知事記者会見記録

(平成17年11月29日 10時31分〜10時46分)


広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。
 本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
 それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。

幹事社

 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記 者

 今回の議会で「いわての森林づくり県民税」導入の条例案を提案されると思うのですが、改めて導入のねらいについて伺いたいです。

知 事

 県内の森林づくりについて、これまで様々な施策を行ってきましたけれども、県の方でゾーニングをもう一度見直して、特に公益性の高い地域、具体的に言いますと、例えば水源地を有する地域の上流で今後保全すべき森林といったような非常に公益性の高い森林については、県民の皆様方の薄く広い負担によりまして、その整備を確実なものにしていきたいと考えています。
 この「いわての森林づくり県民税」については、森林の経済林としての機能は今後も果たしてもらわなければいけませんけれども、それと同時に、森林が果たすCO2 の吸収など多様な機能がありますので、そうした環境林的な機能を果たしている森林の役割というものを広く捉えて、その整備をさらに確実にしていこうというものです。本来、従来の税源などでそれが確実に担保されればいいわけですけれども、ご承知のとおり環境税の議論も国全体としてもあまり進んでいません。その中で森林の荒廃が非常に進んでいます。ですから、最終的には国に対してもそうした森林保全のため新たな税源の獲得策を要望していくことにしていますけれども、県内で県民の皆様方の合意によってできるぎりぎりの負担を県民の皆様にご理解をいただいて、新たな税源を確保して有益に使っていきたいということが今回の県民税の大きなねらいです。

記 者

 確認なのですが、今回対象が基本的には個人で持っていらっしゃる森の整備になると思うのですけれども、県民全体からすると、数からすると一部の方が持っていらっしゃる財産を強制力ある税金で徴収したお金で整備するということで、なかなか理解というのがいろんな面で難しい点もあると思いますが、その点についてはいかがお考えですか。

知 事

 公益性が高く、整備の対象とするところについては、将来的に利用の制約を受ける地域、具体的には、保安林に指定をすることを考えていますので、公益性と、所有者として当然今後受ける私権の制限によって公益的な目的、税金を入れるということについての担保ができると考えています。

記 者

 三位一体改革の生活保護の取扱いについて2点お尋ねします。
 まず、1点目は、昨日、北海道東北地方知事会で出された声明とちょっと重複するところあると思いますけれども、改めてなぜ国の方針に反対しているのか、その趣旨についてお願いします。
 2点目は、この声明の中で、来年度以降、生活保護の受給に関する事務を地方では受け付けないという考え方を示されていますけれども、地方によってはこうした社会的弱者の関連事務を国との取引材料にするべきではないといった意見もあるようです。本当に生活保護費の受給事務を地方が行わない場合に、受給世帯に対する影響がないのかどうかという点についてお願いします。

知 事

 まず、最初の質問ですが、生活保護については、社会保障制度の中で最も根幹に関わるものであり、今まで生活保護についての制度設計をどうするかということを協議される場がしっかりとあって、そこで議論を重ねてきたわけです。そういう議論の場があるのですけれども、その議論が打ち切られて、三位一体改革の中でこの生活保護を取り扱おうということは、厚生労働省が持っている様々な補助、負担金を今回の三位一体改革の中から逃れさせるための手段にすぎないのではないかと思います。ですから、生活保護の事務の性格からしても、本来は各地域で差がなく最低限の保障として国がやるべきものだと思っていますけれども、それと三位一体改革を絡めてきているということもやはり問題ではないかと思います。
 それから、内容を見ると、特に補助率の率の変更などが盛り込まれていますけれども、ああいう形で税源移譲に結びつけるのは、本来やはりルール違反ではないかと思いますので、非常にたくさんの理由があるのですが、我々としてはやはり強く反対せざるを得ないと思います。
 それから、2点目についてですけれども、国が生活保護を持ち出してきたことは生活保護を受けられる皆さん方を不安に陥れる話であって、やはりそういう形で議論を持ち出してくること自体がやはりおかしいのではないかと思います。ですから、国のこういう生活保護をあえて地方の負担にすりかえようとしている姿勢自体がやはり私はおかしいと思うので、データについて今回、国への報告を停止することにしていますが、県でしっかりとデータを管理しておいて、問題が解決したら、また送るとかすればいいわけですので、県でデータをしっかりと保管しておきたいと考えています。
 それから、来年からの受給についてどうするかについては、そういう受給をストップするようなことにならないように国の対応を誠実に求めるということです。ですから、厚生労働省では、やはり受給者である生活保護者を取り込んで、まさに地方で反対できないだろうということで押しつけてきているような形になっていますけれども、やはりそのこと自体が生活保護を受けられる皆さん方を不安に陥れる話ですから、そういう議論の進め方は是非やめていただきたいと思います。

