知事記者会見記録

(平成18年1月4日 10時30分〜10時52分)


広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。
 最初に、知事から新年のごあいさつがあります。

知 事

 皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 年頭に当たって、今年1年の抱負ということですけれども、特に今年1年力を入れたいのは、岩手県内の各地域に根差した産業振興をさらに具体的な形あるものにしていくために全力投球したいと思います。特に、農業、林業、沿岸部では水産業といったような第1次産業についてどういうことが必要なのか。担い手の育成に今一番力を入れているわけですけれども、個々の経営力も備えた力強い競争力のある担い手育成が目指す姿です。一人一人、個人ということで見ますと、耕地面積をそれほど大きくできないということもありますので、個人、法人でそういう力強い担い手をつくるということが理想でありますが、集落経営体、集落営農組織のような形の共同体組織で担い手をつくっていく必要があると思います。そこに単なる生産組織だけではなくて経営力のある人に入ってもらうような経営体をこの1年間でつくり上げていくことができるか。今農業も国際化の波の中で激変していますが、第1次産業を新しい競争力のある産業とするため育成に力を入れていきたいと思います。
 それから、本県は全体的にやはり公共事業依存度が高いので、建設産業がまだまだ多いわけですけれども、ご承知のとおり建設業自体は公共事業の発注量が非常に減ってきており、これが回復するということは非常に考えづらい。むしろこれからの時代はかなり縮小したパイをお互いに競争し合うということになりますから、できるだけ技術力を備えた建設業者の皆さん方に経営力をつけた形で生き残っていただきたいと思います。他業種への転換などもこれからさらに考えていただく必要があると思いますし、一つ一つの経営組織もさらに競争力のある形で自助努力をしていただく必要があると思います。こういった公共事業にかなり依存している産業構造自体を変革していく必要がありますが、業界としてもそうした努力を望みたいと思います。そのために県としてやるべきことは、入札制度の問題から始まって様々まだあると思いますから、そういったことに力を尽くしていきたいと思います。
 それぞれ産業別に見ますとものづくり産業のこともありますけれども、自動車産業を中心にしてかなり形が整ってきていますが、まだ産業界との連携した組織づくりも必要になりますので、そういったことに力を尽くしていきたいと思います。総じて産業振興ということに特に全力を挙げていきたいと思います。
 もう一つは、その上で地域の自立が求められているわけですので、そういう地域の自立、責任ということを踏まえますと、多くのことを自分たちの創意工夫でやっていかなければならないので、すべてを財政で解決するというのはこれからなかなか難しいと思いますから、その中で地域の特性を生かすとすれば地域のコミュニティー力を最大限発揮できるような形にして、その中で解決策をいろいろ探っていく必要があるのではないかと思います。そういうコミュニティー力を生かした地域の様々な課題の解決に、県の職員が地域に入ってそういうコミュニティーの力を引き出すような発火点というか、起爆剤になれればと思いますので、そういう現場での活動に力を発揮できるように1年間力を尽くしていきたいと思います。
 年頭に当たって特に今の点について申し上げておきたいと思います。今年1年いろいろお世話になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。 

広聴広報課

 それでは、本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
 それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。

幹事社

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記 者

 明けましておめでとうございます。よろしくお願いします。
 今の知事の抱負の中から2点ほどお聞きしたいと思います。産業振興という点で、特に第1次産業だというお話が今ありました。ただ、確かに第1次産業だというのはしばらく前から言っていたと思うのですけれども、このところの予算編成を見ていますと、一昨年は確か第3次産業に力を入れるということだったと思いますし、今年度はものづくりというところで、来年度が第1次産業だというところを前面に押し出したと思うのですけれども、今になって第1次産業を前面に押し出してきたという理由を1点伺いたいと思います。
 それから、担い手のところにも触れられていらっしゃいましたけれども、新しい担い手の要件というのが変わりまして、地域、それから個人ともにあると思うのですけれども、この中に知事特認、知事特例というのがあって、面積要件とかいろいろ緩和ができるというようなところがあったと思います。農業団体からは、その知事の特例を認めてほしいという声もあるようなのですけれども、今のところその辺のお考えはいかがでしょうか。

