知事記者会見記録

(平成17年5月30日 9時16分〜9時40分)


広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。             
 最初に知事からの発表事項があります。
 その後、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきますので、よろしくお願いします。
 それでは、知事、お願いします。

知 事

 おはようございます。私の方から1点、先週、中国に行って参りましたので、その結果について報告します。
 お手元に資料があると思いますけれども、訪問の目的は三つありまして、一つは大連に開設をしました岩手県の経済事務所の開所式、祝賀会への出席です。
 二つ目は瀋陽にあります中国医科大学の医師に岩手医科大学で研修を行うための協定書の締結です。
 3点目が同じく瀋陽で行われました日中経済協力会議への出席です。予定どおり、いずれも関係の会議あるいは行事については無事終了しています。
 それから、その時期に合わせまして相互で観光団の皆さん方、岩手県の場合には経済ミッションなども含めてですが、チャーター便を相互で運航したわけです。そちらの方も無事日程をこなしまして、皆さん楽しんでそれぞれ旅行を終えられたということです。概要はお手元の配付資料に書いてありますので、内容については省略をさせていただきたいと思います。
 あと一つ、ちょうど日本で小泉総理と中国の呉儀副首相との会談が当日になって直前にキャンセルされたということがあったようですが、その副首相が日本から大連に来ましたので、実は宮城県と合同で行っていた大連経済事務所の開所式と記念祝賀会に大連市長が参加する予定だったのですけれども、どうも急遽副首相の方に行くということになりまして、我々の方には市長さんが来れなくなりました。こちらに書いてありますとおり、これまでこの問題を担当していた副市長さんが祝賀会等に参加をしたということで、これが若干ハプニングではありましたけれども、大連市の関係の皆さん方も大変当日慌てていました。
 いずれにしても前日には大連市長さんとも随分時間とってお目にかかり、大連経済事務所の開設の話をしていますし、今回の訪問の目的は予定どおり達成されたと思っています。
 私の方からの発表事項は以上です。

広聴広報課

 以上で知事からの発表を終わります。
 以降の進行につきましては幹事社さんにお願いします。
 それでは、よろしくお願いします。

幹事社

 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。 

記 者

 今の大連の関連ですけれども、花巻空港が2,500 m化されて、今回、国際チャーター便ということなのですが、大連との定期便を運航できる可能性というのが今のところあるのかどうか、今後、それに向けて何か交渉していくのか、そこら辺のお考えを教えてください。

知 事

 実は大連市の担当の方からも、この相互でのチャーター便の運航を太くしていきましょうというお話をされています。現在、岩手県で海外からお呼びしているお客さんは台湾のチャーター便がありますけれども、非常に便数が多くなって、年間ではもう40便を超えているのではないかと思います。今後、大連との関係もステップを踏んでいくべきだと思っていますが、まず今回初めてチャーター便を相互で飛ばしましたので、この回数をできるだけ多くしていきたいと思います。チャーター便の数を増やしていって、将来的には定期便のフライトにつなげていけるような、今回は最初のステップと捉えています。これは向こう側も同じような捉え方をしていまして、中国の関係者もよく言っていますが、日本の雪とか温泉、それから紅葉という自然景観に対してのあこがれといいましょうか、そういうものに引かれる要素が大変強いと話をしています。中国人は大変旅行好きということで、しかも関心が随分日本の方に向いていますので、何しろ市場規模としては大変大きいので、将来の有力な市場として我々も注目しています。今申し上げましたようにすぐに定期便というわけにはいかないので、チャーター便の本数を増やし、ゆくゆくは定期便の運航につなげていければと考えています。

記 者

 この中国の訪問についてですが、観光や経済面での交流の活性化ということを含めて、知事ご自身、今回の訪問の全体の評価については、どのように考えていますか。

知 事

 昨年からずっと働きかけていたことであるのですけれども、中国の大連市政府、遼寧省政府、それから瀋陽市政府の皆さん方に岩手県がどういう行動をしていこうとしているのかについての認識が随分高まったと思っています。主体は民間の活動ということになると思いますけれども、評価としては着実に予定どおりの成果を上げたと思います。
 それから、経済、観光の分野だけではなくて、今回の医療分野も含めてこれからもっと広い分野のことをにらんでいかなければならないと思っています。現地で国立大学法人の岩手大学の平山学長ともお話ししましたけれども、今回、岩手大学も大連理工大学と協定を結びまして、行く行くは大学が絡んで商談会を開きたいということを言っていました。そういう民間企業だけではなくて大学の役割も今後広めていかなければなりませんので、今回の事務所開設によりそういう活動にもつなげていきたいと思います。

