知事記者会見記録

(平成17年8月29日 10時33分〜10時59分)


広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。             
 最初に知事からの発表事項があります。
 その後、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきますので、よろしくお願いします。
 それでは、知事、お願いします。

知 事

 おはようございます。私の方から1点発表事項があります。お手元に資料が配付されていると思いますが、県に対しての申請・届出事務につきまして、これまで窓口に持参する、あるいは郵送する方法をとっていましたけれども、今日の正午から電子申請・届出汎用受付システムを稼働させることとしました。このシステムによりまして、時間にとらわれることなく、24時間365 日いつでもインターネットに接続できる環境であればどこからでも行政手続き等が可能になるということです。簡易版電子申請等でこれまで実は14の手続きについてこのようなやり方が可能でしたけれども、今日、新たに41の申請・届出事務が可能になるということで、一覧表は配付資料の裏面につけてあります。
 本県の電子申請システムの特徴は、3点ありまして、一つは入力ガイドに従うだけで申請書が作成できるという簡易な仕組みであるということ、2つ目は、市町村との共同利用を行うということ、それから、3点目は代理人申請が可能であるということです。今回、41の手続きを加えますけれども、今後、さらに128 の手続きを増やす予定であり、内容は産業廃棄物に関する申請事務や県職員の採用試験申込みなどです。それから、国との関係があるパスポートの申請など、全国共同構築分47手続きと併せまして、平成18年度中に岩手県として目標としています手続き件数カバー率95%を目指したいと思っています。したがって、来年度中には申請手続きなどのうち95%はこのインターネットによりまして電子申請・届出ができるような形にしたいと思っています。
 発表事項は以上です。

広聴広報課

 以上で知事からの発表を終わります。
 以降の進行につきましては幹事社さんにお願いします。
 それでは、よろしくお願いします。

幹事社

 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。 

記 者

 今週、北海道・北東北知事サミットが平泉であり、産業振興について議論なさるということですが、産業振興というのも幅広いのですけれども、どの辺に焦点を絞ってお話しになる予定かというのを教えてください。

知 事

 各県とも非常に優先度が高い課題ですから、産業振興全体についてどういう戦略を立てているか、言えること、言えないこといろいろあるかもしれませんけれども、そういう全体的なことと、それから同時に産業振興を進めていく上で、例えば、それぞれの各道県が持っている試験研究機関などは有力な武器になるのですが、そうした試験研究機関などがお互いに協力することで、より産業振興が進むようなものがあるのかどうか、4道県で協力して、あるいは連携をとって戦略が進むようなものがあるのかどうか。成功事例とか、それから苦労している点などをお互いに持ち寄って、発表することにより、それを参考にして、それぞれの県の産業振興をどうしていくかということについて連携を進めていくような点とか、それから課題として共同で国に対して提案・要望していくような点とかが明確になればいいのではないかと考えています。それぞれの知事さん方にできるだけ具体的な実例などを頭に入れて参加してくださいという案内を出しています。

記 者

 もう一点それに関連して、いつものように合意事項という形で幾つか出される予定ですか。

知 事

 合意事項は何点か取りまとめたうえで、公表したいと考えています。

記 者

 北海道・北東北知事サミット関連です。北東北三県のグランドデザインに向けて、今のところ作業の進捗状況とか、サミットでどんなことをお話しになるか、期待する点とかあればお聞かせください。

知 事

 現在、最後の取りまとめしている段階です。私も途中では何回か見ていますけれども、一番最後のでき上がりの姿は、今週見ることにしています。それから、北海道の知事は直接関係せず、北東北三県だけの話題になりますので、サミットの中でそれほど多くの時間はとりませんけれども、今後に向けて両県知事から決意のほどは聞こうかと思っています。

記 者

 知事としては、そのグランドデザインにどういうものを期待されていますでしょうか。

知 事

 要するに、今後に向けてのグランドデザインですから、以前にも申し上げましたとおり、それぞれの地域がどういう力を持っていて、それから今後一体的な地域としてどういう役割を果たしていくべきかということについて、将来に向けての大きな方向をサミットの場で示していきたいと思っています。

記 者

 サミットに関連して、道州制についての議論もなされると伺ったのですが、どれぐらい突っ込んだお話になるのか。それから、グランドデザインの中でも、どの程度この問題に踏み込んでいかれるのか教えてください。

知 事

 先ほど言いましたように、グランドデザイン自体は北海道がちょっと関係していないのですが、道州制特区については北海道が大分ご苦労をされて、盛んに全国知事会の場でも他県の支援なり、サポートを訴えているので、最近のそういう道州制特区についての課題などを北海道から披露していただきたいと思っています。
 それから、以前にも申し上げたかと思いますけれども、どういう道州制が好ましいかとかという制度論はあの中ではやっていません。全国でどういうブロック分けがいいかとか、道州制として議会やその構成がどうあるべきかという制度構築の話はちょっと別なので、グランドデザインの中ではそういう道州制の仕組みに係る部分には特に触れていません。それはまた別の場でやればいいと思っています。