知 事

 まず、第1点目の担い手対策あるいは農業ということを今申し上げましたのは、平成19年から担い手対策が具体的に実施されます。ですから、今年1年間その担い手対策に向けての準備をしっかりとやっておくべき時であり、それが不十分ですとふるい落とされてしまうということもありますので、今年1年が勝負だと思っています。多分、この担い手対策も第1弾の担い手対策であって、何年か経つとさらにハードルの高い担い手対策が出てくるのだろうと思います。また、そういうところを乗り越えていかないとこれからの農業の国際化の時代に国際競争力がつかないので、やはり県の農業を業として考えた時にも超えておくべきハードルだと思います。ちょうど団塊の世代の皆さん方も今勤めていらっしゃるところから、とりあえずはリタイアされる方が大変多いと思いますが、まだまだ経験や経営力などに秀でた方が大勢おられるので、そういう皆さん方にも是非農業に協力していただいて、競争力のある農業をこのチャンスに構築していければと思っています。そういう意味で、特に国際競争力も意識したような今のWTOの状況を見ていますと、この間の香港での会議はとりあえず先延ばしになった部分はありますが、今年になってからまた様々な協議が再開されると思うので、そういう意味で平成19年からの新たな担い手対策も意識すると、特に今年1年農業は本県の基幹産業ですし、就業人口はまだ大変多いわけですから、農業に特に力を入れていかなければならないと思います。
 それから、2つ目の知事特認の関係ですが、これはまだ内部で検討中ということです。地域農業の状況などきめ細かく見た上で知事特認を発令させるかどうかを考えていかなければなりませんので、そういう特例があるということは十分意識しますけれども、結果としては経営耕地面積が小規模のまま残るようなことを温存するような形になりますから、将来の産業の力ということを前提に知事特認を発動させるかどうか考えていきたいと思っていますが、まだ検討中ということです。

記 者

 関連してなのですけれども、確かに知事がおっしゃるように平成19年度からどうするかというのは本当に日本国内の競争の中でも非常に大きな転換点だと思っているのですが、担い手の現状がどうかというと、ご存じのとおりほとんど集落経営体、あるいは個人でやっているというところが非常に少なくて、確か10%程度という状況だと思います。過去には岩手県で集落ビジョンをつくって、立派なビジョンはあるのですけれども、実際に担い手が育っていないという中で、予算的に、あるいは体制的に今の知事のお考えを新年度予算にどのように反映させていくおつもりなのでしょうか。具体策があればお聞かせいただきたいのですが。

知 事

 新年度予算はまだちょっと早過ぎるので、また時期が来たらお話します。今の関係でいうと企業の力をもっとこの分野に活用すべきではないかというのが一つあります。
 それから、耕地面積等は確かにまだまだ小さいところが多いのですけれども、いずれにしてもこの分野で人をもっと育てるべきではないかと思います。昨年12月に岩手大学で開催している農業者のトップスクールに行って話をしてきましたけれども、非常に意欲の高い農業経営者も一部では育ってきていますから、ああいう人たちを大事にしてさらに強くしていかなければならないと思います。そのためにも企業のノウハウとか力をもっと活用するということと、農業の系統組織にももっとそういう今の農業の置かれている状況に合った形での努力を求めていくべきだと思います。その上で予算にそうした考え方を反映させるかということがこれから大事になってくるので、それをさらに検討していきたいと思います。ベースは集落ビジョンを県内の各集落ごとに作成することだと思いますので、せっかくあれだけつくって、今その集落ビジョンの中で担い手像が明確化になっているところはその線に沿って今動き出していますし、その時の話合いがまだまだ不十分で、担い手像をどうするかということが十分にできていないところは、その集落に入って、さらに担い手像を明確化するようなことを今始めているわけです。コールオン3運動などはまさにそれですから、その集落ビジョンをベースにして、今申し上げた農業の担い手像を明確化し、さらにそれを育成していくということにつなげていくことが平成18年度の大きな課題になると思います。

記 者

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 1月1日からここしばらく県内の市町村の合併が相次いで、新しい市町が誕生していくわけですけれども、10日には盛岡市と玉山村が合併して新しい盛岡市がスタートするのですが、その盛岡市について県の広域行政と地方振興局の再編のところでもちょっと特別なところがあるように伺っています。中核市になるとしても人口がぎりぎり30万人になるというような状況ですが、新市の将来についての期待と、広域行政との絡みでの課題をお聞かせ願えればと思います。