記 者

 2点お伺いします。
 一つは道州制論議についてお伺いします。先週でしたか、国の方で道州制のたたき台という形でさまざまな案が出てきたと思います。東北のくくりで見てみますと、やはり東北は一つというような考え方がたたき台としては出てきたように思っていますけれども、この9月に、北東北知事サミットの中で3県の在り方の最終的な形をお出しになるというふうにお聞きしているのですけれども、国の論議のたたき台だと思いますけれども、東北が一つなのだという考え方と北東北の在り方について知事はどのような整合性といいますか、考え方をお持ちかということを一つお伺いしたいと思います。
 2点目は、前回もお聞きしましたけれども、公社改革の関係で、先週、今週と公社の総会シーズンでいろいろな問題を抱えている公社でいろいろな報告が出てきています。しかし、見てみますと農業公社、それから肉牛生産公社に関しては、明日、総会があると思いますけれども、なかなか具体的なところに踏み込んだ形で解決策というものが出てくるものではないというふうに認識しております。知事は、たしか5月にはというお話だったのですけれども、ちょっとずれ込んでいるような気がするのですが、その辺の理由をお聞かせいただきたいと思います。

知 事

 まず、道州制ですが、国の方は随分作業を急ピッチで進めているという印象を持っていますけれども、ある種ああいう形で具体的な姿を見せて、それで議論を深めたいという意向なのだろうと思います。この問題について、意味付けも含めて議論をしっかりと深める時期ですから、特に国民、それから我々にとってみれば県民レベルでこういうものが地域にとってどういう影響がこれから出てくるかとかということをやはり着実に少し時間をかけてでもやっていって将来につなげていくべき時期だと思っています。特に北東北三県でいろいろな連携事業をやってきましたけれども、それはそれとして、こういう道州制の議論ということもしっかりと、しかも最後は大きな制度ですから、国会などで決めていかなければならない制度ですけれども、十分な地元の議論だとか、地元の自治体の意見なしに進めていくべき話では決してありませんので、我々は我々の立場でこの問題を考えていく必要があるのではないかと思います。いい、悪い別にして、そういう時期ですので、北東北三県の連携事業の具体的な実績を積み重ねることは今の制度の中でやれる話ですが、道州制というのは全く新しい制度ですから、やはり道州制の意味とか原点に立ち返って、時間かけてじっくりやっていくべき話だろうと思います。
 それから、具体的なくくりが出てきましたが、これはたたき台ということなのだろうと思うのですけれども、東北はやはり一つだと私は思います。ですから、これからは北東北三県で隣県との協力関係を築くというのはどんな場合でもやはりベースになりますので、隣県同士の競争というよりは、やはり隣県同士で協力して、より効果が見出せるところはそういう方向を見出していくべきだと思います。北東北三県での連携事業の成果などは、それはそれで私どもは他の2県と相談してそういう姿を出したいと思います。東北を一つの地域として考えるというのは北東北三県のさまざまなつながりをやることと決して矛盾するものではなくて、お互い同じような北東北三県から、さらに東北全体をどうやって振興させていくのかという中での話だろうと思います。政府の方で今回ああいうくくりを出しましたけれども、単にくくりの方にあまり目をとらわれずに、やはり国のやっている仕事を地方の方に大きく分権していくという視点ですとか、大事なポイントをしっかりと押さえているかどうかということをしっかりと見ながら、各県もそうでしょうけれども、やはり地方団体として意見とか、対案などを言っていくことがこれから大事ではないかなと思います。そういう地道な積み重ねをこれからしていく時期ではないかなと考えています。
 地方制度調査会での議論ですし、たたき台ということなので、これを踏まえて、また政府でどういうふうに進めていくのかとか大議論になるのだろうと思いますけれども、やはりそういう確実な議論というのがこれから必要になってくるのではないかなと私は捉えています。
 それから、2点目の公社の関係です。ちょうど今お話になった農業関係の公社について、明日、総会が開かれるわけですけれども、特に農業公社の関係については以前にご質問がありましたが、5月中に農業公社の方でも今後の改善案のようなものを検討したいということでしたけれども、先般、農業公社の方から南畑の事業用地について、内部で今再評価を進めているようです。当然してもらわなくてはいけないのですが、その再評価に若干時間がかかるということなので、6月にずれ込むことになります。これは明日で5月が最後ですから、5月はちょっと間に合わないようなので、前回申し上げた時も5月中にはそういった姿がはっきりと出せればと思っていましたけれども、作業がそういうことのようなのですが、着実に作業を進めていく必要がありますから、全体から見ればやむを得ないと思っています。6月にはそういった、特に問題となる南畑の事業用地の再評価をしっかりとやっていただいた上でどういう改善計画にしていくのかということをきちんとつくって、それで明らかにしていくべきと考えています。肉牛公社も内部でいろいろ作業をやっているようですけれども、まだ詳しい具体的な報告は聞いておりませんが、いずれにしても農業関係の公社についてはさまざまな問題を抱えていますので、見直しをよく進めていきたいと思います。