記 者

 道路特定財源の一般財源化の議論は、かなり総理の指示で進んでおり、地方にもかなり影響がある話だと思いますが、知事は基本的にはどのようにお考えなのでしょうか。

知 事

 道路財源については、岩手県でも大きな道路整備の計画で進行途上のものがあります。総じて言うと大体5兆8,000 億円ぐらいの道路財源であり、国と地方の配分は6対4ぐらいでやっていると思います。国の配分割合を変えずにそのまま進めていった場合には、旧本州四国連絡橋公団への償還が平成19年途中で終わってしまいますから、確かにその分は余るのですが、地方は一般財源を充当して、それで何とか間に合わせているので、国の方が余るからといって、計画に手をつけずに財源だけを一般財源化するのはちょっと都合がよすぎると思います。ですから、そのままでやるのであれば、暫定税率の変更の話につながってくると思うのですが、その前に最低限5対5ぐらいに地方と国との取り分を見直して、まだ計画の中で残っている道路整備に充当するような方向を考えるべきではないかと思います。今のところ今年度中に基本方針と言っていますけれども、具体の議論は多分来年に持ち越されると思いますけれども、そういった国と地方の配分比率の見直しなどは国の方に働きかけていかなければならないと思っています。

記 者

 今日から議会が招集されるわけですけれども、一番の論戦のポイントになると思われるのが地方振興局再編の問題だと思います。そこで3点ほどお聞きいたします。
 県では最終的な案をまとめましたけれども、改めてこの地方振興局の再編が、なぜ今必要なのか、そのねらいをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、6月以降、地方振興局にまつわるいろいろな議論の中で、そもそも地方振興局の役割という形で今まで県は地域経営に関わってきたわけですけれども、この地方振興局の役割の検証については、これまで果たしてどのようなものだったのか、合格点をつけられるのかどうかも含めて知事ご自身のお考えというのをお聞かせいただきたいと思います。
 もう一点は、地方振興局の再編については、県議会の空気というのは重いというふうに思っております。いろいろ変化もあるようですけれども、もし県議会が非常に慎重な判断をした場合に、知事の求心力が低下するのではないかという指摘もあるわけですけれども、条例案の行方とともにこういう指摘についてはどのように思われているかお願いします。

知 事

 見直しの考え方ですけれども、地方分権をより具体化すること、それから、地方振興局の機能を産業振興を中心として、広域的な機能をより強化するということ、併せて行革的な観点です。
 それから、今まで地方振興局がどういう役割、機能を果たしてきたか検証を行った上で今回の見直しにつなげています。市町村への権限移譲については、地方振興局というよりも県全体として市町村への権限移譲が不十分であり、今後もそういった県と市町村の役割分担をかなり変えていく必要があります。その中で、県として残された役割をどのようにより効果的に発揮させるかということで今回の案がつくられています。
 それから、県議会での審議でどうなるか、これから議会でいろいろご質問もあるでしょうから、それにお答えしていく中で決まっていく話だと考えています。また、求心力の話がありましたが、それは皆さん方が判断される話なので、とにかく議案をご理解いただくように努力することだと思います。

広聴広報課

 他になければ、以上で記者会見を終わらせていただきます。  




次の定例記者会見は12月12日(月)の予定です。


  
                  (作成:広聴広報課)