知事記者会見記録

(平成17年12月12日 10時31分〜10時59分)


広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。
 最初に知事から発表があります。
 それでは、知事、お願いいたします。

知 事

 おはようございます。お手元に資料が配付されていると思いますが、岩手県の農林水産物について台湾への輸出促進のために今月17日から台湾の台北市内にある三越百貨店で岩手県食品フェアを開催します。
 背景としては、台湾がWTOに加盟したことにより輸入数量制限が撤廃されましたので、平成14年からリンゴなどの輸出が非常にしやすくなったことがあります。岩手県でも平成14年は高橋前副知事、平成15年が橋田前出納長、平成16年が竹内副知事というように毎年台湾にリンゴの輸出をしたいということで今まで準備し、平成14年から試験的に台湾へリンゴを輸出してきました。輸出量も年々増えていまして、最初は30トンぐらいだったのですけれども、今年度は133 トンを輸出しようという計画になっています。今回はリンゴ、米、ナガイモの3種類を中心に、その他、ジュース、和菓子類を持って行きまして、それで向こうの輸入関係者の皆さん方などと商談をさらに展開していきたいと考えています。それから、当然のことながらデパートで一般に販売しますので、消費者の皆さん方に岩手県のものを販売していきたいということです。
 あとは配付資料に書かれているとおりのことになっています。それから、私も台湾に行きますが、16日に関係機関のところにあいさつに行き、17日にデパートで販売やいろいろ物を配ったりとかします。それで、18日に日本に戻って来るという予定になっています。
 私の方からの発表は以上です。

広聴広報課

 以上で、知事からの発表を終わります。
 本日の進行は、幹事社さんにお願いしておりますので、よろしくお願いします。

幹事社

 ただいまの発表事項について、各社質問があればお願いします。
 質問がないようですので、それでは、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。 

記 者

 国の動きに関して2点伺いたいです。まず一つが、アメリカ産牛肉の輸入再開が近々政府の方でなされるということですが、畜産県である岩手、そして、消費者の気持ちとか考えますと知事としてどのように受け止めているかということをまず伺いたいです。
 それから、地方制度調査会が出納長、収入役の廃止とか、副知事、副市町村長の権限を強めたりというような制度改革を政府に答申しましたが、この答申内容について知事はどのようにお考えになっているかお聞かせください。

知 事

 まず、BSEに伴い、米国産牛肉の輸入をストップしていたわけですが、今回それが解除されるということですけれども、米国側でそうした輸出証明のプログラムをしっかりと遵守していただきたい。これは国と国との関係ですから、我が国政府がそういうことをしっかりと米国政府に申入れをしているはずですが、さらにその点について遵守をしっかりと米国政府に伝えておいていただきたいということ、それから、全国アンケート調査などで米国産について、不安を感じる人たちの割合が確か8割ぐらいになっていたのではないかと思います。そういうような不安を感じる人たちが非常に多いというようなことですので、輸入されても国内産に対しての信頼感の方がずっと高いですから、今すぐに国内又は県内の牛肉価格に大きな影響が出てくると見ていませんけれども、前提として食品表示がしっかりされていて、消費者がどちらのものかということを適切に選択できるような仕組みになっていなければいけないので、正しい食品表示を展開されるような推進の努力が、我々としても必要ではないかと思っています。そこをしっかりやっていれば、あとは消費者の皆さん方の方でしっかりとした選択をしていただけるのではないかと思います。それから、こういった安全性に関わる問題については、特に国内外との関係でいえば、鳥インフルエンザもそうですけれども、国がこういう問題についてしっかりと担保を取っていく必要があるだろうと思っています。
 それから、地方制度調査会から副知事、副市町村長制の導入とか、出納長、収入役の廃止などの答申が出ています。今の地方自治の仕組みでは、人口規模の大きな自治体も、小さな自治体も一律の制度となっていますから、いろいろな選択の可能性が拡がってくるのはいいことだと思います。それから、副知事は知事を補佐し、副市長あるいは助役は市長を補佐するという役割でしたけれども、今回は責任ある形で仕事をしっかりとこなせるように制度が改正されますから、その方向性はいいのではないかと思います。あとはそれをどのように選択していくかは各自治体の判断だと思います。
 それから、出納長、収入役制度についても、今回の答申をそれぞれの自治体がどのように判断するかです。そのほか、教育委員会制度などの問題についても述べているようですが、それぞれ自治体の選択肢が多様になるのはいいことだと思います。答申内容がそのまま法律になるわけではないと思いますけれども、これから法律化する段階でよくまた議論してもらいたいと思います。大きな流れはそういう方向に来ているのではないかと思います。
 岩手県でどうするかについては、これからまた慎重に考えなければいけないと思いますけれども、制度としての組立て方としてはこれから地方制度調査会で今回出された方向性に沿って制度化してもらいたいと思っています。