知 事

 まず、中核市を目指されるということになるわけですから、保健所の機能とか、都市計画の一段と高い機能とか、そのほかにも多様な機能を持つわけですので、そういった中核市としての権限と責任を十分に生かした新しいまちづくりを意欲的に是非取り組んでいただきたいと思います。県全体としては人口が今後相当減ることが予想されますが、県都はそういう中では人口が集中する地域ですから、それにふさわしいまちづくりをこれを契機に大いに進めていただきたいです。
 それから、地方振興局の在り方についても市の権限がより強固なものになっていきますが、特に県都は県の本庁組織もあるので、これから盛岡市ともよくご相談しながら、他の地域とは異なる扱いも可能ではないかと思います。これからよく中身を検討したいと思います。できるだけ仕事をそういう大きな力を持つ盛岡市にお譲りして、行政を進めていくことが必要ではないかと思っています。ですから、沿岸・県北地域の中で、盛岡市は県北地域に一時期広域圏でも分けていましたが、今回、盛岡圏を独立させました。地方振興局の在り方については、そういう市町村の中でも一番実力を備えた市であるということにふさわしい体制を盛岡市ともご相談しながらよく考えていきたいと思います。

記 者

 よろしくお願いします。
 来年に迫った知事選のことについてお聞きしたいのですけれども、ご自身、4期目についてどのように考えていらっしゃるかという部分と、いつか決断しなければいけない時期が来るわけですけれども、そのあたりの時期についていつ頃表明なり決めるというふうにお考えなのか、そこをお聞かせください。

知 事

 4期目については、ちょうど今年の4月で3年が経ちますので、今の任期が終わりに近づく時期に次どうするか判断していかなければならないと思います。時期は、今年の末の時期になると思いますけれども、それまでやらなければいけないことがたくさんあります。人口減や地方制度も大きく変わる時期で、ちょうど大きな節目の時期になっていますから、特に将来どういう岩手づくりをしていくのか、その課題設定と解決に向けての絵をしっかりと描いて、その実現に向けて今年1年全力投入していきたいと思います。早く言ってもいいのですが、その時はまた考えなければいけないです。そうすると考えがよその方にいくので、しばらくはとにかく仕事に全力投球して、年末ぐらいに申し上げることにしようかと思っています。

記 者

 明けましておめでとうございます。
 今日にも県北・沿岸振興本部が立ち上がるかと思うのですけれども、何かその点について発表があればお願いします。

知 事

 今朝ほどの庁議で県北・沿岸振興本部の設置要綱を決めました。この設置要綱は1月4日、すなわち今日から効力を有するという設置要綱です。午後に副知事が県北・沿岸振興本部の設置式を行います。第1回目の本部会議は1月下旬ぐらいになると思いますけれども、年度を待たずに年明けの今日から作業をスタートさせたいと思っています。沿岸・県北の行政全般について考える本部ですが、当面、特に産業振興に力を入れて考えたいと思います。それぞれの組織の力を総合して、総合力を発揮できるようにしていきたいと思います。本部員は本庁の各部局長になりますけれども、その下に課長レベルの幹事会を設けており、そこでよく議論を整理してもらうつもりです。
 私の方から庁議の時に指示をしたのは、県庁あるいは地方振興局の職員、すなわち県の職員だけで議論する会議の場としないようにしてもらって、関係する団体、特に民間、経済界の人たちとよく意見交換して内容を詰めるようにということが第1点です。その時も相手が組織の長というような決まりきった形ではなくて、本当に地域で物事を動かしているような人たちと進んで意見交換するような形にしていただきたいと考えています。
 もう一つは、過去の県としての取組み、あるいは県と市町村が一体になった取組みをよく踏まえた上でこの問題に取り組んでいただきたいです。それは、過去をそのまま引きずるという意味ではなくて、むしろその中で効果が上がったもの、上がらなかったもの、功罪をよく見た上で取り組んでいただきたいです。いずれにしても、これから沿岸、県北の姿というのは相当今の状況とは変わるわけですから、20年、30年で相当変わった社会に対して何をしていくかという話になります。今までの考え方にとらわれると駄目ですので、そういう過去の取組みの適否などをよく見た上でやっていただきたいという2点を庁議の場で発言しました。

広聴広報課

 他になければ、以上で記者会見を終わらせていただきます。 

知 事

 本年もどうぞよろしくお願いします。




次の定例記者会見は1月23日(月)の予定です。


  
                  (作成:広聴広報課)