記 者

 ちょっと話が変わるのですけれども、今度の総選挙の事務手続きの件ですけれども、投開票日の開票データとか投票データについては、全国47都道府県のうち岩手県と長野県と熊本県だけがいわゆる電子データでのやりとりというのが不可能で、紙ベースのみでのやりとりになると伺っていまして、今回こういった電子申請とかというお話もあるのですけれども、一方でIT化がちょっと遅れているのかなという印象を持っているのですけれども、これについてはどのように思われますか。

知 事

 そういう電子データでのやりとりができないという話は、今初めて聞きました。
 そうすると、皆さん不便ですね。選挙管理委員会の事務なので、私どもは何にもタッチできないです。多分何か原因があるのでしょうけれども、どこに原因があるのかわからないので、ちょっと即答はできかねるのですけれども、迅速なデータ処理ということからすると、それに反すると思います。

記 者

 地方分権と総選挙の関係についてちょっとお伺いします。
 まず、地方分権について、先日、全国知事会でマニフェストの検証を行っています。大変ご苦労されたかと思うのですが、改めてその感想をお伺いしたいというのが1点目。
 2点目が、「地方の時代」と言われてもうかなりの時間、二、三十年が経つわけですけれども、この間の国政選挙で「地方分権」というのが大きな争点になったことはないというふうに認識しております。今回も「地方分権」が国民の投票基準になっていないというのが現状だと思いますけれども、その現状についてどのように思っていらっしゃるでしょうか。まず、この2点お伺いしたいと思います。

知 事

 評価は、先週の金曜日に取りまとめたように、それぞれの政党の政策を毎回毎回評価するということを根づかせていくことが大事だと思います。評価は今回で2度目になりますけれども、今後も継続していく必要があると思います。今回の評価については、三位一体改革の部分に絞って評価していますけれども、例えば、農業政策、商工業振興策も含めて本来は評価をするのが大事だと思うのですが、今回はそこまでの時間的な余裕がありませんでした。ですから、「地方分権」の分野に限ってということはやはり不十分であって、選挙があるなしに関わらず、毎年毎年評価をすることにしていますが、そういう際に今言ったような農業政策なり、社会保障政策なり、そういう分野も含めて今後評価していく必要があると思っています。
 それから、2つ目、選挙の争点ですが、「地方分権」を真っ正面に掲げた選挙というのは、今後もなかなかなりづらいような気がします。むしろ大きな国策で、国ベースで考えるべき問題、例えば、外交問題については、真っ正面から国政選挙では大いに議論されているけれども、地方分権については、それぞれの地方の中で個別に判断されるのが将来の地方分権の行き着く姿ではないかと一方で思うのです。今回はそれにしても途中の段階ですので、もっと地方分権を進める意味で積極的に政党に争点化をするような働きかけが必要になるわけです。今回はその部分については必ずしも十分な時間的な余裕もないし、十分成果が上がったとは言えないと思っています。当面の何回かの選挙の中で地方分権を問いかけていく必要があるのだろうと思います。ですから、マニフェストの評価などを通じて、もっと政党が地方分権のことをどう書くかを注視していかなければならないと思います。今回も理念を語るに止まっている政党もあり、必ずしも十分にはなっていない。ただ、数回前の総選挙の公約に比べると、地方分権の位置づけは高まっているような気がします。レベルが低い中での争いなのかもしれませんけれども、前回ぐらいからやはり地方分権を気にはしてきているという気はします。ただ、全体的にはやはり十分ではないと思っています。

記 者

 そういうお考えはよくわかるのですけれども、その上であえてちょっと厳しい質問になるかもしれませんけれども、全国知事会という現在の枠組みの中では、やはり国政の土俵、特に選挙の争点として「地方分権」というものを乗せていくのには、そういう組織では限界があるのではないかと思うのですけれども、その辺の認識について1点お伺いしたいと思います。
 もう一つは、やはりそういうことを明確に争点として乗せていくには、全国知事会というよりも政治家たる知事、あるいは首長が明確に行動をしないと、現状ではなかなかそこまで行かないのではないかなというふうな気がします。知事はどのようにお考えなのかと思います。
 それから、個々の政策があるわけなのですけれども、例えば、郵政民営化は地方の暮らしとも関わるのですけれども、こういったものを改めて知事ご自身はどのようなお考えを持っているのか。