記 者

 先日、「わたり」の廃止を明らかにされましたけれども、「わたり」の存在自体を明らかにして廃止を決めたことは評価されることだとは思いますけれども、改めてこれまで公務員特有の慣例をずっと続けてきたことを知事としてどう捉えていらっしゃるのか。
 それから、今後、廃止の経緯を県民にどう説明するのかをお聞かせください。

知 事

 これまで続けてきたのはやはり処遇の問題です。長年、同じような業務についている人たちの処遇の問題があり、そういう措置をとってきました。随分昔に遡ってですけれども、そういう処遇をとってきた制度が根底にあると思うのですが、その後こうした職員の処遇について組合とも大きな議論をしてきませんでした。やはり内部の処遇の問題について、お互いに甘えがあったということは否めないと思います。
 それから、今回の問題提起というのは人事委員会報告の中でも、反省の弁を述べていたと思いますが、こういう職員の給料制度を第三者的に判断する人事委員会でもこの問題について今まで触れずに来たということもあったのだろうと思います。
 しかし、こういったことが今はもう許されない。むしろ処遇をきちんとすべき人については、格付を考えていかなければなりませんけれども、公正な制度の中でやはりやっていかなければならないということですので、警察職員の問題とか、それぞれの職場で固有の問題を抱えていますから、どういう制度を構築するのかはこれからよく検討したいと思います。士気がそのことによって著しく低下しないような工夫は凝らさなければいけないと思いますが、客観的な制度を構築して、その制度の中身が県民のご理解をいただけるようにやはり透明化することが大事だと思います。県民の皆さん方に公表することが結果として納得していただけることにつながると思いますので、今回、「わたり」のような形での処遇はしないということを表明したわけですが、それを受けた形での制度構築、今の問題をどういうふうな制度に結びつけたのかを明らかにしていくことが大きな課題だと思っていますので、もう少し時間いただいて検討したいと思います。

記 者

 先週の常任委員会で地方振興局の再編と森林税の両方とも全員一致で可決されて、今日、成立する見込みかとは思うのですけれども、常任委員の議論の中でかなり説明不足とか、時期尚早とか、そういった話があって、それがかなり影響して議論が紛糾した部分があろうかと思うのですけれども、こういった新たな施策をつくる際の知事の説明の仕方、議会あるいは住民に対する説明の手法というところをもう一度どういう手法でやっていらっしゃるかというのを説明していただいて、今後どうするのか、あるいは今回について説明は足りていたかどうかという部分について見解をお願いしたいと思います。

知 事

 私として、県として……。

記 者

 知事として。

知 事

 知事としてということであれば、直接地元に出て行っての説明、それからこういう場で発表するということの2つだと思います。これは基本的な方針を発表するということで、あとはそれを受けた形で職員が具体的に発表して、地元での説明会に臨むということです。それから、議会の中で随分議論が出てきますので、それについてしっかりと答えるという手法が原則だと思います。今言ったように、地元での説明、市町村長などへの説明、それから、議会への説明という3本の組合せをこれからも続けていくということになると思います。それから、職員がより具体性のある説明をそれぞれの場でしていくと同時に、パブリックコメントなどを実施するということで、手法自体はそういう今とっている手法に則ったというか、手法を駆使したやり方を今後もしていけばいいと思います。あとはその具体性とか、背景の説明をどこまで踏み込んで深く理解してもらうかだと思いますが、それは物事の案件によっていろいろだと思います。それから、特に増税につながるようなものについては、より丁寧な説明が必要ですが、それにしてもいろいろとご意見が出てくると思います。内容によりけりだと思いますが、今言ったような手法でできるだけ理解がいただけるようにしていく必要があると思います。