記 者

 今のお話を受けて、改めて二つお聞きします。
 道州制の関係で、最後に分権のお話をなさったと思います。道州制の論議の中では、形とともにどういう仕事をしていくのかという役割分担というのが大きくなってくると思うのですが、そういった中で例の三位一体の成果について和歌山でしたか、たしか検証して出していたと思います。岩手県として、分権を進めていく上で昨今の三位一体で実際に受けたものについて検証というお考えがあるのかどうか。
 それから、公社に関連しては、農業公社の外部経営評価のリポートの中で、県に対して相当のリスク負担を要請する必要があるという「リスク負担」という言葉が出てきます。このリスクについては、いろいろ捉え方はあると思いますが、知事ご自身は、「リスク」という意味はどういう意味合いを持ったものだと受け止めていらっしゃいますか。

知 事

 まず1点目、三位一体の関係ですけれども、初年度と2年目の内容がどうだったかというのは既に検証しています。改革の途上なので、非常に不十分だという捉え方をしています。和歌山のものは私も具体的に見ていないので、どういうレベルでやっているのかちょっとわかりませんが、岩手県なりに昨年の成果はこういうものだったと分析をしています。一言で言うと、地方の自由度が高まるということにはほど遠いという総括をしています。
 それから、県として農業公社の経営をリスクを抱えずに確実な経営にしていくため県としての方策がどういうものかということで捉えていますので、単純に言うとすぐに「リスク負担」を財政負担というふうに捉えるかどうかの問題はあると思いますけれども、すぐにそういうふうに考えずに、もう少し広い意味で考えていく必要があるのではないでしょうか。当時あの土地を取得した時のいきさつは、やはりどう見ても多分バブルの時にいろいろ考えてやったのだろうと思うのです。だから、当時の関係者もいろいろあったのでしょうけれども、結果として全然うまくいっていないわけです。ですから、当時のことから見ると官民通じてそうなのですけれども、そういったものが非常に負担になってきているのです。やはり公社の今後の経営にとってみれば確かに負担になっていますし、公社の今後の経営を危うくするリスクにはつながっているだろうと思うのですが、それをどう処理するか、多角的に検討していく必要があるのだろうと思うのですけれども、あとは今の時代の処理方策としてご理解いただけるかどうかだろうと思います。改善計画の内容については今検討中ですので、その中でよく検討したいと思っています。

記 者

 先週から全国知事会で憲法問題の話について議論が始まったと思うのですけれども、その点についてちょっとお伺いしたいのです。憲法の地方自治の関係で改正の今回の論点というのが、例えば先ほどお話しされた道州制導入の是非とか、自治体の課税自主権の問題とか、あと住民投票の制度化などが挙げられると思うのですけれども、今回の憲法改正の地方自治に関してどのような考え方をお持ちなのか、ちょっと教えていただければと思います。

知 事

 全国知事会の特別委員会で議論を始めているのですが、私は特にメンバーになりませんでしたけれども、憲法ですから、よほどこの問題については深く掘り下げて議論する必要があるなと思うのです。今ご承知のとおり、第92条以下に地方自治の本旨ということで極めて簡単な規定があるのですが、簡単であるが故にいろいろな立場の人たちにとっていろいろな解釈ができるような、そういうものになっているのです。あえてこの時期に、他の憲法問題として、第9条の問題とかいろいろありますけれども、その時に地方自治の部分を改正問題で触れる必要があるのかどうかから議論する必要があるのではないでしょうか。今の規定で何が不十分かどうか、それは我々の立場からいえばいろいろなことを入れてほしいと言い出せば切りがないようなところもあるのですけれども、ただやはり憲法であり、普通の法律の改正とは違いますから、相当掘り下げて議論をする必要があるのと、それから今の憲法の議論というのはどちらかというと第9条の問題ですから、他の問題がいろいろあるが故に、さまざまな憲法改正の問題については、この時期に制定の経緯から含めていろいろと問題が出てきているので、多分地方自治の問題だけであったらそういうことの議論になっていないと思うのです。ですから、本当に今の憲法の中で地方自治の部分で不足しているところがあるのかどうかとか、運用のされ方とかということであえて改正まで踏み込むかどうかまでやる必要があるのか、何が不都合なのかということをよく議論する必要があるのではないかと思います。
 11月に特別委員会で中間報告をまとめるような、かなり急ピッチな作業日程になっているようですが、特別委員会として全国知事会の中でやって、いずれは全国知事会の総会などにもかかってくるのかと思うのですが、それまでにスケジュール的にも本当にそういう議論ができるのかなと思います。ただ、今改正のいろいろな動きが一方ではあるので、それに対してのいろいろな意思表明を地方自治の部分についても言うという意味合いなのかもしれません。その内容にもよると思いますけれども、私はしっかりと基本の議論をしないといけないなという気がしていますし、慎重にこの問題を考えなければいけないのではないかと私は思っています。特に具体的にそれ以上のことは今のところありませんけれども、やはり第9条の議論などに比べて国民の間にもまだ十分にこの地方自治の第92条以下の部分でどういう議論があるのかということもまだあまり浸透していないような気がします。ですから、かなり慎重にこの問題は我々としても取り扱うべきではないかと思っています。

広聴広報課

 他になければ、以上で記者会見を終わらせていただきます。  




次の定例記者会見は6月6日(月)の予定です。


  
                  (作成:広聴広報課)