知 事

 地方分権についての行動の基本は、やはりそれぞれ一人一人の知事の普段の活動に関わっていると思います。それから、全国組織である全国知事会が一丸となって取り組むということに私は意味はあると思います。全国知事会がこの問題について及び腰では物事が前に進みません。例えば、先週の政権公約検証大会に幾つかの団体と一緒に全国知事会もそのメンバーとして参加しましたけれども、ああいう場にはやはり全国知事会でないと参加できないわけです。個々の知事、あるいは数人の有志の知事では、ああいう場は恐らく与えられないでしょう。
 個々の知事の行動というのも大変大事だと思うのですが、行き着くところは今回のように政党の党首になることも一つの方法でしょう。それの評価はいろいろあるかと思いますが、私は非常に新しい形ですし、やはり注目すべき動きだと思います。選挙の期間ですから、個々の知事の行動だけでは、なかなか影響力が行使できないとともに、政党のマニフェストなどにどれだけ取り込ませるかということについても個々ではなかなか難しいところがあるので、全国知事会の活動の質を高めるということがやはり大事かと思います。
 それから、私はあまり郵政のことばかりではないと思うのですが、ちなみに郵政をどう考えているかと言われると、そればかり書かれるのもちょっと心外ではあるのですけれども、ただ郵政と言っても今一番考えなければいけないのは資金の流れの問題だろうと思います。だから、郵便事業自体はやはりしっかりとしたサービスがどういうところでも提供されることが必要なので、それは民営化ということではなく、仮に民営化だったら民営化の質にもよるでしょうし、それから、法案の中身になれば多分、私も法案がどういうふうになっているかよくわからないところがあるから、民営化によって全国の郵便事業が本当に維持されるか、あるいは民営化によって維持されないかどうかというのはちょっと荒っぽい感じがするのです。価値観としていえば、過疎地域でも全国どこでも郵便事業はしっかりと維持されなければいけない性格のものですから、一方で民営化をしても、採算ベースになると非常に危ういところがあればそれを補うような措置が別途必要になるでしょうが、全国一律に維持される必要があると思います。大事なのは、やはりああいう形で全国民から集めたお金をどう使うか、かつての財政投融資のような形で、公団のいろいろな資金に変わる時に、どれだけ中身を吟味しているかという問題ですから、これは入り口の問題と同時に、やはり出口ももっとしっかりと吟味しなくてはいけないと思っています。ですから、この郵政の問題は、そういう意味で大きな問題ではあると思うのですけれども、必ずしもそれだけではなくて、むしろ私はもっとそういうことも含めて、各省が縦割りになって、政策を立案から実行まで全部やり、今まで野放しだと批判されてきた今の官僚優位の体制をどこまで壊せるかということが一番大きな問題ではないかと思います。

記 者

 ちょっと重複するかもしれませんが、明日、公示ということで、各政党に選挙期間中どんな選挙で戦ってもらいたいかということと、あと有権者の県民にどういうふうに判断をしてもらいたいかということ、あとはもし知事が各政党のマニフェストを比べてみて、言える範囲でご感想などあったらお聞かせください。

知 事

 各政党にやはり申し上げたいのは、政策を明確にしてそれで戦っていただきたいということです。明確にして戦うということは、逆に言うとわかりやすい政策を掲げていただきたいということです。それを主としてマスコミを通じて、的確に提供していただいて、その上で選挙戦は特に政権選択のための重要な機会でありますので、政権をとった時にどういう国づくりをするのかというのがわかるような選挙にしていただきたいです。今回はバタバタの解散でしたから、結局先週末に主要政党からマニフェストの印刷物が出ましたですけれども、お互いに対立議論していく中で、さらにそれを補うようなより突っ込んだ政策なども出つつあります。また、全国知事会での緊急の声明を出すことにしており、今日の昼過ぎには多分お手元に行くのではないかと思うのですが、そこで是非こういう字句を入れた追加マニフェストを出してほしいということを言っていますけれども、明日の選挙戦が始まってからでもいいですから、どんどん追加マニフェストも出して、それで論戦を深めていくようなことが必要ではないかと思います。そういうものが出たら皆さん方も是非詳しく報道していただいて、我々がわかるようにしてもらいたいと思います。ちなみに、前回の総選挙の時には、どこの政党かは忘れましたけれども、追加マニフェストを出して、それが追加前のものと一体となってその党の政策となっていたような気がしましたので、これからもそういうことを望みたいです。
 それから、各政党のマニフェストについては、実は主要な政党しか手元にないのでですが、政権与党と野党ではちょっと違っていまして、見ているとやはり項目を羅列しており、項目間の優先度がうまくつけられていないように見えるマニフェストもあります。それから、そういう政策の優先度がはっきりわかるのですが、実行過程で本当に大丈夫かと思うようなものもあります。やはり政権与党の場合には単に政策の羅列ではなくて、もっと優先度がはっきりして、全体の体系がわかるようなものでないと常にいけないと思いますし、野党の場合にはこれから政権をとりにいくという力強さとか気迫がないといけないので、目標は当然高く掲げてあるのでしょうけれども、むしろ野党の場合には実行過程がもっとはっきり見えていないと全体理解がなかなか難しいと思います。印刷物になって来たのが先週の金曜日ぐらいでしたので、今のところそのぐらいです。

広聴広報課

 他になければ、以上で記者会見を終わらせていただきます。  




次の定例記者会見は9月5日(月)の予定です。


  
                  (作成:広聴広報課)