記 者

 それで、今回の地方振興局の再編と森林税について、県としてあるいは知事としての説明の部分は、足りていたかどうかという部分についてはどういうふうにお考えでしょうか。

知 事

 一応やりましたので、それで足りていたかどうかはいろいろ議論があるところだと思いますけれども、従来よりは大分回数は増やしてやりましたから、むしろそういうものよりも中身の問題、中身の重さの方がこういう問題について理解を得る上で、また、背景を理解させる上でどこまで広くやっていくかという問題だったのではないかと思います。ですから、かなりそういった問題についての説明の工夫というのは当然これからも必要になるだろうと思います。すなわち、地方振興局の再編などについても前提が権限移譲とか、それから市町村の合併になっていますから、むしろ地方振興局ということよりも今まで取り組んできた合併の問題とか、それから平成11、12年頃からずっと取り組んできている権限移譲の問題とか、そういう違う形で取り組んできたことまでも含めて全体をしっかりと今回の地方振興局の再編の問題に連動させた動きというのが必要になってくるのではないかというか、今後はより一層そういうことが求められるのではないかと今回見ていて思いました。

記 者

 その点で、例えば、議会対策というところで、以前は根回しをしていたとか、そういった頃もあったと聞いているのですけれども、その辺については今後は何か手法を変えるとか、そういったことはありますか。

知 事

 今回も随分それぞれの部局長も個別に説明したようですから、そういう意味では手法という意味では同じようなことだと思いますけれども、しっかりと説明するということだと思います。

記 者

 例えば、事前の根回しとか、そういったところについてはどのように。

知 事

 どのようにといっても……

記 者

 するのかしないのかという部分ですけれども

知 事

 今回も議会の事前の説明会で説明したりとか、そういうことをやっていけばいいのではないでしょうか。全員協議会の場とか随分設けてやっていますから、そういう場で理解してもらうようにすればいいのだと思います。

記 者

 今の森林税の対策、それから、地方振興局の再編が可決という見通しになったわけなのですけれども、紆余曲折があって議会中も相当突っ込んだ議論というのもあったと思うのですけれども、議論の中ではいろいろな懸念材料が示されたかと思うのですけれども、こういったことを示されながら可決になったという経緯も含めて、議論を振り返って知事としてどのように思っているのかというのを一つお聞きしたいと思います。
 それから、どうも地方振興局再編の論議を見ていますと、初めは産業振興論でいって、次に行革の話が出てきて、最後には常任委員会の審議の中では社会資本の整備の話に飛んでしまったという感じもあるのですけれども、具体的には現実的な政治対応の部分と理念の部分ということで見ますと、どうも初めの産業振興論で押し切れなかったのかという印象も持っているのですけれども、どのようにお感じになっていますか。

知 事

 午後ですからちょっと早いかもしれませんが、今回、可決してもらえれば中身が大変重要な問題を含んでいるので、議論は当然多方面に及ぶと思うのですが、そこでいろいろ出てきた懸念も含めてこちらでよく受け止めて、狙っている効果が産業振興なり、森林の整備なりできちんと出せるようにしていくのが、我々の仕事になりますので、それをしっかりとやっていきたいということです。
 それから、今話があった産業振興とか、あるいは行革的な観点は、みんなセットですから、質問の場で、こういう点はどうだと出てくれば、当然そこは一生懸命説明するのですが、全体セットだと思います。ですから、どういうウエートがかかっているかといえば、それは全部にウエートがかかっているので、そういう総体としての効果がきちんと出せればいいので、産業振興だけで押せる、押せないとかという話ではなくて、やはり行革の成果も出すだとか、狙っているところが幾つかあるので、地方振興局を再編したり、広域生活圏をまとめたりすることについて全体で狙っている効果を早く出せるようにしていくというのがこれからの私どもの役割ではないかと思います。

記 者

 実際に今回の広域生活圏の再編、それから産業振興という論点の出発点は人口減少という部分があると思いますし、そういう意味では、人口減少率の県内格差をどうしていくかという部分が出発点にあるのかと思うのですが、現実の問題としては産業振興対策よりもそういった格差が出ている、特に沿岸とか県北部でのいわゆる社会保障的なセーフティーネットの整備というのが先に来るような気もするのですけれども、併せてどのようなお考えをお持ちかお教えいただけますでしょうか。

