予算に頼らない、例えば、地域コミュニティーの力を使って地域の生活づくりをしていくために工夫をしていく必要があると思っています。

記 者

 競馬組合の融資なのですけれども、今シーズンも販売成績の悪化が続いており、そうした中で県議会に対して今後どう説明して理解を求めていかれますか。

知 事

 競馬議会が2月14日にあります。それこそ競馬議会の予算編成作業を進めていますので、競馬議会でご議論いただきます。そこで、今年度の売上げなどをよく説明して、また構成団体からの融資をお願いする形になりますけれども、それについてもご理解をいただくということをまず行う。その上で様々なご指摘があると思いますので、それについても県議会の方にご説明するつもりです。来年度新しいインターネット発売などに取り組もうと思っていますので、そういった新しい発売のもの、それから、引き続き、コスト削減等が求められていますので、それについて来年度どうなるかといった点を県議会の方にご説明したいと考えています。その前に競馬議会でいろいろ質疑が出ると思いますけれども、その状況を踏まえて考えたいと思います。

広聴広報課

 それでは、以上をもちまして記者会見を終わらせていただきます。 




次の定例記者会見は2月16日(木)の予定です。


  
                  (作成:広聴広報課)