知 事

 格差ばかりに目つけていると逆に広がっていくので、やはり産業振興のようなところにもっと力を入れて、それで今言ったような格差是正の問題も併せて取り組むということで、成長させる部分をもっと伸ばしていく必要があるのではないかという問題の捉え方ですけれども、人口減少の問題については、産業振興によりもう一回組み立てが可能ではないかということなので、格差是正にいい効果を出したいということです。

記 者

 地方振興局の議案が通りますと、今度、具体の人事作業が本格化すると思うのですが、そのあたり内部的にはどの程度詰めていかれるのか、今後のスケジュールが例年と違ってくるとは思うのですが、どのように考えていらっしゃるのか。
 それから、県南広域圏関係ですが、県南広域振興局は水沢が総局で遠野や千厩はセンターに変わっていくということですが、本庁とのそういうところの人の配分というのは来年度どう変わっていくのか、細かい話になるかもしれませんが、全体的にどういうふうに考えていらっしゃるかお伺いします。

知 事

 人事作業は、特に、幹部についてはやはりそれなりの人を充てなくてはいけないと思いますので、少しそこを意識してやっていきたいと思いますけれども、いずれにしても年明けになります。今お話にあったように、本局、支局、それからセンターの間の定数をどうするかの問題、それから、近いうちに行革関係の計画を国に提出しますが、平成19年度以降の行革も睨んだ人事作業になりますので、少しそういうことを念頭に置いた作業をしていきたいと思います。スケジュールは、最終的には毎年と同じようなスケジュールで進めていくと思いますけれども、人事について言えば、ポイントになるところは少し早目にやっていかなければいけないだろうと思います。
 それから、広域圏に分けて、特に県南の方は広域振興局をつくりますけれども、県北、沿岸も含めて広域圏に分けてビジョンをつくるとか、それから、振興本部を立ち上げるとか、そのあたりの準備は早目に取りかかりたいと思いますが、最終的な人事のスケジュールは3月の半ば発表から逆算していろいろ組み立てていきますので、スケジュール的には大きな変動はないと思いますけれども、内部作業は少し従来とは違う要素を入れて作業をすることになると思います。

記 者

 地方振興局の再編の問題なのですけれども、産業振興という面は非常に今回説明が丁寧にあったと思うのですけれども、反面行革の視点というのは、非常に私から見るとちょっと乏しいかと思いました。加えて300 人削減という具体的な数字が出てきたのですけれども、コストがどれぐらい振興局再編に伴って削減されるのかという部分がいまいち見えないかなという気がするのですけれども、今後、地方振興局が総合支局とか、あるいはセンターに移ることによって何億円ぐらいコストが減るかというふうな試算というのはもう出ているのでしょうか。

知 事

 外部に発表するようなしっかりとしたものはまだつくっていません。今後、発表するかどうかははっきりしませんけれども、人が減れば当然そこの部分でコストが減ってきます。それ以外にも様々な業務を現地で動かすということで、例えば、本庁と振興局の間の仕事を変えることによって、例えば、旅費等についても大きく変わってくると思いますけれども、通常それに伴って別の設備投資等も必要になってくるところもあります。というのは、一般的なIT化を進めて、吸収できるところは吸収していくのですが、振興局ごとに個別にやるというのはまた膨大な作業になるので、全体のIT化の中でそういう今言ったようなメリットを享受することになります。
 実を言うと、今言ったような振興局の人件費等については計算できるのですが、業務関係について本当に正確にコストを算出するというのは通常自治体の場合には非常に難しいところがありますし、余りそのことだけでは生産的でないわけです。内部的にそういう数字を持つにしても、外部に具体的に出せるものになるかどうかというのはまた数字を見なければいけないと思います。おおよそこのぐらいのものというのは持っていますけれども、よく精査しなくてはならないので、将来的にどう扱うかは今後検討したいと思います。地方振興局再編により、間違いなくコスト削減にはつなげていくつもりにしていますけれども、細部は年次計画にも落としてきちんとやりたいのですが、もう少し検討に時間がかかると思います。

広聴広報課

 他になければ、以上で記者会見を終わらせていただきます。  




次の定例記者会見は12月28日(水)の予定です。


  
                  (作成:広聴広報課)